MENU

空き家の有料引き取りとは?費用相場・国のガイドライン・買取との比較【国交省調査】

最終更新日:2026年9月19日|監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

監修の範囲:相続・登記・法務に関する記述(司法書士・行政書士の業務範囲)。片付け・買取・費用相場などの記述は安心実家じまい事務局が編集しています。監修者プロフィール

税金について:税額の計算や特例を使えるかどうかの判断は税理士の業務で、監修の範囲に含みません。申告の前に、税理士または所轄の税務署でご確認ください。

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 「空き家の有料引き取り」とは、所有者がお金を払って事業者に不動産を引き取ってもらう仕組みです。国土交通省の調査では引取料の相場は約40万〜500万円とされ、通常の売買とは逆にお金を「支払う」取引だと理解しておく必要があります。
  • 結論を出す前に、①片付けてから売る(買取・仲介)②そのまま有料で引き取ってもらう③相続土地国庫帰属制度を使うの3択を、手取り額とスピードで比べてください。当事務局は宅建業者ではないため、売却・買取は提携の宅建業者による空き家の引き取り・買取をご案内し、当事務局は窓口と片付けを担当します。
  • 相続登記が済んでいないと、そもそも売却も有料引き取りも利用できません。2024年4月の義務化で3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象になり得ます(法務局)。
  • 金額を決める前に、税金面では国税庁の空き家特例(No.3306)で譲渡益を最大3,000万円控除できる可能性を必ず確認してください。控除が使える家を安易に有料引き取りに出すと、数百万円単位で損をすることがあります。
目次

「空き家の有料引き取り」とは?国土交通省の実態調査で分かったこと

「空き家の有料引き取り」とは、通常の不動産売買とは逆に、不動産の所有者がお金(引取料)を支払い、事業者が不動産を引き受ける取引の呼び名です。国土交通省は2024年9月〜10月にかけて、インターネット上で引取サービスを掲載する事業者について実態調査を行い、2024年12月時点の資料として公表しています。それによると、調査対象の事業者は59社で、このうち宅地建物取引業(宅建業)の免許を持つ事業者は38社(64.4%)、免許を持たない事業者は19社(32.2%)でした。本社所在地は東京都が29社と全体の約半数を占めています。

気になる費用相場についても、国土交通省が各社にヒアリングした実績が公表されています。ヒアリングに応じた3社の例では、A社は約50万〜500万円、B社は土地が1筆あたり約15万円(2筆目以降は5万円)+建物が利用可能な状態で約70万円〜、C社(関東および近県対応)は約40万〜50万円という水準でした。地域や建物の有無、老朽度によって金額の幅が大きいことが読み取れます。出典:国土交通省「不動産の『引取サービス』について」(資料2)

この調査結果からも分かるとおり、有料引き取りは「売れない不動産を最後に手放す手段」として一定のニーズがある一方、宅建業法の規制が及ばない事業者も少なくありません。国土交通省は課題として、①取引の安全性(金銭を支払ったのに所有権移転登記が行われないなどのトラブル)、②適正価格での取引機会の喪失(本来売れる不動産まで安易に引取サービスに回ってしまうこと)、③引取後の管理不全化の3点を挙げ、注視していく方針を示しています。

なぜ「お金を払ってでも」手放すのか|空き家を放置するコスト

そもそも、なぜ所有者がお金を払ってまで空き家を手放そうとするのかといえば、空き家を持ち続けること自体にコストとリスクがあるからです。まず固定資産税・都市計画税は、建物が建っている間は住宅用地の特例により軽減されていますが、放置が進んで「管理不全空き家」や「特定空き家」に自治体から指定されると、この特例が解除され、固定資産税が最大6倍程度に増えるケースがあります。これは空家法(空家等対策の推進に関する特別措置法)に基づく仕組みで、2023年の法改正により「管理不全空き家」という指定区分が新設され、特定空き家に至る前の段階でも勧告の対象になり得るようになりました。

