
久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士
東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。
■経歴
- 1966年鹿児島県生まれ
- 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
- 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
- 2013年司法書士試験合格
- 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
- 2017年司法書士法人コスモ退職
- 2018年事務所開設
- 2021年司法書士法人設立
■得意領域
- 相続登記・相続手続き
- 不動産の名義変更
- 相続放棄
- 簡易裁判所の訴訟代理
この記事の結論
- 生前整理の費用相場は1R・1Kで3〜8万円、2DK〜2LDKで9〜30万円、4LDK以上で22〜60万円が目安です。金額を決めるのは間取りより物量と搬出条件です。
- 生前整理は本人が仕分けできる分だけ処分量を減らしやすく、1部屋単位の分割依頼も可能なため、同じ間取りの遺品整理より下振れしやすい傾向があります。
- 買取・繁忙期・追加オプションの有無で総額は大きく変わります。複数社の相見積もりと内訳の確認が、適正価格を知る一番の近道です。
- 費用の話は、財産の把握や相続の準備とも地続きです。片付けを進めながら、必要に応じて専門家へ相談する体制を整えておくと安心です。
生前整理の費用相場|間取り別の目安
生前整理を業者に依頼した場合の費用は、間取りによっておおまかな目安があります。以下は業界で広く使われる価格帯で、下限は物量が少なく搬出が容易な場合、上限は物量が多く搬出条件の厳しい場合の金額です。
| 間取り | 相場 | 作業人数・時間の目安 |
|---|---|---|
| 1R・1K | 3〜8万円 | 1〜2名/1〜3時間 |
| 1DK〜1LDK | 5〜20万円 | 2〜3名/2〜5時間 |
| 2DK〜2LDK | 9〜30万円 | 2〜4名/2〜6時間 |
| 3DK〜3LDK | 15〜50万円 | 3〜5名/4〜8時間 |
| 4LDK以上 | 22〜60万円 | 4〜8名/1〜2日 |
この価格帯は、実は遺品整理とほぼ同じ水準です。作業内容そのもの(仕分け・搬出・処分・簡易清掃)が似ているため、料金体系も大きくは変わりません。ただし生前整理には、この表だけでは見えない「下げ幅」があります。本人が元気なうちに「これは残す、これは手放す」を自分で判断できるため、業者が搬出する物量そのものを減らしやすいのです。物量が減れば処分費が下がり、見積もり全体も下がります。加えて、家全体を一度に片付ける必要がなく、クローゼットだけ、キッチンだけといった単位で依頼できる業者も少なくありません。1部屋単位なら数万円台から始められるため、体力や予算に合わせて少しずつ進める選択肢もあります。
業者タイプ別の費用の違い
「生前整理」を掲げる業者にも種類があり、費用の出方や対応範囲が異なります。依頼先を選ぶ際の参考にしてください。
| 業者タイプ | 費用の傾向 | 特徴 |
|---|---|---|
| 生前整理専門業者 | 相場表の中間〜やや上寄り | 生前整理士など資格保有者が在籍し、本人の意向確認や供養の手配まで一括対応することが多い |
| 遺品整理業者(生前整理も受託) | 相場表とほぼ同水準 | 実績は豊富だが、本人立ち会いを前提とした進め方への慣れは業者差がある |
| 便利屋・不用品回収業者 | 相場より安いことが多い | 単発の搬出のみが中心で、買取や供養に対応しないことがある。一般廃棄物収集運搬の許可の有無は要確認 |
| 実家じまい代行の一括パック | 定額パック料金(例:2DKまで29.8万円〜) | 片付けと売却・解体まで見据える場合に割安になりやすい |
