
久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士
東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。
■経歴
- 1966年鹿児島県生まれ
- 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
- 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
- 2013年司法書士試験合格
- 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
- 2017年司法書士法人コスモ退職
- 2018年事務所開設
- 2021年司法書士法人設立
■得意領域
- 相続登記・相続手続き
- 不動産の名義変更
- 相続放棄
- 簡易裁判所の訴訟代理
この記事の結論
- 財産目録に法律で決まった書式はありません。ただしプラスの財産(預貯金・不動産・有価証券・保険など)とマイナスの財産(ローン・借入金・保証債務など)を種類ごとに一覧化すれば、目的を問わず使える形になります。
- 作り方の基本は①財産の種類を洗い出す→②各財産の情報を調べる→③一覧表に記入する→④評価額を確認する→⑤定期的に見直すの5ステップです。
- 財産目録は「誰が」「いつ」「何のために」作るかで求められる精度が変わります。本人が生前整理で作る場合と、相続人が相続発生後に作る場合、相続税申告に使う場合とでは、書くべき項目の厳密さが異なります。
- プラスとマイナスを差し引いた正味財産が分かれば、相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えそうかどうか、おおまかな見通しが立てられます。
財産目録とは何か——生前整理と相続、二つの視点で考える
財産目録とは、ある時点でその人が持っているすべての財産を、種類ごとに整理して一覧にまとめた書類のことです。預貯金や不動産、有価証券といった「プラスの財産」だけでなく、住宅ローンやカードローンといった「マイナスの財産」も含めて記載するのが基本の考え方です。プラスからマイナスを差し引いた金額が、その人の実質的な財産、いわゆる正味財産にあたります。
財産目録という言葉には、大きく分けて二つの使われ方があります。一つは、本人が元気なうちに「自分の財産を把握し、家族に伝えるため」に作る生前整理としての財産目録です。もう一つは、相続が発生したあとに相続人が「遺産分割や相続税申告のため」に作る財産目録です。同じ「財産目録」という言葉でも、作る人、使う場面、求められる正確さが異なります。この違いを理解しないまま作り始めると、途中で「これはどこまで書けばいいのか」と手が止まってしまいがちです。本記事では、この二つの視点を分けたうえで、実際に手を動かして作れるところまで具体的に解説します。
むずかしい言葉を日常の言葉に言い換えると
財産目録づくりを進めていくと、法律や税金の専門用語に出会う場面が増えます。意味がすぐに分からない言葉は、次のように置き換えて考えると理解しやすくなります。
| 専門用語 | 日常の言葉での意味 |
|---|---|
| 正味財産 | プラスの財産からマイナスの財産(借金など)を差し引いた、実質的な財産の金額 |
| 基礎控除 | 相続税がかからない範囲の金額。これを超えた分だけに相続税がかかる |
| 法定相続人 | 民法で決められた、相続する権利を持つ人の範囲 |
| 単純承認 | プラスの財産もマイナスの財産も、そのまま全部相続すること |
| 相続放棄 | プラスの財産もマイナスの財産も、一切相続しないという選択 |
| 名義預金 | 口座の名義人と、実際にお金を出した本来の持ち主が違う預金 |
| 遺産分割協議 | 相続人全員で「誰が何を引き継ぐか」を話し合うこと |
なぜ財産目録を作る必要があるのか
財産目録を作らないまま相続が発生すると、相続人は通帳や書類を一からすべての部屋・引き出しから探し出す作業に追われます。金融機関へ一件ずつ問い合わせ、返信を待ち、また別の金融機関に問い合わせるという作業を、相続放棄の判断期限である3か月、相続税申告の期限である10か月という限られた時間の中で進めなければなりません。財産目録が事前に用意されていれば、この探索作業がほぼ不要になり、相続人の負担は大きく減ります。
また、財産目録は相続人同士の話し合いの土台にもなります。誰がどの財産をどれだけ知っているかが揃っていない状態で遺産分割の話し合いを始めると、疑心暗鬼が生まれやすく、話がまとまりにくくなります。財産目録という共通の一覧表があれば、まず全体像を全員で確認したうえで、誰が何を引き継ぐかという本題に入ることができます。実家の片付け全体との関係は生前整理の進め方ガイドでも触れていますが、本記事では財産目録そのものの作り方に絞って掘り下げます。
財産目録に含めるもの・含めなくてよいもの
