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相続財産清算人とは|費用・予納金・相続人がいない実家の手続き

最終更新日:2026年10月14日|監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

監修の範囲:相続・登記・法務に関する記述(司法書士・行政書士の業務範囲)。片付け・買取・費用相場などの記述は安心実家じまい事務局が編集しています。監修者プロフィール

税金について:税額の計算や特例を使えるかどうかの判断は税理士の業務で、監修の範囲に含みません。申告の前に、税理士または所轄の税務署でご確認ください。

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 相続財産清算人は、相続人が一人もいない(または全員が相続放棄した)実家・空き家を、家庭裁判所の監督のもとで清算する専門家です。自分で選ぶことはできず、裁判所が弁護士・司法書士の中から選任します。
  • 申立てには収入印紙800円・官報公告料5,075円のほか、財産管理に不足が出る場合は予納金(相当額)を家庭裁判所の指示で納める必要があります。予納金の具体額は財産の状況により裁判所が個別に判断するため、全国一律の金額は定められていません。
  • 手続きには公告期間を合わせて最低10か月以上かかり、実家が空き家のまま放置される期間が長引きます。
  • 最終的に相続人が現れなければ、特別縁故者への分与を経て、残りは国庫に帰属します。実家を誰かに託したい場合は、清算人選任に至る前の対策(遺言・特別縁故者の申出)が重要です。
目次

相続財産清算人とは何か

相続財産清算人とは、亡くなった人(被相続人)に相続人が一人もいない、または相続人全員が相続放棄をして誰も財産を引き継がない状態になったときに、家庭裁判所が選任して被相続人の財産を管理・清算させる人のことです。2023年4月の民法改正で、それまでの「相続財産管理人」という名称・制度が整理され、「相続財産清算人」という名称に変わりました。選任できるのは弁護士・司法書士などの専門家で、利害関係人(債権者・特別縁故者になり得る人など)や検察官が家庭裁判所に申立てを行い、裁判所が人選します。親族が「この人にお願いしたい」と指名することはできません。

実家じまいの場面でこの制度が関係してくるのは、主に次の2つのケースです。1つは、亡くなった人に戸籍上の相続人がもともといない(配偶者も子も、両親も、兄弟姉妹もすでに死亡・不存在)ケース。もう1つは、相続人はいるものの、負債が多いなどの理由で相続人全員が相続放棄をした結果、相続人が誰もいなくなったケースです。どちらの場合も、実家の名義は亡くなった人のまま固定され、誰も処分や管理の権限を持たない状態になります。空き家のまま放置すれば、近隣への迷惑や倒壊リスクが生じるため、債権者(固定資産税を徴収したい自治体や、生前の借入先など)や、生前親しくしていた人(特別縁故者になり得る人)が、この制度の利用を検討することになります。

相続財産清算人と相続財産管理人の違い

2023年3月までの民法では「相続財産管理人」という名称で、相続人がいるかどうか分からない間の財産管理と、相続人不存在が確定した後の清算を、同じ人が引き続き担う仕組みでした。改正後は、相続人がいるかどうか分からない間に家庭裁判所が選ぶ人を「相続財産管理人」、相続人の不存在が一定の公告手続きを経て確定した後に清算業務を行う人を「相続財産清算人」と呼び分けるようになり、公告の期間や手続きの進め方も一部短縮されました。実務上、実家じまいの相談で登場するのはほとんどの場合「相続財産清算人」です。本記事でもこの名称で説明します。

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相続財産清算人が選任される3つのケース【比較表】

相続財産清算人の選任が必要になる典型的なケースを、立場別に整理しました。自分がどの立場に近いかを確認してください。

申立てをする人の立場 典型的な状況 選任を求める目的
債権者(金融機関・個人など) 亡くなった人に貸していたお金を回収したいが、相続人がいない・全員が相続放棄した 清算人を通じて実家などの財産を処分し、債権の支払いを受ける
自治体・固定資産税の徴収担当 空き家の固定資産税が長期間未納。相続人も不明 財産を清算して税の徴収を図る、または空き家対策の前提を整える
特別縁故者になり得る人(内縁の配偶者・事実上の養子・長年世話をした親族でない人など) 法律上の相続人ではないが、生前に身の回りの世話をしていた 相続人不存在を確定させ、特別縁故者として財産分与の申立てをする
検察官 上記の申立人がいない場合に、国の利益(最終的な国庫帰属)の観点から申立てることがある 財産関係を適正に整理する

