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実家じまいとは?費用・手順・タイミング完全ガイド【2026年版】

最終更新日:2026年8月5日|監修:司法書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士。

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 実家じまいとは、誰も住まなくなった実家の家財整理・建物の処分(売却または解体)・相続手続きを行い、住まいをたたむことです。
  • 費用の目安は片付けが間取り別に3〜60万円、解体するなら木造30坪で90〜150万円、手続きが10万円前後〜
  • 進める順番は「相続人の合意→貴重品確保→片付け→査定→売却か解体か」。
  • 先に壊さない・先に捨てないが鉄則です。
  • 放置すると固定資産税が最大6倍になる可能性もあるため、現状把握だけでも早めに始めるのが得策です。
目次

実家じまいとは──遺品整理との違い

実家じまいとは、親が亡くなった、あるいは施設に入居したなどの事情で誰も住まなくなった実家について、家財の整理・建物の処分(売却または解体)・相続などの手続きを行い、住まいをたたむことをいいます。

よく混同されるのが遺品整理との違いです。遺品整理は「家の中の物」を整理する作業を指します。実家じまいはそれを一部に含む、家という不動産そのものをたたむまでのプロセス全体の呼び名です。範囲を整理すると次のようになります。

遺品整理 実家じまい
対象 家財(物) 家財+建物・土地+名義
ゴール 室内が片付いた状態 売却・解体・登記まで完了した状態
関わる相手 片付け業者、(供養なら)お寺 片付け業者・不動産会社・解体業者・司法書士・役所・お寺

関係者が5者以上にのぼるため、実家じまいでは「どの順番で誰に声をかけるか」で費用も手間も変わります。順番を間違えた典型例が「査定を取る前に解体してしまい、売れたはずの建物を自費で壊した」というケースです。本文で順を追って防ぎ方を説明します。

実家じまいで決めることは、突き詰めると3つです。「物をどうするか」「家と土地をどうするか」「名義と税金をどうするか」。物の整理は思い出がからむ感情の作業、不動産と登記は期限と数字の作業で、性質がまったく違います。両方を一人で同時に抱えると疲弊しやすいため、家族で役割を分けるか、実務部分を専門家に振り分けるのが現実的な進め方です。

「家じまい」との違い

似た言葉に「家じまい」があります。家じまいは、自分の持ち家も含めて住まいをたたむこと全般を指す広い言葉です。実家じまいはそのうち「親の家」を対象にした呼び方で、相続・遺品・親族間の合意といった要素が加わるぶん、関係者も論点も多くなります。本記事では後者、つまり親の家をたたむケースに絞って解説します。自宅の住み替えを検討している方にも、費用相場や手順の考え方はそのまま参考になるはずです。

なぜいま実家じまいが増えているのか

背景には統計と法制度の変化があります。

  • 空き家は全国約900万戸。総務省の住宅・土地統計調査(2023年)によると、住宅の7戸に1戸が空き家です。その少なくない部分が「処分を決められないままの実家」と考えられます。
  • 相続登記の義務化(2024年4月〜)。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請しないと、10万円以下の過料の対象になり得ます。義務化前の相続分も対象です。
  • 放置へのペナルティ強化。管理が行き届かず「特定空家」等に指定されると、固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。特例が外れると税額は最大6倍になる可能性があります。

つまり「実家をとりあえず置いておく」という選択肢が、登記の面からも税金の面からも塞がれつつあります。先送りのコストが年々上がっている、というのが現場の実感です。

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実家じまいのメリット・デメリット

着手を迷っている段階では、得られるものと失うものを一度、同じ表の上に並べてみるのが近道です。

メリット デメリット
お金 固定資産税・火災保険・光熱基本料など毎年の維持費が止まる。売却できれば資産を現金化できる 片付けに3〜60万円、解体するなら木造30坪で90〜150万円などのまとまった費用がかかる
リスク 特定空家指定(固定資産税が最大6倍になる可能性)や倒壊・空き巣・近隣トラブルの不安から解放される 手放した後に「やはり残したかった」と思っても取り戻せない
家族 不動産を現金に換えることで遺産分割がしやすくなり、管理を誰が担うかという火種も消える 相続人全員の合意形成に時間と労力がかかる。帰省先・集まる場所がなくなる
気持ち 「いつか片付けなければ」という長年の気がかりが消え、区切りがつく 思い出の詰まった家を手放す喪失感がある

注目したいのは、デメリットの多くが「進め方」で軽くできる点です。費用は補助金・買取の併用・売却代金からの清算で圧縮でき、喪失感は形見分けや思い出の品のデジタル化(後述)で和らげられます。合意形成の負担も、数字を共有しながら早めに話し始めるほど小さくなるものです。

一方、メリットの側は時間が経つほど得にくくなります。建物は放置期間に比例して傷み、売値は下がり、家財の物量は誰かが手を付けない限り減りません。「迷っている間もコストの針は動いている」——この非対称性が、実家じまいを先送りしないほうがよい最大の理由です。

