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帰省で気づく親の変化チェックリスト|認知機能・生活・家の中・金銭の4分野28項目【印刷用】

最終更新日:2026年10月7日|監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

監修の範囲:相続・登記・法務に関する記述(司法書士・行政書士の業務範囲)。片付け・買取・費用相場などの記述は安心実家じまい事務局が編集しています。監修者プロフィール

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 帰省で確認すべき変化は「認知機能」「生活状況」「家の中の状態」「金銭管理」の4分野・計28項目に整理できます。
  • 1つでも該当すれば即・要介護というわけではありませんが、3項目以上の該当、または金銭管理の異変は優先的に動くべきサインです。
  • 気になる変化を見つけたら、まず地域包括支援センターに相談するのが最初の一歩です。費用はかからず、本人を伴わず家族だけでも相談できます。
  • 帰省のタイミングで写真と日付を記録しておくと、次回帰省時の比較や、医療・介護の専門職への説明がスムーズになります。
目次

帰省時に親の変化に気づきにくい理由

離れて暮らす親の変化は、電話だけでは気づきにくいものです。声の調子や会話の受け答えは、本人が「元気なふり」をしようとすれば、短い電話では取り繕えてしまいます。一方で、年に数回の帰省で実際に顔を合わせ、家の中まで入ってみると、電話では分からなかった変化に気づくことがあります。

ただし、帰省中は親戚付き合いや旧友との再会、行事の準備などでやることが多く、親の様子をじっくり観察する時間を取りにくいのも事実です。だからこそ、あらかじめ「どこを見るか」を決めておき、短時間でも効率よくチェックできる準備をしておくことが大切です。この記事では、帰省中に確認したい変化を4つの分野に分けて、印刷してそのまま使えるチェックリストの形でまとめました。

なお、ここで紹介するチェックリストは医学的な診断を目的としたものではありません。気になる項目が見つかった場合の相談先として、地域包括支援センターや医療機関の情報も案内していますので、あわせてご確認ください。

【印刷用】帰省時 親の変化チェックリスト全28項目

以下は、認知機能・生活状況・家の中の状態・金銭管理の4分野に分けたチェックリストです。帰省前にこのページを印刷し、気になった項目に印をつけながら確認してください。当てはまる項目が多いほど、早めの相談を検討する目安になります。

1. 認知機能に関するサイン(7項目)

チェック 項目 見るポイント
□ 同じ話や質問を何度も繰り返す 1回の帰省中に3回以上同じ話をしていないか
□ 今日の日付や曜日がすぐに出てこない さりげなく「今日は何日だっけ」と聞いてみる
□ 最近の出来事(昨日食べたもの等)を思い出せない 直近の記憶の方が抜けやすい
□ 物の置き場所を忘れ、探し物が増えた 財布・鍵・眼鏡の置き忘れが頻発していないか
□ 慣れた道で迷った、迷いかけたことがある 本人や近所の人からそうした話を聞かないか
□ 会話の中でつじつまが合わない部分がある 話の途中で内容がすり替わっていないか
□ 趣味や好きだったことへの関心が薄れた 以前熱心だった作業をやめていないか

2. 生活状況に関するサイン(7項目)

チェック 項目 見るポイント
□ 同じ服を何日も着ている、季節に合わない服装 汚れたままの衣類が続いていないか
□ 入浴や歯磨きの頻度が減った様子がある 本人や浴室の使用感から判断
□ 急に痩せた、または体型が大きく変わった 顔つき・体つきの変化を前回帰省時と比較
□ 冷蔵庫に賞味期限切れの食品が目立つ 同じ食品を何個も買い込んでいないか
□ 食事の回数や内容が簡素になっている 栄養バランス・食欲の変化を確認
□ 通院や服薬を忘れがち、または途中でやめている お薬手帳・残薬の量をさりげなく確認
□ 外出や近所付き合いが減り、家にこもりがち 趣味の集まりや買い物に行かなくなっていないか

3. 家の中の状態に関するサイン(7項目)

チェック 項目 見るポイント
□ 郵便物や新聞が溜まっている、開封されていない 請求書・案内状が未開封で山になっていないか
□ 部屋の片付けが以前よりできていない 以前はきれい好きだったのに散らかっていないか
□ 不要な物やチラシ、同じ日用品が大量にある 同じ物を何度も買ってしまっていないか
□ 家の中に異臭がする、水回りが汚れている トイレ・台所・ゴミ出しの状態を確認
□ 電球が切れたまま、電池切れの物が放置されている 細かな修理・交換ができなくなっていないか
□ 庭や外観の手入れが行き届かなくなった 以前と比べて雑草・落ち葉が放置されていないか
□ 家電の操作を誤る、使い方を忘れている様子がある 給湯器やエアコンのリモコン操作に戸惑っていないか

