
久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士
東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。
■経歴
- 1966年鹿児島県生まれ
- 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
- 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
- 2013年司法書士試験合格
- 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
- 2017年司法書士法人コスモ退職
- 2018年事務所開設
- 2021年司法書士法人設立
■得意領域
- 相続登記・相続手続き
- 不動産の名義変更
- 相続放棄
- 簡易裁判所の訴訟代理
この記事の結論
- 雪国の空き家は、積雪の重みで屋根が損傷し倒壊するリスクがあります。放置が続くと「管理不全空家等」「特定空家等」に指定され、固定資産税が大きく増えることもあります。
- 雪下ろしを業者に依頼する場合の費用は1回3万〜10万円程度が目安で、月1回の巡回サービスは月5千〜1万円程度から利用できます。
- 新潟県十日町市には空き家の解体・改修に使える補助金があるなど、自治体ごとに独自の支援制度があります。実家がある市区町村への確認が欠かせません。
- 空き家の3,000万円特別控除や相続土地国庫帰属制度など、手放す際に使える制度も雪国特有の注意点とあわせて確認しておく必要があります。
雪国の空き家が抱える特有のリスク
雪国・豪雪地帯にある空き家は、都市部の空き家にはない冬季特有のリスクを抱えています。誰も住んでいない家では、屋根に積もった雪をそのままにしてしまいがちですが、放置期間が長くなるほど建物へのダメージは静かに、しかし確実に進みます。
積雪の重さと倒壊リスク
雪は見た目以上に重く、しかも降ってからの時間経過によって重さが変わります。新潟県十日町市が公表している目安では、降って間もない新雪は1立方メートルあたり30〜150キログラム程度ですが、数日経って締まった「しまり雪」は150〜500キログラム程度、日中の融解と夜間の再凍結を繰り返した「ざらめ雪」は300〜500キログラム程度にまで重くなります(2026年8月時点・十日町市公式サイトより)。屋根に表示されている積雪量の目安だけを見て「まだ大丈夫」と判断すると、実際の荷重を見誤ることがあります。
建築基準法施行令では、地域ごとに定められた垂直積雪量をもとに、屋根が積雪荷重に耐えられる構造とすることが義務付けられています。しかし、これはあくまで建築時点での設計上の想定です。人が住み続けている家であれば、異変があれば気づいて早めに雪下ろしができますが、空き家では気づく人がいないまま荷重が蓄積し、想定を超えて屋根や梁が損傷することがあります。柱や梁が老朽化した古い家屋ほど、この余裕は小さくなります。
管理不全空家・特定空家に指定されるとどうなるか
雪下ろしをせず放置した空き家が周囲に危険を及ぼすおそれがあると判断されると、自治体から「管理不全空家等」や、より深刻な状態と判断された場合は「特定空家等」に指定されることがあります。指定が進み自治体から勧告を受けると、住宅が建つ土地に適用されている固定資産税の住宅用地特例の対象から除外され、土地の固定資産税が大きく跳ね上がります。さらに市区町村からの助言・指導、勧告、命令といった段階を経ても改善されない場合は、行政代執行によって強制的に除却され、その費用を所有者に請求される可能性もあります。「誰も住んでいないから放っておいても構わない」という考え方は、雪国では通用しにくいということです。
近隣トラブルと損害賠償リスク
屋根から落ちた雪や、屋根の軒先に張り出す「雪庇(せっぴ)」が崩れ落ちると、通行人や隣接する建物に被害を与えることがあります。空き家からの落雪や倒壊で他人に損害を与えた場合、民法上の工作物責任などにより所有者や管理者が損害賠償責任を問われることがあります。新潟県も「空き家の管理は所有者の責任です」として、適切な管理を呼びかけています(2026年8月時点・新潟県公式サイトより)。遠方に住んでいて実家に頻繁に行けない場合ほど、こうしたリスクへの備えを事前に考えておく必要があります。