加えて、遠方に住む相続人が実家を空き家のまま放置すると、台風や地震で外壁・屋根が崩れて近隣に被害を与えた場合、所有者が損害賠償責任を問われる可能性があります。総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」(速報)によれば、全国の空き家数は約900万戸(空き家率13.8%)と過去最多を更新し、そのうち賃貸・売却用や別荘などの二次利用を除いた「利用目的のない空き家」は385万戸に上ります。売却も賃貸も難しい実家を抱える家庭が、全国的に増え続けているという背景が、有料引き取りサービスの需要につながっています。出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」

ここまでで「うちの実家はどれに当てはまる?」と思ったら

片付け・査定・買取のご相談まで。写真を送るだけで概算のお見積もりをお出しします。

LINEで無料見積もり 実家まるごと診断(無料) 空き家の買取・引き取りを見る

買取・仲介・有料引き取りの3択比較【一覧表】

実家の空き家をどう手放すか判断する軸は、結局のところ「片付けてから売るか、そのまま引き取ってもらうか、手取りで比べる」ことに尽きます。以下は、それぞれの取引の性格を整理した比較表です。実際の金額は物件ごとに大きく異なるため、目安としてご覧ください。

仲介での売却 不動産買取 有料引き取り
お金の流れ 買主から代金を受け取る 買取業者から代金を受け取る 所有者が引取料を支払う
売却までの期間目安 数か月〜1年以上 数日〜1か月程度 数日〜1か月程度
価格水準 市場価格に近い(相場高め) 市場価格の6〜8割程度が目安 手取りはマイナス(費用約40万〜500万円)
片付け・残置物 基本的に売主が撤去 残置物ありでも対応可能な業者あり 残置物ありでも引き取る事業者が多い
向いているケース 立地がよく買い手がつきやすい物件 早く現金化したい・多少の値下げは許容できる 買取業者にも断られた・維持コストを止めたい

買取と仲介の比較でまず押さえておきたいのは、「有料引き取りは最終手段」という位置づけです。国土交通省も指摘するとおり、本来は市場価格で売却できる可能性がある不動産まで安易に引取サービスに回してしまうと、数十万〜数百万円単位で損をすることになります。有料引き取りを検討する前に、まずは提携の宅建業者による空き家買取や実家の売却で査定額を確認し、それでも買い手がつかない場合の選択肢として位置づけるのが安全です。

有料引き取りを検討する前に|本当に「売れない」か確認する

有料引き取りサービスの利用を検討する前に、まず確認したいのが「本当に市場で売れないのか」という点です。再建築不可、境界未確定、権利関係が複雑(相続人が多数いる、共有名義になっているなど)といった事情がある物件でも、買取専門の宅建業者であれば現況のまま買い取れるケースは珍しくありません。特に建物付きの空き家であれば、解体費用を差し引いた金額でも買取が成立することがあります。複数の宅建業者に査定を依頼し、「買取なら何円になるか」「有料引き取りなら何円かかるか」を並べて比較してから最終判断することをおすすめします。

なお、当事務局(安心実家じまい)は宅建業者ではありません。売却・買取そのものは提携している宅建業者が担当し、当事務局は相談の窓口と、売却前の片付け・残置物の仕分けを担当する立場です。「片付けてから売るべきか、そのまま引き渡すべきか」といった判断についても、片付け費用と買取価格への影響を踏まえてご相談いただけます。

相続空き家の3,000万円特別控除(国税庁No.3306)を先に確認する

有料引き取りを決める前に必ず確認したいのが、税金面のメリットです。国税庁の「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(措置法35条の3)では、相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋やその敷地を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売却し、一定の要件を満たすと、譲渡所得の金額から最高3,000万円を控除できます(令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合は2,000万円が上限)。主な要件は次のとおりです。

  • 被相続人が一人暮らしをしていた家屋であること(同居人がいなかった場合に限る)
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋とその敷地であること
  • 売却時までに家屋を取り壊して更地にする、または耐震基準を満たすようリフォームしてから売却すること
  • 相続開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却代金が1億円を超えないこと