財産目録に何を含めるべきか迷う場合は、「相続や財産分与の対象になるかどうか」を基準に考えると整理しやすくなります。預貯金・不動産・有価証券・生命保険(受取人が本人以外に指定されているものを除く)・自動車・貴金属・非上場株式・ゴルフ会員権などは、いずれも相続の対象になる財産です。一方で、年金を受け取る権利そのものや、生活保護の受給権、身元保証人としての地位のように、本人一代限りで消滅する「一身専属権」は相続の対象にならないため、財産目録に金額として記載する必要はありません。日常的に使っている家具や家電、衣類といった通常の家財道具も、よほど高額なものでない限り、個別に金額を書き出す必要はなく、「家財一式」としてまとめて記載すれば十分です。迷ったときは、財産目録の目的が「誰が何を引き継ぐかを判断するための材料集め」であることを思い出すと、どこまで細かく書くべきかの判断がしやすくなります。
財産目録の作り方——基本の5ステップ
財産目録の作成は、次の5つのステップで進めると迷いにくくなります。全体の流れを先に把握してから、各ステップの中身を詳しく見ていきます。
- 財産の種類を洗い出す——預貯金、不動産、有価証券、保険、現金、貴金属、借入金など、大まかなカテゴリーをリストアップします。この段階では金額を調べる必要はありません。
- 各財産の詳細情報を調べる——金融機関名・支店名・口座番号、不動産の所在地・地番・家屋番号、証券会社名・口座番号など、あとで特定できるだけの情報を集めます。
- 一覧表に記入する——プラスの財産とマイナスの財産を分けて、種類・名称・保管場所・金額(評価額)・備考の順に書き込みます。
- 評価額を確認する——預貯金は残高、不動産は固定資産税評価額や路線価、有価証券は時価など、財産の種類ごとに適した評価方法で金額を入れます。
- 定期的に見直す——一度作って終わりではなく、年に1回、あるいは大きな取引(口座の解約、不動産の売却など)があったタイミングで更新します。
この5ステップのうち、実際に時間がかかるのは②の「詳細情報を調べる」部分です。次の見出しで、財産の種類ごとの具体的な調べ方を説明します。まずは③〜④で実際に使える記載例のテンプレートを先に示します。
作業を始める前に手元に集めておきたいものチェックリスト
財産目録づくりに着手する前に、次のものを一か所に集めておくと、作業を中断せずに進められます。印刷してチェックしながら準備を進めてください。
- 通帳・キャッシュカード(すべての金融機関分)
- 証券会社・保険会社からの取引残高報告書、契約内容のお知らせ
- 不動産の登記識別情報(権利証)、固定資産税納税通知書
- 実印・銀行印・印鑑登録証明書
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 年金手帳・ねんきん定期便
- ローン・クレジットカードの契約書、返済予定表
- スマートフォン・パソコンのログイン情報(保管場所のメモで可)
- 自動車の車検証
すべてが一度に揃わなくても構いません。まずは手元にあるものから並べてみると、財産の全体像がおおよそ見えてきます。見つからないものは「〇〇銀行の通帳が見当たらない」とメモしておき、後日確認する項目として財産目録に残しておくと、探し忘れを防げます。
【記載例】財産目録の書式・テンプレート
財産目録に決まった書式はありませんが、実務でよく使われる項目立てを示します。以下の表をそのままノートやパソコンに書き写し、ご自身の財産に置き換えて使ってください。プラスの財産とマイナスの財産は、それぞれ別の表に分けて記載します。
プラスの財産の記載例
| 種類 | 名称・保管場所 | 金額(評価額)の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 〇〇銀行 〇〇支店 口座番号1234567 | 残高をそのまま記載 | 通帳・キャッシュカードの保管場所も書く |
| 定期預金 | 〇〇信用金庫 〇〇支店 | 残高+既経過利息 | 満期日をあわせて記載 |
| 有価証券 | 〇〇証券 〇〇支店 口座番号 | 直近の取引残高報告書の評価額 | 特定口座か一般口座かも記載 |
| 不動産(自宅) | 所在地・地番・家屋番号 | 固定資産税評価額 | 登記識別情報(権利証)の保管場所も記載 |
| 不動産(その他) | 所在地・地番 | 固定資産税評価額 | 共有名義の場合は持分割合も記載 |
| 生命保険 | 〇〇生命 証券番号 | 解約返戻金額の目安 | 受取人を確認したうえで記載 |
| 現金 | 自宅の保管場所 | 実際の金額 | 金庫・引き出しなど場所を具体的に |
| 自動車 | 車種・登録番号 | 買取相場の目安 | 車検証の保管場所も記載 |
| 貴金属・骨董品 | 品目 | 査定額または購入額の目安 | 鑑定書があれば保管場所を記載 |
| 会員権・出資金 | ゴルフ会員権、事業への出資など | 証書記載額や取引相場 | 証書の保管場所を記載 |
マイナスの財産の記載例
