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死亡届と死体火葬許可の手続き|提出期限・提出先・必要書類・24時間ルールを解説

最終更新日:2026年9月16日|監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

監修の範囲:相続・登記・法務に関する記述(司法書士・行政書士の業務範囲)。片付け・買取・費用相場などの記述は安心実家じまい事務局が編集しています。監修者プロフィール

税金について:税額の計算や特例を使えるかどうかの判断は税理士の業務で、監修の範囲に含みません。申告の前に、税理士または所轄の税務署でご確認ください。

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内(国外での死亡は3か月以内)に提出する義務があります(戸籍法86条)。
  • 死亡届と死体火葬許可申請書は同時に、同じ窓口へ提出するのが実務上の基本です。届出が受理されると、その場で火葬許可証が交付されます。
  • 火葬・埋葬は死亡後24時間を経過してからでなければ行えません(墓地、埋葬等に関する法律3条)。感染症法上の一類感染症等による死亡はこの限りではありません。
  • 提出先は「死亡地」「故人の本籍地」「届出人の住所地」のいずれかの市区町村役場の3パターンから選べます。夜間・休日は宿直窓口での受付も可能です。
  • 実務では多くの場合葬儀社が記入・提出を代行しますが、届出人(署名者)になれる人には戸籍法上の優先順位があります。
目次

死亡届とは?死体火葬許可申請とセットで理解する

死亡届とは、人が死亡した事実を市区町村長に届け出て、戸籍にその旨を反映させるための法律上の手続きです。戸籍法86条により、届出義務者は死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡があったときは、その事実を知った日から3か月以内)に届け出なければならないと定められています。届出を怠ると、戸籍法137条により5万円以下の過料の対象になり得ます。

死亡届と切り離せないのが「死体火葬許可申請」です。日本では、墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)3条により、埋葬又は火葬は死亡後24時間を経過した後でなければ行えないと定められており、さらに同法5条により、火葬を行うには市区町村長の許可(火葬許可証)が必要です。実務上、死亡届と火葬許可申請書は同じ用紙・同じタイミングで役所に提出することがほとんどで、死亡届が受理されると同時に火葬許可証が発行される運用になっています。つまり「死亡届を出す」ことは、同時に「火葬をするための許可を取る」ことでもあるという理解が、手続き全体を把握するうえでの出発点になります。

死亡診断書・死体検案書との関係

死亡届の用紙はA3サイズで、左半分が「死亡届」、右半分が「死亡診断書」または「死体検案書」になっています。右半分は、病院で亡くなった場合は主治医が、自宅で突然死亡した場合や事故・事件性が疑われる場合は警察医・監察医等が記入します。左半分の届出欄は遺族などの届出人が記入します。この用紙が1枚揃って初めて、死亡届と火葬許可申請の両方の手続きが進められる状態になります。

「死亡診断書」と「死体検案書」は、どちらの様式を使うかが違うだけで、死亡届の右半分に記入される書類という点は同じです。どちらが作成されるかによって、その後の流れや必要な日数に差が出ることがあるため、違いを押さえておくと安心です。

区分 作成する人 主なケース 発行までの目安
死亡診断書 診療していた医師(主治医) 入院中・通院中の持病の経過で死亡した場合。在宅医療のかかりつけ医が看取った場合 死亡確認後、当日〜数時間程度
死体検案書 警察医・監察医(検視・検案を行った医師) かかりつけ医のいない突然死、事故、事件性の疑いがある場合など 検視・検案の完了後。状況により当日〜数日かかることもある

死亡診断書・死体検案書の発行費用

死亡診断書・死体検案書の発行には文書料がかかります。金額は病院・医療機関によって異なり、健康保険は適用されない自由診療扱いです。死亡届の提出自体(役所での受付)や、火葬許可証の発行そのものには、多くの自治体で手数料はかかりません。費用が発生するのは主に医師による文書作成の部分であることを押さえておくと、葬儀費用全体の見通しを立てやすくなります。金額の具体的な目安は病院・地域によって差があるため、発行時に窓口で確認してください。

