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実家の解約手続き一覧|固定電話・NHK・新聞・インターネットを死亡後にどう止めるか【比較表・チェックリスト付き】

最終更新日:2026年10月7日|監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

監修の範囲:相続・登記・法務に関する記述(司法書士・行政書士の業務範囲)。片付け・買取・費用相場などの記述は安心実家じまい事務局が編集しています。監修者プロフィール

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 実家の固定電話・NHK受信料・新聞・インターネット回線は、契約者が亡くなっても自動的には止まりません。放置すると、誰も住んでいない家に料金だけが発生し続けます。
  • 固定電話(NTT東日本・西日本)は局番なしの「116」へ連絡し、「解約」と「休止」のどちらにするかを選べます。番号を残す可能性があるなら休止も検討してください。
  • NHK受信料は、実家に誰も住まなくなる場合は解約の対象です。手続きは電話(NHKふれあいセンター〈営業〉0120-222000)が基本で、ネット解約は原則できません。家族が住み続ける場合は名義変更になります。
  • 新聞は全国共通の窓口がなく、契約している新聞販売店に直接連絡するのが唯一の方法です。
  • インターネット回線・プロバイダは契約先ごとに窓口が異なり、契約期間の途中解約では違約金が発生することがあるため、契約書・最新の請求書で契約先と契約期間を確認してから連絡してください。
  • 多くのサービスは、相続人が契約者の死亡を伝えるだけで手続きを進められますが、名義変更の場合は続柄のわかる戸籍謄本などを求められることがあります。契約先ごとに必要書類を確認しましょう。
目次

実家の解約手続きが必要な理由|放置するとどうなるか

親が亡くなり実家が空き家になる、あるいは施設入居などで誰も住まなくなるとき、固定電話・NHK受信料・新聞・インターネット回線といった契約は、死亡届を出しただけでは止まりません。これらは行政手続きとは別に、契約者本人または相続人が各サービス提供会社に連絡し、解約または名義変更の手続きを個別に行う必要があります。

手続きをしないまま放置すると、誰も使っていない家に対して基本料金や受信料が発生し続け、相続人に支払いの請求が届くことになります。特に新聞は配達が止まらないまま郵便受けに溜まり続け、空き家であることが外から分かりやすくなるため、防犯面でも早めの解約が望ましいサービスです。固定電話とインターネット回線も、使っていなくても基本料金が発生する契約形態がほとんどです。

この記事では、実家じまいや遺品整理のご相談でとりわけ問い合わせが多い「固定電話」「NHK受信料」「新聞」「インターネット回線・プロバイダ」の4つに絞って、連絡先・手続きの流れ・注意点を整理しています。電気・ガス・水道などの公共インフラは窓口や立ち会いの要否が異なるため、本記事の後半で簡単に触れたうえで、別の手続きとして扱います。クレジットカードや公共料金以外の金融系の解約については死亡後のクレジットカード解約と未払金もあわせてご覧ください。

一方で、実家にまだ家族が住み続ける場合や、しばらく空き家のまま保有し続けて将来また使う可能性がある場合は、解約ではなく「名義変更」や「休止」で対応したほうがよいケースもあります。どちらを選ぶべきかはサービスごと、また実家の今後の使い方によって変わるため、この記事では比較表とケース別の考え方を用意しました。

なお、実家が持ち家ではなく賃貸物件だった場合は、固定電話・NHK・新聞・インターネットの解約手続き自体は本記事と同じ考え方で進められますが、加えて賃貸借契約の解約(解約予告・敷金精算・退去立ち会いなど)が別途必要になります。賃貸の退去手続きは管理会社・大家との連絡が中心になるため、本記事で扱う各サービスの解約と並行して、退去期限から逆算してスケジュールを組んでください。