| 種類 | 名称・契約先 | 残高(負債額)の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 住宅ローン | 〇〇銀行 | 返済予定表の残高 | 団体信用生命保険の加入有無を記載 |
| カードローン・キャッシング | 〇〇カード会社 | 直近の利用明細の残高 | 複数ある場合はすべて列挙 |
| クレジットカードの未払金 | 〇〇カード | 直近の請求額 | 引き落とし口座もあわせて記載 |
| 個人からの借入 | 借入先の氏名 | 借用書に基づく残高 | 借用書の有無・保管場所を記載 |
| 連帯保証 | 主債務者・契約先 | 保証している債務の残高 | 見落としやすいため特に注意 |
| 未払いの税金・保険料 | 固定資産税、健康保険料など | 納付書に基づく金額 | 納付書の保管場所を記載 |
金額の欄は「調べた時点でのおおよその金額」で構いません。財産目録は一度作って終わりではなく、定期的に更新していく書類だという前提で、まずは分かる範囲から埋めていくことが大切です。空欄のまま放置するより、後から金額を追記できるようにしておくほうが、実際には作業が進みます。
手書き・Excel・専用アプリ——どの方法で作ればよいか
財産目録を作る手段には、大きく分けて手書きのノート、表計算ソフト(Excelなど)、資産管理アプリの3つがあります。どれを選ぶかは、正確さよりも「本人が続けられるかどうか」を基準に選ぶことをおすすめします。
| 方法 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 手書きのノート | パソコンやスマートフォンの操作に慣れていない方 | 紛失・災害時の焼失リスクがある。コピーを取って別の場所に保管すると安心 |
| 表計算ソフト(Excelなど) | 合計金額の自動計算をしたい方、子世代が管理を手伝う場合 | パソコンの操作に慣れていないと更新が滞りやすい。印刷して紙でも保管しておくと安心 |
| 資産管理アプリ | 複数の口座を横断して自動で残高を把握したい方 | ログイン情報の管理が必要になる。サービス終了時に情報が失われるリスクもある |
どの方法を選んでも構いませんが、財産目録は「本人しか見られない場所」に置くと、いざというときに家族が見つけられません。保管場所そのものを、信頼できる家族や専門家に一言伝えておくことが、書式の選択以上に重要です。
【ケース別】財産目録の記入例——世帯構成が違えば書き方も変わる
財産目録は、誰が・どんな暮らしをしているかによって、書くべき項目の重心が変わります。ここでは相談の多い3つのパターンを取り上げ、それぞれどこに力を入れて記入すればよいかを具体的に見ていきます。ご自身やご家族の状況に近いケースを参考にしてください。
ケースA:68歳夫婦二人暮らし、持ち家、子は独立して県外在住
このケースでは、財産の種類は多くないものの、不動産の情報を漏れなく書くことが特に重要になります。夫婦それぞれの名義の預貯金口座、共有名義になっている自宅の持分割合、火災保険・地震保険の契約内容まで書き出しておくと、遠方に住む子世代が実家の状況を把握しやすくなります。夫婦のどちらかが先に亡くなった場合、残された配偶者が一人で財産目録を管理することになるため、パソコンよりも紙のノートなど、高齢になっても扱いやすい形式で作っておくことをおすすめします。記入例としては「自宅(夫婦共有・持分各2分の1)」「〇〇銀行 夫名義」「〇〇信用金庫 妻名義」のように、名義を分けて記載する形が実務的です。
ケースB:75歳独居、賃貸暮らしで持ち家なし、財産は預貯金が中心
持ち家がない場合、財産目録に記載する項目自体は比較的シンプルになります。一方で、賃貸契約の内容(保証人、敷金の状況)や、公共料金・家賃の引き落とし口座、葬儀費用に充てる預貯金の指定など、独居ならではの項目を加えておくと、万一のときに親族が困りにくくなります。独居の場合は本人しか財産の全体像を知らない状態になりやすいため、財産目録の保管場所そのものを、離れて住む家族や信頼できる知人にあらかじめ伝えておくことが、書式の工夫以上に重要です。
ケースC:50代の子が、80代の親に代わって財産目録の作成を手伝うケース
親がまだ元気なうちに、子が主導して財産目録づくりを手伝うケースも増えています。この場合に気をつけたいのは、財産目録の作成があくまで本人の意思に基づくものであるという点です。本人の同意なく通帳やキャッシュカードを預かって手続きを進めると、後々「勝手に財産を調べられた」という不信感につながりかねません。まずは「もしものときに困らないよう、一緒にリストを作らないか」という声かけから始め、本人が話せる範囲・見せられる範囲から少しずつ埋めていく進め方が現実的です。親に認知機能の低下が見られる場合は、財産目録づくりと並行して、成年後見制度や家族信託といった仕組みの利用を検討する必要が出てくることもあります。判断に迷う場合は、司法書士など専門家に早めに相談することをおすすめします。
財産の種類別・調べ方チェックリスト