火災保険は雪害をカバーできるか
火災保険の多くは、火災だけでなく風災・雪災・雹災をまとめて補償の対象にしています。積雪の重みで屋根が壊れた、雪崩で外壁が損傷したといった被害は、契約している保険の補償範囲に含まれていれば保険金の対象になり得ます。ただし、契約によっては一定額までの損害は自己負担となる免責金額が設定されている場合があり、少額の被害では保険金が支払われないこともあります。加えて、空き家は人が住んでいる住宅に比べて、契約できる保険会社が限られたり、保険料が高めに設定されたりする傾向があります。実家が空き家になった時点で、既存の火災保険が空き家の状態でも有効かどうかを保険会社に確認し、必要であれば空き家向けのプランへの切り替えを検討しておくと、いざというときの負担を抑えられます。
雪国の空き家管理にかかる費用
雪国の空き家管理で最も負担が大きいのが、冬季の雪下ろし・除雪にかかる費用です。誰に何を頼むかによって金額は大きく変わるため、選択肢ごとの目安を整理しておきます。
自分で雪下ろしする場合の道具代とリスク
雪下ろし用のスコップやスノーダンプは数千円から購入できますが、屋根の上での作業には転落の危険が伴います。高齢の親族が無理をして雪下ろしをした結果、転落事故につながる例は毎年報告されており、実家が遠方にある場合、緊急時にすぐ駆けつけられない点も見過ごせません。除雪機(小型の家庭用除雪機)を導入する場合は、機種にもよりますが数万円から数十万円の初期費用がかかります。空き家のためだけに導入するには割高になりやすく、頻度や物件数に応じて検討する必要があります。
頼み先ごとの費用比較
雪下ろし・除雪を誰かに任せる場合、主な選択肢は次の4つです。特徴と費用の目安をまとめました。
| 頼み先 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 親族・近隣住民への依頼 | お礼程度〜数千円 | 近い場合は頼みやすいが、継続的な負担を強いることになりやすい |
| シルバー人材センター | 1回1万〜3万円程度 | 地域による差が大きく、繁忙期は依頼が集中し対応が遅れることがある |
| 空き家管理会社の雪下ろしオプション | 1回3万〜10万円程度 | 定期巡回とセットにできる。写真報告や緊急対応まで任せられる場合が多い |
| 工務店・便利屋 | 1回3万〜10万円程度 | 屋根の状態を見ながら補修の相談もしやすい。繁忙期は予約が取りにくいことがある |
いずれも屋根の面積・形状・積雪量・現地までのアクセス条件によって金額の幅が大きく変わります。急勾配の屋根や、道路が狭く重機やトラックが入りにくい立地では、上限に近い金額になりやすい傾向があります。逆に「無落雪屋根」と呼ばれる、雪を自然に落とさず屋根の上に留める設計の住宅であれば、頻繁な雪下ろしが不要な場合もあります。実家の屋根がどのタイプかを確認しておくと、必要な対策の見通しが立てやすくなります。
定期巡回・空き家管理サービスの相場
雪下ろしだけでなく、郵便物の確認や通風・通水、外観の点検までまとめて任せられる空き家管理サービスも各地にあります。月1回の巡回・報告をセットにしたプランは月5千〜1万円程度が相場で、冬季の雪下ろしは別途実費がかかるケースが一般的です。年間契約にすると単発依頼より割安になることもあるため、複数社から見積もりを取り、巡回頻度・報告方法・緊急時の対応まで含めて比較することをおすすめします。空き家管理全般の考え方は空き家管理の基本で詳しく解説しています。
消融雪設備を導入する場合の費用
屋根や玄関先の雪を電熱線や温水パイプで溶かす「消融雪設備(ロードヒーティングなど)」を新たに導入する場合、初期費用は数十万円から100万円を超えることもあり、稼働時の電気代・灯油代などの光熱費も冬季にまとまってかかります。すでに住んでいる家であれば投資回収の余地もありますが、空き家のためだけに新設するのは費用対効果の面で慎重な判断が必要です。既存の設備がある実家であれば、故障していないか、動かせる状態にあるかを早めに確認しておくと、突然の凍結や漏電トラブルを避けやすくなります。
雪国の自治体が用意する支援制度
雪国の自治体は、空き家対策と豪雪対策の両面から独自の支援制度を設けていることがあります。制度の有無や内容は自治体ごとに異なるため、実家がある市区町村の窓口に確認することが基本ですが、参考として新潟県内屈指の豪雪地帯である十日町市の制度を紹介します。