実家じまいはいつやるべきか

着手のタイミングはきっかけごとに考えると判断しやすくなります。

きっかけ 動き方の目安
親が亡くなった 四十九日後〜1年以内に着手する方が多数。通帳・権利証など貴重品と重要書類の確保だけは葬儀後早めに。相続登記の3年の期限も意識する
親が施設に入居 売却の決断は急がなくてよい段階。ただし空き巣・劣化対策として貴重品の搬出と家財の減量は先に進めておく
空き家のまま数年経過 今すぐ現状把握を。雨漏り・シロアリ・庭木の越境は加速度的に進み、放置期間が長いほど売値が下がり片付け費用は上がる
親がまだ元気 実家じまいではなく生前整理の出番。本人と一緒に物を減らし、家の希望を聞いておくと将来の費用と負担が大きく変わる

共通するのは「決断は後でよいが、貴重品の確保と現状把握は先」という点です。ここだけは時間が経つほど不利になります。

なお「なかなか決断できない」というご相談も多く、理由はほぼ3つに集約されます。物量が多すぎてどこから手を付けてよいか分からない、売れるかどうか分からず動けない、思い出のある家を手放すのが寂しい——のいずれかです。3つとも「全部を一度に決めようとしている」ことが原因で、貴重品の確保と査定依頼という小さな一歩に分解すれば動き出せます。決断とは売る・壊すを決めることではなく、現状を知る作業を始めることだと捉え直してみてください。

実家じまいをしないとどうなるか──「何もしない」のコスト

放置した場合のコストも具体的に見ておきましょう。空き家でも固定資産税は毎年かかり、火災保険や水道の基本料金、草木の手入れといった管理費も続きます。帰省のたびに換気と通水をする交通費と時間も積み重なると小さくありません。さらに管理不全で特定空家等に指定されれば、住宅用地特例が外れて税額が最大6倍になる可能性があります。「何もしない」は無料ではない、というのが実務の前提です。

放置のコストは、性質の違う3種類に分けて把握すると全体像がつかめます。

種類 内容
毎年続く支出 固定資産税・都市計画税/火災保険料/電気・水道の基本料金(防犯・清掃用に残す場合)/庭木の剪定・草刈りなどの管理費/帰省・見回りの交通費
時間とともに増える負担 雨漏り・シロアリ・カビによる建物の劣化と売値の下落/傷みが進んでからの修繕費/庭木の越境・雑草への近隣対応
ある日突然来るリスク 特定空家等の指定で固定資産税が最大6倍になる可能性/相続登記を放置した場合の過料(10万円以下)/台風などで屋根材や塀が近隣に被害を与えた場合の所有者としての責任/空き巣・不法投棄・放火の標的化

年間いくらになるかは評価額や地域によって変わるため一概には言えません。ただ「ゼロ円ではない支出が毎年続き、その間に資産価値は下がっていく」という構図はどの実家にも共通します。まずは手元の固定資産税納税通知書で年額を確認し、火災保険料と管理の実費を足して「これが5年続いたら」と掛け算してみてください。片付け費用3〜60万円という初期投資と比べる材料になり、親族会議でも感情論を避けた話し合いがしやすくなります。

実家じまいの手順(7ステップ)

全体の流れは次の7つです。番号どおりに進めるのが、揉めない・損しない順番です。

  1. 相続人全員の合意──実家は相続財産です。一人が先に片付けや処分を進めると、後から「勝手に捨てた」と紛争になりがちです。
  2. 相続手続き──遺言の確認、遺産分割協議、そして相続登記。登記は義務化済みで、3年の期限があります。名義が親のままでは売却できません。
  3. 貴重品と書類の確保──通帳・現金・権利証・保険証券・借用書・実印を最優先で捜索します。相続財産の把握にも直結する工程です。
  4. 遺品整理・形見分け──「残す→形見分け→供養→処分」の順で。処分から始めると、残すべき物まで失われます。
  5. ライフラインの停止──電気と水道は片付け作業が終わるまで残すのがコツです。照明と清掃に使います。ガスは先に止めて構いません。
  6. 売却か解体かの決定──先に不動産会社の査定を取ります。査定前に壊すと、売れたはずの建物を自費で解体することになりかねません。
  7. 引き渡し・完了──売却なら決済と引き渡し、解体なら建物滅失登記まで済ませて完了です。

現場でつまずきやすいのはステップ3と6です。貴重品の捜索を後回しにして片付けを始めると、書類が処分品に紛れて相続手続きが止まります。仏壇の引き出し・タンスの奥・本の間・冷蔵庫は、現金や通帳が出てきやすい定番の場所です。一方ステップ6で査定より先に解体を決めると、後戻りができません。迷ったら「壊す・捨てるは最後に回す」と覚えてください。

