
久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士
東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。
監修の範囲:相続・登記・法務に関する記述(司法書士・行政書士の業務範囲)。片付け・買取・費用相場などの記述は安心実家じまい事務局が編集しています。監修者プロフィール
税金について:税額の計算や特例を使えるかどうかの判断は税理士の業務で、監修の範囲に含みません。申告の前に、税理士または所轄の税務署でご確認ください。
■経歴
- 1966年鹿児島県生まれ
- 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
- 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
- 2013年司法書士試験合格
- 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
- 2017年司法書士法人コスモ退職
- 2018年事務所開設
- 2021年司法書士法人設立
■得意領域
- 相続登記・相続手続き
- 不動産の名義変更
- 相続放棄
- 簡易裁判所の訴訟代理
この記事の結論
- 親の住宅ローンは、団体信用生命保険(団信)に加入していれば死亡と同時に保険金で完済され、相続人がローンを引き継ぐことはありません。まず金融機関に連絡し、団信の加入有無を確認することが最初の一手です。
- 団信が適用されずローンが残った場合でも、相続人が返済を継続すれば実家は住み続けられますし、売却してローンを清算することもできます。ローン残債があっても、抵当権抹消の手続きを経れば売却自体は可能です。
- 判断の軸はひとつ。「片付けてから売るか、そのまま買取に出すか」を、手取り額で比べることです。片付け費用・解体費用・仲介手数料を差し引いた手取りで比較すれば、どちらが得かが数字で見えます。
- 売却を考えるなら、まず実家の売却(片付けから売却まで窓口ひとつ)で片付け・査定・手続きの流れを窓口ひとつに整理するのが近道です。
「親が亡くなった実家に、まだ住宅ローンが残っている」「団信に入っていたはずだけど、本当に大丈夫なのか」——相続の現場でよく聞く不安です。住宅ローンという負債と、実家という資産の両方を同時に相続することになるため、何から手をつければいいのか分かりにくいテーマでもあります。
総務省の令和5年(2023年)住宅・土地統計調査によると、全国の空き家数は900万2千戸、総住宅数に占める空き家率は13.8%で、いずれも過去最多・過去最高を更新しています(総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」)。相続した実家を「とりあえずそのまま」にしておく家庭が増え続けている一方で、空き家を放置すると固定資産税の負担が増えるリスクもあります。住宅ローンの整理と、空き家としての管理・売却の判断は、切り離さずにセットで考える必要があるテーマです。
この記事では、国税庁タックスアンサー、法務局、国土交通省、総務省の公表資料をもとに、①団信の有無で変わる手続き、②ローン残債があっても実家を売却できる仕組み、③相続登記・抵当権抹消登記の実務、④放置した場合の固定資産税リスク、⑤空き家の3,000万円特別控除・取得費加算の特例とローン残債の関係、⑥買取・仲介・有料引き取りの手取り比較、の順に整理しました。最後にケース別シミュレーションと実務チェックリストを用意していますので、「自分の場合はどうすればいいか」の判断材料にしてください。
なお、本記事は一般的な制度・手続きの解説であり、個々の家庭の税額や法的な判断を断定するものではありません。具体的な金額の計算や、個別の事情に即した判断については、税理士・司法書士・弁護士など各専門家に確認することをおすすめします。
死亡後の初動フロー|連絡から登記完了までの流れと目安期間
住宅ローンが残った実家を相続する場合、全体の流れを先に把握しておくと、途中で何をどこまで進めたか見失いにくくなります。おおまかな流れと目安期間を整理すると、次のとおりです。
| 段階 | やること | 目安期間 |
|---|---|---|
| 1. 死亡直後 | 住宅ローンの借入先金融機関へ死亡の連絡。団信の加入有無を確認し、請求書類一式を取り寄せる | 死亡後、できるだけ早く |
| 2. 団信の請求 | 死亡診断書の写しなど必要書類を提出し、団信の保険金請求を行う | 1〜2か月程度 |
| 3. 団信適用の通知 | 保険会社の審査を経て、ローン完済・抵当権抹消書類一式が金融機関から届く | 請求から1〜3か月程度 |
| 4. 相続人・相続財産の確定 | 戸籍の収集、相続人の確定、相続財産(不動産・預貯金・ローン残債など)の洗い出し | 並行して進める(数週間〜数か月) |
| 5. 遺産分割協議 | 不動産を誰が相続するか、ローンが残る場合は誰が引き継ぐかを話し合う | 家族の状況による |
| 6. 登記申請 | 相続登記、(団信適用の場合は)抵当権抹消登記を法務局へ申請 | 相続を知った日から3年以内(義務) |
