MENU

空き家解体・実家じまいの補助金一覧【2026年度・自治体別】

最終更新日:2026年8月5日|監修:司法書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士。

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 空き家解体の補助金は全国一律の制度ではなく、市区町村ごとに有無・補助率・上限額が異なります。政令指定都市の多くは老朽危険空家等の除却に補助率3分の1前後・上限30万〜100万円程度の制度を設けています。
  • さいたま市・福岡市のように空き家解体専用の補助制度が公式サイト上で確認できない政令市や、京都市のように制度はあっても受付が終了している市もあります。実家がある市区町村での有無と受付状況の確認が最初の一歩です。
  • ほとんどの制度で工事の契約・着工前の申請が必須です。順番を誤ると補助金を受け取れません。
  • 予算の上限に達し次第、年度途中でも受付が終了する制度が大半です。解体を検討し始めた時点で、早めに自治体窓口へ相談してください。
目次

空き家解体・実家じまいの補助金の基礎知識

実家を相続したものの住む予定がなく、老朽化した建物をそのまま放置すると、倒壊や屋根材の飛散といった保安上のリスクだけでなく、固定資産税の負担や近隣とのトラブルにもつながります。解体して更地にする、あるいは活用・売却するという選択をする際に負担が大きいのが解体費用です。木造の一戸建てでも数十万〜200万円程度かかることが多く、規模や立地によってはさらに膨らみます。こうした費用の一部を市区町村が補助する制度が、空き家解体補助金です。

ただし、この補助金は国が一律に用意しているものではありません。空家等対策の推進に関する特別措置法という法律を根拠に、各市区町村が独自の要綱を定めて運用しているため、実家がある自治体によって制度の有無も、補助率も、上限額も大きく異なります。同じ政令指定都市でも、除却費用の3分の1を補助する市もあれば、床面積に応じた定額補助を採用する市もあり、なかには2026年8月時点で該当する制度が確認できない市もあります。「近所の実家が補助金を受けたと聞いたから、うちも当然使えるはず」と思い込まず、まずは実家がある市区町村の窓口で制度の有無から確認することが欠かせません。

対象になりやすい空き家の条件

自治体によって細かな要件は異なりますが、多くの制度に共通する傾向があります。

  • 建築時期——昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた、いわゆる旧耐震基準の建物を対象とする制度が大半です。この基準日は全国共通で使われることが多く、実家の建築時期を確認するうえでの目安になります。
  • 老朽度・危険度の判定——多くの制度は、自治体が定める評価基準(外壁の破損、屋根の劣化、傾きなど)で一定の危険度に達していることを求めます。事前に自治体職員による現地確認や評価を受ける手続きが伴うのが一般的です。
  • 居住実態——「1年以上使用されていない」など、一定期間人が住んでいない状態を条件とする制度が多く見られます。
  • 更地にする工事であること——建物の一部を残す工事や、母屋以外の離れ・倉庫だけを解体する工事は対象外となる制度が一般的です。
  • 税の滞納がないこと——申請者本人(および共有者)が市税等を滞納していないことを条件とする制度がほとんどです。

逆に、耐震補強工事をすでに実施した建物や、公共事業の補償対象になっている建物、所有者が法人である場合は、対象外とする制度が目立ちます。制度ごとの詳しい条件は次の一覧表と、各自治体の公式サイトで確認してください。

申請の流れ・解体前申請が原則

空き家解体補助金の多くは「解体工事の契約・着工前に申請し、交付決定を受けてから契約・着工する」という順番が原則です。すでに業者と契約してしまった後、あるいは工事が始まった後に申請しても、対象外と判断される制度がほとんどです。おおまかな流れは、事前相談→現地調査・評価→交付申請→交付決定→工事契約・着工→完了報告→補助金の交付、という順序になります。自治体や制度によっては、事前相談の段階で見積書の提出を求められることもあります。解体を検討し始めた時点で、先に自治体窓口へ相談することが、補助金を確実に受け取るための最初の一歩です。