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死亡届は誰が・いつまでに・どこへ出すか【比較表】

死亡届の手続きは「誰が届出人になれるか」「いつまでに出すか」「どこに出すか」の3点を押さえると全体像がつかめます。以下の表に実務上の要点をまとめました。

項目 内容 根拠・補足
届出義務者 同居の親族が最優先。次いでその他の同居者、家主・地主・家屋管理人の順(戸籍法87条が定める義務者) 戸籍法87条。同居していない親族・後見人等は義務者ではなく、任意の届出人として提出可能
提出期限 死亡の事実を知った日から7日以内(国外での死亡は3か月以内) 戸籍法86条。実務上は火葬のスケジュールに合わせ当日〜翌日に提出することが多い
提出先(3パターン) ①死亡地の市区町村役場 ②故人の本籍地の市区町村役場 ③届出人(届出をする人)の住所地の市区町村役場 戸籍法25条・88条。いずれか都合のよい役場を選べる
受付窓口 平日は戸籍担当窓口。夜間・休日は市区町村の宿直(警備員室)窓口で仮受付 多くの自治体で24時間受付。ただし休日夜間は形式審査のみで、火葬許可証の即日発行ができない自治体もあるため事前に電話確認が必要
提出方法 窓口持参が原則。郵送を受け付ける自治体もあるが、死亡診断書の原本送付や本人確認の関係で当日受理が難しいため、火葬を急ぐ場合は推奨されない 自治体ごとに運用が異なる。多くの場合、葬儀社が代行して窓口へ持参する
代行提出 葬儀社のスタッフなど、届出人以外の人物が窓口へ持参すること自体は可能 ただし届出欄への署名(届出人の記名)は、戸籍法上の届出人本人が行う必要がある

この表からわかるとおり、届出人になれる人(署名する人)と、窓口へ持っていく人(使者)は分けて考えることができます。葬儀社が「死亡届の提出を代行します」という場合、多くは使者としての持参代行を指しており、届出欄の記入・署名は遺族側で行うのが一般的です。

死亡届・火葬許可申請の必要書類チェックリスト

手続き当日に慌てないよう、必要書類は事前に確認しておきましょう。印刷して、持ち物確認用にご活用ください。

持ち物 チェックのポイント
死亡届(死亡診断書・死体検案書と一体の用紙) 右半分に医師が記入済みであることを確認。原本1通が基本(自治体によりコピー可否が異なる)
届出人の印鑑 2021年の法改正で押印は任意になったが、訂正時に使う場合があるため持参しておくと安心(認印で可、シャチハタ不可の自治体が多い)
届出人の本人確認書類 運転免許証・マイナンバーカードなど。窓口で提示を求められる場合がある
故人の情報(本籍地・筆頭者名) 本籍地が分からない場合は本籍地欄を空欄にせず、後で確認して記入する運用の自治体もある。事前に確認しておくとスムーズ
火葬場の予約状況 先に葬儀社経由で火葬場の空き状況を確認し、火葬日時を決めてから死亡届を提出すると、許可証の日付と実際の火葬日を合わせやすい
国民健康保険証・後期高齢者医療被保険者証 死亡届と同時、または別窓口で返却を求められる。持参しておくと二度手間にならない
年金手帳・年金証書 死亡届とは別手続きだが、同じ役所で対応できる場合があるため持参すると効率的

特に見落としやすいのが「本籍地」の確認です。故人の本籍地は住所地と異なることが多く、正確に分からないまま窓口へ行くと、記入や確認に時間がかかることがあります。可能であれば、故人の戸籍謄本や本籍地が記載された書類を事前に確認しておくと、当日の手続きが早く進みます。