| 7. 売却の検討 | 必要に応じて仲介・買取・有料引き取りの見積もりを取り、手取り額を比較する | 登記完了後、または並行して査定だけ先に進めることも可能 |
団信の審査には一定の時間がかかるため、「団信の結果を待ってから他のことを一切進めない」のではなく、戸籍の収集や相続財産の洗い出しなど、並行して進められる作業は先に着手しておくと、全体の期間を短縮できます。
住宅ローンが残った実家を相続したら、まず「団信の加入有無」を確認する
親名義の住宅ローンが残っている状態で親が亡くなった場合、相続人が真っ先に確認すべきことは「団体信用生命保険(団信)に加入していたか」です。住宅ローンを借りる際、多くの金融機関は団信への加入を融資の条件にしています。団信は、契約者が死亡または高度障害になったときに、保険金で住宅ローンの残債を一括返済する保険です。団信が適用されれば、ローンはその時点で消滅し、相続人がローンの返済義務を引き継ぐことはありません。
確認の手順はシンプルです。まず、住宅ローンを借りていた金融機関(銀行・住宅金融支援機構のフラット35など)に、契約者が死亡した旨を連絡します。金融機関から団信の請求書類一式が送られてくるので、死亡診断書の写しなど必要書類をそろえて請求します。団信が適用されると、金融機関から「弁済証書(解除証書)」「登記識別情報通知または登記済証」「委任状」などの書類が届き、これらを使って不動産に設定されている抵当権を抹消する登記を行う流れになります(法務局「住宅ローン等を完済した方(抵当権抹消の登記)」)。
一方で、団信に加入していなかった、あるいは加入していても免責事由に該当して保険金が支払われないケースもあります。この場合、住宅ローンという負債自体が相続財産(マイナスの財産)として相続人に引き継がれます。「家を継ぐ人が自動的にローンも背負う」という単純な話ではなく、法律上は相続人全員が法定相続分に応じてローンの返済義務を負うのが原則です。誰が単独で引き継ぐかは、金融機関との間で「債務引受」の手続きをして初めて確定します。
団信ありの場合:やることは抵当権抹消登記と相続登記の2つ
団信でローンが完済されたら、やるべき登記手続きは2つです。ひとつは、ローン完済によって消滅した抵当権を抹消する「抵当権抹消登記」。もうひとつは、亡くなった親名義の不動産を相続人名義に変更する「相続登記」です。この2つは別々の登記であり、どちらか一方だけでは済みません。抵当権抹消登記を放置すると、後の章で触れるとおり売却時に支障が出るため、団信完済の通知を受けたら早めに着手することをおすすめします。
団信なし・適用外の場合:まず金融機関と「今後どうするか」を話し合う
団信が使えない場合は、残債をどう扱うかの選択肢を整理する必要があります。大きく分けると、(1)相続人の誰かがローンを引き継いで住み続ける、(2)実家を売却して売却代金でローンを清算する、(3)相続放棄によって不動産もローンも一切相続しない、の3つです。どれを選ぶべきかは、残債の金額と不動産の評価額(査定額)のバランス、相続人の今後の居住予定、相続財産全体のプラスマイナスによって変わります。次の章で、ローン残債があっても売却できる仕組みを確認したうえで、ケース別の判断軸を見ていきます。
ペアローン・親子リレーローン・連帯債務の場合は団信の範囲に注意
夫婦でペアローンを組んでいた場合や、親子リレーローンで返済していた場合は、団信の設計次第で結果が変わります。ペアローンは、夫婦それぞれが別々にローン契約を結び、それぞれが別々の団信に加入している形が一般的です。この場合、一方が亡くなると、その人の分のローンは団信で完済されますが、もう一方(配偶者)名義のローンは残ります。「夫婦で住んでいた家だから、片方が亡くなれば全額消えるはず」という思い込みは誤解につながりやすいポイントです。
親子リレーローンは、親の年齢や健康状態によっては親が団信に加入できず、実質的に子の団信のみでカバーしている契約形態があります。この場合、親が先に亡くなっても団信は適用されず、ローンは契約どおり子が返済を続けることになります。連帯債務型のローンでは、団信がどちらか一方のみに付いているケース、両方に付いているケース(連生団信)など契約によって扱いが異なるため、契約時の金融機関の説明資料やローン契約書を確認し、不明な点は借入先に直接問い合わせることが欠かせません。
実家の片付け・査定・相続の窓口案内まで、写真を送るだけで概算のお見積もりをお出しします。
ローン残債があっても実家は売却できる|抵当権抹消とアンダーローン・オーバーローン
「ローンが残っている家は売れないのでは」という誤解がありますが、結論としてはローン残債があっても売却自体は可能です。ポイントは、不動産を担保に設定されている「抵当権」を、売却と同時に抹消できるかどうかです。買主に所有権を移転するには、抵当権などの担保権がついていない状態(更地並みの権利関係)にする必要があり、これは法律上の原則として理解されています。
実務では、売却代金でローンの残債を一括返済し、その返済と同時に金融機関が抵当権抹消に必要な書類を発行し、決済日に抹消登記を行う、という流れが一般的です。つまり「売却代金でローンを完済してから、所有権を移す」という段取りを組めば、ローンが残った状態からでも売却は成立します。ここで重要になるのが、残債と売却見込み額の大小関係です。
