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低未利用土地の100万円特別控除とは|要件・空き家との関係・空き家特例との比較

最終更新日:2026年10月8日|法務監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生|執筆・編集:安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

監修の範囲:相続・登記・法務に関する記述(司法書士・行政書士の業務範囲)。片付け・買取・費用相場などの記述は安心実家じまい事務局が編集しています。監修者プロフィール

税金について:税額の計算や特例を使えるかどうかの判断は税理士の業務で、監修の範囲に含みません。申告の前に、税理士または所轄の税務署でご確認ください。

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

監修範囲:久留慎一郎先生(司法書士・行政書士)の監修は、相続登記や名義変更など法務に関する記述です。税額の計算や税の特例に関する記述は、国税庁の公表資料・租税特別措置法をもとに事務局が作成しており、監修の対象外です。個別の税額判定は税理士・税務署にご確認ください。監修者プロフィール

この記事の結論

  • 相続した空き家付きの土地などを500万円以下(市街化区域などは800万円以下)で売ると、譲渡所得から100万円を控除できる制度があります(低未利用土地等の特別控除・措置法35条の3)。所有期間が売った年の1月1日時点で5年超であることが要件です。
  • 同じ土地の売却では、空き家の3,000万円特別控除や取得費加算の特例と併用できません。多くの実家では空き家特例の方が減税額が大きくなりやすいため、まず併用不可を前提に「どちらが有利か」を比較する必要があります。
  • 何より判断すべきは、片付けてから売るか、そのまま買取に出すか、手取りで比べることです。片付け費用・解体費用をかけても売却額が上がらない立地もあり、空き家買取(片付け不要・複数社査定)で現況のままの査定額を確認してから判断する方が、結果的に手取りが残るケースも少なくありません。
  • 控除を受けるには確定申告が必要で、売却前に市区町村から「低未利用土地等であることの確認書」を取得する手続きが欠かせません。売却後に気づいても間に合わないため、契約前の段階で準備しておきましょう。

「土地を安く売ったのに、何も控除が使えないのか」——相続した実家や空き地を売却した方から、こうした相談を受けることがあります。空き家の3,000万円特別控除は知られていても、売却額が小さい土地・建物に使える「低未利用土地等の特別控除(100万円控除)」は、存在自体を知らないまま確定申告を終えてしまう方が少なくありません。

この制度は、都市計画区域内にある低未利用の土地・建物を500万円以下(一定区域は800万円以下)で売ったときに、譲渡所得から100万円を差し引ける特例です(租税特別措置法35条の3、国税庁タックスアンサーNo.3226)。相続した空き家の多くは、建物も古く、売却額もこの価格帯に収まりやすいため、空き家の売却と相性のよい制度といえます。一方で、所有期間や売却価格の上限、市区町村の確認書取得など、見落としやすい要件もいくつかあります。

この記事では、国税庁の原文と租税特別措置法の規定をもとに、要件・控除額・手続きの流れを整理したうえで、空き家の3,000万円特別控除・取得費加算の特例との比較表、ケース別のシミュレーション、売却前の実務チェックリストまで解説します。あわせて「そもそも売却額を少しでも上げる・手取りを増やすにはどうするか」という実務的な判断軸も示します。

目次

低未利用土地等の特別控除(100万円控除)とは

国税庁タックスアンサーNo.3226は、この制度を次のように説明しています。

「個人が、令和2年7月1日から令和10年12月31日までの間において、都市計画区域内にある一定の低未利用土地等を500万円以下(一定の場合は800万円以下)で売った場合には、その年の低未利用土地等の譲渡に係る譲渡所得の金額から100万円を控除することができます。その譲渡所得の金額が100万円に満たない場合には、その譲渡所得の金額が控除額になります。」(国税庁 タックスアンサー No.3226)

ポイントは2つです。第一に、控除できるのは最大100万円で、譲渡所得(売却益)がそれより小さければ、その金額までしか控除されません。第二に、適用期間は令和10年(2028年)12月31日までの譲渡に限られており、恒久的な制度ではありません。期限内に要件を満たして売却する必要があります。

