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実家のリースバックとは|仕組み・メリット・デメリットと買取・仲介との比較【司法書士監修】

最終更新日:2026年9月23日|監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

監修の範囲:相続・登記・法務に関する記述(司法書士・行政書士の業務範囲)。片付け・買取・費用相場などの記述は安心実家じまい事務局が編集しています。監修者プロフィール

税金について:税額の計算や特例を使えるかどうかの判断は税理士の業務で、監修の範囲に含みません。申告の前に、税理士または所轄の税務署でご確認ください。

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 実家のリースバックは、自宅を売却して現金化しながら、賃貸として住み続けられる仕組みです。親が「住み慣れた家を離れたくない」と「まとまった資金が必要」を同時に満たしたいときの選択肢になります。
  • ただし売却価格は仲介での相場より1〜3割ほど低くなる傾向があり、家賃を払い続ける負担も生じます。実家を離れる予定があるなら、そのまま売る方が手取りは多くなるケースがほとんどです。
  • 判断の軸はシンプルで、「片付けてから売るか、そのまま買取か、手取りで比べる」ことです。リースバックはこの比較の一つの選択肢にすぎず、同居継続の必要性がなければ優先度は下がります。
  • まずは実家の売却(片付けから売却まで窓口ひとつ)で、リースバック・買取・仲介の3パターンの概算を横並びで確認することをおすすめします。
目次

実家のリースバックとは?仕組みをわかりやすく解説

実家のリースバックとは、親が住んでいる自宅(または相続した実家)を不動産会社・リースバック事業者に売却し、同時に賃貸借契約を結んで、そのまま家賃を払いながら住み続ける仕組みです。「売る」と「住み続ける」を1つの契約で同時に行う点が、通常の不動産売却との最大の違いです。

流れを整理すると、次の3ステップになります。

  1. 売買契約:所有者(親、または相続した子)が家をリースバック事業者に売却する。売却代金は一括で受け取れる。
  2. 賃貸借契約:売却と同時に、その家の賃貸借契約を結ぶ。以後は「借主」として毎月家賃を支払う。
  3. 居住継続:引っ越しをせず、そのまま同じ家に住み続ける。固定資産税・都市計画税・大規模修繕費は所有者(買主)側の負担になる。

総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、2023年10月時点の全国の住宅総数は約6,502万戸、うち空き家は約900万戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最多を更新しました。空き家の数は1993年から2023年までの30年間でおよそ2倍に増えています(出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計」)。親の高齢化に伴い「実家をどうするか」を検討する家庭が増え続ける中で、リースバックは「売る」と「離れずに住む」を両立できる選択肢として注目されていますが、通常の売却に比べて特有の注意点も多くあります。

言い換えると、リースバックは「不動産の名義」と「住む権利」を切り離す取引です。所有者としての立場(税負担・維持管理の義務)を手放す一方で、居住者としての立場(毎日の暮らし)は維持できます。この「名義」と「居住」を分けるという発想が理解できていないと、契約後に「売ったはずなのに、なぜ家賃を払い続けるのか」という感覚のズレが生じやすく、家族間の認識違いにもつながります。契約前に、親本人と子の双方が「所有権は手放す」「その代わりに賃借人として住み続ける」という前提を共有しておくことが、トラブルを避ける最初の一歩です。

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実家をリースバックするメリット

実家のリースバックには、次のようなメリットがあります。

  • 住み慣れた家を離れなくてよい——親の引っ越し・転居に伴う心身の負担(環境変化によるストレス、近所付き合いの喪失など)を避けられる。
  • まとまった資金を一括で受け取れる——老後資金、介護費用、施設入居の頭金、相続税の納税資金などに充当できる。使いみちに制限はない。
  • 固定資産税・修繕費の負担がなくなる——所有者でなくなるため、固定資産税・都市計画税・火災保険・大規模修繕の費用負担が原則不要になる。
  • 相続トラブルの火種を減らせる——不動産という「分けにくい財産」を売却して現金化しておくことで、将来の遺産分割協議(きょうだい間での取り分をめぐる争い)を避けやすくなる。
  • 近所に売却したことを知られにくい——外観・表札はそのままのため、仲介の「売り出し中」看板のように周囲に知られることが少ない。