| 制度名 | 内容 | 補助・支援の内容 |
|---|---|---|
| 空き家等除却支援事業補助金 | 危険な空き家の発生を防ぐための解体費補助 | 居住誘導区域内は補助率50%・上限30万円、区域外は上限20万円(令和8年度は申込多数の場合抽選) |
| 空き家等利活用支援事業補助金 | 空き家の取得・改修を支援 | 居住誘導区域内は補助率50%(一般世帯上限50万円・事業者上限60万円、子育て世帯は10万円加算)、区域外は補助率30%(一般世帯上限30万円・事業者上限40万円) |
| 認定外道路除雪事業の補助率嵩上げ | 認定外道路の除雪費用に対する補助率を豪雪時に引き上げ | 山間地は90%から95%、山間地以外は70%から80%に嵩上げ(令和7年11月1日〜令和8年3月31日) |
| 市の雪捨て場の開放 | 豪雪対策本部の設置に伴う雪捨て場の開放 | 市内5地域で期間限定開放(令和8年度は1月31日から順次、地域ごとに問い合わせ先が異なる) |
(2026年8月時点・十日町市公式サイトより)解体費補助と改修・取得費補助はそれぞれ申込期間や予算枠が定められており、予算に達し次第、または申込期間の終了をもって受付を終える運用です。十日町市の解体補助金は、令和8年度は令和8年4月13日から5月13日までが申込受付期間で、申し込みが多い場合は抽選となる運用でした(この期間の受付はすでに終了しています)。次年度以降の受付時期や予算枠は年度ごとに変わるため、解体や改修を検討している段階で、最新の募集情報を十日町市の窓口・公式サイトで確認しておくことをおすすめします。
申請の注意点
多くの補助金制度に共通する注意点として、交付決定を受ける前に工事を契約・着手してしまうと、補助の対象外になることが挙げられます。見積もりを取る段階から「補助金の交付決定を待ってから契約する」という順番を意識しておく必要があります。また、建物を除却して更地にすると、翌年度から土地の固定資産税が増額になる場合がある点も、あわせて押さえておきたいポイントです。解体だけを先に決めてしまうと、税負担の増加を見落としたまま進めてしまうことがあります。
実家がある地域に補助制度があるかどうかは、市区町村の建設部局や空き家対策の担当窓口で確認できます。豪雪地帯では、空き家対策の担当課とは別に、除雪・克雪を担当する部署が窓口になっていることもあるため、問い合わせの際は「空き家の雪下ろし・解体について相談したい」と伝えると、担当部署へつないでもらいやすくなります。
ケース別シミュレーション:管理を続ける場合と手放す場合の10年コスト比較
雪国の実家をどうするかを考えるとき、「このまま管理を続ける」場合と「早めに手放す」場合とで、総額がどれくらい変わるのかが判断材料になります。ここでは代表的な3つのケースについて、10年間の概算コストを試算しました。屋根面積や積雪量、地域の物価によって実際の金額は変わるため、あくまで目安としてご覧ください。
| ケース | 内容 | 10年間の概算コスト |
|---|---|---|
| A:家族・親族で管理を続ける | 年2回、業者に雪下ろしを依頼(1回5万円)+固定資産税・保険等の維持費 | 雪下ろし代 約100万円+維持費(目安)約60万円=約160万円 |
| B:空き家管理会社に委託 | 月1回巡回(月8千円)+冬季の雪下ろし実費(年2回・1回6万円) | 巡回費 約96万円+雪下ろし代 約120万円=約216万円 |
| C:早期に解体して売却 | 解体費約150万円(補助金30万円を活用し実質120万円)を初年度に支出。以降の維持費・雪下ろし代は発生しない | 実質約120万円(以降の追加費用なし)+売却できれば売却代金が別途入る |
この試算からわかるのは、管理を続ける限り雪下ろし費用は毎年発生し続けるという点です。一方でケースCのように早期に解体・売却まで進めれば、初年度にまとまった支出は生じるものの、その後の雪下ろし代・巡回費は発生しません。もちろん「思い出のある実家を簡単には手放せない」という事情もあるため、金額だけで判断すべきものではありませんが、管理を続けた場合の10年間の総コストを一度可視化しておくことは、判断材料として役立ちます。
相談窓口でよく見られるパターン
雪国の実家に関する相談では、次のようなパターンが繰り返し見られます。ご自身の状況が当てはまらないか、確認してみてください。