補助金と合わせて確認したい税金・登記の話

解体を検討する際は、固定資産税の扱いにも注意が必要です。住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があり、建物を取り壊して更地にすると、翌年度から税額が上がる場合があります。一方で、自治体から「特定空家等」に指定されたまま放置すると、この特例が解除されて税負担が増える可能性もあります。解体するか、修繕して活用するか、売却するかは、補助金の有無だけでなく税金面も含めて総合的に判断してください。

あわせて、家の名義の確認も欠かせません。相続した不動産の登記は2024年4月から申請が義務化されており、正当な理由なく放置すると過料の対象になり得ます。名義が故人や先代のままだと、補助金の申請自体ができない、あるいは解体業者との契約も進められないことがあります。実家の片付けや解体を検討する段階で、相続登記の要否についても司法書士など専門家へ早めに相談しておくと、後の手続きがスムーズになります。実家じまい全体の進め方は実家じまいの完全ガイドで解説しています。

【自治体別】空き家解体・実家じまいの補助金一覧

以下は2026年8月時点で、政令指定都市・東京23区・中核市クラスの自治体を中心に、各自治体の公式サイト(.lg.jp等)に掲載されている空き家解体・除却関連の補助金を確認した一覧です。24件の制度を掲載していますが、これは全国の制度を網羅したものではなく、あくまで主要自治体を対象に一次情報で確認できた範囲です。年度予算に達し次第、年度の途中でも受付が終了する制度がほとんどのため、実際に申請する際は、掲載の内容が最新かどうかを各自治体の窓口・公式サイトで確認してください。