| 状態 | 内容 | 売却時の対応 |
|---|---|---|
| アンダーローン | ローン残債 < 売却見込み額 | 売却代金でローンを完済し、残りが相続人の手取りになる。最もシンプルなケース |
| オーバーローン | ローン残債 > 売却見込み額 | 売却代金だけでは完済できず、不足分を自己資金で補うか、金融機関と任意売却の相談が必要になる |
| 残債=ほぼ同額 | ローン残債 ≒ 売却見込み額 | 諸費用(仲介手数料・登記費用など)を考慮すると実質的な持ち出しが発生しやすい |
アンダーローンであれば、通常の売却手続きと大きな違いはありません。オーバーローンの場合は、不足分を現金で用意するか、金融機関に相談して「任意売却」という形を取ることになります。任意売却は、金融機関の同意を得たうえで、残債より低い金額で売却し、残った債務については別途返済計画を協議する手続きです。いずれにせよ、ローン残債がある場合の売却は、金融機関との事前連絡が前提になるため、「売却を決めてから動く」のではなく「残債の見込みと売却見込み額を把握した段階で、早めに金融機関へ相談する」ことが実務上のポイントになります。
結論を先送りして放置すると|管理不全空き家と固定資産税6倍のリスク
「ローンの整理が面倒だから、とりあえず実家はそのままにしておく」という判断には、見落とされがちなコストがあります。2023年12月13日に施行された改正空家法により、「特定空家」に加えて「管理不全空家」に認定され、市区町村長から勧告を受けた場合も、固定資産税の住宅用地特例(小規模住宅用地で評価額の1/6、一般住宅用地で1/3に軽減する措置)が解除されます(国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」)。特例が外れると、小規模住宅用地では固定資産税の課税標準が実質的に最大6倍、一般住宅用地では最大3倍になります。
管理不全空き家に認定される基準は、屋根・外壁の破損、立木の繁茂、害虫・害獣の発生など「そのまま放置すれば特定空家になるおそれがある状態」です。ローンの整理や相続登記に時間がかかること自体は仕方のないことですが、「誰も住まない家を何年も放置する」ことと「ローン・登記の手続きを進める」ことは分けて考える必要があります。手続きに時間がかかる間も、最低限の換気・通水・庭木の手入れなど簡易な管理を行っておくことで、管理不全空き家への認定リスクを下げることができます。
「管理不全空き家」と「特定空家」は、段階が異なる点にも注意してください。管理不全空き家は、放置すれば特定空家になるおそれがある「予備軍」の段階を指し、特定空家は、倒壊の危険や衛生上有害な状態など、より深刻な状態に進んだ段階を指します。特定空家に指定され、市区町村から是正の命令を受けてもなお対応しない場合は、行政代執行(強制的な解体・撤去とその費用の所有者請求)に至る可能性もあります。ローン残債の整理に時間がかかる場合でも、建物の外観や庭の状態を定期的に確認し、深刻化する前に対応することが、結果的に税負担や将来の対応コストを抑えることにつながります。
売却の判断軸:片付けてから売るか、そのまま買取に出すか、手取りで比べる
実家の売却方法を考えるとき、最初に整理すべきは「仲介」と「買取」の違いです。仲介は不動産会社が買主を探してくれる方式で、相場に近い価格で売れる可能性がある一方、売却まで数か月〜半年以上かかることもあります。買取は不動産会社(宅建業者)が直接買い取る方式で、価格は仲介よりも下がりやすい代わりに、短期間で現金化でき、残置物があっても片付け不要で引き渡せるケースが多いという特徴があります。
これに加えて、建物の状態によっては「有料引き取り」という選択肢も存在します。国土交通省の調査でも、老朽化が進み資産価値がほとんど見込めない空き家について、解体費用相当額を売主が負担する形で引き取り手を探すケースが報告されています(国土交通省「空き家の発生抑制・除却等に関する調査」)。ローン残債があるケースでは、売却代金をできるだけ多く確保したい事情があるため、まず仲介・買取で値がつくかどうかを確認し、値がつかない場合に有料引き取りを検討する、という順番が現実的です。
| 方法 | 価格の目安 | 現金化までの期間 | 片付け・残置物 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| 仲介 | 相場に近い(高くなりやすい) | 数か月〜半年以上 | 原則、売主が片付けてから引き渡し | 残債が少なく、時間をかけて高く売りたい場合 |
| 買取 | 仲介より下がりやすい(目安7〜8割程度) | 数週間程度と短い | 残置物ありでも対応可能な場合が多い | オーバーローンで早く現金化したい場合、片付けの時間や費用をかけたくない場合 |
| 有料引き取り | 売主が費用負担(マイナスの取引) | 条件が合えば短期 | 建物の状態次第 | 仲介・買取どちらでも値がつかない老朽空き家の場合 |