財産目録づくりで一番時間がかかるのは、財産の詳細情報を調べる作業です。ここでは種類ごとに、どこで何を確認すればよいかをまとめます。事前に次のチェックリストを印刷し、確認できたものからチェックを入れていく使い方をおすすめします。
| 財産の種類 | 確認する書類・情報 | 調べ方のポイント |
|---|---|---|
| 預貯金 | 通帳、キャッシュカード、ネットバンキングのID | 紙の通知が届かないネット銀行は見落としやすい。スマートフォンのアプリ一覧も確認する |
| 有価証券 | 証券会社からの取引残高報告書(年1回以上郵送) | NISA口座、iDeCoも財産目録には含めて記載する |
| 不動産 | 登記識別情報(権利証)、固定資産税納税通知書、名寄帳 | 市区町村役場で名寄帳を取得すると、その市内の全不動産を一覧で確認できる |
| 生命保険 | 保険証券、保険会社からの契約内容のお知らせ | 受取人が誰になっているかを確認する。受取人が故人自身になっている契約は要注意 |
| 年金 | ねんきん定期便、企業年金の証書 | 未支給年金は相続財産に含まれないが、請求手続きが別途必要になる |
| 負債・ローン | 返済予定表、借入契約書、信用情報機関の開示報告書 | 信用情報機関(CIC・JICCなど)に開示請求すると、把握していない借入が見つかることがある |
| デジタル資産 | ネット証券・暗号資産取引所・電子マネーのログイン情報 | IDとパスワードの保管場所だけでもメモを残しておくと、相続人が探す手間を大きく減らせる |
| 貸金庫・重要書類 | 貸金庫の契約情報、実印・印鑑証明書の保管場所 | 貸金庫は相続人全員の同意がないと開けられない金融機関が多く、存在を伝えておくことが重要 |
預貯金・有価証券の調べ方
預貯金は通帳とキャッシュカードの現物があれば、残高は通帳記帳やATM、窓口で確認できます。注意したいのはネット銀行やネット専業の証券会社です。紙の通知や郵便物が届かないため、本人が亡くなったあとに相続人が存在に気づかないケースが少なくありません。スマートフォンのホーム画面やメールの受信ボックスに、銀行・証券会社からの通知が残っていないか確認しておくと、見落としを減らせます。
不動産の調べ方
不動産は、まず固定資産税の納税通知書を確認します。所有しているすべての不動産が記載されているとは限らないため、市区町村役場の資産税課で「名寄帳」を取得すると、その自治体内で所有する不動産を一覧で確認できます。他の市区町村にも不動産を持っている可能性がある場合は、心当たりのある自治体ごとに名寄帳を確認する必要があります。評価額は、相続税の計算では路線価または固定資産税評価額をもとに算定するのが一般的です。正確な評価額の算定は税理士への相談が確実です。
負債・借金の調べ方
マイナスの財産の把握は、プラスの財産以上に慎重に行う必要があります。本人からの聞き取りに加えて、返済予定表や契約書といった書面での確認が基本になりますが、それでも本人が忘れている借入や、連帯保証人になっている契約が見つからないことがあります。信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行協会)に本人が開示請求をすると、クレジットカードやローンの契約状況を一覧で確認できます。相続が発生したあとは、法定相続人からの開示請求も可能です。生前のうちに一度確認しておくと、あとから借金の存在に驚くという事態を避けやすくなります。
デジタル資産・サブスクリプションの調べ方
近年は、ネット銀行やネット証券に加えて、暗号資産(仮想通貨)、電子マネー、ポイント、各種サブスクリプションサービスも財産目録に含めるべき対象になっています。これらは通帳のような紙の記録が残らないため、本人以外は存在に気づけないまま放置されやすい財産です。パスワードそのものを書き残すと管理上のリスクがあるため、財産目録には「利用しているサービス名」と「ログイン情報の保管場所(スマートフォンのメモアプリ、パスワード管理ソフトなど)」までを記載しておく形が安全です。使わなくなった動画配信や通販サイトの定期購入も、解約されないまま料金が引き落とされ続けることがあるため、あわせて洗い出しておくと、家計の見直しにもつながります。
本人以外が財産の存在を調べる公的な制度
相続が発生したあとに、相続人がゼロから財産を洗い出さなければならない場合に備えて、公的な照会制度もいくつか整備されています。生前に財産目録を作っておくのが一番の近道ですが、制度の存在を知っておくと、いざというときの手がかりになります。
生命保険については、生命保険協会が「生命保険契約照会制度」を設けています。親族が亡くなった場合や認知判断能力が低下した場合に、その人が契約者または被保険者になっている生命保険契約の有無を、協会の会員会社に一括で確認できる制度です。利用料は照会対象者1名につきWEB申請6,000円、書面申請7,000円が目安です(制度の受付状況や料金は変更されることがあるため、利用の際は生命保険協会の公式サイトで最新情報をご確認ください)。