自治体 制度名 補助率 上限額 主な条件 出典
札幌市 危険空家等除却補助制度(通常型/地域連携型) 通常型:除却工事費の3分の1
地域連携型:10分の9
通常型:50万円
地域連携型:150万円
市の事前確認で危険性ありと判断された空家であること/全部除却し更地にする工事であること 札幌市公式サイト
仙台市 特定空家等除却促進補助事業 対象経費の3分の1 50万円 特定空家等として助言・指導または勧告の対象であること/所有者が法人でないこと 仙台市公式サイト
千葉市 住宅の除却費補助制度 工事費の23% 通常地域:20万円
密集住宅市街地:30万円
昭和56年5月31日以前の耐震基準の住宅/耐震診断の結果「倒壊の危険性が高い」と判定されたもの 千葉市公式サイト
横浜市 住宅除却補助制度 定額補助(率の記載なし) 昭和56年5月末以前建築:50万円
56年6月〜平成12年5月末建築:課税世帯20万円・非課税世帯40万円
平成12年5月末日以前着工/耐震性が低い木造住宅または特定空家に認定された建築物 横浜市公式サイト
川崎市(不燃化重点対策地区限定) 住宅等不燃化推進事業(老朽建築物除却工事) 記載なし 最大100万円 不燃化重点対策地区内の老朽建築物であること/申請者は個人のみ(法人不可) 川崎市公式サイト
静岡市 空き家建替え促進事業補助金 除却費用の2分の1以内 100万円 1年以上使用されていない一戸建て/耐震診断の結果、倒壊のおそれがあると判断/耐震補強工事未実施 静岡市公式サイト
浜松市 空家等除却促進事業費補助金 解体費用の3分の1 50万円 相続人等が所有/昭和56年5月31日以前の建築/売却不可能と判断された物件であること 浜松市公式サイト
名古屋市 老朽危険空家等除却費補助金 評価75〜125点未満:3分の1
評価125点以上:3分の2
75〜125点未満:40万円
125点以上:80万円
「老朽危険空家等の評価」で75点以上の特定空家等であること/更地にする工事 名古屋市公式サイト
神戸市 老朽空家等解体補助制度 定額補助(率の記載なし) 通常:60万円
3戸以上の共同住宅等(100㎡以上):100万円
1986年12月31日以前の建築/腐朽・破損のある空家/附属建物も含めすべて解体すること 神戸市公式サイト
岡山市(通常) 空家等適正管理支援事業(除却) 補助対象工事費の3分の1 60万円 特定空家等であること(勧告済みのものは対象外)/市税の滞納がないこと 岡山市公式サイト
岡山市(地域活性化版) 空家等適正管理支援事業(除却・地域活性化) 補助対象工事費の5分の4 200万円 通常版の条件に加え、除却後の跡地を最低10年間、地域の活性化に活用すること 岡山市公式サイト
広島市 老朽危険空家等除却補助制度 除却工事費の3分の1 50万円 「老朽危険空家等の評価」100点以上/道路に近接し通行人へ危険が及ぶ可能性が高いもの 広島市公式サイト
北九州市 老朽空き家等除却促進事業 除却費用と市基準額のいずれか低い額の3分の1以内 30万円 昭和56年5月以前の建築/一定の危険度が認められる/市場流通が困難と判定された空き家 北九州市公式サイト
熊本市 老朽空き家除却促進事業補助金 除却費(税抜)×10分の8×3分の2 40万円 昭和56年5月31日以前着工(または要件を満たす相続空き家)/1年以上使用実態なし 熊本市公式サイト
東京都 空き家家財整理・解体促進事業 家財整理・解体とも2分の1 家財整理:5万円
解体:10万円
東京都空き家ワンストップ相談窓口への相談が前提 東京都公式サイト
足立区(不燃化特区) 不燃化特区内における解体費助成 実費または木造28,000円/㎡等のいずれか低い額 280万円 昭和56年5月31日以前建築の木造・軽量鉄骨造で、区の調査等で危険性が認められる建物 足立区公式サイト
大田区 木造住宅除却工事助成事業 区内業者と契約:3分の2
その他業者と契約:2分の1
区内業者:100万円
その他業者:75万円
昭和56年5月31日以前建築の木造平屋または2階建て住宅(3階建ては対象外) 大田区公式サイト
練馬区 除却工事助成(耐震化促進事業) 記載なし(上限額のみ規定) 一般:150万円
空家等活用促進地区:200万円
昭和56年5月以前に新築工事着手/区税等の滞納がないこと 練馬区公式サイト
相模原市 危険な老朽空き家等除却費補助金 補助対象経費の2分の1(床面積×標準除却費との比較あり) 50万円(世帯全員非課税の場合80万円) 平成12年5月31日以前の建築確認済証取得/外観目視判定100点以上または未接道空家等/1年以上未使用 相模原市公式サイト
新潟市 空き家活用推進事業(跡地活用タイプ/地域活動活用タイプ) 3分の1 50万円 未接道地の空き家解体、または自治町内会等が跡地を地域活動に活用する目的での解体/2026年8月時点で予算執行率が約9割に達しており、受付終了が近い可能性あり 新潟市公式サイト
堺市 住宅・建築物耐震改修等補助金(除却工事) 3分の1(昭和56年5月31日以前着工の木造住宅) 一戸建て60万円/長屋・共同住宅120万円 昭和56年5月31日以前着工の木造住宅/耐震診断で「倒壊の可能性が高い」または「倒壊の可能性がある」と判定 堺市公式サイト
川口市 空家除却補助金 対象工事費の5分の4と延べ面積(㎡)×2万5千円のいずれか低い額 100万円 不良住宅と判定または老朽化が著しい/1年以上未使用/無接道など建て替えが困難な敷地 川口市公式サイト
姫路市 老朽空家対策補助金交付制度 自治会型2分の1/個人型3分の1 自治会型100万円/個人型50万円 おおむね1年以上未使用/構造の腐朽・破損の程度が著しい、または周辺への危険性が著しい/2026年度(令和8年度)の申請受付は令和8年6月11日で終了済み。次回受付は窓口へ要確認 姫路市公式サイト
鹿児島市 危険空き家の解体費に関する補助 解体費の3分の1 30万円 倒壊のおそれが著しい危険空き家/1年以上未使用/従前の用途が住宅であったこと 鹿児島市公式サイト

(2026年8月時点・各自治体公式サイトより)補助率・上限額は制度改定や年度予算により変わることがあります。申請前に、公式サイトの該当ページか窓口への電話で、実家がある自治体の最新状況を確かめておくことをおすすめします。