この比較表から分かるとおり、「高く売れるか」と「早く・手間なく現金化できるか」はトレードオフの関係にあります。ローン残債があるケースでは、売却代金で完済できる見込みが立つかどうかが最優先事項になるため、まずは複数の方法で見積もりを取り、片付け費用・解体費用・仲介手数料・登記費用を差し引いた「手取り額」で比較することをおすすめします。なお、当事務局は宅建業者ではないため、実家の買取・仲介そのものは提携の宅建業者が担当し、当事務局は相談の窓口と、売却前の片付け・残置物の仕分けを担当する役割分担になります。片付けの範囲や進め方で迷う場合は、実家じまい代行または遺品整理のサービス内容もあわせてご確認ください。
判断軸をもう一段具体的にすると、次の3つの問いに答えることで方向性が定まりやすくなります。(1)ローン残債は売却見込み額を下回っているか(アンダーローンか)。(2)相続人の誰かが住み続ける意思はあるか。(3)片付けにかけられる時間と費用はどの程度か。この3つの答えによって、空き家買取に進むべきか、仲介で時間をかけるべきかが見えてきます。
相続登記・ローンの名義変更・抵当権抹消登記の実務手順
住宅ローンが残った実家を相続したときに必要になる登記は、最大で3種類あります。(1)不動産の名義を相続人に変更する「相続登記」、(2)団信でローンが完済された場合の「抵当権抹消登記」、(3)相続人がローンを引き継いで返済を続ける場合の金融機関との「債務引受・名義変更手続き」です。それぞれの関係を整理します。
相続登記は2024年4月1日から義務化されている
相続登記は、2024年(令和6年)4月1日から義務化されており、相続の開始と不動産の取得を知った日から3年以内に申請しないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象になり得ます(法務局「相続登記の申請義務化について」)。住宅ローンの有無にかかわらず、実家を相続した時点でこの義務は発生します。売却を予定している場合も、売却の前提として相続登記(名義変更)が必要になるため、ローンの問題と並行して進めることになります。
抵当権抹消登記は「自動では消えない」
団信でローンが完済されても、法務局の登記記録上の抵当権は自動的には消えません。金融機関から届く弁済証書(解除証書)、登記識別情報通知(または登記済証)、委任状を使って、抵当権抹消登記を別途申請する必要があります(法務省民事局「住宅ローンを完済したことなどによって不動産の抵当権の登記を抹消するための登記申請手続」)。この手続きを放置していると、売却時に抵当権が残ったままとなり、決済のタイミングで慌てて対応することになりかねません。相続登記とあわせて、できるだけ早い段階で済ませておくことを推奨します。なお、抵当権抹消登記の申請には、所有者の印鑑証明書は原則不要とされており、相続登記に比べると書類収集の負担は軽い手続きです。
ローンを引き継ぐ場合は金融機関の「審査」が必要
団信が使えず、相続人の誰かがローンを引き継いで返済を続ける場合は、法務局の登記手続きだけでなく、金融機関による「債務引受」の審査が必要です。相続人の収入や信用情報によっては、引き継ぎそのものが認められない場合もあります。この点は法務局の登記実務とは別の、金融機関ごとの融資判断の領域になるため、早い段階で借入先の金融機関に相談することが欠かせません。
フラット35(住宅金融支援機構)の場合は団信が任意加入だった時期がある
民間の銀行ローンでは団信加入が融資の条件になっているのが一般的ですが、住宅金融支援機構のフラット35では、契約した時期によって団信の加入が任意だった期間があります。親の住宅ローンがフラット35だった場合、「団信に加入していたかどうか」自体を確認する必要がある点に注意してください。団信未加入のままフラット35を借りていた場合、契約者が死亡してもローンは完済されず、相続人が返済を引き継ぐ前提で手続きを進めることになります。借入時の契約書類や、住宅金融支援機構・取扱金融機関への確認で、団信の加入状況を確認してください。
登記にかかる費用の目安
相続登記・抵当権抹消登記にかかる費用の内訳を整理すると、次のとおりです。自分で申請するか、司法書士に依頼するかで総額が変わります。
| 項目 | 自分で申請する場合 | 司法書士に依頼する場合 |
|---|---|---|
| 相続登記の登録免許税 | 固定資産税評価額×0.4%(自分で計算・納付) | 同左(司法書士が代理で納付) |
| 抵当権抹消登記の登録免許税 | 不動産1個につき1,000円が目安 | 同左 |
| 必要書類の取得費用 | 戸籍謄本・住民票・評価証明書など数千円〜1万円程度 | 同左(取得代行を依頼すると別途手数料がかかる場合も) |
| 専門家報酬 | 0円 | 相続登記5万〜10万円程度+抵当権抹消1万〜2万円程度が目安(物件数・相続人数による) |
抵当権抹消登記は書類さえそろえば比較的シンプルな手続きのため、自分で申請する相続人も少なくありません。一方、相続登記は、戸籍の収集範囲や相続人の人数によって必要書類の量が大きく変わるため、相続人が複数いる場合や、代襲相続・数次相続が絡む場合は、司法書士に依頼したほうが結果的に早く終わるケースが多く見られます。