実家の解約手続き一覧表【サービス別・連絡先・注意点】

まずは4つのサービスについて、連絡先と対応方法、注意点を一覧表にまとめました。印刷して、電話をかける前のメモ代わりにご活用ください。

サービス 連絡先の目安 電話/WEB 基本の対応 注意点
固定電話(NTT東日本・西日本) 局番なし「116」(NTTの窓口) 電話が基本。会員サイトから一部手続き可 「解約」または「休止」を選択 解約すると電話番号は原則失われる。将来また使う可能性があれば休止も検討
NHK受信料 NHKふれあいセンター(営業)
0120-222000(9:00〜18:00・土日祝も受付)
電話が基本。ネット解約は世帯同居のケースのみ 所定の届出書を提出して解約、または名義変更 誰も住まなくなる場合のみ解約対象。家族が住み続けるなら名義変更
新聞 契約している新聞販売店(ASA・YC等) 電話が基本。販売店によりWEB不可の場合が多い 契約している店舗に直接連絡し解約 全国共通の窓口はない。領収書や請求書で契約店舗名を確認
インターネット回線・プロバイダ 契約先の回線事業者・プロバイダの窓口(契約によって異なる) 電話が基本。会員ページから一部可能な事業者もある 契約先ごとの手順に従って解約・名義変更 契約期間中の解約は違約金が発生する場合がある。契約書・請求書で確認

この中でもっとも問い合わせが分かりにくいのが新聞とインターネット回線です。固定電話とNHK受信料は全国共通の窓口があるため連絡先を調べやすい一方、新聞とインターネットは契約している店舗・事業者によって窓口がまったく異なります。まずは実家に届いている請求書・領収書・契約書を確認し、契約先の正式名称と電話番号を控えてから連絡するとスムーズです。

「解約」「名義変更」「休止」の違い【比較表】

手続き先に連絡する前に、そもそも「解約」「名義変更」「休止」のどれを選べばよいかを整理しておくと、電話での説明がスムーズになります。3つの違いを比較表にまとめました。

選択肢 どんな場合に選ぶか 契約・番号・アドレス 料金の扱い
解約 誰も住まなくなり、今後その契約を使う予定がない場合 契約は終了し、電話番号・メールアドレスは原則使えなくなる 解約日以降の料金は発生しない(違約金が発生する契約もある)
名義変更 家族の誰かが引き続き住み、サービスを使い続ける場合 契約は継続し、電話番号・メールアドレスをそのまま使えることが多い 名義変更後は新しい契約者に請求される
休止 今後の使用予定は未定だが、番号や契約自体は残しておきたい場合(主に固定電話) 電話番号・契約が一定期間維持される 利用停止中の料金体系は契約内容によって異なる

NHKと新聞には「休止」という選択肢は基本的になく、「解約」か「名義変更(契約継続)」の二択になります。インターネット回線とプロバイダも、多くの事業者では「休止」制度がなく「解約」か「名義変更」の二択です。一方、固定電話は「休止」という中間的な選択肢があるため、迷ったときはまず固定電話の休止を軸に考え、他のサービスは居住予定に応じて解約か名義変更かを決める、という進め方がしやすくなります。

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固定電話(NTT東日本・西日本)の解約・休止手続き

実家の固定電話がNTT東日本・NTT西日本との契約(加入電話・ひかり電話など)の場合、契約内容の変更・解約の窓口は局番なしの「116」です。一般的な故障・工事の問い合わせとは異なる窓口のため、まずは116に電話し、「契約者が亡くなったので、解約または休止の手続きをしたい」と伝えてください。相続人など契約者本人以外からの連絡でも、死亡の事実を伝えれば手続きの案内を受けられるのが基本です。

NTTの固定電話には、契約そのものを終了させる「解約」のほかに、電話番号や契約を一定期間残したまま利用を止められる「休止」の制度があります。休止を選ぶと、将来また実家で電話を使う可能性がある場合や、相続登記や各種契約の名義変更の際に電話番号の記録を残しておきたい場合に対応しやすくなります。休止中の料金体系や継続できる期間は契約内容によって異なるため、116に電話した際に、解約と休止それぞれの条件を確認してから決めることをおすすめします。

光回線とセットの電話(ひかり電話等)の場合

固定電話が光回線とセットの「ひかり電話」などの場合、解約の窓口はNTTではなく、契約している回線事業者やプロバイダになっていることがあります。au ひかり電話であればKDDI(au)の窓口、ソフトバンク光電話であればソフトバンクの窓口、楽天ひかり電話であれば楽天モバイルの窓口というように、契約している回線事業者ごとに連絡先が分かれます。請求書の発行元を確認し、電話とインターネット回線をまとめて解約するか、電話だけを残すかを合わせて検討してください。