死体火葬許可申請から火葬許可証交付までの流れ【手順表】

死亡から火葬許可証を受け取るまでの標準的な流れを、時系列の手順表にまとめました。地域や自治体によって細部は異なりますが、全体の流れを把握しておくと当日の動きがイメージしやすくなります。

順番 手続き 担当・場所
1 死亡の確認・死亡診断書(死体検案書)の作成 病院の医師、または警察医・監察医(自宅等での死亡の場合)
2 葬儀社の手配、火葬場・火葬日時の仮予約 遺族・葬儀社
3 死亡届(死体火葬許可申請書を含む)の記入 届出人(同居親族が優先)
4 市区町村役場の戸籍担当窓口(または宿直窓口)へ提出 届出人、または使者として葬儀社スタッフが持参
5 窓口での形式審査・戸籍への死亡記載準備 市区町村役場
6 死体火葬許可証の交付 市区町村役場(死亡届の受理と同時、または当日中)
7 火葬許可証を火葬場へ提出、火葬の実施(死亡後24時間経過後) 火葬場
8 火葬済みの証明印が押された許可証(埋葬許可証)を受け取る 火葬場
9 埋葬許可証を墓地・霊園・納骨堂に提出(納骨時) 墓地・霊園の管理者

ここで重要なのが、手順6で交付される「火葬許可証」と、手順8で火葬済みの証明印が押された後の書類は、実質的に同じ1枚の紙だという点です。火葬場で証明印を押してもらった後のこの書類が、そのまま「埋葬許可証」として扱われます。紛失すると納骨の際に困るため、火葬後は骨壺と一緒に大切に保管しておく必要があります。

「死亡後24時間」ルールの実務上の意味

墓地、埋葬等に関する法律3条により、埋葬・火葬は死亡後24時間を経過してからでなければ行えません(妊娠7か月未満の死産を除く)。これは、死亡の確認をより確実にすることと、遺族が故人と最後の時間を過ごせるようにするための規定と考えられています。したがって、死亡当日に死亡届と火葬許可証の手続きを済ませたとしても、実際の火葬は最短でも死亡から丸1日経過した後になります。なお、感染症法に定める一類感染症等による死亡の場合は、この24時間ルールが適用されず、24時間以内の火葬が可能とされています。

死亡届の書き方で迷いやすいポイント

死亡届の用紙自体は市区町村や病院で入手でき、記入項目もあらかじめ印字されているため難しいものではありませんが、実務でつまずきやすい点がいくつかあります。

押印は任意になった(2021年9月〜)

2021年9月の戸籍法施行規則改正により、死亡届を含む戸籍の届書への押印は任意になりました。押印しなくても届出は有効ですが、記入内容の訂正時に訂正印を求められる場合があるため、印鑑を持参しておくと安心です。

届出人欄は「代筆」も認められる

届出人が高齢で自筆が難しい場合などは、代筆によって作成し、届出人本人が署名(または記名)する形でも受理されることがあります。判断が難しい場合は、提出前に窓口となる市区町村の戸籍担当課へ電話で確認しておくと確実です。

本籍地・筆頭者名が分からないとき

本籍地や戸籍の筆頭者名が正確に分からない場合は、空欄のまま提出できるか、後日追記でよいかを窓口で確認してください。自治体によって運用が異なるため、事前の電話確認が最も確実な方法です。

記入項目の全体像(サンプル構成)

死亡届の届出欄には、おおむね次の項目が並んでいます。実際の用紙のレイアウトは自治体・様式によって多少異なりますが、記入する情報の種類は共通しています。

記入欄 記入する内容 迷いやすいポイント
氏名・生年月日 故人の戸籍上の氏名(旧字体等に注意)と生年月日 戸籍に記載された字体と、普段使っている字体が異なる場合がある
死亡したとき 死亡診断書に記載された死亡日時をそのまま転記 右半分の記載と食い違わないよう、必ず確認しながら書き写す
死亡したところ 死亡診断書に記載された死亡場所の住所 病院名ではなく、行政上の住所表記で記入する
住所(住民登録をしているところ) 故人の住民票上の住所と世帯主名 入院・入所前の自宅住所と、実際に住民票を置いていた住所が異なる場合がある
本籍 故人の本籍地と戸籍の筆頭者名 本文で述べたとおり、正確に分からない場合は窓口で確認する
届出人の資格・署名・住所・連絡先 届出人が誰の立場で届け出るか(親族・同居者等)と署名 戸籍法上の届出人の優先順位に沿っているか確認する