不動産については、法務局の「所有不動産記録証明制度」を使うと、特定の人が全国に所有する不動産を一覧で確認できます。これまで登記簿は土地・建物ごとに個別に管理されていたため、故人がどこにどれだけ不動産を持っていたかを網羅的に把握する手段がありませんでしたが、この制度によって相続人自身が確認できるようになりました。実家以外の不動産が見つかるケースもあるため、財産目録の記載に漏れがないか最終確認する際にも活用できます。
海外に資産がある場合の注意点
海外の銀行口座や不動産、外国株式を保有している場合、財産目録には日本国内の財産と分けて、国名・金融機関名・おおよその金額を記載しておくと、あとの手続きが整理しやすくなります。海外資産の相続手続きは、その国の法制度に従う必要があり、日本国内の手続きだけでは完結しないことが少なくありません。海外に資産がある、あるいは家族に海外在住者がいる場合は、国際相続に詳しい専門家への相談も選択肢に入れておくとよいでしょう。
財産の種類ごとの評価方法一覧
財産目録の「金額」欄に何を書けばよいか迷ったときのために、種類ごとの評価方法をまとめました。生前整理として本人が作る段階ではおおよその金額で構いませんが、相続税申告など厳密さが求められる場面では、下の表の評価方法に沿った金額を専門家とともに確認することになります。
| 財産の種類 | 評価方法の目安 | 根拠となる資料 |
|---|---|---|
| 預貯金 | 死亡日(または評価時点)の残高 | 残高証明書、通帳の記帳 |
| 上場株式 | 死亡日の終値、または死亡月・前月・前々月の平均終値のうち最も低い金額 | 証券会社の残高報告書 |
| 非上場株式 | 会社の規模・業績に応じた専門的な評価方法 | 決算書、税理士による評価 |
| 土地 | 路線価方式または倍率方式 | 路線価図(国税庁)、固定資産評価証明書 |
| 建物 | 固定資産税評価額がそのまま評価額になるのが原則 | 固定資産税納税通知書、固定資産評価証明書 |
| 生命保険(死亡保険金) | 受取額から非課税枠(500万円×法定相続人の数)を控除 | 保険会社からの支払通知書 |
| 自動車 | 買取業者の査定額、または中古車相場 | 査定書、車検証 |
不動産や非上場株式の評価は専門的な判断が必要になる場面が多く、生前整理の段階では「おおよその評価額」を記載しておき、実際に相続が発生した時点で税理士に正式な評価を依頼する、という二段階の進め方が現実的です。
誰が・いつ・何のために作るか——4つの場面で変わる財産目録
財産目録は「誰が」「いつ」「何のために」作るかによって、求められる精度や書くべき項目が変わります。本人が生前整理として作る場合と、相続人が相続発生後に作る場合とでは、そもそも作成の目的が異なるため、同じテンプレートをそのまま使えるわけではありません。次の比較表で、場面ごとの違いを整理します。
| 場面 | 作成する人 | 主な使い道 | 求められる精度 |
|---|---|---|---|
| 生前整理として作る | 本人 | 家族への情報共有、将来の相続への備え | 金額はおおよそで可。存在と保管場所の正確さを優先する |
| 相続発生後に作る | 相続人(代表者) | 遺産分割の話し合いの土台 | 相続人全員が納得できる範囲での正確さが必要 |
| 遺産分割調停で使う | 相続人(申立人) | 家庭裁判所への提出資料 | 家庭裁判所が求める書式・金額の根拠資料が必要 |
| 相続税申告で使う | 相続人・税理士 | 相続税額の計算根拠 | 税務上の評価方法に沿った厳密な金額が必要 |
この表からも分かるとおり、本人が生前整理で作る財産目録は「まず存在を漏れなく書き出すこと」が最優先です。金額は概算で構わず、大切なのは相続人が「どこに何があるか」をたどれる状態を作ることにあります。一方、遺産分割調停や相続税申告で使う財産目録は、金額の根拠を示せる資料(残高証明書、固定資産評価証明書など)とセットで扱われることが一般的です。生前に本人が作った財産目録があれば、相続発生後の相続人はこの「精度を上げる」作業から始められるため、ゼロから財産を探す場合と比べて負担が大幅に軽くなります。
本人が生前整理で作る場合に意識したいこと
本人が作る財産目録の目的は、金額の正確さよりも「家族が困らないこと」にあります。通帳やキャッシュカードの保管場所、印鑑の保管場所、ネット銀行やネット証券のログイン情報の保管場所(パスワードそのものを書く必要はなく、保管場所のメモで十分です)を書いておくだけでも、相続人の負担は大きく変わります。金額は毎年見直すたびに変動するため、厳密さよりも「更新しやすい形」で作っておくことをおすすめします。
相続人が相続発生後に作る場合に意識したいこと
相続が発生したあとに相続人が作る財産目録は、遺産分割協議の前提になる資料です。相続人全員が同じ情報を共有できるよう、通帳のコピーや残高証明書など、金額の根拠となる書類とあわせて整理しておくと、話し合いがスムーズに進みます。相続人が複数いる場合、一人が代表して財産目録を作成し、他の相続人に共有・確認してもらう進め方が実務的です。財産目録の内容に食い違いがあると、後から「言った・言わない」のトラブルにつながりかねないため、根拠資料を残しておくことが重要です。