この特例が使える家を、要件を確認しないまま有料引き取りに出してしまうと、本来受けられたはずの数百万円規模の節税機会を失うことになります。逆に、要件を満たさない(昭和56年6月以降の建築、同居人がいた、など)ことがはっきりしている場合は、この特例にこだわらず、買取・有料引き取りの比較に進んで問題ありません。要件の詳細な当てはめは、税理士または最寄りの税務署に確認してください。出典:国税庁タックスアンサー No.3306

取得費が分からない場合の注意(No.3302)

実家を売却・引き取りに出す際、購入当時の契約書が見当たらず「取得費」が分からないケースも多くあります。国税庁のタックスアンサーNo.3302では、取得費が不明な場合、譲渡価額(売却代金)の5%を概算取得費として計算できるとされています。取得費が実際より低く見積もられると、その分譲渡所得が大きくなり、税額が増える可能性があるため、購入時の契約書・領収書・登記簿謄本などが残っていないか、売却前に確認しておくことをおすすめします。有料引き取りの場合は「所有者が支払う」取引であり、通常の譲渡所得の計算とは扱いが異なる場合があるため、具体的な税務上の取り扱いは税理士に確認してください。出典:国税庁タックスアンサー No.3302

相続登記が済んでいないと売却も有料引き取りもできない

意外と見落とされがちですが、相続登記(不動産の名義変更)が済んでいない実家は、そもそも売却も有料引き取りも進められません。買主・引取事業者のどちらであっても、所有権を移転するには現在の名義人(相続人)が登記簿上はっきりしている必要があるためです。

相続登記は2024年4月1日から義務化されており、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記の申請をしないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象になり得ます。2024年4月1日より前に相続した未登記の不動産についても、2027年3月31日までに登記を済ませる必要があります。相続人が多数いる、遺産分割協議がまとまらないなどの事情ですぐに登記できない場合の救済策として、法務局への申出だけで義務を果たしたとみなされる「相続人申告登記」の制度も用意されています。実家の名義がまだ亡くなった親のままになっている場合は、有料引き取りや売却を検討する前に、まず司法書士に相続登記の相談をすることをおすすめします。出典:法務省 相続登記義務化の概要

相続土地国庫帰属制度との違い

「お金を払ってでも手放したい」という点では、法務省が所管する「相続土地国庫帰属制度」も選択肢の一つです。相続または遺贈によって土地を取得した人が、法務局(法務大臣)の承認を受けたうえで負担金を納付すると、その土地の所有権を国に帰属させられる制度です。有料引き取りサービスとの主な違いは次のとおりです。

有料引き取りサービス 相続土地国庫帰属制度
運営主体 民間事業者(宅建業者・任意団体など) 国(法務局)
建物の扱い 建物付きでも引き取り可能な事業者が多い 建物がある土地は却下事由(更地にする必要)
費用 約40万〜500万円(事業者・物件による) 負担金+審査手数料1筆14,000円
審査基準 事業者ごとに異なる(自主規制の途上) 境界明確・担保権なし・崖地でないなど法定要件あり
スピード 数日〜1か月程度 審査に数か月〜半年程度かかることが多い

相続土地国庫帰属制度は却下事由(建物がある土地、担保権が設定された土地、境界が明確でない土地など)や不承認事由(崖地、管理を阻害する物がある土地など)が細かく定められており、実家の空き家をそのまま国に引き取ってもらうことはできません。建物を解体して更地にしたうえで申請する必要があるため、解体費用と負担金を合わせた総額で、有料引き取りサービスと比較検討することになります。負担金の具体的な金額は土地の地目や面積によって異なり、法務省のウェブサイトに掲載されている負担金自動計算シートで試算できます。出典:法務省 相続土地国庫帰属制度の負担金