手続きごとの必要書類一覧【早見表】
住宅ローンが残った実家の相続では、複数の手続きが並行して発生するため、書類を手続きごとに整理しておくと収集の手戻りが減ります。
| 手続き | 主な必要書類 | 取得先 |
|---|---|---|
| 団信の保険金請求 | 死亡診断書(または死体検案書)の写し、団信加入時の申込書の控え、保険金請求書(金融機関から取り寄せ) | 病院・市区町村役場・借入先金融機関 |
| 相続登記(名義変更) | 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式、相続人全員の戸籍謄本、被相続人の住民票除票、相続人の住民票、固定資産評価証明書、遺産分割協議書(相続人全員の実印・印鑑証明書付き) | 市区町村役場(戸籍・住民票・評価証明書)、相続人間で作成(遺産分割協議書) |
| 抵当権抹消登記 | 弁済証書(解除証書)、登記識別情報通知または登記済証、金融機関の委任状、登記申請書(法務局様式) | 借入先金融機関から交付、法務局ホームページで様式取得 |
| 相続放棄・限定承認の申述 | 相続放棄・限定承認の申述書、被相続人の戸籍謄本・住民票除票、申述人の戸籍謄本 | 市区町村役場、家庭裁判所の様式 |
相続登記に必要な戸籍謄本一式は、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を集める必要があり、本籍地を転々としている場合は複数の市区町村役場に請求することになります。早めに着手しておくことで、登記申請の期限(相続を知った日から3年以内)に余裕を持って対応できます。
税金の特例とローン残債の関係|空き家の3,000万円特別控除・取得費加算
実家を売却する際、ローン残債の有無そのものは、譲渡所得税の計算に直接影響しません。譲渡所得税は「売却価格 − 取得費 − 譲渡費用」をもとに計算されるのに対し、住宅ローンの残債は、相続後に相続人が負う「債務」であり、譲渡所得の計算上の経費にはならないためです。ただし、売却によって得た代金の使い道(ローン返済に充てるか、手元に残すか)とは別に、使える税の特例は確認しておく価値があります。
団信と一般の生命保険では、税務上の扱いが異なる場合がある
親が住宅ローンの返済に備えて、団信とは別に一般の生命保険に加入していたケースもあります。この場合、保険金で住宅ローンを返済する点は団信と似ていますが、税務上の扱いが異なる場合があります。団信は契約の仕組み上、保険金が直接ローンの返済に充てられ、相続人が受け取る保険金そのものではないと整理されるのに対し、一般の生命保険金は相続人が受け取る財産として、相続税の非課税枠(法定相続人の数に応じた非課税限度額)の対象になるなど、計算の枠組みが異なります。どちらの保険に入っていたか、またローン残債をどう扱うかによって相続税の計算が変わるため、具体的な税額の計算は税理士に確認することをおすすめします。
空き家の3,000万円特別控除
一定の要件を満たす相続空き家を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円(相続人が3人以上の場合は2,000万円)を控除できる特例です。昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、相続開始直前まで被相続人が一人で居住しており、相続から譲渡までの間ずっと空き家であったこと、売却時に耐震基準を満たすリフォームまたは解体を行っていること、売却価格が1億円以下であること、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで(令和9年=2027年12月31日が期限)に売却することなどが主な要件です(国税庁タックスアンサー No.3306)。この特例は、ローン残債の有無とは関係なく、建物と居住実態の要件で判定されます。なお、令和6年1月1日以後の譲渡で相続人の数が3人以上の場合は控除額が2,000万円になる点、耐震リフォームまたは解体は売主・買主いずれが実施してもよい点など、細かな改正が重なっているため、適用を検討する段階で最新の要件を税理士に確認することをおすすめします。
取得費加算の特例
相続税を納めた人が、相続税の申告期限の翌日から3年以内に不動産を売却した場合、納めた相続税の一部を取得費に加算できる特例です(国税庁タックスアンサー No.3267、租税特別措置法第39条)。相続税を払っていない場合は使えず、空き家の3,000万円特別控除とは同じ物件で併用できません。どちらが有利かは、相続税額・評価額・課税価格などの個別の数字によって変わるため、具体的な金額の判定は税理士に確認することをおすすめします。
いずれの特例も、確定申告をしなければ適用されません。ローン残債の清算と税金の特例適用は別々の手続きであることを踏まえ、売却後の確定申告まで見据えたスケジュールを組むことが重要です。
片付け・査定・ローン残債の整理まで、写真を送るだけで概算のお見積もりをお出しします。
ケース別シミュレーション|手取り額で比較する