死亡届提出後、その日のうちにやること

死亡届の提出と火葬許可証の受け取りが済んだあと、火葬の日までに済ませておきたい実務を時系列で整理します。

タイミング やること
死亡届提出・火葬許可証受領の直後 火葬許可証を紛失しないよう、葬儀社に預けるか、専用のファイルにまとめて保管する
通夜・葬儀までの間 健康保険証・介護保険証・年金手帳など、返却が必要な書類をまとめておく
火葬当日 火葬場の受付で火葬許可証を提出。火葬後、証明印が押された許可証(埋葬許可証)を受け取る
火葬後〜納骨まで 埋葬許可証を骨壺と一緒に保管し、納骨の際に墓地・霊園・納骨堂へ提出する

ケース別に見る死亡届・火葬許可申請の進め方

死亡の状況によって、手続きの進め方や気をつけるポイントが変わります。よくあるパターンを4つに分けて整理します。

ケースA:病院で亡くなった場合

もっとも一般的なケースです。病院の医師が死亡診断書を作成してくれるため、遺族は届出欄の記入と窓口への提出(または葬儀社への依頼)を行うだけで済みます。多くの場合、葬儀社が死亡診断書を受け取った直後から手続きの段取りをサポートしてくれるため、まずは葬儀社に連絡し、死亡診断書の原本を渡すところから始めるとスムーズです。

ケースB:自宅で亡くなった場合(持病があり、かかりつけ医がいる場合)

かかりつけ医がいて、その病状の経過から死亡が見込まれる状態であった場合は、かかりつけ医が死亡診断書を作成できることがあります。まずは救急車を呼ばず、かかりつけ医または在宅医療の主治医に連絡してください。診断内容によっては、死体検案書の扱いになることもあります。

ケースC:自宅で突然亡くなった場合(事件性が疑われる・かかりつけ医がいない)

持病がない状態で突然死亡した場合や、事件性が疑われる場合は、警察への連絡が必要です。警察による検視・検案の後、警察医または監察医が死体検案書を作成します。この場合、死亡診断書ではなく死体検案書となり、死亡届の提出自体は通常どおり可能ですが、検案の完了まで火葬までの日数が延びることがあります。焦らず、警察・葬儀社の案内に従って進めてください。

ケースD:身寄りがない、または届出人になれる親族がいない場合

同居の親族がいない、または連絡が取れない場合、戸籍法87条により、次にその他の同居者、家主・地主・家屋管理人の順に届出義務者が定められています。これらに該当する人がいない場合でも、同居していない親族や後見人・保佐人・補助人・任意後見人などが任意の届出人として届け出ることができます。該当する人が見当たらない場合は、病院や施設、または自治体の福祉担当窓口に相談してください。最終的には、居住していた市区町村長が職権で戸籍への記載を行う仕組みもあります。

ケースE:遠方に住む親族が対応する場合

故人と離れて暮らしていた親族が届出人になるケースも少なくありません。この場合、死亡届の提出先を「届出人の住所地」の役場にすることもできるため、必ずしも死亡地まで出向く必要はありません。ただし、火葬場の手配や遺体の安置など、現地でしか対応できない実務もあるため、地元の葬儀社に連絡を取り、死亡診断書の受け取りから火葬までの段取りを任せられるかどうかを早い段階で確認しておくと、移動の負担を抑えながら手続きを進められます。