- 実家を離れて数十年経つうちに、雪下ろしを頼んでいた近隣住民が高齢化・転居してしまい、急に頼れる相手がいなくなって困る
- 「業者に頼めば大丈夫」と考えて依頼を先延ばしにしていたところ、大雪警報時に依頼が集中し、希望する時期に雪下ろしをしてもらえなかった
- 解体を決めてから自治体の補助金の存在を知り、すでに契約・着工していたため対象外になってしまった
- 空き家のまま数年放置したことで柱や梁の傷みが進み、当初想定していたより解体費用が高くなった
共通しているのは、雪下ろしや解体の判断を先延ばしにしたことで、選べたはずの選択肢が狭まってしまう点です。管理を続けるか手放すかを迷っている段階でも、早めに情報を集めておくことが、結果的に費用や手間を抑えることにつながります。
雪国の空き家を手放す方法と税金
管理の負担が大きいと感じたら、手放す方法もあわせて検討する価値があります。雪国の空き家には選択肢ごとに固有の事情があるため、順に見ていきます。
売却
雪国の空き家は、積雪期の内覧が難しい、雪下ろしの手間を敬遠されるといった事情から、都市部に比べて買主が見つかりにくい傾向があります。一方で、スキー場や温泉地に近いエリアでは別荘需要が、農村部では移住希望者からの需要があるなど、立地によっては強みになる場合もあります。売却を検討する際は、雪が積もる前の時期に写真を撮っておく、無落雪屋根かどうかを伝えるなど、買主が冬の暮らしをイメージしやすい情報を用意しておくと、商談が進みやすくなります。査定の受け方や必要書類は実家の売却査定の受け方で解説しています。
解体して更地にする
老朽化が進み、修繕より解体のほうが現実的な場合は、更地にしてから売却や活用を検討する方法があります。雪国では、重機の搬入路の除雪や、隣接家屋との距離が近い場合の落雪対策など、都市部にはない追加の手間がかかることがあり、解体費用が積雪のない地域よりも高めになる場合があります。前述のとおり、自治体によっては解体費の一部を補助する制度があるため、着工前に窓口へ相談し、交付決定を待ってから契約を進めるようにしてください。解体の流れや費用の目安は実家の解体費用と流れで紹介しています。
空き家バンクの活用
豪雪地帯の市区町村の多くは、移住希望者と空き家所有者をつなぐ「空き家バンク」を運営しています。田舎暮らしや二拠点居住を希望する層からの需要が一定数あり、都市部にはない価格帯・広さの魅力を評価されることもあります。一方で、雪下ろしの負担を理由に契約に至らないケースも珍しくありません。登録の際に、屋根の形状や過去の雪下ろし頻度、除雪機の有無といった情報をあらかじめ整理しておくと、問い合わせを受けた際の説明がスムーズになります。
相続放棄という選択肢
実家の資産価値が低く、維持費や雪下ろし代のほうが負担になりそうな場合は、相続放棄という選択肢もあります。ただし相続放棄をしても、他に管理する人がいない状態が続く間は一定の管理責任が残る場合があり、「放棄すれば即座に責任がなくなる」というわけではありません。また、遺品の一部でも売却・処分すると単純承認とみなされ、後から撤回できなくなることがあります。放棄を検討している段階で雪下ろしや修繕に着手する場合は、着手前に司法書士や弁護士へ相談しておくことをおすすめします。
相続土地国庫帰属制度は使えるか
管理の負担が大きい土地を手放す方法として、一定の要件を満たせば国に引き取ってもらえる「相続土地国庫帰属制度」があります。ただし、建物が残ったままの土地はこの制度の対象外(却下事由)とされているため、利用するにはまず建物を解体して更地にすることが前提になります。また、通常の管理や処分に過分な費用・労力がかかると判断される土地は不承認となる場合があり、豪雪地帯の土地がこの基準に該当するかどうかは、土地の状況ごとに個別の審査で判断されます。雪国だからといって一律に対象外・対象になるとは言い切れないため、制度の利用を検討する場合は、解体に着手する前に法務局へ相談しておくと、後になって想定と違ったという事態を避けやすくなります。
空き家の3,000万円特別控除と税金の計算例