「低未利用土地等」とは、居住や事業などの用途に利用されていない、または周辺の同種の土地と比べて利用の程度が著しく劣っている土地やその土地の上に存する権利を指します(措置法35条の3第1項)。相続後、誰も住まず放置された実家の敷地や、建物を解体したあとの空き地は、典型的にこの「低未利用土地等」に該当します。

適用を受けるための7つの要件【一覧表】

国税庁は、この特例の適用要件を7つ示しています。いずれも満たす必要があり、1つでも欠けると適用できません。

要件 内容
(1) 土地の種類 都市計画区域内にある低未利用土地等であること
(2) 所有期間 売った年の1月1日において所有期間が5年を超えること
(3) 売却相手 売手と買手が親子・夫婦など「特別な関係」でないこと(生計を一にする親族、内縁関係者、特殊関係法人なども含む)
(4) 売却価格の上限 建物等の対価を含めて500万円以下(市街化区域・用途地域指定区域・所有者不明土地対策計画区域は800万円以下)であること
(5) 売却後の利用 売った後に、その土地が利用されること(見込みを含む)
(6) 分筆の制限 前年・前々年に同じ土地から分筆された土地について、すでにこの特例を使っていないこと
(7) 他特例との併用 収用等の特別控除や事業用資産の買換えなど、他の譲渡所得の課税の特例の適用を受けないこと

実務でつまずきやすいのは(2)の所有期間と(4)の価格上限、そして(7)の併用制限です。順番に見ていきます。

所有期間5年超の数え方(相続した土地は親の取得日から通算)

所有期間は、相続した年ではなく、亡くなった親などが取得した日から通算して数えます(譲渡所得の所有期間の考え方は国税庁タックスアンサーNo.3270も参照)。親が何十年も前から所有していた実家なら、相続直後に売っても5年超の要件は満たします。逆に、親が亡くなる数年前に購入した土地を相続してすぐ売る場合は、通算期間が5年以下になることがあるため注意してください。

売却価格「500万円」「800万円」の区域判定

価格上限は、建物を含めた売却代金の合計で判定します。上限が800万円になるのは、(a)市街化区域、(b)区域区分が定められていない都市計画区域のうち用途地域が定められている区域、(c)所有者不明土地対策計画を作成した市町村の区域、のいずれかに該当する場合です。それ以外の区域(市街化調整区域など)は500万円が上限になります。自分の土地がどの区域に当たるかは、確定申告の際に市区町村が発行する確認書に記載されるため、事前に自治体の都市計画担当窓口で確認しておくと安心です。

要件(7)「他の特例と併用不可」が意味すること

見落とされがちですが、この特例は他の譲渡所得の課税の特例と同時に使えません。次の比較表で詳しく解説しますが、空き家の3,000万円特別控除や取得費加算の特例を同じ売却で使う場合は、低未利用土地等の100万円控除は選べないという点を、早い段階で押さえておく必要があります。

ここまで読んで「うちの土地は対象になる?」と思ったら

低未利用土地の確認書取得から売却まで、窓口ひとつでご相談いただけます。買取・仲介は提携の宅建業者が、片付けや解体の手配は当事務局が窓口となって対応します。

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なぜ「空き家」の土地は低未利用土地になりやすいのか

相続した実家が空き家のまま放置されると、「管理不全空き家」に指定され、固定資産税の住宅用地特例が外れて税額が上がるリスクがあります(詳しくは管理不全空き家は固定資産税が6倍に?を参照)。放置期間が長いほど建物は傷み、売却額も下がっていく一方で、固定資産税の負担だけは続きます。

また、相続登記は2024年4月1日から義務化されており、既に相続が発生している不動産についても猶予期間内に申請義務があります(詳しくは相続登記義務化と空き家売却を参照)。登記を済ませないまま放置すると、売却の段になって名義変更に時間がかかり、この特例の期限(令和10年12月31日)に間に合わなくなることもあるため、早めの着手が安全です。

こうした経緯で売りに出される実家の土地は、建物が古い・立地が悪い・面積が狭いなどの理由で売却額が500万円前後にとどまることが多く、結果として低未利用土地等の特別控除の対象価格帯に収まりやすいという関係にあります。つまり「空き家 × 低未利用土地」という組み合わせは、偶然ではなく、実務上よく重なるパターンなのです。