死亡届の届出人になれる人の優先順位

戸籍法87条は、死亡届の届出義務者を次の順序で定めています。同居していない親族や後見人・保佐人・補助人・任意後見人等は義務者ではありませんが、順位にかかわらず任意の届出人になることができます。優先順位を知っておくと「誰が署名すべきか」で迷う場面を減らせます。

順位 届出人の区分 補足
1 同居の親族 配偶者・子・父母など、故人と同居していた親族が最優先
2 その他の同居者 内縁関係の相手、同居していた友人など、親族かどうかを問わない
3 家主・地主・家屋または土地の管理人 賃貸住宅の大家や、施設の管理者など

上記1〜3が戸籍法87条の定める届出義務者の順位です。これとは別に、同居していない親族(別居の子・きょうだいなど)や後見人・保佐人・補助人・任意後見人・任意後見受任者も、義務者の順位にかかわらず任意の届出人として届け出ることができます。親族が複数いる場合、必ずしも最も近い親等の人が届け出なければならないわけではなく、同居の有無が優先順位の決め手になります。たとえば同居していた子と、別居の配偶者がいる場合、同居していた子が届出人になることが一般的です。誰が届出人として署名するかで迷ったときは、この優先順位を目安にしつつ、家族間で話し合って決めて差し支えありません。

「おくやみコーナー」を活用して手続きをまとめる

近年、多くの市区町村で、死亡に伴う複数の手続きをワンストップで案内する「おくやみコーナー」の設置が進んでいます。死亡届自体は戸籍担当窓口での対応になりますが、その後に必要となる国民健康保険の資格喪失、介護保険の手続き、児童扶養手当や各種給付金の停止など、複数の課にまたがる手続きを、事前予約のうえで一度に案内してもらえる仕組みです。自治体によって名称や対応範囲は異なりますが、「何度も窓口を回らずに済む」という点は共通しています。死亡届を提出するタイミングで、あわせておくやみコーナーの予約が可能かどうかを、自治体のホームページや電話で確認しておくと、その後の手続きの負担を大きく減らせます。

死亡届に関するよくあるトラブルと防ぎ方

死亡届自体は形式的な手続きですが、周辺の段取りでつまずくケースが少なくありません。事務局として実家じまいや遺品整理のご相談を受ける中でよく耳にするパターンを紹介します。

  • 本籍地が分からず窓口で時間がかかる——本籍地は住民票の住所と異なることが多く、当日調べようとすると時間がかかります。可能であれば、故人の戸籍謄本や本籍地の記載がある書類を事前に確認しておきましょう。
  • 火葬場の予約と死亡届のタイミングがずれる——先に死亡届を出してから火葬場を探すと、希望日に空きがなく待たされることがあります。葬儀社に連絡した時点で、火葬場の空き状況の確認を並行して進めてもらうと無駄がありません。
  • 休日・夜間に亡くなり、届出人が慌てて動いてしまう——休日夜間でも宿直窓口で死亡届の仮受付ができる自治体がほとんどですが、火葬許可証の即日発行ができるかは自治体によって異なります。葬儀社に連絡すれば、地域ごとの実務運用を案内してもらえることが多いため、まず葬儀社へ相談することをおすすめします。
  • 健康保険証や年金手帳の返却を忘れる——死亡届の提出と同じタイミングで、健康保険や年金の資格喪失手続きも必要になります。窓口が異なる場合もあるため、事前に自治体のホームページや「おくやみコーナー」の案内で必要な手続きを一覧化しておくと、何度も足を運ばずに済みます。
  • 火葬許可証(埋葬許可証)を紛失してしまう——火葬後に受け取る証明印付きの許可証は、納骨の際に墓地・霊園へ提出する重要書類です。紛失した場合は、発行した市区町村役場で再交付を申請できますが、手続きに時間がかかることがあるため、骨壺と一緒に保管袋などにまとめておくことをおすすめします。