相続または遺贈で取得した実家を売却する場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」があります。主な要件は、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、区分所有建物登記がされていないこと、相続開始の直前に被相続人以外が住んでいなかったことなどで、売却代金が1億円以下であること、相続開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することも条件です。適用期限は令和9年(2027年)12月31日までの譲渡とされています(2026年8月時点・国税庁「タックスアンサー」より)。なお、令和6年1月1日以後の譲渡で、この特例の対象となる不動産を取得した相続人が3人以上いる場合は、ひとりあたりの控除の上限が2,000万円に引き下げられます。
実際の計算例を見てみます。雪国の実家(昭和53年建築、被相続人以外に同居していなかった家屋)を解体し、土地を5,000万円で売却したケースを想定します。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 売却代金 | 5,000万円 | |
| 概算取得費 | 250万円 | 取得費が不明な場合、売却代金の5%で計算するのが一般的 |
| 譲渡費用 | 150万円 | 解体費・仲介手数料などの合計(目安) |
| 譲渡所得(控除前) | 4,600万円 | 5,000万円−250万円−150万円 |
| 空き家の特別控除 | ▲3,000万円 | 要件を満たす場合に適用 |
| 課税譲渡所得 | 1,600万円 | 4,600万円−3,000万円 |
| 税額の目安(所有期間5年超) | 約325万円 | 1,600万円×20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%) |
特別控除を使わない場合は、課税譲渡所得4,600万円に対して約935万円の税額となる計算のため、特例が適用できるかどうかで納税額に大きな差が生じます。特例の適用には確定申告と、売却した不動産の所在地の市区町村長が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」などの書類が必要になるため、要件に当てはまりそうな場合は、早めに税務署や税理士へ確認しておくことをおすすめします。実際の税額は個々の状況によって変わるため、この試算はあくまで目安としてご参照ください。
業者選びで確認すべきこと
雪下ろし・除雪や空き家管理を業者に依頼する場合、価格の安さだけで選ぶと、緊急時に対応してもらえない、報告がなく状況がわからないといったトラブルにつながることがあります。契約前に次の点を確認しておくと安心です。
| 確認項目 | ポイント |
|---|---|
| 作業員の安全対策 | 命綱・ヘルメットなど高所作業の安全対策を取っているか |
| 損害保険への加入 | 雪下ろし中の事故や、近隣への落雪被害に備えた保険に加入しているか |
| 緊急時の対応体制 | 大雪警報時など、通常のスケジュール外で駆けつけてもらえるか |
| 作業前後の報告方法 | 写真や動画で状況を報告してもらえるか、報告の頻度はどれくらいか |
| 料金体系の明確さ | 基本料金と追加費用(積雪量・出動回数による加算など)が分けて説明されているか |
| 対応エリアと出動頻度 | 実家までの移動時間が短く、大雪時にも出動してもらいやすい業者か |
特に雪国では、大雪警報が出るたびに依頼が殺到し、繁忙期には予約が取りにくくなる業者も少なくありません。シーズンが始まる前の秋のうちに契約しておく、複数の業者と関係を作っておくといった備えが、いざというときの安心につながります。
不動産会社に行く前に知っておくべきこと
「もう管理しきれない」と感じて不動産会社に相談する前に、知っておくと役立つことがいくつかあります。
まず、雪国の空き家は「売れない」と決めつける前に、複数社へ査定を依頼してみることをおすすめします。1社だけの査定額を鵜呑みにすると、実際にはもっと高く売れる可能性や、逆に想定より時間がかかる可能性を見落とすことがあります。専任媒介契約を結ぶと、その1社としか取引できなくなるため、契約前に一般媒介との違いを理解しておくことも大切です。囲い込み(他社からの購入希望を意図的に断る行為)を懸念する声もあるため、契約形態やレインズへの登録状況について、担当者にはっきり質問しておくとよいでしょう。