比較表:低未利用土地控除・空き家の3,000万円特別控除・取得費加算の特例

相続した実家の売却で使える代表的な特例は3つあります。いずれも要件が異なり、同じ売却で重複して使うことはできません。それぞれの要点を比較します。

制度 控除額 主な要件 適用期限
低未利用土地等の特別控除 最大100万円 都市計画区域内・所有期間5年超・売却額500万円以下(一定区域800万円以下) 令和10年12月31日までの譲渡
空き家の3,000万円特別控除 最大3,000万円(相続人3人以上は2,000万円) 昭和56年5月31日以前建築・相続開始直前まで被相続人のみ居住・売却額1億円以下・耐震基準適合か解体 令和9年12月31日までの譲渡
取得費加算の特例 相続税額のうち対応分(上限は譲渡益相当額) 売った本人に相続税が課税されている・相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却 随時(要件を満たす限り)

国税庁No.3226の要件(7)は「他の譲渡所得の課税の特例の適用を受けないこと」と定めており、同一の売却で低未利用土地等の特別控除と、空き家の3,000万円特別控除や取得費加算の特例を重複適用することはできません。多くの実家では、控除額の大きい空き家の3,000万円特別控除(または取得費加算)の方が有利になりやすいため、まず空き家特例・取得費加算が使えるかどうかを先に確認し、どちらも使えない場合に低未利用土地等の特別控除を検討する、という順番で考えるのが実務的です。空き家の3,000万円特別控除の詳しい要件は空き家特例とは?3,000万円控除の要件・期限・税額、取得費加算の特例は相続した土地を3年以内に売却すると税金が減るで解説しています。

片付けてから売るか、そのまま買取に出すか:手取りで比べる

税金の控除額だけを見ていると、「片付けて・解体して、少しでも高く売ろう」という判断に傾きがちです。しかし、低未利用土地等の特別控除は売却額が500万円以下(または800万円以下)であることが要件のひとつです。解体費用をかけて更地にした結果、売却額が上限を超えてしまえば、この特例自体が使えなくなる可能性もあります。判断すべきは「売却額」ではなく「手取り額」、つまり売却額から片付け・解体・仲介手数料などの費用を差し引いた金額です。

売り方には大きく3つの選択肢があります。それぞれの特徴を比較しました。

方法 価格 スピード 手間 向いているケース
仲介 相場に近い価格になりやすい 買主探しに数か月〜 内覧対応・片付けが必要になりやすい 立地がよく、時間に余裕がある場合
買取(宅建業者) 仲介よりは下がりやすいが現況のまま査定 最短数週間 片付け不要で進められることが多い 老朽化・遠方・早く現金化したい場合
有料引き取り 売却益は出ず、引き取り費用がかかることもある 買い手が見つからない土地でも対応可 手続きは比較的シンプル 買取・仲介のどちらも難しい立地

低未利用土地等の特別控除を使えるかどうかにかかわらず、空き家買取(片付け不要・複数社査定)で現況のままの査定額を確認し、実家の売却(仲介)での想定額と費用を比較したうえで、どちらが手取りで多く残るかを見極めることをおすすめします。なお、当事務局は宅建業者ではないため、買取・仲介の実務は提携の宅建業者が担当し、当事務局は相談の窓口と、売却前の片付け・解体の手配を担います。神奈川県など一部地域では神奈川県の空き家買取のように、地域ごとの買取相談窓口も用意しています。

建物の中に家財が残っている場合は、売却の前に仕分け・搬出を済ませておくと、買取・仲介どちらの場合も話が進めやすくなります。家財の片付けだけを依頼したい場合は実家じまい代行、遺品の仕分けや供養まで含めて相談したい場合は遺品整理サービスをご利用いただけます。

ケース別シミュレーション:自分の場合は使えるか

よくある4つのケースで、低未利用土地等の特別控除が使えるかどうかを整理しました。実際の適用可否は個々の事情で変わるため、目安としてご覧ください。

ケースA:所有期間10年・市街化区域内で400万円で売却

所有期間5年超・売却額500万円以下の要件を満たすため、適用できる可能性があります。仮に譲渡所得(売却額から取得費・譲渡費用を差し引いた額)が150万円だった場合、100万円の控除を適用すると課税対象は50万円に圧縮されます。長期譲渡所得の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計20.315%)で計算すると、控除適用前は約30万円、適用後は約10万円の税額となり、差額で約20万円の節税になる計算です。