掲載自治体以外で確認しておきたいこと

さいたま市・福岡市の公式サイトを確認した限りでは、2026年8月時点で空き家解体そのものを対象とした補助制度は見当たりませんでした。京都市には老朽木造建築物などの解体を対象とした補助制度がありますが、令和7年度分の受付は令和8年1月30日で終了しており、2026年8月時点では新規受付が行われていません(再開の有無は京都市の窓口で確認してください)。さいたま市には昭和56年以前建築の住宅を対象とした耐震建替え助成(補助率23%・上限30万円)がありますが、これは対象住宅を除却して同一敷地に建て替えることを要件とする制度で、単独の解体・除却を目的とした補助金ではありません。大阪市についても、空き家専用の解体補助は確認できませんでしたが、耐震性不足と判定された住宅全般を対象とする「解体工事(耐震除却工事)」補助制度(補助率3分の1、1戸あたり上限70万円・1棟あたり上限140万円)があり、老朽化した空き家がこの要件に当てはまる場合は活用できる可能性があります。実家がこれらの市にある場合も、あきらめずに建築指導課や住宅政策の担当窓口へ相談してみてください。表にない市区町村でも、独自の除却補助を設けているケースは少なくありません。

ここまでで「うちの場合はいくら?」と思ったら

家財の片付けから家の処分のご案内まで。2DKまで29.8万円(税別)〜の定額パックです。

LINEで無料見積もり 実家じまい代行パックを見る

補助金の申請手順

自治体ごとに細部は異なりますが、多くの制度でおおむね次のような流れをたどります。実家じまいの計画に補助金の申請期間を組み込む際の目安にしてください。まずは全体の流れを図で確認し、そのあとに各ステップの詳細を解説します。

STEP 1
事前相談
窓口へ状況を伝える

STEP 2
現地調査・評価
老朽度の判定を受ける

STEP 3
見積書の取得
この時点では未契約

STEP 4
交付申請・決定
ここが分岐点

STEP 5
契約・着工
決定後に契約を結ぶ

STEP 6
完了報告・交付
写真・領収書を提出

STEP4の交付決定より前に契約・着工すると、ほとんどの制度で補助対象外になります。図中の「ここが分岐点」は、そのままの順番を守るか、対象外になってしまうかの境目という意味です。

  1. 事前相談——建築指導課や空家対策の担当窓口に、実家の状況(建築時期、居住状況、老朽度など)を伝えて相談します。この時点で制度の対象になりそうかどうかの見立てがつきます。
  2. 現地調査・評価——自治体職員による現地確認や、老朽度・危険度の評価が行われる制度が多くあります。所有者側で耐震診断を実施し、その結果を提出する制度もあります。
  3. 解体業者の見積もり取得——内訳の明記された見積書を業者から取得します。この段階ではまだ契約を結ばないのが原則です。
  4. 交付申請・交付決定——申請書と見積書、登記事項証明書などの必要書類を提出し、審査を経て交付が決定します。決定前に契約・着工すると対象外になる制度がほとんどです。
  5. 工事契約・着工——交付決定後に解体業者と正式に契約し、工事に着手します。
  6. 完了報告・補助金の交付——工事完了後、写真や領収書などの書類とともに完了報告を提出し、審査を経て補助金が交付されます。