ステップ5の解約は、電気・ガス・水道のほかに固定電話・インターネット・新聞・NHKなど、実家に紐づく契約を一覧に書き出してから進めると漏れがありません。郵便局に転送届を出しておくと、把握していなかった請求書や契約の通知が手元に届き、解約漏れの発見にもつながります。

各ステップのつまずきどころと必要書類は実家じまいの手順7ステップで詳しく解説しています。

モデルスケジュール──相続発生から6ヶ月の動き方

「いつまでに何をやればいいのか」が見えないと、手順が分かっていても動けないものです。親が亡くなってからの半年間について、標準的な進行を月別に示します。あくまで一例で、多少前後しても問題ありません。ただし右列の法定期限だけは動かせないため、先にカレンダーへ入れておいてください。

時期 やること 期限・注意
1ヶ月目 葬儀と行政手続き。通帳・権利証・保険証券など貴重品と重要書類の確保。遺言の有無の確認 借金の有無を早めに確認。相続放棄を検討する可能性があるなら急ぐ
2ヶ月目 戸籍を集めて相続人を確定。財産目録づくり。親族で実家の方針を話し始める 実家の登記名義もこの段階で確認しておく
3ヶ月目 遺産分割協議の開始。形見分けの計画 相続放棄・限定承認の期限(相続を知った日から3ヶ月以内)
4ヶ月目 遺品整理・片付けの実施。不動産会社への査定依頼 準確定申告の期限(相続を知った日の翌日から4ヶ月以内)
5ヶ月目 査定結果をもとに売却か解体かを決定。相続登記の準備・申請 登記が済まないと売却できないため、司法書士への依頼はこの頃までに
6ヶ月目 売却活動の開始、または解体の相見積もりと補助金の確認 解体補助金は着工前申請が原則
その後 売買契約・引き渡し、または解体・滅失登記 相続税の申告・納付は10ヶ月以内。相続登記は3年以内。空き家特例を使うなら相続開始から3年目の年末までに売却

コツは、期限のない工程と期限のある工程を分けて考えることです。片付けや売却活動は遅れても取り返せますが、3ヶ月・4ヶ月・10ヶ月・3年の各期限は過ぎると打つ手が限られます。逆に言えば、期限さえ押さえておけば、残りは家族のペースで進めて差し支えありません。四十九日までは気持ちの整理を優先し、貴重品の確保だけ済ませておく、という進み方でも十分間に合います。

実家じまいの費用

費用は3つのブロックに分けて見積もると全体像がつかめます。

ブロック 目安 備考
① 家財の片付け(遺品整理) 3〜60万円(間取り・物量による) どのルートでも発生する
② 建物の処分 解体:木造30坪で90〜150万円
売却:仲介手数料など諸費用
建物ごと売却できれば解体費は不要
③ 手続き 相続登記の司法書士報酬6〜15万円程度+登録免許税(固定資産税評価額の0.4%) 自分で申請すれば報酬分は不要

① 片付け費用の間取り別相場

間取り 相場(目安) 人数・時間の目安
1R/1K 3〜8万円 1〜2名/1〜3時間
1DK〜1LDK 5〜20万円 2〜3名/2〜5時間
2DK〜2LDK 9〜30万円 2〜4名/2〜6時間
3DK〜3LDK 15〜50万円 3〜5名/4〜8時間
4LDK以上 22〜60万円 4〜8名/1〜2日

同じ間取りで金額に2〜3倍の幅があるのは、料金の実態が「物量×人手×処分費」だからです。長く住まれた家は押し入れ・物置・庭にも物があり、見た目より物量が多くなる傾向があります。内訳の見方や見積書のチェックポイントは実家じまいの費用相場にまとめました。

② 解体費の坪単価

構造別の坪単価は木造3〜5万円、鉄骨4〜7万円、RC6〜8万円が目安です。30坪の木造なら90〜150万円。ここに庭木・ブロック塀・残置物の撤去が加算されることがあります。

③ 手続き費用

相続登記を司法書士に依頼した場合の報酬は6〜15万円程度です。別に登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)がかかります。評価額1,000万円の実家なら登録免許税は4万円という計算です。売却する場合はこのほかに、不動産会社への仲介手数料や契約書の印紙代などの諸費用がかかります。査定の際に「手取り額の試算」まで出してもらうと、資金計画が立てやすくなります。

売却か、解体か──税金で損しない判断

売却(古家付き・中古) 解体して更地で売却・活用
向くケース 立地が良い/建物がまだ使える 傷みが激しい/更地の需要が強い地域
費用 仲介手数料など諸費用 木造30坪で90〜150万円+諸費用
注意点 買い手が付くまで時間がかかることがある 更地にすると住宅用地特例が外れ、固定資産税が上がる場合がある