安さだけで選ぶと、許可のない業者に当たったり、供養や買取に対応してもらえなかったりすることがあります。費用と対応範囲のバランスで比較することをおすすめします。生前整理そのものの進め方や意味については、生前整理とは?メリットと進め方で詳しく解説しています。
依頼形態別の費用の目安
生前整理は、依頼の仕方によっても金額の出方が変わります。まとめて頼むか、一部だけ頼むかを決める際の参考にしてください。
| 依頼形態 | 費用の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|
| フルサポート型(間取り全体を一括依頼) | 相場表どおり(間取りに応じた金額) | 物量が多く、まとめて片付けたい人 |
| 単品オプション型(部屋・収納単位) | 1回あたり数万円〜 | 体力や予算に合わせて少しずつ進めたい人 |
| 買取査定のみ | 無料査定が多い(出張費が別途かかる場合あり) | 片付けは自分で行い、値の付く物だけ現金化したい人 |
| オンライン・電話での概算相談 | 無料が多い | まずは金額感だけ知りたい、検討段階の人 |
費用はなぜ間取りだけで決まらないのか|価格を左右する6つの要因
同じ間取りでも、見積もりが数万円から十数万円変わることは珍しくありません。次の要因が重なるほど、相場の上限側に近づきます。
- 物量——最も大きな要因です。押し入れ・納戸・物置まで家財が詰まっている場合と、すでに本人が少しずつ整理している場合とでは、同じ間取りでも作業時間が大きく変わります。
- 搬出条件——エレベーターのない集合住宅の高層階、前面道路が狭く大型車が入れない立地、駐車スペースの確保が難しい住宅街などは、人手と時間が余計にかかります。
- 買取できる品物の有無——貴金属・着物・骨董品・状態の良い家電などがあれば、買取査定額を作業費用から差し引ける場合があります。買取が見込めるかどうかで、実質的な負担額は変わってきます。
- 供養の要否——仏壇・位牌・神棚・人形など、通常のごみとして出しにくい品がある場合、閉眼供養やお焚き上げの手配費用が加わることがあります。
- 依頼する時期——3月〜4月の引越しシーズンや年末年始前後は依頼が集中し、料金が上がりやすい繁忙期です。時期をずらせるなら、閑散期のほうが金額の交渉余地が生まれやすくなります。
- 追加オプションの有無——エアコンの取り外し、庭木の伐採、屋外物置の解体といった付随作業は、基本料金とは別に加算される項目です。見積もり時にどこまでが基本料金に含まれるかを確認しておく必要があります。
逆に、物量が少なく、エレベーターがあり、建物前に車を停められる住宅であれば、相場表の下限に近い金額に収まる可能性が高くなります。見積もりを依頼する際は、間取りだけでなく、これらの条件もあわせて伝えると、金額の精度が上がります。
加えて、地域による違いも無視できません。都市部は人件費や駐車事情の制約が金額を押し上げやすい一方、廃棄物の処分場が近く搬送距離は短く済む傾向があります。郊外や地方は人件費・駐車の制約は緩やかですが、処分場までの距離が遠い場合は車両費がかさむことがあります。全国一律の相場というより、地域ごとの搬出・処分の条件差として捉えると理解しやすくなります。
依頼が集中しやすい時期の目安
依頼のタイミングによっても金額の交渉余地は変わります。おおまかな傾向は次のとおりです。
| 時期 | 混雑の傾向 | 費用への影響 |
|---|---|---|
| 3月〜4月 | 引越しシーズンと重なり最も混雑 | 料金が上がりやすく、希望日が埋まりやすい |
| 5月〜8月 | 比較的落ち着いている | 相見積もりの交渉余地が生まれやすい |
| 9月〜11月 | やや落ち着いている | 気候的にも作業がしやすく、依頼しやすい時期 |
| 12月〜1月 | 年末の大掃除・新年準備で混雑 | 希望日の予約が取りづらくなることがある |
時期を選べる状況であれば、5月〜8月または9月〜11月に依頼を検討すると、金額と日程の両面で余裕を持ちやすくなります。
概算費用を自分で見積もる考え方