実家じまいの相談で多いのは、2番目(自治体からの空き家対策の一環)と3番目(長年同居・介護していたが戸籍上の相続人ではない人からの相談)です。特に「内縁関係だった」「甥や姪の配偶者として長年世話をしていた」といったケースでは、相続財産清算人の選任を経て特別縁故者の申出をしない限り、実家を含む財産を受け取る法的な道がないため、早めに司法書士や弁護士へ相談することが重要です。

相続財産清算人の選任申立てにかかる費用

費用の内訳は、裁判所に支払う手数料等と、財産管理に不足が出た場合の予納金の大きく2種類に分かれます。金額は裁判所の公式資料に基づく部分と、実務上の目安としてしか示せない部分があるため、分けて説明します。

裁判所に支払う定額の費用(公式資料ベース)

家庭裁判所の手引きによれば、申立て時に必要な費用は次のとおりです。

費用の項目 金額 備考
収入印紙 800円 被相続人1人につき。申立書に貼付する
連絡用の郵便切手 裁判所ごとに異なる(1,000円前後が目安) 申立て時に裁判所へ確認するのが確実
官報公告料 5,075円 家庭裁判所からの指示があった後に納付する

この内訳は裁判所(家庭裁判所)が公開している申立ての手引きに基づくもので、全国的に大きくは変わりません。出典:裁判所「相続財産清算人の選任」。

予納金はいくら必要か(実務上の目安と注意点)

相続財産清算人の選任で、申立人にとって最も負担が大きいのが予納金です。裁判所の公式な説明では「相続財産の内容から,相続財産清算人が相続財産を管理するために必要な費用(相続財産清算人に対する報酬を含む。)に不足が出る可能性がある場合には,相続財産清算人が円滑に事務を行うことができるように,申立人に相当額を予納金として納付していただくことがあります」とされており、具体的な金額や全国一律の基準は公式には示されていません。

実務上は、弁護士・司法書士事務所が公開している解説記事などで「20万円〜100万円程度」が目安として紹介されることが多く、財産に現金や売却しやすい資産がほとんどなく、空き家など処分に手間がかかる不動産が中心である場合ほど、高額になりやすいとされています。ただし、これは複数の専門家サイトでの一般的な説明であり、個別の金額は申立てを行う家庭裁判所が、対象財産の状況を踏まえて都度判断します。正確な金額を知りたい場合は、申立てを予定している家庭裁判所に直接確認するか、司法書士・弁護士に相談してください。

予納金は、相続財産清算人の報酬や、空き家の管理費・解体費・測量費など、清算業務にかかる費用に充てられます。清算の結果、財産を売却できて費用を上回る現金が残った場合は、使われなかった予納金が申立人に返還されることがあります。逆に、財産がほとんど現金化できず費用倒れになった場合は、予納金が戻らないこともあります。この点は申立て前に必ず確認しておきたいポイントです。

予納金を用意できない場合はどうするか

予納金の用意が難しい場合、申立て自体を見合わせるケースもありますが、債権者であれば債権額との比較で申立ての是非を検討する、特別縁故者になり得る立場であれば、財産分与で受け取れる見込み額と予納金額を比較して判断するという考え方が一般的です。実家の資産価値がある程度見込める場合は、不動産会社や遺品整理・実家じまいの専門業者に概算の資産価値や処分費用を確認したうえで、予納金の負担が見込みに対して妥当かどうかを判断すると、無理な申立てを避けられます。