ここでは、ローン残債のパターン別に、売却時の手取り額をどう考えるかの試算の組み立て方を示します。実際の金額は物件や契約条件によって大きく変わるため、以下はあくまで「計算の考え方」を示すものであり、断定的な金額を示すものではありません。
ケース1:アンダーローン(残債 < 売却見込み額)で仲介を選ぶ場合
売却見込み額から、ローン残債・仲介手数料・相続登記や抵当権抹消登記の費用・譲渡費用を差し引いた額が手取りになります。たとえば、仲介での売却見込み額が1,800万円、ローン残債が600万円、仲介手数料や登記費用などの諸費用の合計が100万円という場合、単純計算では「1,800万円−600万円−100万円=1,100万円」が税引き前の手取りの目安になります。ここからさらに、譲渡所得税・住民税がかかるかどうかを確認する必要があり、空き家の3,000万円特別控除の要件(築年数・居住実態・売却期限・耐震対応)を満たせば、この例では譲渡所得が控除の範囲に収まり、税負担が発生しない可能性もあります。あくまで計算の考え方を示す例であり、実際の金額は物件ごとの査定額や相続人の人数、保有期間などによって変わるため、具体的な試算は不動産会社・税理士に確認してください。
ケース2:オーバーローン(残債 > 売却見込み額)で買取を選ぶ場合
買取価格だけでは残債を完済できない場合、不足分を自己資金で用意するか、金融機関に任意売却を相談する必要があります。たとえば、買取見積もりが1,200万円、ローン残債が1,500万円という場合、差額の300万円をどう埋めるかが焦点になります。自己資金で埋められるなら通常の売却で完結しますが、難しい場合は、金融機関の同意を得て残債より低い価格での売却(任意売却)を進め、残った債務について返済計画を別途協議する流れになります。買取は仲介より価格が下がりやすい一方、片付け費用や解体費用をかけずに短期間で現金化できるため、「不足分をどう埋めるか」と「片付け費用をどれだけ節約できるか」を合わせて比較することが、手取りを最大化する考え方になります。
ケース3:残債が大きく、相続財産全体でもマイナスが見込まれる場合
不動産の評価額よりもローン残債が大きく、かつ他の相続財産を含めても明らかに債務超過(マイナスの財産がプラスの財産を上回る)と判断できる場合は、相続放棄も選択肢に入ります。相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があり、期限が非常に短い手続きです。相続放棄をするかどうかの判断は、不動産の評価額だけでなく、預貯金・保険金・他の借入なども含めた相続財産全体の棚卸しが前提になるため、早い段階で司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
なお、「プラスの財産とマイナスの財産、どちらが大きいか判断しきれない」という場合には、相続放棄のほかに「限定承認」という選択肢もあります。限定承認は、相続によって得たプラスの財産の範囲内でのみ、マイナスの財産(ローンなどの債務)を返済するという手続きです。不動産に資産価値が残っている可能性もゼロではなく、かつ他に大きな債務があるかもしれない、といった判断が難しいケースで検討されます。ただし、限定承認は相続人全員が共同で申述する必要があり、手続きも相続放棄より複雑になるため、利用を検討する場合は早めに司法書士や弁護士に相談してください。
ケース4:相続人が複数いて、全員が遠方に住んでいる場合
相続人が複数いて、誰も実家の近くに住んでいない場合は、現地での立ち会いが必要な作業(片付け、鍵の受け渡し、物件の確認など)をどう分担するかが課題になります。このようなケースでは、片付けから売却の相談までを窓口ひとつでまとめて進められる代行サービスを利用すると、現地訪問の回数を減らしながら手続きを進めやすくなります。登記関連の書類のやり取りは郵送・オンライン申請でも対応できる部分が多いため、「現地でしかできないこと」と「郵送・オンラインで完結すること」を切り分けて考えると、負担を軽減しやすくなります。
残債パターン×売却方法の早見表
ここまでのケースを、残債の状態(アンダーローン/オーバーローン)と売却方法(仲介/買取)の組み合わせで整理すると、次のようになります。「自分の場合はどの行に近いか」を確認する際の参考にしてください。
| 残債の状態 | 売却方法 | 手取りの考え方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| アンダーローン | 仲介 | 売却見込み額−残債−仲介手数料・登記費用等 | 売却まで時間がかかりやすいため、その間の固定資産税・管理の手間も考慮する |
| アンダーローン | 買取 | 買取見込み額−残債−登記費用等(仲介手数料は不要) | 仲介より価格は下がりやすいが、片付け・短期間での現金化を優先する場合に向く |
| オーバーローン | 仲介(任意売却) | 売却見込み額で残債を完済できない分を、金融機関と協議 | 金融機関の事前同意が前提。通常の仲介より手続きが煩雑になりやすい |
| オーバーローン | 買取(任意売却) | 買取見込み額で残債を完済できない分を、金融機関と協議 | 早期の現金化を優先しつつ、不足分の扱いを金融機関とあわせて決める必要がある |