正式な見積もりを取る前に、大まかな金額感をつかみたい場合は、次の考え方が参考になります。
概算費用 = 間取り別の基本料金(相場表の下限〜上限) + オプション費用(供養・特殊清掃等) - 買取査定額
基本料金は、物量が少なければ相場表の下限に、多ければ上限に近づくと考えてください。そこにオプションを足し、買取査定額を引いたものが、実質的な負担額の目安になります。この考え方に沿って、ケース別シミュレーションの数字がどのように積み上がっているかをあわせて確認すると、自分の状況に近い金額感がつかみやすくなります。
【ケース別】生前整理の費用シミュレーション
相場表だけでは「結局うちはいくらになるのか」が掴みにくいという声をよく聞きます。ここでは4つの状況を想定し、費用がどのように積み上がるかの考え方を示します。実際の金額は物量や地域、依頼するタイミングによって変動するため、あくまで目安の試算例としてご覧ください。
ケースA:70代夫婦・戸建て4LDK、本人たちが主体で仕分けできる場合
庭付きの持ち家で、夫婦とも比較的元気で判断ができる状況を想定します。家財量はやや多めですが、貴重品や形見は自分たちで先に分けておけるケースです。
| 項目 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 基本料金(人件費・車両費・処分費) | 5名・6時間、4tトラック相当の搬出量 | 32〜38万円 |
| 買取査定 | 着物・骨董品・食器などをまとめて査定 | −3〜6万円 |
| 実質負担額の目安 | 基本料金から買取分を差し引いた額 | 約27〜35万円 |
4LDK以上の相場(22〜60万円)の中でも、本人たちが仕分けを進めている分、上限よりは下寄りに収まりやすい例です。
ケースB:60代女性・賃貸2DK、一人暮らしで少しずつ整理済みの場合
数年前から気になる引き出しや衣類を少しずつ処分してきており、家財の総量が比較的少ない想定です。
| 項目 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 2名・3時間、軽トラック1台相当の搬出量 | 10〜13万円 |
| 買取査定 | ブランド品・アクセサリー類を一部査定 | −1〜2万円 |
| 実質負担額の目安 | 基本料金から買取分を差し引いた額 | 約9〜12万円 |
2DK〜2LDKの相場(9〜30万円)の中でも、事前の整理が進んでいる分、下限に近い金額に収まりやすい例です。
ケースC:80代母・要介護、遠方の子世代が代理で依頼し施設入居に間に合わせる場合
本人が現地に立ち会えず、子世代が写真をもとに手配する想定です。施設の入居日が決まっており、3月の繁忙期と重なっているケースです。
| 項目 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 2〜3名・4時間、1LDK相当の搬出量 | 9〜14万円 |
| 繁忙期・日程指定の加算 | 3月の繁忙期に合わせた日程確保 | +1〜3万円 |
| 合計の目安 | 基本料金+繁忙期加算 | 約10〜17万円 |
1DK〜1LDKの相場(5〜20万円)の中でも、繁忙期の日程指定と立ち会いなしでの対応が重なる分、上限寄りになりやすい例です。日程に余裕を持って早めに見積もりを取ることで、加算を抑えられる可能性があります。
ケースD:二世帯同居・親の部屋だけを区切って生前整理する場合
子世代と同居しており、家全体ではなく親が使っている一室(寝室・仏間など)だけを対象にする想定です。共用部分は対象外のため、作業範囲が明確に区切られます。
| 項目 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 1〜2名・2〜3時間、一室のみの搬出量 | 4〜7万円 |
| 買取査定 | 着物・和装小物を一部査定 | −0.5〜1万円 |
| 実質負担額の目安 | 基本料金から買取分を差し引いた額 | 約3.5〜6.5万円 |