判断の出発点は不動産会社の査定です。「どうせ売れないから先に解体」が、費用面で最も損をしやすいパターンといえます。古家付きのまま買い手が付けば、解体費そのものが不要になるからです。

査定は1社ではなく複数に依頼し、「古家付きで売る場合」と「更地にした場合」の両方の想定額を聞いてください。更地の想定額から解体費90〜150万円と税負担の増加分を差し引いて比べれば、判断を数字で下せます。買い手側が解体する前提で引き渡す売り方もあり、この場合も解体費の持ち出しを避けられます。

売却時の税金も順番に影響する

売却して利益(譲渡所得)が出ると税金がかかります。税率は所有期間5年以下で39.63%、5年超で20.315%です。相続した実家では、一定の要件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「空き家特例」が使える場合があります。主な要件は「1981年5月31日以前に建築された家屋」「相続開始から3年目の年末までに売却」などです。

相続税を納めた方には、納めた相続税の一部を売却時の取得費に加算して譲渡所得を圧縮できる「取得費加算の特例」もあります。空き家特例とは併用できる場合とできない場合があり、どちらを使うかで税額が変わることがあります。

いずれの特例も期限や耐震・解体の条件が細かく、進める順番によって使えたはずの特例を逃すことがあります。売却益が見込める実家では、査定と並行して税理士か税務署に確認しておくと確実です。あわせて、親が家を購入したときの売買契約書は取得費の証明に使う重要書類のため、片付けの際に処分品へ紛れさせないよう先に確保しておいてください。

買い手が付きにくいときの選択肢──自治体窓口と空き家バンク

査定の結果「この立地では買い手を見つけにくい」と言われることもあります。その場合も打つ手がなくなるわけではありません。

自治体の空き家相談窓口を使う

多くの市区町村には空き家の相談窓口があります(建築・住宅・都市計画などの部署が担当していることが多く、代表電話で「空き家の相談」と伝えれば取り次いでもらえます)。一度の問い合わせで確認しておきたいのは次の4点です。

  • 解体補助金の有無・条件・申請の締切
  • 空き家バンクの有無と登録方法
  • 司法書士・宅建士などが対応する無料相談会の日程
  • 特定空家等の判断基準(自分の実家がどの程度危ないか)

行政の窓口は特定の業者に誘導しない中立の立場なので、民間に相談する前の情報収集先として使い勝手がよい存在です。

空き家バンクの使い方

空き家バンクは、自治体が空き家の情報をサイトなどに掲載し、移住希望者や購入希望者へ紹介する仕組みです。流れは「窓口に登録を相談→物件情報の確認・掲載→内覧の対応→希望者と交渉・契約」で、契約段階は提携する宅建業者が仲介に入る自治体が多くなっています。市場では動きにくい物件でも、移住需要や田舎暮らし需要とマッチングできるのが持ち味です。一方で、いつ問い合わせが来るかは読みにくく、価格も控えめになりがちなため、通常の売却活動と並行して使うのが現実的といえます。

このほか、どうしても引き取り手のない土地については、更地にしたうえで国に引き取りを求める相続土地国庫帰属制度もあります。要件の審査と負担金が必要で、窓口は法務局です。該当しそうな場合は司法書士に相談してみてください。

実家が賃貸・分譲マンションの場合の違い

ここまで持ち家の戸建てを前提に説明してきましたが、実家が賃貸住宅や分譲マンションの場合は進め方が変わります。

持ち家(戸建て) 賃貸(アパート・借家・公営住宅) 分譲マンション
建物の処分 売却または解体を選べる 不要(大家に返す) 解体という選択肢がなく、売却か賃貸に出すかの二択が基本
時間の制約 期限は自分たちで決められる 解約予告と退去期限があり、片付けを最優先で進める 期限はないが、空室でも管理費・修繕積立金が毎月続く
片付け以外の作業 査定・登記・(解体なら)滅失登記 解約手続きと原状回復(敷金の精算) 相続登記、管理組合への連絡、売却活動
特有の注意 本文のとおり 退去日までの家賃が続くため、動き出しが早いほど負担が軽い 搬出時の共用部の養生・エレベーター使用のルールを管理組合に確認

賃貸の実家じまいは、不動産の処分がないぶんシンプルですが、時間の自由が利きません。解約を申し出た日から退去日までに、貴重品の捜索・形見分け・搬出・原状回復まで終える必要があり、実質的には「期限付きの遺品整理」になります。遠方の場合は初回だけ立ち会い、以降を業者に任せる進め方が現実的でしょう。

分譲マンションは逆に、待っている間もコストが確実に出続けるのが特徴です。戸建てのような劣化リスクは小さいものの、管理費・修繕積立金は空室でも止まりません。売るか貸すかの判断材料として、まず月々の維持費と査定額を並べて確認するところから始めてください。