こうしたトラブルの多くは、「死亡届は葬儀の準備と同時並行で進める手続きである」という前提を持っておくことで防げます。死亡届単体で完結させようとせず、葬儀社への連絡・火葬場の予約・保険証や年金の手続きまで、一連の流れとして捉えておくと落ち着いて対応できます。

死亡届の後に続く主な手続き

死亡届と火葬許可申請が終わっても、行政・金融機関まわりの手続きはまだ多く残っています。代表的なものを整理しました。

手続き 期限の目安 窓口
健康保険・介護保険の資格喪失届 国民健康保険・介護保険は死亡から14日以内 市区町村役場
年金受給権者死亡届(年金の停止) 国民年金は死亡から14日以内、厚生年金は10日以内が目安 年金事務所・年金相談センター
世帯主変更届 死亡から14日以内(世帯主が死亡し、世帯に2人以上残る場合) 市区町村役場
故人の銀行口座の連絡・凍結 期限の定めはないが早めが望ましい 各金融機関
相続放棄の検討 自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内 家庭裁判所
相続税の申告・納付(対象者のみ) 相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内 税務署

このうち、年金の停止と国民健康保険の資格喪失手続きは、死亡届とあわせて同じ役所内の「おくやみコーナー」で案内してもらえる自治体が増えています。手続きの一覧を事前に自治体のホームページで確認しておくと、何度も窓口に足を運ぶ手間を減らせます。銀行口座の凍結解除の実務については故人の銀行口座の凍結解除|必要書類と仮払い制度で詳しく解説しています。

火葬許可証を紛失した場合の再発行

火葬許可証(埋葬許可証)を紛失した場合は、発行した市区町村役場の戸籍担当窓口で再交付を申請できます。多くの自治体では、死亡届を提出した際の記録が戸籍の記載事項として残っているため、身分証明書と申請書を提出すれば再発行が可能です。ただし、火葬から年数が経っている場合や、記録の確認に時間がかかる場合もあるため、必要になったらできるだけ早く申請することをおすすめします。すでに納骨を終えている場合は、墓地・霊園の管理者が発行する「収蔵証明書」などで代替できるケースもあるため、まずは管理者に相談してみてください。

海外で家族が亡くなった場合の死亡届

故人が海外で死亡した場合は、国内での死亡と手続きが異なります。まず、その国の法律に基づいて現地の死亡証明書(Death Certificate)を取得し、必要に応じて日本語への翻訳を用意します。日本への届出は、①在外公館(日本国大使館・総領事館)に届け出る方法と、②日本国内の市区町村役場に直接届け出る方法があります。期限は「死亡の事実を知った日から3か月以内」で、国内での死亡(7日以内)よりも長く設定されています。現地での火葬・埋葬の扱いは滞在国の法制度に従うことになるため、遺骨を日本に持ち帰る予定がある場合は、現地の葬儀社や在外公館に、必要な証明書類(火葬証明書等)についても早めに確認しておくことをおすすめします。

死亡届の手続きと実家じまい・遺品整理をあわせて考える

死亡届と火葬許可申請は、葬儀の直前・直後に必ず発生する手続きですが、その後には遺品整理や実家の処分、相続の手続きといった、より時間のかかる作業が控えています。安心実家じまいでは、こうした死後の実務が一段落したタイミングで、遺品整理や実家の片付けについてご相談いただくケースが多くあります。何から手をつければよいか分からない場合は、まずは状況をお聞かせいただければ、優先順位を一緒に整理いたします。遺品整理の流れや費用については遺品整理費用は相続財産から出せる?支払い方3つ・相続税・相続放棄の注意点もあわせてご覧ください。