携帯電話しか使っていなかった場合

実家に固定電話の回線自体がない、あるいはすでに解約済みで携帯電話しか契約がなかった場合は、固定電話の手続きは不要です。この場合は携帯電話会社(docomo・au・ソフトバンクなど各社の窓口)に死亡にともなう解約・承継の手続きを確認してください。携帯電話は固定電話とは別の手続き・窓口になるため、本記事の範囲外として各社の案内に従って進めます。

NHK受信料の解約・名義変更手続き

NHK受信料の扱いは、実家にこれから誰かが住み続けるかどうかで変わります。NHK公式の案内では、「受信契約を締結している住居にどなたも居住しなくなる場合」は受信契約が解約の対象になるとされています。一方で、家族が引き続きその家に住む場合は、受信契約自体は必要となり、契約者の名義変更で対応することになります。

解約・名義変更の手続きは、NHKふれあいセンター(営業)への連絡が基本です。電話番号は0120-222000で、受付時間は午前9時から午後6時まで、土日祝日も受け付けています。NHK公式のFAQでも「受信契約の解約は、解約の事由に応じて所定の届出書のご提出が必要となる場合がある」と案内されており、電話で事情を伝えたうえで、必要な届出書を取り寄せて返送する流れになるのが一般的です。

注意したいのは、ネットでの解約手続きができる範囲が限られている点です。NHK公式FAQによれば、インターネットで解約の申し込みができるのは「世帯同居に伴う解約」(一人暮らしの解消などで2つの世帯が1つになるケース)に限られ、契約者の死亡にともなう世帯消滅の解約は、ネットからの手続き対象には含まれていません。実家の契約者が亡くなって誰も住まなくなるケースでは、電話での連絡が必要になると考えておいてください。

テレビを処分する場合も連絡が必要

実家に住む人がいなくなる場合だけでなく、テレビなどの受信機をすべて処分・故障・譲渡した場合も、NHK受信契約は解約の対象になります。遺品整理でテレビを処分する予定がある場合は、その旨も合わせてNHKふれあいセンターに伝えておくとよいでしょう。

BS契約や衛星契約がある場合

実家でBS放送(衛星契約)も契約していた場合、地上契約と衛星契約は合わせて1つの受信契約として扱われます。解約の手続きは地上契約と同様にNHKふれあいセンター(営業)への連絡で進められるため、別々に連絡する必要はありません。衛星放送を見ていない場合でも衛星契約自体は継続している、というケースもあるため、解約の連絡の際に契約種別(地上契約のみか、衛星契約も含むか)を確認しておくと、請求内容の見落としを防げます。

受信料の精算・過払い分の扱い

受信料は原則として前払い(2か月単位など)で支払う契約が一般的です。解約の手続きが完了すると、すでに支払った分のうち未経過期間に対応する金額は、口座振替やクレジットカードの登録状況に応じて返金される場合があります。返金の有無や方法は個々の契約状況によって異なるため、解約の連絡をした際に、精算・返金の扱いについても合わせて確認しておくとよいでしょう。

新聞の解約手続き

新聞の解約には、固定電話やNHKのような全国共通の窓口がありません。読売新聞・朝日新聞・日本経済新聞・地方紙など、どの新聞であっても、実際に配達を担当している地域の新聞販売店(読売新聞ならYC、朝日新聞ならASAなど)に直接連絡する必要があります。

連絡先が分からない場合は、実家に届いている新聞そのものや、集金時の領収書、口座引き落としの明細に販売店名と電話番号が記載されていることが多いので、まずはそれらを確認してください。販売店の電話番号が分からない場合は、新聞社の公式サイトに「お客様センター」や「配達・解約についてのお問い合わせ」窓口が案内されていることもあります。

新聞は紙面が郵便受けに溜まり続けると、空き家であることが外から分かりやすくなり、防犯上好ましくありません。実家じまいの初期段階で、解約が必要な契約の中でも比較的優先度を上げて対応しておきたいサービスの一つです。解約時期によっては、未配達分の料金精算や、すでに支払った分の返金が発生することもあるため、販売店に確認しながら進めてください。