相続財産清算人選任の手続きの流れとスケジュール

申立てから財産の清算・国庫帰属までの流れを、期間の目安とともに整理します。実家が空き家のまま置かれる期間を把握する目的でも、全体の流れを知っておくことが重要です。

段階 内容 期間の目安
①申立て 利害関係人または検察官が家庭裁判所に申立書類を提出 -
②選任・公告 裁判所が相続財産清算人を選任し、選任された旨と、相続人がいれば6か月以内に申し出るよう官報で公告 公告期間6か月以上
③債権者・受遺者への公告 清算人が、債権者や遺言で財産を受け取る人に対して2か月以上の期間を定めて申出を求める公告を行う 2か月以上(②と並行可)
④相続人捜索の公告 ②の公告期間満了後、相続人としての権利を主張する人がいるかを改めて6か月以上の期間で公告 6か月以上
⑤相続人不存在の確定 ④の期間内に申出がなければ、相続人の不存在が確定 -
⑥特別縁故者の申出・財産分与 特別縁故者になり得る人が、相続人不存在確定後3か月以内に家庭裁判所へ申立て 3か月以内
⑦残余財産の国庫帰属 特別縁故者への分与が行われなかった財産、または分与後に残った財産は国庫に帰属 -

この流れからも分かるとおり、申立てから相続人不存在が確定するまでに最低でも10か月前後かかり、特別縁故者への分与や財産の売却まで含めると、1年以上かかることも珍しくありません。実家が空き家のまま長期間放置される間は、固定資産税の負担や、建物の劣化・近隣トラブルのリスクが続きます。相続財産清算人の選任を待つしかないケースもありますが、相続放棄を検討している段階であれば、放棄前に実家の管理方法について司法書士・弁護士に相談しておくことをおすすめします。

相続財産清算人選任と相続税・特別縁故者への分与の関係

相続財産清算人の手続きの先に、税金の問題が関わってくる場面があります。特に特別縁故者として財産分与を受ける場合は、相続税の計算方法が通常の相続とは異なります。

特別縁故者が財産分与を受けた場合の相続税

特別縁故者が家庭裁判所の審判で財産の分与を受けた場合、その財産は「遺贈により取得したもの」とみなされ、相続税の対象になります。法定相続人がいないケースのため、相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の計算式で法定相続人の数が0となり、基礎控除額は3,000万円になります(国税庁タックスアンサー No.4152「相続税の計算」の考え方に基づく)。分与を受けた財産の価額が3,000万円以下であれば、相続税はかからない計算です。

また、特別縁故者は被相続人の一親等の血族・配偶者のいずれにも当たらないため、相続税額に2割を加算する「相続税額の2割加算」の対象になります(国税庁タックスアンサー No.4157「相続税額の2割加算」)。分与を受ける財産が多い場合は、通常の相続より税負担が重くなる点を踏まえて、申告の準備を進める必要があります。相続税の申告期限は、財産分与の審判が確定した日の翌日から10か月以内です。期限を過ぎると延滞税や無申告加算税の対象になり得るため、分与が決まった時点で早めに税理士へ相談することをおすすめします。

出典・参考(一次情報)

実家じまいの実務チェックリスト【印刷して使える】

相続人がいない・相続放棄を検討している実家について、着手前に確認しておきたい項目を一覧にしました。印刷して、ご自身の状況の確認用にご活用ください。

確認項目 チェックのポイント
戸籍上の相続人の有無 配偶者・子・親・兄弟姉妹・代襲相続人まで戸籍で確認する(見落としがちな甥姪も要確認)
相続放棄をした人の有無 自分以外の相続人が既に相続放棄をしていないか確認する
自分の立場の確認 債権者・特別縁故者になり得る立場・法定相続人のいずれにも当たらないかを整理する
実家の管理状況 空き家のまま放置されていないか、固定資産税の納付状況を確認する
財産の内容の把握 不動産・現金・負債の概算を把握し、予納金の負担と見合うか検討する
相続放棄の期限の確認 相続放棄を検討している場合、自己のために相続の開始を知った時から3か月以内に申立てが必要
専門家への相談 司法書士・弁護士に、相続財産清算人の選任申立てが必要かどうかを相談する
空き家の管理・保全 手続き期間中(1年前後)の雨漏り・倒壊・不法侵入などのリスクに対する管理方法を検討する