有料引き取りサービスを使う前の実務チェックリスト

有料引き取りサービスの利用を決める前に、着手前に確認しておきたい項目を一覧にしました。印刷して、業者との打ち合わせ前の確認用にご活用ください。

確認項目 チェックのポイント
相続登記の完了 名義が亡くなった方のままになっていないか。未登記なら先に司法書士へ相談する
買取査定との比較 複数の宅建業者に買取査定を依頼し、有料引き取りの費用と手取りで比較したか
空き家特例(No.3306)の該当確認 昭和56年5月31日以前の建築か、同居人がいなかったかを確認したか
宅建業免許の有無 建物付きの引き取りを依頼する事業者が宅建業免許を持っているか確認したか
支払いタイミング 引取料の支払いが所有権移転登記後(引き渡し後)になっているか。前金請求は要注意
契約不適合責任の説明 免責の範囲や例外事項について、契約前に書面で説明を受けたか
引取後の管理方針 引き取り後にどう管理・再販するか、事業者から説明を受けたか
残置物・片付けの範囲 家財が残ったまま引き取り可能か、別途片付け費用が必要かを確認したか

このうち特につまずきやすいのが「支払いタイミング」です。国土交通省が把握している自主規制団体「不動産有料引取業協議会」(令和5年設立、参加5社)の基準でも、引き取り料金の支払いは所有権移転登記の申請時以降(引き渡し日以降)とし、原則として前金の支払いを求めないことが行動指針として掲げられています。契約前に多額の前払いを求める事業者には注意してください。

ケース別に見る「どの選択肢が向いているか」

実際にどの手段を選ぶべきかは、物件の状態や家族構成によって変わります。よくあるパターンを3つ挙げて、判断の目安を整理します。

ケースA:建物の状態がよく、立地も悪くない実家

解体せずそのまま買取業者に売却できる可能性が高いケースです。まずは複数の宅建業者に買取査定を依頼し、空き家特例(No.3306)の要件を満たすかどうかも合わせて確認してください。有料引き取りを検討する必要はほとんどありません。

ケースB:老朽化が進み、買取業者にも断られた実家

複数の買取業者から「解体費用がかさむため難しい」と断られた場合に、有料引き取りサービスが選択肢に入ってきます。この場合も、A社・B社・C社のように事業者ごとに費用の算定方法(土地1筆いくら、建物いくら、というように分かれているか、一律の総額か)が異なるため、必ず複数社から見積もりを取り、支払いタイミングと契約不適合責任の免責範囲を確認したうえで契約してください。

ケースC:建物を解体して更地にできる、面積の小さい土地

建物を解体する予算があり、境界も明確な土地であれば、有料引き取りサービスと合わせて相続土地国庫帰属制度も比較対象になります。解体費用+負担金の総額と、有料引き取り事業者への支払額を並べて、どちらが総費用を抑えられるかを試算してください。神奈川県など解体・買取の実績が多いエリアでは、神奈川の空き家買取の相場も参考にできます。

有料引き取りの手続きの流れ|依頼から所有権移転までの実務ステップ

実際に有料引き取りサービスを利用する場合、どのような順番で手続きが進むのかをあらかじめ把握しておくと、業者とのやり取りで迷いにくくなります。一般的な流れを整理すると、次のようになります。

ステップ 内容 確認しておきたいこと
①相談・査定依頼 複数の事業者に物件情報(写真・登記事項証明書の内容など)を伝える 宅建業免許の有無、対応エリアの確認
②現地調査 事業者が現地を確認し、正式な引取料の見積もりを提示する 調査後に金額が変わる条件が契約書に明記されているか
③契約締結 引取条件・契約不適合責任の免責範囲・支払い時期を書面で確認 前払いを求められていないか、免責事項に例外がないか
④所有権移転登記の申請 司法書士が登記申請を行い、名義を事業者へ移転する 登記識別情報(権利証)・印鑑証明書など必要書類の準備
⑤引取料の支払い 登記申請後(引き渡し後)に引取料を受け取る形が原則 支払いのタイミングが③の契約内容と一致しているか

相続登記がまだ済んでいない実家の場合、④の前提として「亡くなった方から相続人への相続登記」を先に済ませておく必要があります。相続人が複数いる、遺産分割協議がまとまっていないといった事情がある場合は、有料引き取り事業者への相談と並行して、早めに司法書士へ相続登記の相談をしておくと、全体のスケジュールが大きく短縮できます。