前払い分の返金・日割り計算について

新聞の購読料は月極・前払いで支払っているケースが多く、月の途中で解約した場合、残りの日数分が日割りで返金されるかどうかは販売店ごとの対応によって異なります。全国一律のルールがあるわけではないため、解約の連絡をする際に「いつ付けで配達を止めるか」「未配達分の料金はどう精算されるか」を具体的に確認しておくと、後で金額が合わないといった行き違いを防げます。口座引き落としやクレジットカード払いにしている場合は、次回の引き落としが止まっているかどうかも、解約後に明細で確認しておくと安心です。

インターネット回線・プロバイダの解約手続き

インターネット回線とプロバイダの解約は、契約している事業者(NTTのフレッツ光、au ひかり、ソフトバンク光などの回線事業者と、それぞれのプロバイダ)によって窓口も手順も異なります。まずは実家に届く請求書やルーターに貼られたラベル、契約時の書類から、契約している事業者名を確認してください。

インターネット回線は、2年契約などの契約期間が定められているプランが多く、契約期間の途中で解約すると違約金(契約解除料)が発生する場合があります。契約者の死亡という事情があっても、違約金の扱いは契約約款によって異なるため、契約書や直近の請求書を確認したうえで、解約を申し出る際に違約金の有無も合わせて確認しておくと、想定外の請求を防げます。

固定電話と同じ回線事業者と契約している場合は、電話とインターネットをまとめて解約できることが多い一方、プロバイダだけ別会社という契約形態もあります。「回線」と「プロバイダ」の両方に解約の連絡が必要になるケースがあるため、請求書が2枚に分かれていないか(回線料金とプロバイダ料金が別々に請求されていないか)も確認しておきましょう。

プロバイダメールを使っていた場合の注意

故人がプロバイダ提供のメールアドレス(会員登録時の「@」以下がプロバイダ名になっているもの)を、各種サービスの連絡先として使っていた場合、インターネット回線を解約するとそのメールアドレスも使えなくなります。解約前に、そのメールアドレス宛に届いている重要な通知(年金・保険・金融機関などからの連絡)がないかを確認し、必要であれば各サービスの登録メールアドレスを別のものに変更しておくと、解約後に連絡が届かなくなるトラブルを防げます。

解約手続きの一般的な流れ

事業者によって細部は異なりますが、おおむね次の流れで進みます。まず契約先のカスタマーサポートに電話し、契約者が亡くなった旨と、解約または名義変更の希望を伝えます。次に、解約の場合は撤去工事の要否(レンタルのルーター・ONUの返却方法や、屋内配線の撤去が必要かどうか)を確認します。名義変更の場合は、続柄の分かる書類の提出を求められることがあるため、案内に従って郵送またはオンラインで提出します。最後に、レンタル機器がある場合は指定された方法・期限内に返却し、未返却のまま放置すると機器代金を請求されることがあるため注意してください。

名義変更する場合に用意しておきたい書類

実家に家族が住み続けるなど、解約ではなく名義変更で対応する場合は、契約先から続柄の確認書類を求められることがあります。代表的な書類を一覧にしました。実際に必要な書類は契約先によって異なるため、連絡した際に案内される内容を優先してください。

書類 主な用途 取得先
契約者(故人)の死亡が分かる戸籍謄本 死亡の事実と、新しい契約者との続柄を証明する 市区町村役場
新しい契約者の本人確認書類(運転免許証等) 名義変更後の契約者本人を確認する 本人が所持するもの
法定相続情報一覧図の写し 相続人全員との続柄をまとめて証明できる(複数の契約がある場合に便利) 法務局(事前に戸籍一式を集めて申出が必要)
引き落とし口座の通帳・キャッシュカード 名義変更後の支払い方法を設定する 新しい契約者本人が用意

相続登記や金融機関の手続きでも戸籍謄本や法定相続情報一覧図を使う場面が多いため、先に法定相続情報一覧図を取得しておくと、固定電話・インターネット・NHKなど複数の契約先に同じ書類の写しを使い回せて手間が省けます。法定相続情報一覧図は、相続人全員の戸籍謄本一式をそろえたうえで法務局に申出をすると無料で交付を受けられる制度で、取得までに一定の日数がかかります。複数の契約の名義変更が見込まれる場合は、遺品整理と並行して早めに申出をしておくと、後の手続きがまとめて進めやすくなります。