売却せずに住み続ける・貸し出す場合の注意点
ここまで売却を中心に解説してきましたが、相続人の誰かが実家に住み続ける、あるいは賃貸に出すという選択肢もあります。この場合も、ローンの整理は避けて通れません。団信が適用されてローンが消滅していれば、相続登記さえ済ませれば住み続けることに支障はありません。団信が使えずローンが残っている場合は、住み続ける相続人が金融機関の審査を経てローンを引き継ぐか、他の相続人が立て替えて返済するかを、早い段階で取り決めておく必要があります。賃貸に出す場合も同様に、ローンの名義と、固定資産税・修繕費などの負担者を明確にしておかないと、後々の家賃収入の分配や経費負担をめぐってトラブルになりやすい点に注意してください。
家族間でもめやすいポイントと防ぎ方
住宅ローンが残った実家の相続では、お金が絡むぶん、家族間の認識のズレがトラブルに発展しやすくなります。よくある3つのパターンと、防ぎ方を整理します。
パターン1:「ローンがあるなら相続したくない」と意見が割れる
相続人のうち一人は実家に住み続けたい、もう一人はローンが残っているなら関わりたくない、というように意見が割れるケースです。この場合、不動産を相続する人とローンを引き継ぐ人が一致しないと、金融機関の審査上も整理がつきにくくなります。早い段階で「誰が住むのか/誰も住まないなら売るのか」を家族会議で確認し、全員の意向を文書(メモ程度でもよい)に残しておくと、後の遺産分割協議がスムーズになります。
パターン2:団信の有無を確認しないまま時間が経ち、過料のリスクが迫る
団信の請求やローンの整理に気を取られているうちに、相続登記の義務化(相続を知った日から3年以内)の期限が近づいてしまうケースもあります。ローンの整理と相続登記は別々の手続きであるため、並行して進めるスケジュール感を家族で共有しておくことが大切です。
パターン3:片付けの範囲・費用負担で揉める
売却前の片付けについて、「誰が費用を負担するか」「残しておきたい物をどう扱うか」で意見が分かれることもあります。買取であれば残置物ありのまま引き渡せる場合が多いため、片付け費用をかけずに済ませたい場合は、先に買取の見積もりを取ってから、片付けの要否を判断するという順番も選択肢になります。
いずれのパターンも、根本的な原因は「情報共有が後回しになっていること」にあります。団信の確認結果、相続財産の棚卸しの結果、見積もり額など、分かった事実を都度家族内で共有しておくだけでも、感情的な対立に発展するリスクを大きく下げることができます。遠方に住む相続人がいる場合は、電話やオンライン会議、チャットツールなどを使って、現地に行かなくても状況を共有できる仕組みを作っておくことをおすすめします。
連帯保証人になっていた場合は、保証人としての地位も相続される
親の住宅ローンについて、子や配偶者が連帯保証人になっていたケースもあります。この場合、注意すべきは「連帯保証人としての地位」そのものも相続の対象になる、という点です。たとえば、親のローンに子が連帯保証人として関わっており、親が死亡して団信でローンが完済された場合は、保証債務も消滅するため問題になりません。一方、団信が適用されずローンが残り、かつ主債務者(ローンを引き継ぐ相続人)が返済を滞らせた場合、連帯保証人は自身が相続放棄をしていたとしても、保証人としての立場で返済を求められる可能性があります。
相続放棄は、あくまで「相続人としての地位」を放棄する手続きであり、相続開始前から別の契約(連帯保証契約)によって負っている保証債務には影響しません。親のローンの連帯保証人になっている相続人がいる場合は、この点を踏まえて、相続放棄をするかどうか、ローンをどう整理するかを検討する必要があります。契約内容の詳細は、借入時の契約書類で確認するか、借入先の金融機関に問い合わせてください。
連帯保証人かどうかが分からない、契約書類が見当たらないという場合も少なくありません。その場合は、借入先の金融機関に「契約者本人以外に、保証人・連帯債務者として契約に関わっている人がいるか」を直接確認するのが確実です。相続放棄の期限(3か月)が迫っている場合は、確認を待たずにまず司法書士や弁護士へ相談し、並行して金融機関への照会を進めることをおすすめします。
相談先の分け方|金融機関・司法書士・税理士・宅建業者
住宅ローンが残った実家の相続は、複数の専門分野にまたがるため、「誰に何を相談すればいいのか」が分かりにくくなりがちです。相談内容ごとに窓口を整理すると、次のようになります。
| 相談内容 | 相談先 | タイミングの目安 |
|---|---|---|
| 団信の加入有無・保険金請求 | 住宅ローンの借入先金融機関(フラット35の場合は取扱金融機関・住宅金融支援機構) | 死亡後、できるだけ早く |
| 相続登記・抵当権抹消登記・相続放棄・限定承認 | 司法書士(相続放棄・限定承認は弁護士でも対応可) | 相続人・相続財産の確定と並行して |
| 相続税・譲渡所得税・特例の有利判定 | 税理士 | 相続税の申告期限(10か月)、売却を検討し始めた段階 |