解体と並行して遺品整理や家財の片付けを進める場合は、片付けと解体の順序、業者間の調整も必要です。全体の段取りは実家じまいの手順ガイドで詳しく解説しています。

補助金申請の注意点

申請にあたって、あらかじめ知っておくと手戻りを防げる点をまとめました。

  • 契約・着工のタイミングを誤らない——多くの制度で、交付決定前に業者と契約したり、工事に着手したりすると補助対象外になります。急いで業者を決める前に、まず自治体窓口へ相談する順番を守ってください。
  • 予算には限りがある——先着順で受付し、予算の上限に達した時点で年度途中でも受付を終了する制度が大半です。年度が替わっても同じ内容で継続する保証はありません。解体を検討し始めたら、早い段階で窓口に問い合わせておくと安心です。
  • 他の補助金と重複できない場合がある——同一の工事に対して複数の補助金を併用できない制度が一般的です。国や都道府県の制度とあわせて使えるかどうかも、事前に確認してください。
  • 必要書類の準備に時間がかかる——登記事項証明書、本人確認書類、解体業者の見積書、耐震診断の結果など、複数の書類がそろって初めて申請できる制度がほとんどです。相続人が複数いる場合は、全員の同意書が必要になることもあります。
  • 解体後の土地の扱いを条件とする制度もある——跡地を一定期間、地域の活性化に利用することや、更地のまま一定期間保持することを交付の条件とする自治体もあります。売却や新築の予定がある場合は、条件と時期の整合を確認してください。
  • 相続放棄を検討している場合は特に注意する——相続放棄をする予定がある場合、解体や補助金申請といった行為が単純承認とみなされ、後から相続放棄ができなくなることがあります。放棄を迷っている段階で解体を進める前に、司法書士や弁護士へ相談しておくことをおすすめします。

解体費用と補助金の負担軽減シミュレーション

補助金の金額だけを見ても、実際にどれくらい自己負担が軽くなるのかは分かりにくいものです。ここでは、上の一覧表にある実際の補助率・上限額を使って、解体費用に対する負担軽減の目安を試算します。解体費用は建物の規模や立地、道路幅などによって変わるため、以下はあくまで条件を仮定した計算例です。

試算1:名古屋市(評価125点以上・補助率3分の2・上限80万円)のケース

項目 金額
解体費用(見積り想定額) 150万円
補助率 3分の2
計算上の補助額(150万円×3分の2) 約100万円
制度の上限額 80万円
実際に交付される補助額(上限が適用される) 80万円
自己負担額の目安 70万円

補助率が高い制度でも、上限額を上回る分は自己負担になります。名古屋市のケースのように補助率が3分の2でも、上限80万円を超える工事費であれば、実際の負担軽減率は当初の想定より小さくなる点に注意してください。

試算2:相模原市(補助率2分の1・上限50万円、世帯全員非課税の場合は80万円)のケース

項目 課税世帯 世帯全員が非課税の場合
解体費用(見積り想定額) 120万円 120万円
補助率 2分の1 2分の1
計算上の補助額(120万円×2分の1) 60万円 60万円
制度の上限額 50万円 80万円
実際に交付される補助額 50万円 60万円
自己負担額の目安 70万円 60万円

相模原市のように、世帯の課税状況によって上限額が変わる制度もあります。同じ解体費用の見積もりでも、非課税世帯のほうが自己負担を抑えられる設計です。ご自身の実家が対象になる制度にどのような区分があるかは、事前相談の際に確認しておくと、資金計画を立てやすくなります。

解体せずに放置した場合の負担も見落とせません。空き家が「特定空家等」に指定されるまで放置が進むと、固定資産税の住宅用地特例が解除され、更地と同等の税額になる可能性があります。老朽化が進むほど倒壊や部材の飛散といった保安上のリスクも高まり、近隣とのトラブルに発展する例もあります。補助金を使って早めに解体する場合と、判断を先送りして放置し続ける場合とでは、目に見える解体費用以外の負担にも差が出てくることを踏まえて検討してください。

実家じまいと解体をまとめて検討する場合

解体は、遺品整理や家財の片付けが終わったあとに進めるのが一般的な順序です。片付けと解体を別々の業者に依頼すると、日程調整や敷地内の残置物の扱いをめぐって連絡が煩雑になることがあります。片付けから解体・売却の相談までを一つの窓口で進められれば、補助金の申請に必要な現況写真の撮影や、登記関係の確認も含めてまとめて動きやすくなります。

安心実家じまいは、遺品整理・生前整理から家の売却・解体の手配までを一つの窓口でお受けする全国対応のサービスです。解体を視野に入れた実家であれば、片付けの段階から解体業者や補助金の相談を並行して進めることもできます。実家じまい代行パックの内容は実家じまい代行サービスのページで、費用の目安は実家じまいの費用と内訳で紹介しています。相続登記など法律手続きが絡む場合は、提携司法書士と連携して進めます。遠方にお住まいで実家に頻繁に通えない場合も、写真でのやり取りと立ち会いなしの作業で進める方法があります。