これらのメリットの中でも、実際の相談で最も重視されるのは「住み慣れた家を離れなくてよい」という点です。長年暮らした地域を離れることは、単なる引っ越し以上の負担を伴います。かかりつけの病院、近所付き合い、日々の買い物動線など、高齢になるほど環境の変化に適応する負担は大きくなりがちです。施設入居や子との同居を検討していても本人が強く抵抗している場合、リースバックによって「住み続ける」という安心感を維持しながら資金だけを確保できることは、家族間の話し合いを円滑にするうえでも有効に働くことがあります。

実家をリースバックするデメリット・注意点

一方で、リースバックには軽視できないデメリットもあります。契約前に必ず確認してください。

  • 売却価格が相場より低くなりやすい——「売却後も住み続ける権利」がつく分、通常の仲介・買取に比べて売却価格が1〜3割ほど低くなる傾向があります。
  • 家賃の支払いが一生続く——売却後は「借主」になるため、住み続ける限り家賃の支払い義務が発生します。家賃が相場より高めに設定されるケースも見られ、年金収入だけで賄えるか事前に試算が必要です。
  • 住める期間が保証されない場合がある——契約が「定期借家契約」の場合、契約期間が満了すると原則として更新されず、退去を求められることがあります。「普通借家契約」か「定期借家契約」かを契約前に必ず確認してください。
  • 家を子や孫に遺せない——所有権が事業者に移るため、その家自体は相続財産ではなくなります。「思い出の家を残したい」という希望がある場合は不向きです。
  • 住宅ローンが残っていると利用できないことがある——売却代金でローンを完済できない場合(オーバーローン)は、事業者によっては契約を断られることがあります。
  • 事業者選びを誤ると条件が悪化するリスクがある——買戻し特約の有無、家賃の見直し条件、契約更新の可否は事業者ごとに大きく異なるため、必ず複数社の条件を比較してください。

これらのデメリットを踏まえると、リースバックは「今すぐ現金が必要」かつ「どうしても住み続けたい」という条件が重なる場合に検討する選択肢であり、単に「実家を片付けて売りたい」だけであれば、通常の売却(買取・仲介)の方が手取り額は大きくなるケースがほとんどです。売却の判断で最初に確認すべきは「住み続ける必要があるかどうか」で、その必要がなければ空き家買取や実家の売却を先に検討することをおすすめします。

実務上よく相談を受けるのが、「親は住み続けたいと言っているが、子から見ると本当にリースバックが最善なのか判断がつかない」というケースです。この場合、まず確認すべきは①親の年齢・健康状態から見て、今後どのくらいの期間その家に住み続ける見込みがあるか、②仮に3〜5年後に施設入居や同居に切り替わった場合、リースバックの家賃負担と仲介で売って賃貸に住み替える場合の総支払額を比べるとどちらが有利か、の2点です。短期間しか住まない見込みが高いなら、リースバックで一度売却してしまうより、仲介・買取で正規の相場に近い金額を受け取り、その資金で高齢者向け住宅の入居費用に充てる方が、トータルの手取りが大きくなることが少なくありません。

実家の処分方法3択比較表【リースバック・買取・仲介】

実家を手放す(または現金化する)方法は、リースバックだけではありません。代表的な3つの方法を比較します。

リースバック 買取 仲介
売却価格の目安 相場の70〜90%程度 相場の70〜80%程度 相場に近い(ただし売れるまで時間がかかる)
住み続けられるか できる(家賃を払って賃貸で継続) できない(引き渡し後に退去) できない(引き渡し後に退去)
現金化までの期間 短い(数週間〜1カ月程度) 短い(数週間〜1カ月程度) 長い(数カ月〜半年以上かかることも)
毎月の支払い 家賃が発生する なし なし
向いている人 住み続けたいが資金が必要な人 早く現金化して手を離したい人 時間をかけてでも高く売りたい人

実家がすでに空き家で、誰も住む予定がない場合は、家賃負担のあるリースバックよりも買取や仲介の方が合理的です。反対に、親がまだ実家で暮らしていて、施設入居や住み替えの時期が未定な場合は、リースバックで資金を確保しつつ様子を見る、という使い方が現実的です。判断に迷う場合は、実家の売却の無料見積もりで、買取・仲介それぞれの概算を出したうえで、リースバックの見積もりと横並びで比較することをおすすめします。