4. 金銭管理に関するサイン(7項目)

チェック 項目 見るポイント
□ 通帳や現金の管理が雑になった、紛失が増えた 通帳・印鑑の保管場所を本人が把握しているか
□ 公共料金やクレジットカードの支払いを滞納している 督促状・利用停止の通知が届いていないか
□ 高額な買い物や契約の記憶がない、覚えていない 見慣れない商品・契約書が家にないか
□ 不審な勧誘電話や訪問販売の話を頻繁にしている 詐欺や悪質商法のターゲットになっていないか
□ 同じ商品を何度も通販で購入している 段ボールや同じ品物が複数届いていないか
□ 家族や知人への貸し借りが急に増えた 本人の説明があいまいになっていないか
□ 年金や預金の使途を本人が説明できない 生活費の出どころを漠然としか答えられないか
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正常な老化と「要注意」のサインの違い【比較表】

年齢を重ねれば誰でも物忘れが増えたり、動作がゆっくりになったりします。すべてを「認知症かもしれない」と心配しすぎる必要はありません。一方で、見過ごすと生活に支障が出る変化もあります。下の比較表で、正常な老化の範囲と、専門機関への相談を検討したいサインの違いを整理しました。

分野 正常な老化の範囲 相談を検討したいサイン
物忘れ 人の名前や固有名詞がすぐ出てこない 体験そのもの(出来事)を忘れている
日付感覚 曜日をうっかり間違える 季節や年がずれている、聞いても分からない
片付け 以前より片付けのペースが遅い 同じ物を大量に溜め込む、異臭がするほど放置
金銭管理 振込や手続きを面倒に感じるようになった 支払いを忘れて滞納・延滞が続いている
対人関係 外出がやや億劫になった 近所付き合いを急にすべて絶ってしまった

この比較表はあくまで目安です。本人の性格やこれまでの生活習慣によっても差があるため、「前回の帰省と比べてどう変わったか」という本人の変化の幅で見ることが、他人との比較よりも参考になります。

チェック後にやることの手順表

チェックリストで気になる項目が見つかった場合、何から手をつければよいか迷う方が多いです。以下の手順表に沿って、優先順位をつけて進めることをおすすめします。

順番 やること 目安の時期
1 気になった項目と日付をメモ・写真で記録する 帰省中・気づいたその場で
2 兄弟姉妹など他の家族と情報を共有する 帰省中〜1週間以内
3 実家の地域包括支援センターへ電話相談する 気になってから1〜2週間以内
4 かかりつけ医がいれば受診のきっかけを相談する 地域包括支援センター相談後
5 通帳・印鑑・重要書類の保管場所を家族で把握する 金銭管理に不安がある場合はすぐ
6 次回帰省の時期と確認項目をあらかじめ決めておく 今回の帰省の最後

特に重要なのは3番目の「地域包括支援センターへの相談」です。地域包括支援センターは、市区町村が設置する高齢者の総合相談窓口で、費用はかかりません。本人を連れて行かなくても、家族だけの相談を受け付けています。管轄のセンターは厚生労働省:地域包括ケアシステムについてのページから自治体の案内を確認できます。認知機能の変化に関する一般的な情報は厚生労働省:認知症施策のページにまとまっています。

ケース別シミュレーション|こんなときどうする

チェックリストの該当項目は家庭によって異なります。ここでは代表的な3つのケースを例に、帰省後にどう動けばよいかの考え方を紹介します。

ケース1:物忘れは増えたが、生活は自分でできている

認知機能のチェックで1〜2項目が該当するものの、生活状況・家の中の状態・金銭管理には大きな変化がない場合です。このケースでは、緊急に何かを変える必要性は低いと考えられますが、変化を放置せず「次回帰省時にもう一度同じ項目を確認する」ことを決めておくと安心です。半年〜1年の間隔で比較すると、進行のペースが見えやすくなります。

ケース2:家の中が散らかり、冷蔵庫に同じ物が複数ある

生活状況・家の中の状態の項目で複数該当し、本人は「自分でできている」と話しているケースです。本人の自尊心を傷つけないよう、頭ごなしに指摘するのではなく、「一緒に片付けようか」「久しぶりに台所のものを見直そうか」といった形で、作業の中で変化を一緒に確認するのが現実的です。家族だけで抱え込まず、地域包括支援センターに相談し、生活支援サービスの利用を検討する段階と言えます。

ケース3:通帳が見当たらない、高額な契約書が見つかった

金銭管理のチェック項目に複数該当し、かつ不審な契約書や見慣れない請求書が見つかったケースです。このケースは他の3分野よりも優先度が高く、早めの対応が望まれます。通帳・印鑑・保険証券などの重要書類の保管場所を家族で把握し、クーリングオフが可能な契約であれば期限内の手続きを検討してください。契約内容が複雑で判断に迷う場合は、消費生活センターや司法書士・弁護士への相談も選択肢になります。将来的に判断能力の低下が進んだ場合に備えて、成年後見制度や家族信託についても早めに情報収集しておくと安心です。