よくある質問

空き家解体の補助金は、日本全国どの市区町村でも使えますか?
いいえ。空き家解体の補助金は市区町村が独自に設ける制度で、全国一律の仕組みではありません。政令指定都市の多くは老朽危険空家等の除却に補助率3分の1前後・上限30万〜100万円程度の制度を設けていますが、さいたま市・福岡市のように2026年8月時点で空き家解体専用の補助制度が公式サイト上で確認できない政令市や、京都市のように制度はあっても令和7年度分の受付が終了し新規受付を行っていない市もあります。実家がある市区町村の建築指導課や空家対策の担当窓口に、制度の有無から確認することをおすすめします。
補助金は解体工事の前と後、どちらで申請すればいいですか?
ほとんどの制度で、解体工事の契約・着工前の申請が原則です。多くの自治体が「交付決定前に契約・着工した場合は補助対象外」と明記しており、順番を誤ると補助金を受け取れません。解体を決めた時点で、業者との契約を結ぶ前に自治体窓口へ相談し、必要書類や審査期間を確認してから見積書・契約の準備を進めてください。
補助金の対象にならない空き家にはどのような例がありますか?
昭和56年5月31日以前の旧耐震基準に該当しない比較的新しい建物、すでに耐震補強工事を実施した建物、公共事業の補償対象になっている建物、所有者が法人である場合などは、多くの制度で対象外とされています。市税を滞納している場合や、暴力団員等に該当する場合も対象外となる制度が一般的です。制度ごとに条件が異なるため、該当するかどうかは事前相談の段階で確認してください。
補助金の予算がなくなったら、その年度はもう申請できませんか?
多くの制度が、予算の上限に達し次第受付を終了する先着順の仕組みを採用しています。年度の途中で受付が終了することも珍しくないため、解体を検討し始めた段階で早めに窓口へ相談し、申請時期を逃さないようにすることが重要です。翌年度に同じ制度が継続するとは限らない点にも注意してください。
遠方に住んでいても、実家の解体補助金の申請と実家じまいを進められますか?
可能です。補助金の申請自体は郵送や自治体窓口とのやり取りで進められる制度が多く、現地に住んでいなくても手続きできます。安心実家じまいでは、遺品整理から解体業者の手配までを窓口ひとつでご相談いただけます。遠方にお住まいの場合も、写真での状況確認や書類のやり取りを含めて進め方をご案内しますので、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

空き家解体・実家じまいの補助金は、自治体ごとに制度の有無と内容が大きく異なる分野です。要点を振り返ります。

  • 補助金は市区町村が独自に運用する制度で、全国一律ではない。実家がある自治体での有無の確認が出発点
  • 政令指定都市の多くは補助率3分の1前後・上限30万〜100万円程度の老朽危険空家等除却補助を設けている
  • さいたま市・福岡市など空き家専用の解体補助が確認できない政令市や、京都市のように受付が終了している市もある。他の制度で代用できる場合もあるため窓口へ相談を
  • ほとんどの制度で、解体工事の契約・着工前の申請が原則。順番を誤ると受け取れない
  • 予算の上限に達し次第、年度途中でも受付が終了する制度が大半。早めの相談が肝心
  • 解体後は固定資産税の住宅用地特例が外れる可能性がある。税金面も含めた総合判断が必要
  • 相続登記は義務化されており、名義が故人のままだと申請・契約が進められないことがある
  • 相続放棄を検討中の場合、解体や補助金申請が単純承認とみなされるリスクがあるため事前相談を

補助金の金額は数十万円規模でも、解体費用全体の負担を軽くする効果は小さくありません。実家がある自治体の制度を早めに確認し、片付けから解体までの段取りに組み込んでおくことが、無駄のない実家じまいにつながります。費用の全体像は実家じまいの費用と内訳を、進め方は実家じまいの完全ガイドをご覧ください。

読むより、聞いたほうが早いこともあります

家財の片付けから家の処分のご案内まで。2DKまで29.8万円(税別)〜の定額パックです。ご相談・お見積もりは無料です。

LINEで無料相談 実家じまい代行パックを見る フォームで相談

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

目次