電気・ガス・水道との違い|公共インフラは扱いが別

固定電話・NHK・新聞・インターネットと合わせてよく話題になるのが、電気・ガス・水道といった公共インフラです。これらは生活に必須のライフラインであることから、契約の仕組みや解約の考え方がやや異なります。電気・ガスは安全面から閉栓・停止の作業に立ち会いが必要になる場合があり、水道は自治体や水道局が窓口になるなど、本記事で扱う固定電話・NHK・新聞・インターネットとは窓口も手続きも別になります。実家の解約連絡をまとめて進める際は、電気・ガス・水道についても別途、各契約先(電力会社・ガス会社・水道局)に死亡の事実を伝え、解約または名義変更の手続きが必要になる点を押さえておいてください。

公共料金等の解約と相続放棄の関係

相続放棄を検討している、あるいは家族の誰かが相続放棄を考えている場合は、公共料金や各種契約の扱いにも注意が必要です。相続財産の一部を処分・消費すると「法定単純承認」とみなされ、その後は相続放棄ができなくなることがあります。固定電話・NHK・新聞・インターネットの解約連絡自体は、通常は財産の処分にはあたらないと考えられますが、滞納していた料金を相続財産(故人の預貯金など)から支払う行為は、場合によっては単純承認とみなされる可能性があります。相続放棄の可能性が少しでもある場合は、未払い料金の精算方法について、着手前に司法書士や弁護士に確認しておくと安心です。

電話で伝える内容のテンプレート

どの窓口に電話する場合も、伝える内容はほぼ共通しています。事前にメモにまとめておくと、当日は読み上げるだけで済み、聞き漏れも防げます。

伝える項目 記入例・メモのポイント
契約者名(故人の氏名) フルネームを正確に。旧字体や読み方が特殊な場合はふりがなも準備
契約先の住所(実家の住所) 郵便番号・番地まで正確に
電話番号・お客様番号 請求書や領収書に記載の番号。分かれば手続きが早い
用件 「契約者が亡くなったため、解約(または名義変更)をお願いしたい」と最初に伝える
今後の居住予定 「誰も住まなくなる」のか「家族が住み続ける」のかを明確に伝える
希望する解約日・名義変更日 作業スケジュールと合わせて、いつ付けで切り替えたいかを伝える
折り返し先の連絡先 自分(相続人)の電話番号。担当者名と受付番号も控えておく

例えば固定電話(NTT)であれば、「父(契約者名)が死亡したため、実家の固定電話の解約(または休止)の手続きをしたいのですが」と伝えれば、担当者が必要な案内をしてくれます。NHKの場合は「契約者が死亡し、今後この家には誰も住まなくなるため、受信契約を解約したい」、新聞販売店の場合は「契約者が亡くなったため、○月○日付で配達を止めてほしい」、インターネット回線・プロバイダの場合は「契約者が死亡したため、解約(または名義変更)の手続き方法を教えてほしい」という伝え方で、ほぼどの窓口でも通じます。

解約前にやるべき実務チェックリスト

電話をかける前に、以下の項目を確認しておくと手続きがスムーズに進みます。印刷して、実家の整理を始める段階でチェックしながら使ってください。

確認項目 チェックのポイント
契約先の特定 固定電話・インターネットは請求書や契約書で事業者名を確認。新聞は配達されている紙面や領収書で販売店名を確認する
契約者名義の確認 契約者が亡くなった本人か、すでに家族名義になっているかを確認する
今後の居住予定の確認 誰も住まなくなるのか、家族の誰かが住み続けるのかで「解約」か「名義変更」かが変わる
引き落とし口座・支払い方法の確認 各契約の支払いが同じ口座からまとめて引き落とされていないか確認し、口座凍結前に把握しておく
契約期間・違約金の有無 特にインターネット回線は契約書で契約期間中の解約条件を確認する
本人確認書類・続柄書類の準備 名義変更を伴う場合に備え、戸籍謄本など続柄が分かる書類を用意しておく
解約日・最終使用日の記録 いつの時点で解約したか、担当者名や受付番号と合わせてメモしておく
解約連絡の順番 防犯上、新聞を優先し、次に固定電話・インターネット、最後にNHKという順番でも進めやすい

このチェックリストの中でも特に見落としやすいのが「契約期間・違約金の有無」です。インターネット回線は解約のタイミング次第で違約金が発生することがあるため、急いで解約する前に契約書を確認する一手間が、結果的に余計な出費を防ぎます。