比較表のうち、意外と見落とされがちなのが「現金化までの期間」です。仲介は買主が見つかるまでの期間が読めず、立地や築年数によっては半年以上売れ残ることもあります。相続税の納税期限(相続開始を知った日の翌日から10カ月以内)に間に合わせたい場合や、施設入居の頭金を急いで用意したい場合は、仲介の「時間がかかる」というデメリットが致命的になることがあります。こうした「期限がある資金需要」がある場合は、買取またはリースバックのように短期間で現金化できる方法を優先的に検討してください。

売却か、そのまま空き家で放置か——固定資産税の視点

「リースバックも仲介も面倒だから、とりあえずそのままにしておく」という判断をする家庭も少なくありません。しかし、空き家のまま放置することには税制上のリスクがあります。

2023年12月13日に施行された改正空家法により、適切に管理されていない空き家は「管理不全空き家」に指定され、市区町村からの指導・勧告の対象になります。勧告を受けてもなお改善が見られない場合、固定資産税の住宅用地特例(更地に比べて税額が最大6分の1に軽減される措置)が解除され、固定資産税が跳ね上がる可能性があります(出典:国土交通省「空き家対策 特設サイト」)。

つまり、実家を「誰も住まないまま持ち続ける」選択は、固定資産税の軽減が受けられなくなるリスクと管理の手間を抱え続けることを意味します。リースバックであれば所有権自体を手放すため、この管理不全空き家のリスクを回避できるという点は、単純な放置と比べた場合の利点といえます。ただし、これは「放置よりまし」というだけの話であり、住み続ける必要がないのであれば、買取や仲介で手放した方がシンプルです。

なお、立地条件が悪い、老朽化が進んでいるなどの理由で買取・仲介いずれも成立しにくい実家の場合は、「有料引き取り」という選択肢もあります。買取・仲介・有料引き取りの違いを整理すると、次のとおりです。

買取 仲介 有料引き取り
お金の流れ 事業者から代金を受け取る 買主から代金を受け取る 所有者側が処分費用を支払う
対象になりやすい物件 再販できる見込みがある物件 市場に一定の需要がある物件 買取・仲介がいずれも不成立の老朽化物件など
手放すまでの期間 短い 買主が見つかるまで不確定 比較的短い

実家がまだ人が住める状態でリースバックを検討できる段階であれば、有料引き取りの対象になることはほぼありませんが、将来的に建物が老朽化し買取・仲介いずれも難しくなった場合の「最後の手段」として、この選択肢があることも知っておくと安心です。

リースバックと税金・確定申告

リースバックも法律上は「売却」にあたるため、譲渡所得税の対象になります。ただし、親が長年住んでいる自宅であれば、居住用財産を売ったときの特例(3,000万円特別控除)の対象になる可能性があります。この特例が適用されると、譲渡所得(売却代金から取得費・譲渡費用を差し引いた利益)から最大3,000万円を控除できるため、譲渡所得税がかからない、または大幅に軽減されるケースが多くあります(出典:国税庁タックスアンサー No.3302「マイホームを売ったときの特例」)。

ただし、この特例は「自分が住んでいる家屋」が対象で、親名義のまま子が実質的に管理している空き家や、すでに相続して誰も住んでいない実家には原則として適用されません。特例が使えるかどうか、控除額がいくらになるかは個々の事情(所有期間、居住実態、過去の特例利用歴など)によって異なるため、契約前に税理士または税務署へ確認することを強くおすすめします。

相続前・相続後で何が変わるか

リースバックを検討するタイミングは、大きく分けて「親が存命でまだ実家名義」の場合と、「すでに相続が発生している」場合の2パターンがあります。

親が存命で、実家がまだ親名義の場合

この場合、契約の当事者は親本人です。子がリースバックを勧めるにしても、最終的な判断・契約は親の意思に基づく必要があります。認知機能の低下が見られる場合は、契約能力の有無が問題になることがあるため、早めに司法書士へ相談し、必要であれば成年後見制度の利用も検討してください。