間取り全体の相場表には現れない、部屋単位ならではの低価格帯です。同居家族がいる場合は、対象範囲を明確に区切って伝えることで、見積もりの精度が上がります。
4つのケースに共通するのは、同じ間取りの相場表でも「物量」「本人の関与度」「時期」「対象範囲」の違いで着地点が変わるという点です。見積もりを依頼する際は、自分の状況がどのケースに近いかを踏まえて相談すると、金額の見通しが立てやすくなります。
見積もりの内訳と、追加費用が発生しやすい条件
生前整理の見積もりは、大きく分けて「人件費」「車両費」「処分費」「オプション費」の4項目で構成されるのが一般的です。内訳のない「一式◯◯万円」だけの見積書では、何にいくらかかっているかを比較できません。契約前に内訳を確認する習慣をつけてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 人件費 | 作業員の人数と時間に応じた費用。物量が多いほど人数・時間が増える |
| 車両費 | トラックの台数・サイズに応じた費用。搬出量の多さに比例する |
| 処分費 | 家財を廃棄物として処理するための費用。品目によって単価が異なる |
| オプション費 | エアコン取り外し、供養、特殊清掃、庭木の伐採など、基本作業に含まれない項目 |
次のような条件があると、当日の追加費用につながりやすいため、見積もり時にあらかじめ伝えておくことをおすすめします。
- 見積もり時に見えていなかった収納(屋根裏・床下収納・物置)に家財がある
- 大型家具の分解や壁の養生が必要な搬出経路になっている
- 仏壇・ピアノなど、特殊な運搬技術や人手が必要な品がある
- 当初の日程から作業日を大きく変更する
- 作業当日になって処分する物量が事前申告より大幅に増えている
逆にいえば、これらの条件を事前に伝え、写真や現地確認で正確に把握してもらえれば、当日の追加交渉はかなり防げます。見積書には「追加費用が発生する場合の条件」も明記してもらうと安心です。
基本料金に含まれる範囲・含まれない範囲
「生前整理費用」という言葉が指す範囲は業者によって幅があります。契約前に、何が基本料金に含まれ、何が別料金なのかを確認してください。
| 項目 | 含まれることが多い | 別料金・別依頼になることが多い |
|---|---|---|
| 室内の仕分け・搬出 | ○(基本料金) | — |
| 家財の処分・リサイクル | ○(基本料金) | — |
| 簡易清掃(掃き掃除・拭き掃除) | ○(基本料金) | — |
| 仏壇・位牌の閉眼供養 | △(対応業者のみ、オプション) | 提携寺院への依頼料が別途かかることがある |
| エアコン・照明器具の取り外し | △(対応業者のみ、オプション) | 電気工事士が必要な作業は別業者になる場合がある |
| 特殊清掃(害虫・臭い対策等) | × | 専門業者への追加依頼が必要 |
| 建物の解体・リフォーム | × | 解体業者・リフォーム会社への別契約が必要 |
| 遺言書作成・エンディングノート作成支援 | × | 司法書士・行政書士など専門家への別途相談が必要 |
特に解体・売却・法律手続きは、片付け業者の基本料金の範囲外です。将来的に家の処分まで検討している場合は、片付けだけでなく解体・売却の手配まで一括で扱える窓口を選んでおくと、依頼先を何度も探し直す手間を減らせます。
支払い方法とタイミング
支払いのタイミングも、契約前に確認しておきたいポイントです。多くの業者では、作業完了後の後払いが基本ですが、大口の依頼では着手金を求められることもあります。支払い方法は現金・銀行振込・クレジットカードが一般的で、分割払いに対応する業者もあります。買取分がある場合は、請求額から差し引く形か、査定額をその場で現金精算する形かで、実際に用意すべき金額が変わってきます。見積書や契約書に、支払い時期・方法・買取金額の扱いが明記されているかを確認してください。口頭だけの約束は、後になって「言った・言わない」のトラブルに発展しやすいため避けるべきです。
生前整理の費用を安く抑える方法|実践チェックリスト