費用を抑える6つの方法

効果の大きい順に並べています。1と6は解体費90〜150万円がそのまま浮く可能性のある判断、2は税額に直結する制度、3〜5は手間に応じて数万円単位で削る工夫です。

  1. 解体補助金を調べる──老朽家屋の解体補助は多くの自治体にあり、数十万円規模のこともあります。着工前の申請が原則なので、業者と契約する前に役所へ確認してください。
  2. 空き家特例の適用可否を確認する──最大3,000万円の控除は、税額に直結します。相続開始から3年目の年末という期限があるため、売却時期の計画に組み込みましょう。
  3. 買取を併用する──製造から年数の浅い家電、貴金属、骨董、趣味の道具は買取対象になり得ます。処分費を払う物が、値段の付く物に変わります。
  4. 自治体の粗大ゴミ回収を使う──業者の一括処分より単価が安く、時間に余裕があれば併用で総額を下げられます。
  5. 相見積もりを取る──同じ現場でも業者により金額は大きく違います。内訳の書かれた見積書を2社以上から取り、条件をそろえて比べてください。
  6. 解体を急がない──査定を先に取るだけで、90〜150万円の解体費が丸ごと不要になる可能性があります。順番自体が最大の節約です。

仏壇・神棚・遺影・位牌はどうする?

片付けの現場で最後まで残り、扱いに最も迷うのがこの4つです。宗教的な意味を持つ物は「ゴミとして出しにくい」だけでなく、親族の中に強いこだわりを持つ方がいることも多いため、独断で進めず先に相談しておくのが揉めないコツです。

仏壇──閉眼供養をしてから

仏壇はそのまま処分せず、閉眼供養(魂抜き)を行ってから引き取ってもらうのが一般的です。お布施の目安は1〜5万円。菩提寺(先祖代々の付き合いのあるお寺)があればまず相談し、付き合いのあるお寺がない場合は、片付け業者経由で提携寺院の供養やお焚き上げを手配する方法もあります。処分ではなく引き継ぐ道もあり、自宅へ移して改めて供養する、住まいに合う小さな仏壇に買い替えて位牌だけ移す、といった選択肢が現実的です。

神棚──神社でお焚き上げ

神棚は仏壇と扱いが異なり、神社にお焚き上げを依頼するのが基本です。お神札(おふだ)は授かった神社に返納します。年末年始には古札の受付を設ける神社が多いため、時期を合わせると持ち込みやすいでしょう。

遺影・位牌──供養扱いで

位牌は仏壇と同様に閉眼供養のうえ、お焚き上げにするのが通例です。遺影や大量の写真は法的にはそのまま処分できますが、心情的に抵抗のある方が大半なので、寺院や神社の合同供養に出す、あるいは撮影してデータで残してから現物を供養する、という形にすると気持ちの整理がつきやすくなります。

いずれも宗派や地域によって考え方に幅があります。迷ったら「親が生前付き合っていたお寺・神社に聞く」が最短で、それが分からない場合は片付け業者の見積もり時に供養の希望を伝えておけば、まとめて段取りしてもらえます。

思い出の品は「選んで残す」──デジタル化のすすめ

実家じまいで本当に苦しいのは、家具や家電ではなく、アルバム・手紙・子どもの頃の作品といった「捨てられない物」の山です。全部を持ち帰るのは現実的でなく、かといって全部捨てると後悔が残ります。現場でうまくいっているのは「現物は厳選し、記録はデータで全部残す」という割り切りです。

  • 写真・アルバム──スマホでの複写、家庭用スキャナ、スキャン代行サービスのいずれでもデータ化できます。アルバムごと保管する物を数冊だけ選び、残りはデータ化してから供養や処分に回すと、量の問題が解決します。
  • ビデオテープ・フィルム──再生機器の入手が年々難しくなっており、劣化も進みます。見られなくなる前のデータ化を優先してください。
  • 賞状・作品・手紙──1点ずつ撮影して現物は代表作だけ残す方式が向いています。撮影しながらの仕分けは、家族の対話の時間にもなります。
  • 家そのもの──片付けを始める前に、各部屋・庭・外観を写真と動画で撮っておいてください。解体後に「家の中をもう一度見たかった」という後悔を防げるうえ、処分前の記録は親族への説明や万一の紛失トラブルの際にも役立ちます。

コツは、仕分けを始める前に「持ち帰る箱の数」を先に決めてしまうことです。枠が決まっていると1点ごとの判断が速くなり、「保留」の山が育ちません。データ化した写真は親族と共有すれば、形見分けの代わりとして全員が同じ思い出を持てるという利点もあります。

親族トラブルを防ぐ──よくある揉め方3つと対策

実家じまいの相談で、費用の次に多いのが親族間のトラブルです。現場でよく見る揉め方は3パターンに集約されます。

① 「勝手に捨てた」と言われる

一人が善意で片付けを始め、他の相続人から形見や貴重品の扱いを責められるケースです。対策:着手前に相続人全員へ日程を知らせ、形見分けの機会を設ける。処分前に室内の写真を撮っておくと、後の説明が楽になります。