ケースB:相続から3年・所有期間は親の取得日から通算8年、市街化調整区域で600万円で売却

所有期間の要件は満たしますが、市街化調整区域(800万円の上限区域に該当しない)での売却額600万円は、500万円の上限を超えるため適用できません。このケースでは、空き家の3,000万円特別控除や取得費加算の特例が使えるかどうかを優先して確認することになります。

ケースC:親の取得から3年しか経っていない土地を相続直後に300万円で売却

売却額の要件は満たしますが、所有期間が親の取得日から通算しても5年以下のため、低未利用土地等の特別控除は使えません。この場合は短期譲渡所得(税率合計39.63%)での課税となるため、急ぎでないなら所有期間が5年を超えるタイミングまで売却を待つことも選択肢になります。

ケースD:昭和50年築の空き家を解体し、更地(300万円・市街化区域内・所有期間15年)で売却

解体後の更地でも「低未利用土地等」に該当し得ます。所有期間・売却額の要件を満たせば低未利用土地等の特別控除の対象になります。あわせて、建物が昭和56年5月31日以前の建築で、相続開始直前まで被相続人以外が住んでいなかったなど空き家特例の要件も満たす場合は、控除額の大きい空き家の3,000万円特別控除の適用を優先して検討し、どちらか一方を選ぶことになります。

売却前にやるべき実務チェックリスト(印刷用)

低未利用土地等の特別控除を使う予定がある場合、売却の契約前に準備しておきたい項目をまとめました。印刷して、契約前の確認用にご活用ください。

確認項目 チェックのポイント
相続登記の完了 名義が相続人に変わっていないと売却自体が進められない。2027年3月までの義務化期限も確認する
所有期間の確認 親などの取得日から通算して5年超になっているか、売買契約書・登記簿で確認する
都市計画区域・区域区分の確認 市区町村の都市計画担当窓口で、市街化区域/市街化調整区域/用途地域の有無を確認する
売却予定額の見積もり 建物を含めた合計額が500万円(または800万円)以下に収まりそうか、査定時点で確認する
空き家特例・取得費加算の該当確認 より控除額の大きい特例が使えないか、先に確認してから低未利用土地等の特別控除を検討する
市区町村への確認書の申請 「低未利用土地等であること」等を証明する書類の発行手続きを、契約前に自治体へ相談する
買主との関係の確認 親子・夫婦など「特別な関係」に当たる相手への売却でないか確認する
確定申告の準備 譲渡所得の内訳書・確認書など必要書類を売却年の翌年の確定申告期限までに揃える

手続きの流れ:市区町村の確認書から確定申告まで

この特例は、確定申告をしなければ適用されません。国税庁の案内によれば、確定申告書に特例の適用を受ける旨を記載し、次の書類を添付する必要があります。

  1. 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]
  2. 市区町村長の確認書類:売った土地が都市計画区域内にあること、売却時点で低未利用土地等に該当すること、売却後に利用されている(見込みを含む)こと、所有期間が5年を超えることなどを市区町村が確認した書類
  3. 売却額を明らかにする書類:売買契約書の写しなど、売却額が500万円以下(一定区域は800万円以下)であることを示す書類

実務上のポイントは、(2)の確認書は売却後に自治体へ申請して発行してもらう書類だという点です。自治体によって申請窓口や必要書類、発行までの日数が異なるため、売却が決まった段階、できれば契約前の時点で、物件所在地の市区町村(都市計画担当課など)に相談しておくと、確定申告の時期に慌てずに済みます。確定申告は、売却した年の翌年2月16日から3月15日までの期間に行います。