ケース別に見る解約手続きの進め方

実家の今後の使い方によって、解約・休止・名義変更のどれを選ぶべきかは変わります。よくある3つのパターンに分けて考え方を整理します。

パターンA:実家を空き家にして誰も住まなくなる場合

将来的に売却・解体・活用のいずれを選ぶにしても、当面誰も住む予定がないのであれば、固定電話・NHK受信料・新聞・インターネット回線のすべてを解約する方向で検討します。ただし固定電話は、相続手続きや各種契約の名義変更のやり取りで電話番号が必要になる場面もあるため、解約ではなく休止にしておくと、番号を残しつつ料金を抑えられる場合があります。NHKはテレビの受信機がなくなり誰も住まなくなる時点で解約対象になるため、早めにNHKふれあいセンターへ連絡してください。このパターンでは、新聞・NHK・固定電話(または休止)・インターネットの順で連絡していくと、作業の区切りごとに契約が整理され、進捗が把握しやすくなります。

パターンB:家族の誰かが実家に住み続ける場合

配偶者や子どもなど、家族の誰かが引き続き実家に住む場合は、固定電話・NHK受信料・新聞・インターネット回線のいずれも「名義変更」で対応するのが基本です。NHKは世帯に人が住み続ける限り受信契約自体は必要なので、解約ではなく名義変更の手続きを行います。固定電話とインターネットも、名義変更であれば契約自体は継続するため、番号やメールアドレスをそのまま使い続けられることが多いです。新聞も、購読を続けるのであれば販売店に名義変更の連絡をするだけで済みます。このパターンでは解約の緊急性は低いものの、支払い方法(口座・クレジットカード)が故人名義のままだと、口座凍結後に引き落としができず延滞扱いになることがあるため、名義変更と合わせて支払い方法の変更も忘れずに行ってください。

パターンC:解体・売却に向けて作業中、まだ完全な空き家ではない場合

遺品整理や片付けの作業期間中は、作業員との連絡や、インターネットを使った査定・手続きのために、固定電話やインターネット回線をしばらく残しておきたいケースもあります。この場合は、新聞だけ先に解約し、固定電話・インターネットは作業が完了する見込みの時期に合わせて解約日を設定する、という進め方も可能です。NHKについても、テレビを置いたまま作業を進める間は契約が続く点に注意してください。解体工事が決まっている場合は、解体業者との打ち合わせで電気・水道の停止タイミングも合わせて確認し、固定電話・インターネットの解約日を解体着手日の少し前に設定しておくと、現地での連絡手段が途切れる心配がありません。

解約の連絡はいつまでにすればいいか|優先順位とタイミングの目安

死亡届の提出(7日以内)や世帯主変更届(14日以内)のような法律上の期限は、固定電話・NHK・新聞・インターネットの解約にはありません。とはいえ、料金が発生し続けることや、空き家であることが外から分かってしまう防犯面を考えると、できるだけ早く着手したほうがよい手続きです。目安として、葬儀が落ち着いた直後から四十九日までの間に、契約先の洗い出しと連絡を済ませておくと、その後の遺品整理や相続手続きに集中しやすくなります。

優先順位をつけるとすれば、まず新聞(防犯面で最優先)、次に固定電話・インターネット回線(料金が発生し続けるため)、そしてNHK(テレビの処分や居住予定が決まってからでもよい)という順番で進めると、無理なく対応できます。ただし、実家にまだ家族が出入りしている間は固定電話やインターネットを使い続けたいという事情もあるため、この順番はあくまで目安とし、ご家庭の状況に合わせて調整してください。四十九日までにやるべき他の手続きについては四十九日までにやること一覧も参考にしてください。

解約手続きでよくあるトラブルとその防ぎ方

実家の解約手続きは、進め方次第で思わぬ手間や費用につながることがあります。事務局として実家じまいのご相談を受ける中でよく聞かれるパターンと、その防ぎ方を紹介します。