このチェックリストのうち、特に見落とされやすいのが「自分の立場の確認」です。長年実家の世話をしていた親族でも、戸籍上の相続人に当たらない場合は、相続財産清算人の選任と特別縁故者の申出という手順を踏まなければ、実家を受け取る法的な根拠がありません。早い段階で司法書士・弁護士に相談し、自分がどの立場にあるかを明確にしておくことが、手続き全体をスムーズに進める近道です。

ケース別に見る相続財産清算人への向き合い方

相続財産清算人が関わってくる状況は、立場によって取るべき対応が変わります。よくあるパターンを4つ挙げて整理します。

ケースA:実家の相続人が本当に誰もいない場合

配偶者も子もなく、両親・兄弟姉妹もすでに死亡し、代襲相続人もいない場合は、実家の名義を動かす手段がなく、空き家のまま固定資産税だけが発生し続けます。固定資産税の徴収担当(自治体)や、生前の債権者が相続財産清算人の選任を申立てることが多く、関係者自身が特に動かなくても手続きが進む場合があります。ただし、長年空き家のまま放置すると、特定空家等に指定されるリスクもあるため、近隣への配慮として早めに自治体へ相談しておくことをおすすめします。

ケースB:相続人全員が相続放棄を検討・実行している場合

借金が多いなどの理由で相続放棄を検討している場合、放棄すること自体は可能ですが、放棄後も実家の管理責任が一定期間残ることがあります(民法上、相続放棄をした人が次の管理者が決まるまで保存義務を負う場合があります)。相続放棄をする前に、実家の管理を誰が引き継ぐのか、相続財産清算人の選任が必要になりそうかを、司法書士や弁護士に確認しておくと、放棄後のトラブルを避けられます。相続放棄の手続き自体の詳細は相続放棄の手続き・費用・期限で解説しています。

ケースC:内縁関係・長年の世話をしていたが戸籍上の相続人ではない場合

内縁の配偶者や、事実上養子のように育った人、長年介護や身の回りの世話をしていた親族でない人は、法定相続人にはなれません。実家を含む財産を受け取りたい場合は、相続財産清算人の選任を経て、相続人不存在が確定した後3か月以内に、特別縁故者として家庭裁判所に財産分与の申立てをする必要があります。生前に「お礼をしたい」という意向があった場合は、遺言書の作成や死因贈与契約を結んでおくことで、相続財産清算人の手続きを経ずに財産を受け取れる可能性が高まります。将来同様の立場になりそうな人がいる場合は、早めに遺言の準備を検討することをおすすめします。

ケースD:空き家をできるだけ早く処分したい場合

相続人がいない実家について、「とにかく早く空き家をどうにかしたい」という相談も多くあります。しかし相続財産清算人の選任から相続人不存在の確定までは、公告期間だけで最低10か月前後かかり、申立人(通常は債権者や特別縁故者になり得る人)がいなければ手続き自体が始まりません。急いで解体や処分をしたい場合でも、法律上の手順を省略することはできないため、まずは自分がどの立場で申立てができるかを司法書士・弁護士に確認し、手続きの見通しを立てることが先決です。手続きの進行と並行して、実家の管理(雨漏り対応・庭木の手入れ・不法侵入の防止など)を安心実家じまいのような専門業者に依頼する方法もあります。

相続財産清算人の選任を避けられる生前対策

相続財産清算人の選任は、公告期間を含めて長期間かかり、申立人にとっても予納金の負担が重い手続きです。将来、自分の実家や財産について「相続人がいない、あるいは相続人に負担をかけたくない」という事情がある場合は、生前のうちに対策をしておくことで、この手続きを避けられる可能性があります。