変化を記録に残す方法|次回帰省と比較する記録シート

1回の帰省だけで判断するのではなく、複数回の帰省を比較することで、変化のスピードや方向性が見えてきます。以下のような簡単な記録シートを作り、帰省のたびに数分だけ書き留めておくと、医療機関や地域包括支援センターに相談する際の説明もスムーズになります。写真はスマートフォンのアルバムに日付入りで保存しておくだけでも十分役立ちます。

記録日 該当した分野 具体的な様子 前回との比較
例:2026/10/8 例:家の中の状態 例:冷蔵庫に同じ調味料が3本 例:前回は未確認、今回初めて気づいた
       
       
       

記録をつける際は、「できていない」ことだけでなく「変わらずできていること」もあわせてメモしておくと、全体のバランスを把握しやすくなります。また、本人の体調がよい日とそうでない日とで様子が変わることもあるため、できれば帰省中に2〜3日分の様子を見てから記録するのが理想的です。日帰り帰省で時間が限られる場合は、電話やビデオ通話での普段の会話と、帰省時に実際に見た様子を組み合わせて判断材料にしてください。

記録を家族間で共有する際は、LINEのグループやクラウドのメモアプリなど、兄弟姉妹全員がすぐに確認できる方法を使うと、情報の抜け漏れや「言った言わない」のすれ違いを防ぎやすくなります。特に遠方に住む兄弟姉妹がいる場合、帰省できる頻度に差が出やすいため、帰省できた人が代表して記録を残し、全員で共有する運用にしておくと公平感も保てます。

よくある質問

親に「変化を見ている」と気づかれずにチェックする方法はありますか?
特別な方法よりも、普段の会話や手伝いの延長で確認するのが自然です。たとえば「写真を整理しよう」と声をかけて部屋を一緒に見る、「お茶を淹れるね」と台所に立って冷蔵庫の中を確認するなど、日常の動作の中で様子を見るとよいでしょう。問い詰めるような聞き方は本人の警戒心や不安を強めてしまうため避けてください。
チェックリストで複数該当したら、すぐに病院に連れて行くべきですか?
複数該当したからといって、必ずしもすぐに受診が必要とは限りません。まずは地域包括支援センターに家族だけで相談し、状況を整理することをおすすめします。センターの職員が、必要に応じて適切な医療機関や専門職への橋渡しをしてくれます。本人の同意なく無理に受診させようとすると、かえって本人との関係が悪化することもあるため、段階を踏むことが大切です。
地域包括支援センターにはどこから連絡すればよいですか?
実家が所在する市区町村の地域包括支援センターに連絡します。管轄のセンターがわからない場合は、「(市区町村名) 地域包括支援センター」で検索するか、市区町村の高齢福祉担当窓口に問い合わせると案内してもらえます。費用はかからず、電話での相談も可能です。
兄弟姉妹で意見が分かれた場合はどうすればよいですか?
「まだ大丈夫」という意見と「心配だから早く動きたい」という意見が家族内で分かれることはよくあります。その場合は、どちらかの意見を押し通すのではなく、地域包括支援センターなど第三者の専門職に一度相談し、客観的な状況整理をしてもらうと、感情的な対立を避けやすくなります。

まとめ

帰省時に親の変化に気づくためのポイントを振り返ります。

  • 確認する分野は「認知機能」「生活状況」「家の中の状態」「金銭管理」の4つ、計28項目
  • 1つの該当だけで慌てる必要はないが、3項目以上の該当や金銭管理の異変は優先度が高い
  • 正常な老化との違いは「前回の帰省と比べてどう変わったか」という本人内の変化の幅で見る
  • 気になる変化を見つけたら、まず費用のかからない地域包括支援センターに家族だけで相談する
  • 通帳・印鑑・重要書類の保管場所は、金銭管理に不安がある場合は早めに家族で把握しておく
  • 次回帰省の時期と確認項目をあらかじめ決めておくと、変化の進み方を比較しやすくなる

実家の片付けや将来的な実家じまいを、帰省のタイミングで少しずつ進めたい場合は実家の片付けは何から始める?優先順位と仕分け基準・実務チェックリストもあわせてご覧ください。帰省中に実家じまいの話を親とどう切り出すかについては帰省時に実家じまいを親と話すには|反発を招きにくい切り出し方とNG・OK例で詳しく解説しています。

読むより、聞いたほうが
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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
運営は株式会社Sora Capital(東京都渋谷区・安心実家じまい事務局)です。相続・登記・法務に関する記述は、提携の司法書士・行政書士 久留慎一郎が監修しています。税額の計算や申告の判断は、税理士にご確認ください。

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