  • 解約し忘れて料金が発生し続ける——葬儀や相続の手続きに追われて後回しにしているうちに、誰も使っていない実家に基本料金だけが発生し続けるケースです。この記事のチェックリストを使って、早い段階で契約先の洗い出しだけでも済ませておくと防げます。
  • インターネット回線の違約金に気づかなかった——契約期間の途中で解約し、想定していなかった解約金を請求されるケースです。解約を申し出る前に契約書・直近の請求書で契約期間を確認する一手間で防げます。
  • 新聞の販売店が分からず連絡が遅れる——新聞社に問い合わせても「販売店にご連絡を」と案内されるだけで、肝心の販売店の連絡先が分からず止まってしまうケースです。領収書や集金時の控えを探す、郵便受けに残っている新聞の配達欄を確認するなど、手がかりを複数当たってみてください。
  • NHKの解約をネットで済ませようとして進まない——世帯消滅(契約者死亡)による解約はネット手続きの対象外であるため、ネットで手続きしようとして進められず時間を浪費するケースです。死亡にともなう解約は、最初から電話(NHKふれあいセンター〈営業〉)に連絡するほうが早く進みます。
  • 固定電話を解約してから番号が必要になる——相続登記や保険の手続きなどで、過去に使っていた固定電話番号の記録が必要になる場面に後から気づくケースです。迷う場合は解約よりも先に休止を選び、各種手続きが落ち着いてから解約を検討する方法もあります。
  • 複数の契約が同じ口座に紐づいていて混乱する——固定電話・インターネット・新聞の支払いがすべて同じ口座から引き落とされている場合、どの契約がいつ止まったのか分かりにくくなることがあります。解約の都度、請求書の控えや通帳の記帳で引き落としが止まったことを確認する習慣をつけておくと、止め忘れに気づきやすくなります。
  • レンタル機器の返却を忘れて追加料金が発生する——インターネット回線のルーターやONUなど、レンタル機器があるまま解約手続きだけ済ませてしまい、返却が遅れて機器代金を請求されるケースです。解約の連絡時に、返却が必要な機器の有無と返却方法・期限を必ず確認してください。

これらのトラブルの多くは、「契約先を先に洗い出しておく」「契約書・請求書を確認してから連絡する」という2つを徹底するだけで防げます。葬儀や相続の手続きと並行して進めることになるため、一度にすべて終わらせようとせず、チェックリストに沿って一つずつ対応していくことをおすすめします。

遺品整理・実家じまいとあわせて進める方法

固定電話・NHK受信料・新聞・インターネット回線の解約は、実際には遺品整理や実家の片付けと並行して進める家庭がほとんどです。片付けの際に契約書・請求書・領収書が見つかることも多いため、仕分け作業の中で契約先の情報をまとめて確認し、解約の連絡先リストを作っておくと二度手間になりません。

安心実家じまいでは、遺品整理のご依頼をいただいた際に、契約書や請求書など各種契約の手がかりとなる書類を見つけ次第、仕分けの中で分かりやすくまとめてご報告する対応を行っています。遠方にお住まいで実家に立ち会えない場合も、鍵をお預かりして作業を進める方法があります。どの契約を解約し、どの契約を残すかの判断に迷う場合も、作業の過程でご相談いただけます。遺品整理の料金相場や内訳の考え方は遺品整理の料金相場を間取り別に解説をご覧ください。

実家の片付け全体の進め方や優先順位については実家の片付けは何から始める?優先順位と仕分け基準・実務チェックリストでも詳しく解説しています。遺品整理そのもののご相談は遺品整理サービスで承っています。