よくある質問

死亡届はどこで入手できますか?
死亡届の用紙は、市区町村役場の戸籍担当窓口や、病院の医事課で入手できます。実際には、病院で亡くなった場合、右半分の死亡診断書を医師が記入した状態の用紙をそのまま受け取ることが多く、左半分の届出欄に遺族が記入する形になります。葬儀社が用紙の準備から案内までサポートしてくれることも一般的です。
死亡届の提出と火葬許可申請は別々に行う必要がありますか?
実務上は、多くの市区町村で死亡届と死体火葬許可申請書を同時に、同じ窓口へ提出する運用になっています。死亡届が受理されると、その場で(または当日中に)火葬許可証が交付されるため、別々の手続きとして意識する必要はほとんどありません。ただし自治体によって細部の運用が異なるため、不明な点は提出先の役場に確認することをおすすめします。
死亡届の提出を葬儀社に任せることはできますか?
窓口への持参(使者としての提出)は葬儀社に依頼できることが一般的です。ただし、届出欄への記入・署名は、戸籍法上の届出人(同居の親族などが優先されます)が行う必要があります。葬儀社が代行できる範囲と、遺族が対応すべき範囲を事前に確認しておくと安心です。
死亡届を7日以内に出せなかった場合はどうなりますか?
戸籍法137条により、正当な理由なく届出期間内に届け出なかった場合、5万円以下の過料の対象になり得ると定められています。ただし、実務上は火葬までに手続きが必要になるため、期限を過ぎて提出するケース自体がまれです。何らかの事情で遅れる見込みがある場合は、早めに市区町村の戸籍担当課へ相談してください。
火葬許可証を紛失した場合はどうすればよいですか?
火葬許可証(埋葬許可証)を発行した市区町村役場の戸籍担当窓口で、再交付を申請できます。死亡届を提出した記録は戸籍の記載事項として残っているため、身分証明書と申請書を提出すれば対応してもらえることが一般的です。すでに納骨済みの場合は、墓地・霊園の管理者が発行する収蔵証明書などで代替できるケースもあるため、まずは管理者に相談してみてください。
死亡届と一緒に済ませておくと効率がよい手続きはありますか?
健康保険証・介護保険証の返却や、年金の受給権者死亡届(年金の停止手続き)は、死亡届と近いタイミングで必要になります。自治体によっては「おくやみコーナー」で必要な手続きを一覧にして案内してくれるため、死亡届を提出する際にあわせて確認しておくと、何度も役所に足を運ぶ手間を減らせます。

まとめ

死亡届と死体火葬許可申請は、故人を送るために最初に必要となる、法律で定められた行政手続きです。要点を振り返ります。

  • 死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内(国外は3か月以内)に提出する(戸籍法86条)
  • 提出先は「死亡地」「故人の本籍地」「届出人の住所地」の3パターンから選べる(戸籍法25条・88条)
  • 死亡届と火葬許可申請書は同時に提出するのが実務の基本。受理と同時に火葬許可証が交付される
  • 火葬・埋葬は死亡後24時間を経過してからでなければ行えない(墓地、埋葬等に関する法律3条)
  • 届出欄への署名は届出人本人が行う必要があるが、窓口への持参は葬儀社に代行を依頼できる
  • 火葬許可証(埋葬許可証)は納骨時に必要な書類。紛失した場合は発行元の役場で再交付を申請できる

死亡届の手続き自体は、多くの場合葬儀社のサポートを受けながら進められます。分からない点があれば、提出先となる市区町村の戸籍担当課、または依頼している葬儀社に早めに確認することが、落ち着いて故人を送るための一番の近道です。手続きが一段落し、実家の片付けや遺品整理について検討する段階になりましたら、遺品整理サービスもあわせてご検討ください。

死亡届の後に必要な実家の整理・相続の手続きも、まとめてご相談いただけます

遺品整理・実家の売却・相続手続きまで、何から進めればよいか分からない場合も、まずは状況をお聞かせください。ご相談・お見積もりは無料です。

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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
運営は株式会社Sora Capital(東京都渋谷区・安心実家じまい事務局)です。相続・登記・法務に関する記述は、提携の司法書士・行政書士 久留慎一郎が監修しています。税額の計算や申告の判断は、税理士にご確認ください。

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