| 売却(仲介・買取)の査定・契約 | 提携の宅建業者(当事務局は窓口と片付けを担当) | 売却の方向性が固まった段階、または概算を先に知りたい段階 |
| 片付け・残置物の仕分け | 実家じまい代行・遺品整理サービス | 売却前、または片付けの要否を判断したい段階 |
一つの窓口に相談したら全てが終わる、という性質の手続きではないため、「今、自分が抱えている課題はどの専門分野の話か」を切り分けて考えることが、スムーズに進めるコツです。特に、団信の確認は何より先に行うべき最優先事項であり、ここが済まないと他の手続きの前提(ローンが残るのか消えるのか)が定まりません。また、相談先が複数にまたがると、同じ戸籍謄本や評価証明書をそれぞれの専門家に別々に提出することになりがちです。書類を集めるタイミングで、相続登記用・税務申告用・売却査定用と、あらかじめ部数を多めに取得しておくと、やり取りの往復を減らせます。
実務チェックリスト|住宅ローンが残った実家を相続したらやること
印刷してチェックしながら進められるよう、時系列でまとめました。
- □ 住宅ローンの借入先金融機関に死亡の連絡をする
- □ 団信の加入有無を金融機関に確認する
- □ 団信が適用される場合:弁済証書・登記識別情報通知・委任状など、抵当権抹消登記に必要な書類一式を受け取る
- □ 団信が適用されない場合:ローンを引き継ぐか、売却するか、相続放棄するかの方針を、相続財産全体の棚卸しをしたうえで検討する
- □ 相続人・相続財産を確定し、遺産分割協議を行う(不動産を誰が相続するかを決める)
- □ 相続登記(名義変更)を申請する(相続を知った日から3年以内が義務)
- □ 団信完済の場合:抵当権抹消登記を申請する
- □ 誰も住まない間は、換気・通水・庭木の手入れなど簡易な管理を続け、管理不全空き家への認定を避ける
- □ 売却を検討する場合:仲介・買取・有料引き取りで概算査定を取り、手取り額を比較する
- □ 片付け・残置物の仕分けの方針を決める(売却前に片付けるか、買取で残置物ありのまま引き渡すか)
- □ 空き家の3,000万円特別控除・取得費加算の特例の要件を確認する(築年数・居住実態・申告期限)
- □ 売却後、確定申告の要否と期限を確認する
実家じまい全体の中での位置づけ
住宅ローンの整理は、実家じまい全体から見るとスタート地点にあたる手続きです。ローンの状況(団信の有無・残債額)が定まらないと、片付けをどこまで進めるか、売却に動くか住み続けるかといった後工程の判断が固まりません。逆に言えば、団信の確認と相続財産の棚卸しさえ終われば、片付け・登記・売却・税金の申告という後の工程は、それぞれ期限と相談先が明確な「やることリスト」として進めていくことができます。
実家じまいを検討する家庭の多くは、「ローンのことは分かったが、次に何をすればいいか分からない」という段階でつまずきがちです。片付けの範囲、売却の方法、相続の手続きをまとめて相談できる窓口があると、都度バラバラに専門家を探す手間を減らせます。まずは現状(団信の有無、残債のおおよその額、実家の状態)を整理したうえで、相談することをおすすめします。
よくある質問
親が亡くなったら、住宅ローンは自動的に消えますか?
住宅ローンが残ったままの実家でも売却できますか?
団信でローンが完済された場合、相続税の計算はどうなりますか?
ローンを相続人の一人が引き継ぐことはできますか?
相続放棄をすれば、ローンの返済義務からも逃れられますか?
抵当権抹消登記と相続登記は、どちらを先にやればいいですか?
実家を誰も住まずに放置していると、何かペナルティはありますか?
フラット35の場合、団信は必ず付いていますか?
相続財産の全体がプラスかマイナスか分からない場合、どうすればいいですか?
親のローンの連帯保証人になっている場合、相続放棄をすればローンに関わらずに済みますか?
まとめ
住宅ローンが残った実家を相続したときにまず確認すべきは、団体信用生命保険(団信)の加入有無です。団信が適用されればローンは消滅し、やるべきことは相続登記と抵当権抹消登記の2つになります。団信が使えない場合は、ローンを引き継ぐか、売却するか、相続放棄(あるいは限定承認)するかを、相続財産全体の棚卸しをしたうえで判断することになります。
売却を選ぶ場合、ローン残債があっても抵当権抹消の手続きを経れば売却自体は可能です。判断の軸は「片付けてから売るか、そのまま買取に出すか」を手取り額で比較すること。仲介・買取・有料引き取りのそれぞれの特徴を踏まえ、片付けや相続手続きの窓口をひとつにまとめたい場合は、早めの相談をおすすめします。
ローンの整理・登記・税金の特例・片付けと、やるべきことは一度に並行して走ることになりますが、どれも「期限」と「相談先」が決まっている手続きです。団信の有無を確認する、相続人・相続財産を棚卸しする、相続登記の期限(3年)を把握する——この3つを最初の段階で押さえておけば、あとは一つずつ専門家と進めていくだけで整理がつきます。迷ったときは、どこから手をつければいいかを含めて、早めに相談することをおすすめします。
早いこともあります
片付け・査定・相続の窓口案内まで、写真を送るだけで概算のお見積もりをお出しします。ご相談・お見積もりは無料です。


コメント