遺産分割調停で使う場合に意識したいこと
相続人同士の話し合いがまとまらず、家庭裁判所での遺産分割調停に進む場合は、財産目録の提出を求められるのが一般的です。この場面での財産目録は、単なる一覧表ではなく、金額の根拠を示す資料(残高証明書、固定資産評価証明書など)とセットで扱われます。感覚的な金額や自己申告だけの記載では、他の相続人や裁判所を納得させる材料になりにくいため、調停を見据えている場合は、早い段階から根拠資料を並行して集めておくことをおすすめします。調停での財産目録の書式や必要書類は、担当する弁護士や家庭裁判所の窓口で個別に確認してください。
相続税申告で使う場合に意識したいこと
相続税申告に使う財産目録は、税務上のルールに沿った評価額で作成する必要があります。固定資産税評価額や購入時の金額をそのまま使うと、実際の相続税評価額とずれることがあるため、正味財産が基礎控除額に近い、あるいは超えそうな場合は、生前整理の段階で作った財産目録をたたき台として、税理士に正式な評価を依頼する進め方が現実的です。相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内と定められているため、財産目録の精度を上げる作業は早めに着手するほど余裕を持って進められます。
【計算例】正味財産の出し方と相続税の目安
財産目録が完成したら、プラスの財産の合計からマイナスの財産の合計を差し引くと、正味財産(実質的な財産の総額)が分かります。この正味財産をもとに、相続税がかかりそうかどうかのおおまかな見通しを立てることができます。相続税には基礎控除があり、正味財産が基礎控除額を超えなければ、相続税の申告自体が不要になるケースが多くあります。基礎控除額は次の式で計算します(国税庁「相続税の計算」より)。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
実際の財産目録を使ったシミュレーション例を二つ示します。数字はあくまで説明用の仮の例です。
ケース1:法定相続人が配偶者と子2人(合計3人)の場合
- プラスの財産:預貯金1,200万円+自宅の評価額2,800万円+有価証券300万円=合計4,300万円
- マイナスの財産:住宅ローン残高200万円
- 正味財産:4,300万円-200万円=4,100万円
- 基礎控除額(法定相続人3人):4,800万円
- 結果:正味財産が基礎控除額を下回るため、相続税の申告は原則不要と見込まれます
ケース2:法定相続人が子2人(合計2人)の場合
- プラスの財産:預貯金800万円+自宅の評価額3,500万円+賃貸不動産の評価額1,800万円=合計6,100万円
- マイナスの財産:カードローン残高50万円
- 正味財産:6,100万円-50万円=6,050万円
- 基礎控除額(法定相続人2人):4,200万円
- 結果:正味財産が基礎控除額を上回るため、相続税の申告と納税が必要になる可能性があります
このように、財産目録があるだけで「うちは申告が必要そうか、不要そうか」のあたりがつけられるようになります。ただし、これはあくまで目安です。実際の相続税額は、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減など各種の特例の適用有無によって大きく変わるため、正味財産が基礎控除額を超えそうな場合は、早めに税理士へ相談することをおすすめします。また、不動産の評価は路線価や倍率方式など税務上のルールに沿って行う必要があり、固定資産税評価額をそのまま使うと実際の相続税評価額とずれることがある点にも注意してください。
財産目録とエンディングノート・遺言書の違い
財産目録とよく混同されるのが、エンディングノートと遺言書です。三つとも「自分の財産や意思を書き残す」という点では似ていますが、法的な効力と役割はまったく異なります。違いを整理すると、次のとおりです。
| 財産目録 | エンディングノート | 遺言書 | |
|---|---|---|---|
| 法的効力 | なし(事実の一覧) | なし | あり(民法所定の方式を満たす場合) |
| 主な内容 | 財産の種類・金額・保管場所 | 財産目録に加え、医療・介護の希望、葬儀の希望など | 誰にどの財産を相続させるかという意思表示 |
| 書式 | 自由(一覧表形式が一般的) | 自由(市販ノートも多い) | 民法で定められた方式(自筆証書・公正証書など) |
| 更新のしやすさ | しやすい | しやすい | 方式に従った書き直しが必要 |
財産目録は「何をどれだけ持っているか」という事実を記録するものであり、それだけでは「誰に何を相続させるか」という意思表示にはなりません。財産目録をもとに「この財産は長男に、この財産は長女に」という意思を法的な効力を持つ形で残したい場合は、別途、方式を満たした遺言書を作成する必要があります。エンディングノートは、財産目録に加えて医療や葬儀の希望など、より広い範囲の情報をまとめるためのものです。財産目録は、エンディングノートの中の一項目として組み込む形で運用しているご家庭も多く見られます。