相場の範囲内で総額を下げる方法は複数あります。時期別に整理したので、今すぐできることから確認してください。
依頼前・今すぐできること
- 明らかなごみや不要品を先に処分しておく——古い雑誌、壊れた家電、使い切った日用品などを先に減らしておくと、業者が搬出する物量が減り、費用に直結します。
- 買取できそうな品物を把握しておく——貴金属・着物・骨董品・ブランド品・製造から年数の浅い家電などは、査定額を作業費用から差し引ける場合があります。事前にリストアップしておくと、見積もり時のやり取りがスムーズです。
- 繁忙期を避けて依頼する——3月〜4月や年末年始を避けられるなら、閑散期のほうが料金の交渉余地が生まれやすくなります。
- 部屋単位での分割依頼を検討する——一度に全部を片付けるのが負担であれば、クローゼットや台所など、範囲を区切って複数回に分ける方法もあります。
見積もり依頼時にできること
- 2〜3社から相見積もりを取る——同じ条件でも業者によって数万円の差が出ることがあります。内訳のある見積書を比較してください。
- 各部屋・収納の写真を撮っておく——押し入れや納戸の中まで撮影しておくと、電話やオンラインのやり取りだけで概算が出やすくなり、当日の追加見積もりを防げます。
- 搬出条件を先に伝える——駐車スペースの候補、前面道路の幅、エレベーターの有無を伝えておくと、金額の精度が上がります。
契約時に確認すること
- 追加費用が発生する条件を書面で確認する——「一式」だけの見積書ではなく、人件費・車両費・処分費の内訳と、追加費用の発生条件を確認してください。
- 買取と処分費の相殺方法を確認する——査定額がその場で現金精算されるのか、請求額から差し引かれるのかは業者によって異なります。
これらを組み合わせることで、相場表の中でも下限に近い金額に近づけやすくなります。すべてを一度にやろうとせず、できることから着手してください。
判断に迷いやすい品目と、処分費を左右する考え方
「これは残すべきか、処分してよいか」で手が止まると、片付けが進まないまま物量が減らず、結果的に費用が下がりにくくなります。迷いやすい品目ごとの考え方を整理しました。
| 品目 | 判断の目安 |
|---|---|
| 写真・アルバム | デジタル化して保管すれば、現物は処分してもかさばらない |
| 年賀状・手紙 | 特に思い入れのあるものだけ残し、大半は処分の対象にしやすい |
| 着なくなった衣類・着物 | 1年以上着ていないものは、買取・寄付・処分のいずれかに回す目安になる |
| 書籍・雑誌 | 再読の見込みが低いものは古本買取や資源ごみへ。まとめて査定に出すと手間が減る |
| 使途不明な鍵・書類 | 処分の前に、通帳・権利証など重要書類と混ざっていないかを確認する |
| 贈答品の食器・タオル | 未使用であれば買取対象になることがある。箱があると査定額が上がりやすい |
迷う品物をひとまとめにして「保留箱」に入れておき、期限を決めて見直す方法も有効です。判断を先延ばしにし続けると物量が減らず、結果的に見積もり金額も下がりにくくなります。
買取できるものの相場目安
生前整理では、処分と同時に「値の付くものは買取に回す」ことが総額を左右します。買取価格は品物の状態・時期・業者の得意分野によって変わるため、以下はあくまで目安です。正確な金額は査定を受けてから確認してください。
| 品目 | 買取相場の目安 | 査定のポイント |
|---|---|---|
| 貴金属(指輪・ネックレス等) | 数千円〜数十万円 | 純度と重量が中心。壊れていても地金として値がつくことがある |
| 着物・帯 | 1点数百円〜数万円 | 正絹で保存状態が良いもの、有名作家物は査定額が上がりやすい |
| 腕時計・宝飾ブランド品 | 数千円〜数十万円 | モデルと動作状態の影響が大きい。箱や保証書があると有利 |
| 骨董品・美術品 | 数百円〜数十万円 | 真贋と作家の評価によって幅が非常に大きい。専門知識のある業者への査定が望ましい |