よくある質問

実家の固定電話・NHK・新聞・インターネットは、契約者が亡くなったら自動的に解約されますか?
自動的には解約されません。死亡届を役所に提出しても、これらの契約先には情報が伝わらないため、相続人など家族が各契約先に連絡し、解約または名義変更の手続きを個別に行う必要があります。放置すると、誰も使っていない実家に料金だけが発生し続けることになります。
契約者本人ではない相続人が解約の連絡をしても大丈夫ですか?
多くの場合、相続人など家族が契約者の死亡を伝えれば、解約や名義変更の案内を受けられます。ただし名義変更を行う場合は、続柄が分かる戸籍謄本などの提出を求められることがあります。必要書類は契約先によって異なるため、連絡した際に確認してください。
NHK受信料はネットで解約できますか?
契約者の死亡にともなって誰も住まなくなる場合(世帯消滅)の解約は、NHK公式の案内によるとネットでの手続き対象には含まれていません。ネットで解約を申し込めるのは、一人暮らしの解消など「世帯同居」にともなうケースに限られます。実家の契約者が亡くなったケースでは、NHKふれあいセンター(営業)への電話連絡が基本になります。
インターネット回線を解約すると違約金がかかりますか?
契約期間が定められているプランの場合、契約期間の途中で解約すると違約金(契約解除料)が発生することがあります。契約者が亡くなったという事情があっても扱いは契約約款によって異なるため、解約を申し出る前に契約書や直近の請求書で契約期間と解約条件を確認しておくことをおすすめします。
新聞の解約先が分からない場合はどうすればいいですか?
実家に届いている新聞そのものの配達欄、集金時の領収書、口座引き落としの明細などに、契約している新聞販売店の名称や電話番号が記載されていることが多いです。それでも分からない場合は、新聞社の公式サイトにある「お客様センター」などの窓口に問い合わせると、担当の販売店を案内してもらえることがあります。
固定電話を解約せず「休止」にするとどうなりますか?
休止を選ぶと、電話番号や契約そのものを一定期間残したまま、利用を止めることができます。相続登記や各種契約の名義変更の手続きで電話番号の記録が必要になる場合や、将来また実家で電話を使う可能性がある場合に選ばれることが多い方法です。休止中の料金や継続できる期間は契約内容によって異なるため、NTTの窓口「116」に確認してから決めることをおすすめします。
相続放棄を考えている場合、固定電話やNHKの解約連絡をしても大丈夫ですか?
解約の連絡自体は、通常は相続財産の処分にはあたらないと考えられています。ただし、滞納していた料金を故人の預貯金などの相続財産から支払う行為は、場合によっては法定単純承認とみなされる可能性があります。相続放棄の可能性が少しでもある場合は、未払い料金の精算方法について、着手前に司法書士や弁護士へ相談することをおすすめします。
実家をしばらく空き家のまま残す予定です。すぐに解約すべきですか?
今後の使い方が決まっていない場合は、サービスごとに判断を分けるとよいでしょう。新聞は防犯面からも早めの解約がおすすめです。固定電話は、番号を残しておきたい事情があれば解約より「休止」を検討できます。NHKはテレビを置いたままであれば契約は継続しますが、受信機をすべて撤去する予定があれば解約の対象になります。インターネット回線は契約期間中の違約金の有無を確認したうえで、作業予定に合わせて解約時期を決めると無駄がありません。

まとめ

実家の固定電話・NHK受信料・新聞・インターネット回線は、死亡届の提出とは別に、それぞれ個別の解約・名義変更手続きが必要です。要点を振り返ります。

  • 固定電話(NTT東日本・西日本)は局番なし「116」へ連絡。番号を残す可能性があれば「休止」も検討する
  • NHK受信料は、誰も住まなくなる場合は解約対象。手続きはNHKふれあいセンター(営業)0120-222000へ電話するのが基本で、死亡にともなう解約はネット手続きの対象外
  • 新聞は全国共通の窓口がなく、契約している新聞販売店に直接連絡する
  • インターネット回線は契約先ごとに窓口が異なり、契約期間中の解約では違約金が発生する場合があるため契約書を確認する
  • 今後その家に誰かが住み続けるかどうかで「解約」か「名義変更」かが変わるため、居住予定を先に決めてから連絡する
  • 遺品整理や片付けの中で契約書・請求書が見つかることが多いため、片付けと並行して契約先を洗い出すと二度手間にならない

どのサービスも、契約先を特定し、居住予定を決め、契約書で条件を確認してから連絡するという順番を守れば、大きなトラブルにはなりにくい手続きです。判断に迷う契約や、複数の契約が絡んで整理しきれない場合は、一人で抱え込まず、実家の片付け・遺品整理の相談窓口や、必要に応じて司法書士などの専門家にも相談してください。

参考:本記事で確認した公式情報

NHK受信料に関する記載は、NHK公式サイトの以下のページを確認のうえまとめています。固定電話・新聞・インターネット回線については、契約先ごとに窓口・条件が異なるため、本記事は一般的な進め方の目安としてご利用いただき、最終的な条件は契約している各社に直接ご確認ください。

読むより、聞いたほうが
早いこともあります

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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
運営は株式会社Sora Capital(東京都渋谷区・安心実家じまい事務局)です。相続・登記・法務に関する記述は、提携の司法書士・行政書士 久留慎一郎が監修しています。税額の計算や申告の判断は、税理士にご確認ください。

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