自分で作る場合と専門家に依頼する場合——費用の目安
財産目録は本人や家族が自分で作ることができますが、財産の種類が多い場合や、相続人間で認識を揃える必要がある場合は、専門家に依頼したほうが確実な場合もあります。目的によって適した専門家が異なるため、依頼先の目安を整理します。
| 目的 | 適した専門家 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 不動産を含む財産の整理、相続登記の準備 | 司法書士 | 財産の種類・件数に応じて数万円〜 |
| 相続税申告を見据えた財産評価 | 税理士 | 財産評価の複雑さに応じて数万円〜数十万円 |
| 相続人間で意見が分かれる場合の調整 | 弁護士 | 相談料は30分5,000円程度からが多い |
| 遺言書の作成とあわせた財産整理 | 司法書士・行政書士 | 遺言書作成費用に財産目録作成が含まれる場合あり |
費用はいずれも事務所や案件の複雑さによって幅があるため、正式に依頼する前に複数の専門家から見積もりを取り、対応範囲と金額を比較することをおすすめします。財産の種類が預貯金と自宅の不動産程度で、相続人も少ない場合は、本記事のテンプレートを使って自分で作成することも十分可能です。一方、不動産が複数の市区町村にまたがる、非上場株式や事業用資産がある、相続人が多いといった場合は、早い段階で専門家に相談したほうが、結果的に時間と費用を抑えられることが多くあります。
初回相談に持参すると話が早いもの
専門家への初回相談は、手元にある資料が多いほどスムーズに進みます。すべて揃っていなくても構いませんが、次のものがあると、その場で見通しを立ててもらいやすくなります。
- 作成途中でよいので、財産目録(本記事のテンプレートで構いません)
- 固定資産税納税通知書、登記識別情報(権利証)のコピー
- 預貯金・証券口座の直近の残高が分かる書類
- 家族関係が分かるメモ(相続人になり得る人の氏名・続柄)
- 相談したいことの優先順位(相続税が心配、名義変更を先に進めたい、など)
相談したい内容が複数ある場合も、財産目録が一枚あるだけで専門家側の状況把握が早くなり、初回相談の時間を有効に使えます。
財産目録づくりでよくある失敗と、事務局が見てきた注意点
安心実家じまいの相談窓口では、財産目録や実家の片付けに関するご相談を数多くお受けしています。その中で繰り返し見られる、財産目録の記入漏れのパターンを紹介します。ご自身やご家族の財産目録を作る際のチェックにお役立てください。
- ネット銀行・ネット証券の記載漏れ——紙の通知が届かないため、本人が亡くなったあとに相続人が存在に気づかないことがあります。スマートフォンのアプリ一覧やメールの受信履歴を確認しておくと防げます。実家の片付けで古いスマートフォンやパソコンが見つかった場合も、電源を入れてログイン履歴を確認してみる価値があります。
- 名義預金の記載漏れ——親が子や孫の名前で作った口座に、実質的には親自身のお金が入っているケースです。名義と実質の所有者が異なる「名義預金」は相続税の税務調査で指摘されやすい項目のひとつとされており、財産目録の段階から本来の所有者を明確にしておくことが望ましいとされています。通帳が親の自宅で保管されている、入出金を親が行っているといった実態がある場合は、名義預金にあたる可能性を念頭に置いてください。
- 連帯保証人になっている契約の見落とし——自分自身の借金ではないため、本人も忘れていることがあります。過去に事業資金の融資などで保証人になった記憶がないか、確認しておく価値があります。特に自営業や中小企業の経営に関わっていた家庭では、事業性の融資に個人保証を付けている例が少なくありません。
- 非上場株式・出資金の記載漏れ——親族が経営する会社の株式や、農協・信用組合への出資金は、通帳のような形で残高が届かないため見落とされがちです。決算期に届く配当金の通知や、株主総会の招集通知が手がかりになることがあります。
- 生命保険の受取人設定の確認漏れ——契約時から時間が経ち、受取人が既に亡くなった人のままになっているケースが見られます。財産目録を作るタイミングで、あわせて受取人の設定を確認しておくと安心です。受取人が先に亡くなっている場合、保険金の受け取り手続きが煩雑になることがあります。
- 貸金庫の存在を家族に伝えていない——貸金庫の契約自体を家族が知らないと、中身を確認するどころか、契約の存在にすら気づけません。多くの金融機関では相続人全員の同意書がないと貸金庫を開けられないため、事前に存在だけでも伝えておくことが重要です。年会費の引き落としが通帳に記録されていることもあるため、通帳の記帳内容を確認する際にあわせて見ておくとよいでしょう。