| 小型家電(製造5年以内) | 数百円〜数千円 | 型番と製造年、動作確認の可否が影響する |
| 楽器 | 数千円〜数万円 | メーカーと保管状態が査定額を左右する |
| 切手・古銭・記念硬貨 | 額面〜数万円 | 発行枚数の少なさや保存状態で額面を超えることがある |
| 茶道具・食器(有名窯元等) | 数百円〜数万円 | 作家・窯元・共箱の有無が査定に影響する |
| カメラ・レンズ | 数百円〜数万円 | メーカー・型式・動作状態が中心。人気モデルは高くなりやすい |
| ゴルフ用品 | 数百円〜数万円 | ブランドとセット内容、使用感が影響する |
買取には古物商許可が前提です。許可のない業者が買取をうたっている場合は依頼しないでください。見積もり時に許可番号の確認を求めても差し支えありません。なお、複数の品目をまとめて査定してもらうほうが、1点ずつ持ち込むより手間がかからず、査定額の比較もしやすくなります。
自分で生前整理をする場合の費用と、業者に依頼する場合の比較
費用だけを見れば、自分で行うほうが安く済みます。ただし、時間・体力・判断の負担という「見えないコスト」も含めて比較することが大切です。
| 項目 | 業者に依頼 | 自分で行う |
|---|---|---|
| 初期費用 | 数万円〜(間取り・物量による) | 実質0円(処分費のみ) |
| 処分費用 | 見積もりに含まれる | 自治体の粗大ごみ手数料が別途かかる(品目ごとに数百円〜数千円) |
| 所要時間 | 半日〜数日 | 数週間〜数か月かかることが多い |
| 体力的な負担 | ほぼなし | 大型家具の運搬など、負担が大きい |
| 判断の負担 | プロのサポートあり | 一人で判断し続ける必要がある |
| 買取 | その場で査定・差引が可能 | リサイクルショップへの持ち込みが必要 |
| 向いている人 | 物量が多い・体力に不安がある・時間がない | 物量が少ない・時間に余裕がある・本人が元気 |
自力で進める場合、自治体の粗大ごみ収集は多くが事前申込制で、月に数点までといった上限が設けられています。物量が多いお宅では、自力だけで完結させようとすると、想定より時間がかかることがあります。一部を自分で減らし、残りを業者に任せる「併用」も現実的な選択肢です。
自分で処分する場合にかかる実費の目安
「自分でやれば無料」と思われがちですが、自治体の粗大ごみ手数料や運搬の実費は発生します。品目別の一般的な手数料の目安は次のとおりです(自治体により金額は異なるため、実際の金額はお住まいの市区町村の案内でご確認ください)。
| 品目 | 粗大ごみ手数料の目安 |
|---|---|
| 椅子・小型の棚 | 300〜500円程度 |
| タンス・食器棚 | 800〜1,500円程度 |
| ベッド・ソファ | 1,000〜2,000円程度 |
| 布団・カーペット(紐で縛れるもの) | 200〜500円程度 |
これに加え、自分の車で処分場へ運ぶ場合はガソリン代や高速代、車を持っていない場合はレンタカー代(軽トラックで半日5,000〜8,000円程度)がかかります。品数が十数点を超えると、手数料と運搬の手間を合計した実費が、業者に依頼した場合の下限料金に近づくこともあるため、点数が多い場合は業者依頼と比較してから判断することをおすすめします。
業者選びで確認したいこと|費用と信頼性の見分け方
費用の安さだけで選ぶと、あとから思わぬ負担につながることがあります。契約前に次の点を確かめてください。
| 確認項目 | ポイント |
|---|---|
| 収集運搬の許可 | 一般廃棄物収集運搬許可証の提示を求める。無許可回収は不法投棄のトラブルにつながることがある |
| 古物商許可 | 買取がある場合は許可番号を確認する |
| 損害保険 | 搬出時の事故に備え、賠償責任保険への加入状況を確認する |
| 見積書の内訳 | 人件費・車両費・処分費が分けて記載されているか |
| 追加費用の条件 | 発生する場合の条件と目安の金額が事前に説明されているか |