有料引き取り業者の選び方|見積もり時に聞くべき5つの質問

複数の業者を比較する際、価格だけで決めてしまうと、後から追加費用やトラブルにつながることがあります。見積もりを依頼する際に、次の5点を確認しておくことをおすすめします。

  • 宅建業免許の番号は何番か——建物付きの不動産を扱う場合、免許の有無と番号を確認し、都道府県や国土交通省の宅建業者名簿検索で実在を確認できます。
  • 引取料の内訳(土地分・建物分・解体費用分)はどうなっているか——B社の例のように土地と建物で算定方法が分かれている業者もあれば、総額提示のみの業者もあります。内訳が分かるほうが、後からの追加請求を防ぎやすくなります。
  • 現地調査後に金額が変わることはあるか、あるとすればどんな場合か——境界確定の有無、残置物の量、越境物の有無などで金額が変わる業者は少なくありません。
  • 支払いのタイミングはいつか——所有権移転登記の申請後(引き渡し後)が原則です。契約時や現地調査時点での前払いを求められた場合は、他社と比較したうえで慎重に判断してください。
  • 引き取り後、その不動産をどう管理・活用する予定か——ホームページ等で引取後の方針を開示している事業者かどうかも、信頼性を判断する材料になります。

片付け・残置物はどう扱うか

有料引き取りにせよ買取にせよ、実家に家財が残ったままの状態(残置物あり)で引き渡せる事業者も一定数存在しますが、仏壇・位牌などの祭祀品や、貴重品・思い出の品は、引き渡し前に仕分けておくことをおすすめします。特に、まだ形見分けが済んでいない、写真や手紙などの整理が終わっていない場合は、片付けと引き渡しのタイミングがずれることで慌ただしくなりがちです。当事務局では、売却・引き取りの前段階として、家財の仕分け・搬出・供養までを一つの窓口でご相談いただける実家じまい代行サービスと、遺品の仕分けに特化した遺品整理サービスをご用意しています。写真を送るだけの無料見積もりからご相談いただけます。

悪徳業者を避けるためのポイント

国土交通省の資料でも、不動産の引取サービスは宅建業法などの規制が及ばない場合が多いと指摘されており、次のような点に注意することが留意点として挙げられています。

  • 金銭を支払う前に所有権移転登記が行われたことを確認する——支払い後に登記が行われないトラブルを避けるため、登記申請のタイミングを契約書で明記してもらいましょう。
  • 費用や条件を契約書で確認する——引取料の総額だけでなく、追加費用が発生する条件(現地調査後の見直しなど)も書面で確認してください。
  • 宅建業者等への相談を並行し、売却を含む取引形態を比較する——有料引き取り一択で進めず、買取査定と並行して検討することが、適正価格での取引機会を逃さないための基本です。
  • 引取後の管理方針を確認する——引き取り後に放置され、近隣とのトラブルにつながる事業者もゼロではありません。ホームページ等で管理・売却方針を提示している事業者かどうかも判断材料になります。

これらはいずれも国土交通省が公表した留意点に基づく内容です。契約を急がされる、前払いを強く求められるといった場合は、いったん立ち止まり、司法書士や消費生活センターへの相談も検討してください。