すでに相続が発生し、実家が空き家になっている場合

親が亡くなり実家を相続した場合、リースバックを契約するには、まず相続人名義に相続登記を済ませておく必要があります。2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記の申請をしないと、10万円以下の過料の対象になり得ます。これは2024年4月1日より前に発生した相続にも適用され、経過措置により2027年3月31日までに登記が必要です(出典:東京法務局「相続登記が義務化されました」)。相続登記が済んでいない実家は、リースバックはもちろん、買取・仲介いずれの売却手続きも進められません。まずは名義の確認から始めてください。

ケース別シミュレーション

実際の相談でよくある3つのパターンで、判断の考え方を整理します。金額は目安であり、実際の査定額・家賃は物件・事業者によって異なります。

ケース1:親が実家で一人暮らし中。施設入居はまだ先が見えない

「今は元気だが、いつ施設入居になるかわからない」という段階です。この場合、リースバックで資金を確保しつつ住み続け、将来施設入居のタイミングが来たら賃貸借契約を解約して退去する、という使い方が現実的です。ただし定期借家契約の場合は契約期間・更新条件を必ず確認し、想定より早く退去を求められないかチェックしてください。

ケース2:親がすでに施設入居済みで、実家は空き家

誰も住む予定がないため、住み続けるメリットを活かせません。この場合はリースバックよりも、買取や仲介での売却を優先した方が手取り額は大きくなります。片付け(残置物の搬出)が必要な場合は、実家じまい代行や遺品整理サービスで家財を仕分けてから売却に進む流れが一般的です。

ケース3:相続後、きょうだい間で意見が分かれている

「住み続けたい相続人」と「早く現金化したい相続人」で意見が割れるケースです。リースバックは所有権を手放す契約のため、共有名義の場合は共有者全員の同意が必要になります。全員の合意が得られない場合、まず相続登記を済ませたうえで、持分の整理(代償分割や共有物分割)について司法書士に相談してから進めることをおすすめします。たとえば神奈川県内の実家であれば、神奈川県の空き家買取のように地域の相場も踏まえて検討すると、判断がしやすくなります。

このケースで実務上効果的なのは、「住み続けたい相続人」がリースバックの家賃相当額を試算したうえで、「自分がその家賃を払い続けられるか」を数字で確認することです。感情的に「住み続けたい」と主張していても、実際に家賃の負担額を月単位・年単位で並べてみると、想定より重いと気づき、結果的に売却(買取・仲介)で合意しやすくなることがあります。逆に、明確に支払い能力があるのであれば、他の相続人には代償金(持分に応じた現金)を支払うことで合意形成を図る方法もあります。いずれにしても、感情論だけで進めず、金額を可視化したうえで話し合うことが解決の近道です。

ケース4:親が認知症の兆候があり、判断能力に不安がある

親が実家の名義人のまま認知機能の低下が進んでいる場合、そもそも本人による有効な契約締結が難しくなります。契約の意思表示ができるかどうかは、司法書士や医師の判断を仰ぐ必要があり、判断能力が不十分と認められると、成年後見制度を利用したうえで後見人が代理で手続きを進めることになります。後見制度を利用すると、家庭裁判所の許可が必要になるなど手続きが煩雑になり、リースバック契約自体が事実上難しくなるケースもあります。少しでも判断能力への不安があるなら、症状が進行する前に、早めに司法書士へ相談し、任意後見や家族信託などの選択肢も含めて検討しておくことをおすすめします。

リースバックを検討する前の実務チェックリスト

契約前に、次の項目を確認しておくと後悔を防げます。印刷してチェックしながら進めてください。

確認項目 内容
名義の確認 実家の登記名義が誰になっているか。相続が発生している場合は相続登記が済んでいるか
住宅ローンの残債 売却代金で完済できるか(オーバーローンの場合は事業者に要相談)
契約形態の確認 普通借家契約か定期借家契約か。更新の可否・期間を書面で確認する
家賃の妥当性 周辺の賃貸相場と比較して家賃が高すぎないか
買戻し特約の有無 将来買い戻せる条件があるか、ある場合の金額・期限
共有者の同意 相続で共有名義になっている場合、共有者全員の同意が取れているか
税金の試算 3,000万円特別控除が使えるか、使えない場合の譲渡所得税の概算
複数社での見積もり比較 1社だけで決めず、最低2〜3社の条件(価格・家賃・契約形態)を比較する