極端に安い見積もりを提示する業者の中には、許可を持たずに営業していたり、当日になって高額な追加費用を請求したりするケースも報告されています。相場から大きく外れた金額を見たときほど、内訳と許可の有無を確認する姿勢が費用面での安全策になります。提携業者の許可・保険の確認方法は、提携業者の品質基準のページでご案内しています。
業界団体が認定する「生前整理士」などの資格を持つスタッフが在籍しているかどうかも、判断材料のひとつです。資格の有無だけで費用が決まるわけではありませんが、本人の意向を尊重しながら仕分けを進める研修を受けている目安にはなります。見積もり時に、資格の有無や在籍人数を尋ねてみてください。
見積もり比較でよく見られる失敗パターン
相談窓口でのやり取りの中では、費用面で次のようなすれ違いが繰り返し見られます。見積もりを比較する際の参考にしてください。
- 電話で聞いた概算だけを比較し、内訳を確認しないまま契約する——後から「これはオプション扱いだった」と分かり、想定より高くつくことがあります。
- 「一式」表記の安さだけで選ぶ——同じ「一式30万円」でも、供養や特殊な搬出まで含む業者と、含まない業者があります。範囲を確認しないと単純比較になりません。
- 買取査定を後回しにして処分してしまう——先に処分してから「これは値がついたかもしれない」と気づくケースです。査定は搬出前に済ませておくと安心です。
- 繁忙期に慌てて1社だけに即決する——時間の余裕がないと相見積もりを取れず、結果的に相場より高い金額で契約してしまうことがあります。
いずれも、事前に内訳と範囲を確認する、査定を先に済ませる、時間に余裕を持って複数社を比較するという基本を守ることで避けられます。
費用の話とあわせて知っておきたい財産整理の基礎
生前整理を進める中で、家財だけでなく預貯金や不動産などの財産を把握しておくと、その後の相続の見通しが立てやすくなります。相続税がかかるかどうかは、遺産の総額が「基礎控除額」を超えるかどうかで判断されます。基礎控除額は3,000万円に600万円×法定相続人の数を加えた金額です(国税庁「相続税の計算」より)。たとえば相続人が2人であれば、基礎控除額は4,200万円になります。
この計算はあくまで目安を把握するためのもので、実際の申告要否や税額は個別の財産状況によって変わります。生前整理を機に家財と一緒に通帳や証書、保険証券などの在りかを整理しておくと、家族が相続の話し合いを始める際の負担を減らせます。詳しい税額や申告の要否は、税理士など専門家への相談をおすすめします。不動産の名義や相続登記に関わる手続きは、生前整理とは?メリットと進め方や提携司法書士への相談で確認できます。
財産の一部を家族に早めに渡しておきたい場合、生前贈与という選択肢もあります。贈与税には年間110万円までの基礎控除があり、1年間に受け取った財産の合計額がこの範囲内であれば贈与税はかかりません(国税庁「贈与税がかかる場合」より)。ただし、亡くなる前の一定期間内に行った贈与は相続財産に加算される制度もあり、税額の計算は個別の事情によって変わります。生前整理と合わせて贈与を検討する場合は、実行前に税理士や司法書士へ相談し、家財の整理だけでなく財産全体の見通しを立てておくことをおすすめします。
依頼から作業完了までの流れ
生前整理を業者に依頼する場合の大まかな流れは、次のとおりです。本人の意向を確認しながら進める点が、遺品整理との大きな違いです。
- 問い合わせ・写真の送付——電話またはLINEで問い合わせ、片付けたい部屋の写真を送ります。
- 概算見積もりの提示——写真や電話でのヒアリングをもとに、間取り・物量に応じた概算金額を提示します。この段階は無料で相談できる窓口がほとんどです。
- 現地確認(必要な場合)——物量の判断が難しい場合や、搬出条件を確認したい場合は現地確認を行います。
- 正式見積もりとご契約——内訳を明示した見積書を提示し、内容にご納得いただいたうえで契約します。
- 仕分け・搬出・供養・買取——本人の意向を確認しながら仕分けを進め、必要に応じて供養や買取の手配を行います。