② 費用の負担でこじれる

長男が片付け費を立て替えたのに、清算の話が流れて不満が残る、という形が典型です。対策:費用は相続財産から支出するか、法定相続分で分担すると先に決めておく。見積書と領収書は全員に共有します。

③ 売る・売らないで意見が割れる

「思い出の家を残したい」相続人と「維持費を払いたくない」相続人の対立です。対策:感情論の前に数字を並べる。年間の固定資産税・管理の手間・特定空家指定で税額が最大6倍になり得ることを共有すると、議論が現実的になります。残す場合は「誰が費用と管理を負担するか」まで決めておくことが肝心です。

3つに共通する予防策は「記録と共有」です。話し合いの結果は短くてもメモにして全員へ送る、見積書・領収書・作業前の写真を共有しておく。これだけで「聞いていない」から始まる争いの多くは避けられます。遺産分割そのものに対立があるときは、片付けをいったん止め、司法書士や弁護士に間へ入ってもらう方が結果的に早く進みます。

費用は誰が払う?──兄弟間の分担でよく使われる3パターン

親族トラブルの2番目に挙げた「費用の負担」は、型を知っておくだけで話し合いが格段に楽になります。現場でよく使われるのは次の3パターンです。

パターン 内容 向くケース
A. 遺産から支出する 片付け・解体・登記などの費用を相続財産(預貯金など)から支払い、残りを分割する 遺産に現金があるケース全般。清算の手間がなく最も揉めにくい
B. 法定相続分で分担する かかった費用を相続分の割合に応じて各自が負担する 遺産に現金が少ない、または遺産分割を先に終えている場合
C. 実家を取得する人が負担する 実家を引き継ぐ(または売却代金を受け取る)相続人が費用を持ち、売却なら代金から清算して残額を分ける 売却前提のケース。手元資金が少なくても進めやすい

どのパターンを選ぶかより大切なのは、着手前に決めて全員に共有しておくことです。作業が始まってから「そんな話は聞いていない」となるのが最悪の展開で、金額の多寡にかかわらず感情がこじれます。話し合いで押さえる項目は「どのパターンにするか」「立て替えが発生した場合、いつ・どうやって清算するか」「見積書と領収書を誰がどこに保管・共有するか」の3点。決めた内容は短くてもよいのでメッセージなど文字の残る形で全員に送っておくと、後々の証拠にもなります。

手元にまとまったお金がない場合も、あきらめる必要はありません。買取の併用で実費を圧縮する、自治体の補助金を使う、パターンCのように売却代金からの清算を前提に組み立てる、といった方法があります。不動産会社や片付け業者に資金の事情を先に伝えておくと、支払時期を含めた現実的な段取りを提案してもらいやすくなります。

自分でやるか、業者に頼むか

自分でやる 業者に依頼
費用 処分費・車両費など実費のみ 間取り別3〜60万円+処分ルートによる
期間 週末通いで数ヶ月かかることも 片付け自体は1日〜2日
向く人 実家が近い/時間と体力がある/物量が少ない 遠方に住んでいる/物量が多い/期限がある
注意点 粗大ゴミの予約・搬出・車両手配をすべて自分で行う 業者の当たり外れが大きく、選び方が結果を左右する

自分で進める場合の段取りは、①自治体の粗大ゴミ回収を予約(数週間待ちの地域もあります)、②貴重品と形見の仕分け、③家電リサイクル法の対象品(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)の処分先を確認、④搬出、の順です。リサイクル対象の家電は粗大ゴミに出せない点でつまずく方が多くいます。遠方の相続人が週末通いだけで終わらせようとすると、交通費と時間がかさみ、業者費用との差が縮んでいくのが実際のところです。

現実的な落としどころは「貴重品の捜索と形見分けは家族で、搬出・処分・各種手配は業者で」という分担です。費用と負担、そして後悔しないことのバランスがいちばん取れます。業者選びで確認すべき5点(廃棄物処理の体制・見積内訳・追加料金の発生条件・古物商許可・損害保険)は遺品整理の料金相場で解説しています。

片付けから売却・解体・登記の手配まで窓口を1つにしたい場合は、当事務局の実家じまい代行パック(2DKまで29.8万円/3LDKまで49.8万円/4LDK以上69.8万円〜)もご検討ください。料金の詳細は料金表にあります。

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実家じまいが終わった後の手続き

引き渡しや解体が済むと大仕事を終えた気持ちになりますが、締めの手続きがいくつか残っています。放置すると請求や税金の面で困りごとになるため、最後まで一覧で管理してください。