このチェックリストの中でも、特に見落とされがちなのが「契約形態の確認」と「共有者の同意」です。定期借家契約であることに気づかないまま契約し、数年後に退去を求められて慌てるケースや、相続人の一部の同意だけで話を進めてしまい後からトラブルになるケースが見られます。契約書を交わす前の段階で、司法書士や弁護士など第三者に一度目を通してもらうことをおすすめします。

リースバック事業者を選ぶときに確認すべきポイント

リースバックは事業者によって、売却価格・家賃・契約条件が大きく異なります。1社だけの提示条件で即決せず、必ず複数社を比較してください。特に次の3点は、金額の大小だけでなく、契約書の文言レベルで必ず確認することをおすすめします。

  • 買戻し特約の実効性——「将来買い戻せる」とうたっていても、買戻し価格が売却価格より大幅に高く設定されていたり、買戻しの期限が極端に短かったりする契約もあります。買戻しを想定しているなら、価格の計算方法と期限を書面で確認してください。
  • 家賃の改定条件——契約期間中に家賃が値上げされる可能性があるか、ある場合はどのような条件・頻度で改定されるのかを確認します。固定家賃を謳っていても、更新時に条件が変わる場合があるため、更新時の扱いも含めて確認が必要です。
  • 解約・退去時の原状回復義務——将来的に退去する際、原状回復費用がどの程度かかるのか、敷金・保証金の精算方法も事前に確認しておくと安心です。

また、宅地建物取引業者としての免許番号(都道府県知事または国土交通大臣の免許)を持っているか、営業実績・契約実績が確認できるかも、事業者選びの基本的なチェックポイントです。契約書の内容が複雑で判断がつかない場合は、契約前に司法書士や弁護士など第三者に確認してもらうことを強くおすすめします。安心実家じまいでは、提携の宅建業者を通じて複数の見積もりを取り寄せることができるため、1社だけの提示条件で判断してしまうリスクを避けやすくなります。

実家の片付け・売却をまとめて進める方法

リースバックであっても、実際に契約を進める前には、家の中の荷物の仕分け(残しておくもの・処分するもの)が必要になることがあります。特に長年住んでいる実家の場合、物置や納屋、庭の物置小屋まで含めると、片付けだけでもかなりの手間がかかります。安心実家じまいでは、リースバックを検討する段階からご相談いただければ、実家じまい代行で不要な家財の仕分け・搬出を行いながら、提携の宅建業者によるリースバック・買取・仲介いずれの選択肢についても概算をまとめてご提示することが可能です。

なお、当事務局は宅地建物取引業者(宅建業者)ではありません。リースバックの契約・売買・賃貸借契約の締結は提携の宅建業者が担当し、安心実家じまいは相談の窓口と、片付け・遺品整理・家財の仕分けを担当する形になります。「誰が」「何を」担当するのかが分かりにくいまま話が進むケースもあるため、契約前に役割分担を確認しておくと安心です。

特に、親が実家に住み続けたままリースバックを検討する場合、生活動線を確保しながらの片付けになるため、「使っているもの」と「使っていないもの」を区別する作業が通常の遺品整理よりも繊細になります。長年暮らした家の中には、普段使っていなくても本人にとって思い入れのある品物が多く、無理に処分を急ぐと本人の心理的な負担が大きくなります。安心実家じまいでは、写真での事前確認、作業前後の写真報告など、離れて暮らす家族にも進捗が分かる形で進めることを心がけています。片付けと売却(リースバックを含む)のどちらを先に進めるべきか迷う場合も、まずは現状の写真を送っていただければ、進め方の順番から一緒に整理できます。