- 清掃・完了報告——作業後の室内を簡易清掃し、完了をご報告します。
生前整理は本人が立ち会える分、その場で判断を下しながら進められる点が特長です。段取りの詳細はご相談の流れでもご紹介しています。
安心実家じまいのサービス案内
安心実家じまいは、生前整理から実家の売却・解体の手配までを一つの窓口でお受けする全国対応のサービスです。見積もりは写真をお送りいただくだけで概算をご案内でき、部屋単位での分割依頼にも対応します。
生前整理のみのご依頼は生前整理サービスで承ります。家の処分まで見据えている場合は、実家じまい代行パックが割安になることがあります。二つのサービスの違いは、次のとおりです。
| 生前整理サービス | 実家じまい代行パック | |
|---|---|---|
| 対象範囲 | 家財の片付けのみ | 片付けに加え、家の売却・解体の手配まで |
| 料金目安 | 間取り・物量に応じた個別見積もり | 2DKまで29.8万円/3LDKまで49.8万円/4LDK以上69.8万円〜(税別) |
| 向いているケース | まずは家財だけ整理し、住まいは残しておきたい場合 | 実家の将来的な売却・解体まで見据えている場合 |
パック料金には片付けの費用が含まれます。料金の全体は料金表をご覧ください。お見積もりを確定してからのご契約で、追加の作業が見込まれる場合は作業前に金額を提示し、ご了承をいただいてから実施します。貴金属や着物などの買取による費用の相殺も可能です。仏壇や位牌の供養が必要な場合や、相続・登記など法律手続きが絡む場合は、提携司法書士と連携して進めます。
対応エリアは全国です。提携業者は、一般廃棄物収集運搬の許可や損害保険の加入状況を安心実家じまい事務局が事前に確認したうえでご紹介しています。遠方に住むご家族が代わりに手配する場合も、写真での概算見積もりから作業完了報告まで、オンラインと電話でやり取りを完結できます。本人が施設に入居中で立ち会いが難しい場合や、複数の相続人で費用分担を相談しながら進めたい場合も、状況に応じたご案内が可能です。まずは費用の目安だけでも知りたいという段階でのご相談も歓迎しています。
よくある質問
生前整理の費用はいくらですか?
生前整理と遺品整理は費用が違いますか?
生前整理の費用は誰が払うのが一般的ですか?
買取を活用すると費用はどのくらい下がりますか?
一部屋だけの生前整理も依頼できますか?
生前整理の見積もりは無料ですか?
契約後にキャンセルすることはできますか?
まとめ
生前整理の費用は、間取り別の相場を出発点にしつつ、物量・搬出条件・買取の有無・時期によって着地点が変わります。要点を振り返ります。
- 生前整理の費用相場は1R・1Kで3〜8万円、2DK〜2LDKで9〜30万円、4LDK以上で22〜60万円
- 本人が仕分けできる分、遺品整理より下振れしやすく、部屋単位の分割依頼もできる
- 物量・搬出条件・買取・供養の要否・繁忙期・追加オプション・地域差が金額を左右する
- 状況別のシミュレーションを参考に、自分のケースに近い着地点を把握しておく
- 基本料金の範囲(仕分け・搬出・処分・簡易清掃)と、別料金になりやすい項目(供養・特殊清掃・解体等)を区別して見積もりを比較する
- 買取できる品物を事前に把握しておくと、総額を1〜2割程度圧縮できるケースがある
- 安さだけで選ばず、許可・保険・見積書の内訳・支払い条件の4点を書面で確認する
- 家財の整理は財産の把握にもつながる。相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人数)も知っておくと安心
まずは片付けたい部屋の写真をまとめ、間取りだけでなく物量や搬出条件も含めて業者に伝えることが、適正な見積もりへの近道です。生前整理そのものの意味や進め方は生前整理とは?メリットと進め方を、遺品整理との違いは遺品整理とは?いつから・費用・捨ててはいけないものをご覧ください。
早いこともあります
ご本人と一緒に、1部屋単位から。お見積もりは無料です。ご相談・お見積もりは無料です。