  • 遺言書の作成——お世話になった人や団体に財産を遺したい場合、公正証書遺言などで明確に指定しておけば、相続財産清算人の選任や特別縁故者の申出を経ずに、遺言の内容どおりに財産を渡すことができます。
  • 死因贈与契約——生前に「亡くなったら実家を譲る」という契約を結んでおく方法もあります。契約の形で明確にしておくことで、相続財産清算人を介さずに財産を渡せます。
  • 実家の生前整理・生前売却——相続人がいない場合、実家を所有し続けることが将来の負担になりやすいため、生前のうちに売却や解体を検討する選択肢もあります。

遺言書の作成や死因贈与契約は、内容や形式を誤ると無効になったり、意図しない相続税の負担が生じたりすることがあります。実行する前に、必ず司法書士や弁護士など専門家に相談してください。実家の名義や登記の状況を確認したい場合は相続登記の義務化・2027年3月末期限|実家の登記はお済みですかもあわせてご覧ください。

よくある質問

相続財産清算人は自分で選べますか?
選べません。相続財産清算人は、利害関係人または検察官が家庭裁判所に申立てを行い、家庭裁判所が弁護士・司法書士などの専門家の中から選任します。申立人が特定の人を指名することはできません。
相続財産清算人の選任にはどのくらいの期間がかかりますか?
申立てから相続人不存在が確定するまで、官報公告の期間(合計で6か月以上)を含めて最低10か月前後かかります。特別縁故者への財産分与や、不動産の売却まで含めると1年以上かかることも珍しくありません。
予納金はいくら必要ですか?また戻ってきますか?
家庭裁判所の公式な説明では「相当額」とされ、全国一律の金額は定められていません。実務上は20万円〜100万円程度が目安として紹介されることが多いですが、財産の状況によって裁判所が個別に判断します。清算の結果、費用を上回る財産が残れば予納金の一部が返還されることがありますが、財産がほとんど現金化できない場合は戻らないこともあります。正確な金額や返還の見込みは、申立てを予定している家庭裁判所に確認してください。
特別縁故者として財産分与を受けると、相続税はかかりますか?
分与を受けた財産は遺贈により取得したものとみなされ、相続税の対象になります。法定相続人がいないため基礎控除額は3,000万円となり、この範囲内であれば相続税はかかりません。ただし特別縁故者は相続税額の2割加算の対象になるため、分与額が大きい場合は通常の相続より税負担が重くなる点に注意が必要です。

まとめ

相続財産清算人は、相続人が一人もいない、または相続人全員が相続放棄をした実家・財産を、家庭裁判所の監督のもとで整理するための制度です。要点を振り返ります。

  • 相続財産清算人は裁判所が選任する。申立人が指名することはできない
  • 申立ての定額費用は収入印紙800円・官報公告料5,075円。予納金は財産の状況により裁判所が個別に判断し、全国一律の金額はない(実務上の目安は20万〜100万円程度とされる)
  • 手続き全体は公告期間を含めて最低10か月前後、長引けば1年以上かかる
  • 特別縁故者として財産分与を受ける場合、相続税の基礎控除は3,000万円、かつ2割加算の対象になる
  • 残った財産は最終的に国庫に帰属する。財産を特定の人に渡したい場合は、生前の遺言・死因贈与契約で対策しておくことが有効

相続人がいない実家をどう扱うべきか、自分がどの立場で手続きに関わるのかは、ケースごとに判断が分かれます。判断に迷う場合は、一人で抱え込まず、司法書士や弁護士など専門家に相談してください。実家の名義・登記の状況から確認したい場合は相続登記の義務化・2027年3月末期限、実家をどう扱うべきか全体を整理したい場合は実家まるごと診断(無料)もあわせてご活用ください。

読むより、聞いたほうが
早いこともあります

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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
運営は株式会社Sora Capital(東京都渋谷区・安心実家じまい事務局)です。相続・登記・法務に関する記述は、提携の司法書士・行政書士 久留慎一郎が監修しています。税額の計算や申告の判断は、税理士にご確認ください。

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