  • 郵便の転送届──実家宛ての郵便物を自宅で受け取れるようにします。未把握の請求書や契約の通知が届くことがあり、解約漏れの発見にもつながる手続きです。
  • ライフラインの最終精算──電気・水道の停止後、最終月の請求と精算が済んでいるかを確認します。口座振替の解約も忘れずに。
  • 火災保険・地震保険──売却・解体が済んだら解約します。解約日は引き渡し日や解体完了日に合わせるのが基本で、未経過分の保険料が返戻される場合があります。逆に、空き家のまま保有を続けるなら無保険は危険なので、空き家向けの契約に切り替わっていないかを確認してください。
  • 固定資産税の精算──売却の場合、引き渡し日を境に日割りで清算するのが不動産取引の慣行です。決済時の精算書で内容を確認しておきます。
  • 建物滅失登記──解体した場合に必要な登記です。これを済ませないと登記簿上は建物が存在し続け、課税や売却の場面で支障が出ます。
  • 譲渡所得の確定申告──売却して利益が出た場合は、翌年に確定申告が必要です。空き家特例(最大3,000万円控除)や取得費加算の特例は、申告してはじめて適用されます。「特例で税額ゼロだから申告不要」とはならない点に注意してください。
  • 残った契約の解約確認──新聞・NHK・固定電話・インターネットなど、実家に紐づく契約の解約漏れを最終確認します。転送されてきた郵便物が手がかりになります。

ここまで終えると、登記簿・税務・契約のすべてが現状と一致し、実家じまいは本当の意味で完了です。書類一式(売買契約書・領収書・精算書・登記完了証)はひとつのファイルにまとめ、相続人全員がどこにあるか分かる状態で保管しておくことをおすすめします。

よくある質問

実家じまいには全部でいくらかかりますか?
家財の片付けが間取りにより3〜60万円、解体する場合は木造30坪で90〜150万円、相続登記など手続きに司法書士報酬6〜15万円程度+登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)が目安です。建物ごと売却できれば解体費はかからず、売却代金で費用を回収できる場合もあります。
実家じまいの期間はどのくらいかかりますか?
家財の片付け自体は1R/1Kで1〜3時間、3DK〜3LDKで4〜8時間、4LDK以上で1〜2日が作業時間の目安です。ただし相続人の話し合い、形見分け、売却活動まで含めると数ヶ月から1年ほどかかるケースが多く、相続手続きが未了ならさらに延びます。
実家じまいは誰がやるべきですか?費用は誰が払いますか?
法律上の決まりはありませんが、実家は相続財産なので相続人全員の合意のもとで進めるのが原則です。費用は相続財産(遺産)から支出するか、法定相続分に応じて分担するのが一般的です。一人が立て替えたまま清算しないと後の紛争につながりやすいため、領収書は残しておきましょう。
親がまだ元気なうちに実家じまいを進めてもいいですか?
ご本人が存命の間は、本人の意思が最優先です。この段階でやるべきは実家じまいではなく、本人と一緒に物を減らし、財産や家の希望を聞いておく生前整理です。生前に物量を減らし名義や登記を確認しておくと、将来の実家じまいの費用と負担は大きく変わります。
遠方に住んでいて立ち会えません。業者に任せられますか?
初回の貴重品確認だけ立ち会い、以降は鍵を預けて作業報告を写真で受け取る進め方が一般的です。ただし通帳・権利証・現金などの捜索と形見分けの判断は家族にしかできません。この工程を業者に丸投げしないことが、後悔とトラブルを防ぐ分かれ目になります。
相続登記をしないまま実家を売却できますか?
亡くなった親名義のままでは売却できず、先に相続登記が必要です。相続登記は2024年4月から義務化され、相続を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象になり得ます。売却を考え始めた時点で、司法書士に登記の状況を確認しておくと手戻りがありません。
相続放棄をすれば実家じまいはしなくていいですか?
相続放棄をすると実家を含む財産を相続しないため、原則として処分の義務は負いません。ただし放棄は相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があり、実家の物を持ち帰るなど相続を認めたと見られる行動をすると認められないことがあります。また放棄後も、実家を占有している場合には次に管理する人へ引き継ぐまで保存義務が残る場合があります。判断が絡むため、期限前に司法書士や弁護士へ相談してください。
実家が賃貸や分譲マンションでも実家じまいは必要ですか?
必要です。賃貸の場合は建物の処分こそ不要ですが、解約予告から退去日までに片付けと原状回復を終える期限付きの作業になります。分譲マンションは解体という選択肢がなく、売却か賃貸かの二択が基本で、空室でも管理費・修繕積立金が毎月続く点が戸建てとの大きな違いです。
仏壇や神棚はどう処分すればいいですか?
仏壇と位牌は閉眼供養(魂抜き)をしてから引き取ってもらうのが一般的で、お布施の目安は1〜5万円です。まず菩提寺に相談し、付き合いのあるお寺がなければ片付け業者経由で合同供養やお焚き上げを手配できます。神棚は神社にお焚き上げを依頼し、お神札は授かった神社へ返納してください。
手元にお金がなくても実家じまいを進められますか?
方法はあります。費用を相続財産から支出する、買取を併用して実費を圧縮する、自治体の解体補助金を使う、売却代金からの清算を前提に段取りを組む、といった選択肢が代表的です。資金の事情は隠さず、見積もりの段階で業者や不動産会社に伝えたほうが、支払時期を含む現実的な提案を受けやすくなります。