これらはいずれも、財産目録を「一度作って終わり」にせず、定期的に見直す習慣があれば防ぎやすい項目です。特にネット銀行や名義預金は、家族が把握しづらい性質のものであるため、本人が元気なうちに書き残しておく価値が大きいといえます。
財産目録を見直したほうがよいタイミング
財産目録は一度作って終わりにせず、次のようなタイミングで見直すことをおすすめします。見直しのたびに日付を記入しておくと、どの時点の情報かが後から分かり、家族も安心して参照できます。
- 年に1回、決まった時期(誕生日や年末年始など)に内容を確認する
- 預貯金口座を新しく開設した、または解約したとき
- 不動産を売却・購入した、あるいはリフォームで評価額が変わりそうなとき
- まとまった額の相続や退職金を受け取ったとき
- 生命保険の契約内容や受取人を変更したとき
- 引っ越しなどで固定資産の所在地が変わったとき
- 体調の変化があり、財産の管理を家族に任せる場面が増えてきたとき
相続放棄を検討している場合の注意点
財産目録を作った結果、マイナスの財産がプラスの財産を上回りそうな場合、相続放棄という選択肢があります。相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があります。この期間内であれば、プラスの財産とマイナスの財産のどちらも相続しない選択が可能です。ただし、相続放棄を検討している段階で、遺品の一部でも売却・処分してしまうと、単純承認とみなされて相続放棄ができなくなることがあります。財産目録を作りながら「もしかしたら放棄も検討するかもしれない」と感じた場合は、家財の処分に着手する前に、司法書士や弁護士へ相談することをおすすめします。相続の手続き全体については相続登記の義務化とは|期限・過料・実家を相続したらやることもあわせてご覧ください。
安心実家じまいのサービス案内
安心実家じまいは、実家の片付けから財産の整理、必要に応じた専門家のご紹介までを一つの窓口でお受けする全国対応のサービスです。財産目録づくりは、実家に残された通帳や書類、権利証などの現物を確認しながら進める作業でもあるため、実家の片付けと同時に進めると効率的です。押し入れや引き出しの奥から、本人も忘れていた古い通帳や証書、保険証券が見つかることも珍しくなく、実際に手を動かして片付けを進める中で財産目録の空欄が埋まっていくという流れもよくあります。
本人が元気なうちに財産の整理と実家の片付けを進めたい場合は生前整理サービスで承ります。片付けと並行して財産や不動産の整理まで見通しを立てたい場合、提携司法書士と連携しながら進める体制を整えています。生前整理全体の進め方は生前整理の進め方ガイドで詳しく解説しています。
財産目録の作成そのものは無料でご案内できる範囲と、専門家への相談が必要になる範囲があります。まずは実家の状況や、把握している財産の種類をお伝えいただければ、必要な専門家の種類や進め方の見通しをご案内します。
よくある質問
財産目録に決まった書式はありますか?
財産目録はいつ作ればいいですか?生前整理のうちに作るべきですか?
財産目録に借金も書く必要がありますか?
自分で作るのが不安な場合、誰に相談すればいいですか?
まとめ
財産目録は、法律で決められた形式こそありませんが、作り方の基本を押さえておけば誰でも取りかかることができます。要点を振り返ります。
- 財産目録は、プラスの財産とマイナスの財産を種類ごとに一覧化したもの。決まった書式はないが、あとで特定できる情報量は必要
- 作り方は①種類の洗い出し→②詳細情報を調べる→③一覧表に記入→④評価額の確認→⑤定期的な見直しの5ステップ
- ネット銀行・名義預金・連帯保証・非上場株式・貸金庫の存在は特に見落とされやすい
- 本人が生前整理で作る場合と、相続人が相続発生後に作る場合とでは、求められる精度が異なる
- 正味財産と相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を比べると、申告の要否のおおまかな見通しが立つ
- 財産目録・エンディングノート・遺言書は役割が異なる。意思表示を法的に残したい場合は遺言書が必要
- 財産の種類が多い、相続人間の調整が必要な場合は司法書士・税理士・弁護士への相談を検討する
- 手書き・Excel・資産管理アプリのどれで作ってもよいが、家族が保管場所を分かる状態にしておくことが最も重要
財産目録づくりは、一度で完璧に仕上げる必要はありません。まずは分かる範囲から書き出し、通帳や証書を見つけるたびに追記していく、という進め方で十分です。本人が元気なうちに少しずつ整えておけば、相続が発生したときの家族の負担を大きく減らすことができます。反対に、相続がすでに発生していて、これから財産を洗い出す立場にある方は、本文のチェックリストと調べ方を順番にたどっていけば、専門家への相談前の段階まで自力で整理を進められます。実家の片付けと並行して進めたい場合は生前整理サービスを、片付けの全体像は生前整理の進め方ガイドをご覧ください。
早いこともあります
実家の片付けから処分まで、
窓口ひとつでご相談いただけます。
ご相談・お見積もりは無料です。