よくある質問

実家のリースバックは、親が高齢でも契約できますか?
契約自体に年齢の上限はありませんが、契約内容を正しく理解し、意思表示ができることが前提になります。認知機能の低下が見られる場合は、契約能力が問題になることがあるため、事前に司法書士へ相談し、必要であれば成年後見制度の利用も検討してください。判断が難しい場合は、子など親族が同席したうえで、契約内容を一つずつ確認しながら進めることをおすすめします。
リースバック後、家賃が払えなくなったらどうなりますか?
賃貸借契約である以上、家賃を滞納すると契約解除・退去を求められるリスクがあります。契約前に、年金収入や貯蓄で家賃を無理なく払い続けられるか、長期的な収支をシミュレーションしておくことが重要です。家賃が相場より高く設定されている事業者もあるため、複数社の条件を比較し、無理のない家賃水準の事業者を選んでください。
リースバックとリバースモーゲージはどう違いますか?
リースバックは家を売却して所有権を手放し、賃貸として住み続ける仕組みです。一方リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受け、所有権は本人に残ったまま住み続け、契約者の死亡後に自宅を売却するなどして返済する仕組みです。所有権を残したいか、手放してでも高い自由度で資金を得たいかによって、向き不向きが分かれます。どちらが適しているかは資産状況によって異なるため、金融機関や専門家に相談することをおすすめします。
相続した空き家でもリースバックはできますか?
相続登記が完了していれば可能です。ただし、誰も住んでいない空き家の場合、リースバックで賃貸として住み続けるメリットを活かせないため、買取や仲介での売却の方が手取り額が大きくなるケースがほとんどです。相続登記が済んでいない場合は、まず相続登記を済ませる必要があります。
リースバックで売却した後、将来また買い戻すことはできますか?
事業者との契約に買戻し特約が含まれていれば可能です。ただし、買戻し価格は売却価格より高く設定されるのが一般的で、期限が決まっている契約がほとんどです。「将来的に買い戻したい」という希望がある場合は、契約前に買戻し価格の計算方法・期限を必ず書面で確認し、実際に買い戻せる資金の見通しが立つかどうかも合わせて検討してください。
実家がオーバーローン(住宅ローン残債が売却価格を上回る)の場合、リースバックはできますか?
売却代金でローンを完済できない場合、金融機関の同意(抵当権抹消の同意)が得られなければ、原則として売却自体ができません。事業者によっては、自己資金で不足分を補う、あるいは金融機関と個別に交渉するなどの対応で契約できるケースもありますが、対応可否は事業者ごとに異なります。ローン残債がある場合は、まず金融機関に残債額を確認したうえで、複数のリースバック事業者に相談することをおすすめします。

まとめ

実家のリースバックは、住み慣れた家に住み続けながら資金を確保できる、有力な選択肢の一つです。振り返ります。

  • リースバックは「売却」と「賃貸」を同時に行う仕組み。売却代金を受け取りながら住み続けられる
  • 売却価格は相場より1〜3割ほど低くなりやすく、家賃の支払いが継続する点はデメリット
  • 契約形態(普通借家か定期借家か)、買戻し特約の有無は必ず契約前に確認する
  • 住み続ける必要がないなら、買取・仲介の方が手取りは大きくなりやすい
  • 居住用財産の3,000万円特別控除が使える場合があるが、適用要件は個別に確認が必要
  • 相続後の実家は、先に相続登記を済ませないとリースバックも売却も進められない
  • 判断に迷ったら「片付けてから売るか、そのまま買取か、手取りで比べる」の軸で整理する

リースバックが向いているかどうかは、家族構成や資金状況、今後の住み替え予定によって大きく変わります。一人で判断せず、まずは複数の選択肢を並べて比較することから始めてください。特に、契約後に「思っていた条件と違った」という後悔を防ぐには、家賃の総支払見込み額(例えば10年住み続けた場合の家賃合計)を、買取・仲介で受け取れる金額と並べて比較する作業が欠かせません。感覚だけで「住み続けられるから良さそう」と判断せず、必ず数字に落とし込んでから最終判断をしてください。実家の売却全般については実家の売却(片付けから売却まで窓口ひとつ)もあわせてご覧ください。

読むより、聞いたほうが
早いこともあります

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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
運営は株式会社Sora Capital(東京都渋谷区・安心実家じまい事務局)です。相続・登記・法務に関する記述は、提携の司法書士・行政書士 久留慎一郎が監修しています。税額の計算や申告の判断は、税理士にご確認ください。

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