また、名義が故人や先代のままでは、不動産会社に売却を依頼しても契約を進められません。実家の相続登記が済んでいるかどうかは、売却相談の前に確認しておくべき最初のポイントです。名義変更が済んでいない場合は、査定と並行して司法書士に相談し、必要な戸籍謄本の収集を進めておくと、後の手続きがスムーズになります。
解体して更地にしてから売るか、建物を残したまま売るかで、買主の層や金額が変わる場合もあります。雪国では老朽化した家屋を解体せず「古家付き土地」として売り出し、購入者が自分で解体するかどうかを判断できるようにする方法もあります。どちらが有利かは物件や地域によって異なるため、不動産会社と解体業者の双方から意見を聞いたうえで判断することをおすすめします。安心実家じまいでは、片付けから売却・解体の手配までを一つの窓口でご相談いただけます。詳しくは実家じまい代行サービスをご覧ください。
遠方に住みながら雪国の空き家を管理する方法
進学や就職を機に実家を離れ、現在は雪の降らない地域に住んでいるという相続人の方は少なくありません。冬のたびに帰省して雪下ろしをするのは、交通費・宿泊費・移動時間の負担が大きく、大雪警報が出るたびに仕事を休んで駆けつけるのも現実的ではありません。遠方から進めるなら、次のような段取りが現実的です。
- 屋根の形状と過去の雪下ろし頻度を確認する——無落雪屋根かどうか、過去は年何回くらい雪下ろしをしていたかを、近隣に住む親族や、これまで依頼していた業者に確認します。
- 地元の空き家管理業者・シルバー人材センターに相談する——巡回頻度と冬季の雪下ろし込みでの見積もりを取り、写真報告の有無や緊急時の連絡体制を確認します。
- 火災保険の契約内容を見直す——空き家の状態でも補償が有効か、雪災が補償範囲に含まれているかを保険会社に確認します。
- 大雪警報時の緊急連絡先を決めておく——警報級の降雪が予想される際に、誰が現地を確認し、必要なら業者へ緊急出動を依頼するかを事前に取り決めておきます。
- 管理を続けるか手放すかを、期限を決めて検討する——「あと何年管理を続けるか」を漠然としたままにせず、10年間の概算コストなども踏まえて、家族で一度方向性を話し合っておくと、判断が先延ばしになりにくくなります。
雪下ろしや管理の相談から、売却・解体まで含めた実家じまいの相談まで、窓口をひとつにまとめておくと、遠方からでも状況を把握しやすくなります。ご相談の流れはご相談の流れで紹介しています。
よくある質問
雪国の空き家は雪下ろしをしないとどうなりますか?
雪下ろしを業者に頼むといくらかかりますか?
空き家の雪下ろし費用に自治体の補助金は使えますか?
雪国の空き家を相続放棄すれば管理義務はなくなりますか?
遠方に住んでいても雪国の実家を手放す相談はできますか?
まとめ
雪国の空き家は、積雪という都市部にはないリスクを抱えている分、管理を先延ばしにするほど負担が大きくなりやすい不動産です。要点を振り返ります。
- 積雪の重さは雪質によって1立方メートルあたり30〜500キログラムまで変わり、放置すると屋根の損傷や倒壊につながる
- 管理を怠ると「管理不全空家等」「特定空家等」に指定され、固定資産税の負担が増える場合がある
- 雪下ろし代行の費用は1回3万〜10万円程度、定期巡回サービスは月5千〜1万円程度が目安
- 十日町市のように、解体・改修に使える補助金を用意している自治体がある。予算枠・申込期間に注意
- 10年間管理を続けた場合と早期に解体・売却した場合とでは、総コストに大きな差が出ることがある
- 空き家の3,000万円特別控除は要件を満たせば大きな節税になる。適用期限は2027年12月31日まで
- 相続土地国庫帰属制度は建物がある土地は対象外。豪雪地の土地が不承認事由に該当するかは個別審査による
- 不動産会社に相談する前に、相続登記の状況や媒介契約の種類を理解しておくと、手続きがスムーズに進む
実家が雪国にある場合、管理を続けるか、早めに手放すかの判断は、雪下ろし費用や税制、自治体の補助制度まで含めて考える必要があります。まずは実家の屋根の状態や積雪量、名義変更の状況を確認し、どの選択肢が現実的かを整理することから始めてみてください。空き家管理全般の考え方は空き家管理の基本を、売却・解体の具体的な進め方は実家の売却査定の受け方と実家の解体費用と流れをあわせてご覧ください。
早いこともあります
実家の片付けから処分まで、
窓口ひとつでご相談いただけます。
ご相談・お見積もりは無料です。