よくある質問

空き家の有料引き取りとは、具体的にどんな取引ですか?
通常の不動産売買とは逆に、所有者が事業者に対してお金(引取料)を支払い、事業者が不動産を引き受ける取引です。国土交通省の調査では、引取料の相場は約40万〜500万円とされ、土地・建物の状態や地域によって金額に幅があります。買取業者に断られた、市場での売却が難しい不動産を対象とすることが多いサービスです。
買取と有料引き取り、どちらを先に検討すべきですか?
まずは買取を検討してください。有料引き取りは所有者がお金を支払う取引であるのに対し、買取は所有者がお金を受け取る取引です。国土交通省も、本来は市場価格で売却可能な不動産まで安易に引取サービスに回ってしまうことを課題として指摘しています。複数の宅建業者に買取査定を依頼し、それでも売却が難しい場合の最終手段として有料引き取りを検討するのが安全な順序です。
相続登記が済んでいなくても有料引き取りは頼めますか?
頼めません。売却・引き取りのいずれも、所有権を移転する手続きが必要なため、登記簿上の名義が現在の相続人になっている必要があります。相続登記は2024年4月から義務化されており、相続を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象になり得ます。名義が亡くなった方のままになっている場合は、司法書士に相続登記の相談を先に行ってください。
空き家の3,000万円特別控除と有料引き取りは両立できますか?
有料引き取りは所有者がお金を支払う取引であり、譲渡所得が発生する通常の「売却」とは性質が異なるため、国税庁の空き家特例(No.3306)がそのまま適用できるかは個別の判断が必要です。控除の対象になり得る家(昭和56年5月31日以前の建築、同居人なしなど)を安易に有料引き取りに出す前に、まず税理士や税務署に、売却と有料引き取りそれぞれの税務上の扱いを確認することをおすすめします。
相続土地国庫帰属制度と有料引き取り、どちらが安いですか?
一概には言えません。国庫帰属制度は建物がある土地は対象外(却下事由)のため、解体費用が別途必要になります。一方、有料引き取りサービスは建物付きのまま依頼できる事業者が多い代わりに、費用相場が約40万〜500万円と国庫帰属の負担金より高くなる場合があります。解体費用+国庫帰属の負担金の合計額と、有料引き取り事業者への支払額を、実際の見積もりで比較することをおすすめします。
見積もりを依頼する際、何社くらいに声をかければよいですか?
目安として3社以上に査定・見積もりを依頼することをおすすめします。買取業者2〜3社と有料引き取り業者1〜2社を並行して比較すると、「本当に売れないのか」「有料引き取りの相場として妥当な金額か」の両方を判断しやすくなります。1社だけの提示額で即決すると、本来より不利な条件で契約してしまうリスクがあります。
家財が残ったままでも有料引き取りは依頼できますか?
残置物ありのまま引き取りに対応する事業者は多くありますが、仏壇・位牌などの祭祀品や、写真・手紙といった思い出の品は、引き渡し前に仕分けておくことをおすすめします。まとまった片付けが必要な場合は、実家じまい代行や遺品整理サービスに仕分け・搬出を依頼し、貴重品を確保したうえで引き渡す流れがスムーズです。

まとめ

空き家の有料引き取りは、売却が難しい実家を手放すための選択肢の一つですが、所有者がお金を支払う取引である以上、安易に飛びつくべきものではありません。振り返ります。

  • 有料引き取りの費用相場は約40万〜500万円。国土交通省の調査では宅建業免許を持つ事業者が64.4%を占める
  • 判断の軸は「片付けてから売る(買取・仲介)か、そのまま有料で引き取ってもらうか、手取りで比べる」こと
  • 相続登記が済んでいないと、そもそも売却も有料引き取りもできない。2024年4月から3年以内の登記が義務化されている
  • 空き家特例(国税庁No.3306)で最大3,000万円の控除を受けられる可能性がある家を、確認せずに有料引き取りに出さない
  • 建物を解体して更地にできる場合は、相続土地国庫帰属制度の負担金とも比較する
  • 前払いを求める事業者、契約書の説明が曖昧な事業者には注意し、複数社の見積もりを比較する

「片付けてから売るべきか」「そのまま引き取ってもらうべきか」の判断は、家財の量や物件の状態によって変わります。当事務局は宅建業者ではないため、売却・買取そのものは提携の宅建業者にお任せし、当事務局は相談窓口と片付けの実務を担当しています。まずは写真を送るだけの無料見積もりから、ご相談ください。

読むより、聞いたほうが
早いこともあります

片付け・査定・買取のご相談まで。写真を送るだけで概算のお見積もりをお出しします。ご相談・お見積もりは無料です。

LINEで無料相談 実家まるごと診断(無料) 空き家の買取・引き取りを見る フォームで相談

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
運営は株式会社Sora Capital(東京都渋谷区・安心実家じまい事務局)です。相続・登記・法務に関する記述は、提携の司法書士・行政書士 久留慎一郎が監修しています。税額の計算や申告の判断は、税理士にご確認ください。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次