よくある質問

低未利用土地等の特別控除とは、どんな制度ですか?
都市計画区域内にある低未利用の土地・建物を500万円以下(一定の区域は800万円以下)で売った場合に、譲渡所得から100万円(譲渡所得がそれ未満ならその金額)を控除できる制度です(国税庁タックスアンサーNo.3226、措置法35条の3)。令和2年7月1日から令和10年12月31日までの譲渡が対象です。
相続した空き家の土地でも対象になりますか?
対象になり得ます。相続後に利用されていない、または周辺より利用の程度が低い土地・建物は「低未利用土地等」に該当します。ただし所有期間は相続した日ではなく、亡くなった親などが取得した日から通算して5年を超えている必要があります。
空き家の3,000万円特別控除と併用できますか?
できません。国税庁No.3226の要件(7)は、他の譲渡所得の課税の特例の適用を受けないことを求めており、同じ売却で空き家の3,000万円特別控除や取得費加算の特例と重複して使うことはできません。控除額が大きい制度が使えないか先に確認することをおすすめします。
建物を解体して更地にしてから売っても対象になりますか?
対象になり得ます。解体後の更地も「居住・事業の用に利用されていない土地」として低未利用土地等に該当し得ます。ただし解体費用をかけて売却額が500万円(または800万円)の上限を超えると、この特例自体が使えなくなる可能性があるため、解体前に想定売却額を確認しておくことが重要です。
売却額が500万円か800万円か、どちらの上限になるかはどう判断しますか?
市街化区域、用途地域が定められた都市計画区域、所有者不明土地対策計画を作成した市町村の区域のいずれかに該当する場合は800万円以下、それ以外(市街化調整区域など)は500万円以下が上限です。区域の判定は、売却後に市区町村へ申請する確認書に記載されます。事前に自治体の都市計画担当窓口に確認しておくと安心です。
確定申告をしないと控除は受けられませんか?
確定申告が必須です。確定申告書に特例の適用を受ける旨を記載し、譲渡所得の内訳書、市区町村長の確認書類、売却額を証する書類(売買契約書の写しなど)を添付して、所轄税務署に提出する必要があります。確認書は売却後に自治体へ申請して取得します。
片付けや解体をせずに、現況のまま売ることはできますか?
可能です。買取であれば、建物内に家財が残っている現況のままで査定・売却できる場合があります。片付け・解体の費用をかけて売却額を上げても、低未利用土地等の特別控除の価格上限を超えてしまえば特例が使えなくなることもあるため、まずは現況のままの買取査定額と、片付け・解体後の想定売却額の両方を比較し、手取りで判断することをおすすめします。

まとめ

低未利用土地等の特別控除は、売却額が小さくなりがちな相続空き家の土地と相性のよい制度ですが、要件と他の特例との関係を誤解しやすい制度でもあります。振り返ります。

  • 対象は都市計画区域内の低未利用な土地・建物で、売却額500万円以下(一定区域は800万円以下)、所有期間は売った年の1月1日時点で5年超(相続の場合は親の取得日から通算)
  • 控除額は最大100万円。令和10年12月31日までの譲渡が対象
  • 空き家の3,000万円特別控除・取得費加算の特例とは併用不可。控除額の大きい制度が使えないか先に確認する
  • 適用には確定申告が必須。市区町村への確認書申請は売却後に行うため、売却が決まった段階で自治体へ相談しておく
  • 解体・片付けの費用をかけて売却額を上げると、500万円・800万円の上限を超えて特例が使えなくなることもある。片付けてから売るか、そのまま買取に出すかは、税金の控除額だけでなく手取り額で比較する

個別の税額判定や、空き家特例・取得費加算の特例とどちらが有利かの比較は、税理士または税務署にご確認ください。相続登記や名義変更など法務面の手続きについては、司法書士にご相談いただけます。売却の進め方や手取り額の見積もりについては、空き家買取・実家の売却の相談窓口をご利用ください。

読むより、聞いたほうが
早いこともあります

低未利用土地の確認書取得から売却まで、片付け・解体の手配を含めて窓口ひとつでご相談いただけます。買取・仲介は提携の宅建業者が担当します。ご相談・お見積もりは無料です。

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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
運営は株式会社Sora Capital(東京都渋谷区・安心実家じまい事務局)です。相続・登記・法務に関する記述は、提携の司法書士・行政書士 久留慎一郎が監修しています。税額の計算や申告の判断は、税理士にご確認ください。

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