実家じまいの用語集

手続きを進めると耳慣れない言葉が次々に出てきます。本文に登場した用語を中心に、意味をまとめておきます。

用語 意味
遺品整理 亡くなった方の家財を整理する作業。実家じまいの一工程にあたる
生前整理 本人が元気なうちに、本人の意思で物や財産を整理しておくこと
形見分け 故人の愛用品を家族・親族で分け合うこと。処分より先に行う
閉眼供養(魂抜き) 仏壇や位牌を処分・移動する前に行う供養。お布施の目安は1〜5万円
相続登記 不動産の名義を故人から相続人へ変更する登記。2024年4月から義務化され、3年以内の申請が必要
遺産分割協議 相続人全員で遺産の分け方を決める話し合い。合意内容は協議書にまとめる
特定空家 倒壊の危険や衛生上の問題がある空き家として自治体が指定するもの。指定されると税優遇を失う
住宅用地特例 住宅の建つ土地の固定資産税を軽減する制度。特定空家指定や更地化で外れると税額が最大6倍になる可能性がある
譲渡所得 不動産を売却して得た利益。税率は所有期間5年以下で39.63%、5年超で20.315%
空き家特例 相続した空き家の売却益から最大3,000万円を控除できる特例。1981年5月31日以前建築などの要件がある
取得費加算の特例 納めた相続税の一部を取得費に加算し、譲渡所得を圧縮できる特例
建物滅失登記 建物を解体した後、登記簿から建物をなくす登記
古家付き土地 古い建物が建ったまま売り出す土地。買主側で解体する前提の売り方で、売主の解体費が不要になる
空き家バンク 自治体が空き家情報を掲載し、購入・移住希望者へ紹介する制度

実家じまいチェックリスト【保存版】

最後に、本文の要点を進行順のチェックリストにまとめます。親族会議の際に、このまま読み合わせてお使いください。

着手前

  • 相続人全員に連絡し、進め方と日程の合意を取った
  • 遺言の有無を確認した
  • 通帳・現金・権利証・保険証券・実印・売買契約書を確保した
  • 実家の登記名義を確認した(親名義のままか、それ以前の名義か)
  • 費用の分担方法(遺産から/相続分で/取得者が負担)を決めて共有した
  • 相続放棄の可能性がある場合、3ヶ月の期限を確認した

片付け

  • 片付け前に各部屋・庭・外観を写真と動画で記録した
  • 「残す→形見分け→供養→処分」の順で仕分けた
  • 仏壇・神棚・位牌の供養についてお寺・神社または業者に相談した
  • アルバムやビデオなど思い出の品のデータ化を検討した
  • 見積もりは内訳つきで2社以上から取った
  • 電気・水道は作業完了まで残した

不動産・手続き

  • 解体より先に、複数の不動産会社の査定を取った
  • 「古家付き」と「更地」の両方の想定額を聞いた
  • 解体する場合、契約前に自治体の補助金を確認した
  • 空き家特例・取得費加算の適用可否を税理士か税務署に確認した
  • 相続登記を申請した(3年以内・司法書士報酬6〜15万円程度+登録免許税0.4%)

完了後

  • 郵便の転送届を出した
  • ライフライン・新聞・NHK・通信契約の解約と精算を確認した
  • 火災保険を解約(または空き家向けに変更)した
  • 解体した場合、建物滅失登記を済ませた
  • 売却益が出た場合、翌年の確定申告を予定に入れた
  • 書類一式をファイルにまとめ、保管場所を全員で共有した

まとめ──決断は後でいい。準備だけ先に

実家じまいは、片付け・不動産・登記・税金がからむ複合的なプロジェクトです。要点を3つに絞ります。

  • 順番を守る。相続人の合意→貴重品確保→片付け→査定→売却か解体か。先に壊さない、先に捨てない。
  • 期限を意識する。相続登記は3年以内(過料10万円以下)、空き家特例は相続開始から3年目の年末まで。放置すれば固定資産税が最大6倍になる可能性もあります。
  • 数字で話す。片付け3〜60万円、解体90〜150万円という相場を親族全員で共有すると、感情論になりにくくなります。

売る・壊すの決断は査定を見てからで間に合います。まずは貴重品の確保と現状把握から始めてください。進め方に迷ったら、ご相談の流れを確認のうえ、写真1枚からの無料相談をご利用いただけます。

読むより、聞いたほうが早いこともあります

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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

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