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実家の片付けは年末帰省でどこまで進める?できること・できないこと【チェックリスト付き】

最終更新日:2026年9月23日|監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

監修の範囲:相続・登記・法務に関する記述(司法書士・行政書士の業務範囲)。片付け・買取・費用相場などの記述は安心実家じまい事務局が編集しています。監修者プロフィール

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 年末年始の帰省で実家の片付けを進めるなら、「全部やろうとしない」ことが最大のコツです。滞在2〜4日で終わらせられるのは、家全体の片付けではなく「次に何をするか決める」ところまでです。
  • 帰省前に親への切り出し方・持ち帰る道具・優先順位を決めておくだけで、現地での作業効率は大きく変わります。当日いきなり始めるのは失敗のもとです。
  • 高齢の親の家は転倒事故のリスクが高い場所でもあります。東京消防庁のデータでは、高齢者の日常生活事故による救急搬送のうち住宅等居住場所が最多で、屋内での転倒が多くを占めています。安全動線の確保は片付けの重要な目的の一つです。
  • 親の判断力に不安がある場合や、親が処分に強く抵抗する場合は、無理に進めず専門家や自治体の相談窓口を頼るのが結果的に近道です。
目次

なぜ「年末年始の帰省」が実家片付けを考える最大のタイミングなのか

実家の片付けは、普段は後回しにされがちなテーマです。離れて暮らす子ども世代にとって、実家に長時間滞在できる機会は限られており、平日に日帰りで通うのは現実的ではありません。その点、年末年始の帰省は多くの人にとって年間で最もまとまった時間を実家で過ごせる期間です。総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査では、全国の空き家数は900万戸を超え、空き家率は13.8%と過去最高を記録しました。親が元気なうちに実家の将来を考える家庭が増えている背景には、こうした空き家の増加傾向もあります。

また、年末年始は帰省するきょうだいが顔を揃えやすいタイミングでもあります。実家の片付けや将来の方針は、一人だけで決めるとあとで「聞いていない」というトラブルにつながりやすい話題です。全員が集まる機会に、片付けの作業そのものよりも先に「今後どうするか」を話し合っておくことには、作業効率以上の意味があります。

一方で、限られた滞在日数でできることには限界があります。「実家を丸ごと片付けよう」と意気込んで帰省し、初日から作業を始めて疲れ果て、翌年また同じことを繰り返す、というパターンも少なくありません。この記事では、帰省の日数を前提に「今回の帰省で現実的にできること」と「次回以降に回すべきこと」を整理し、印刷して使えるチェックリストと合わせて解説します。

帰省中にできること・できないこと【比較表】

まず押さえておきたいのが、帰省の日数(一般的には2泊3日〜4泊5日程度)で「終えられる作業」と「終えられない作業」の線引きです。この線引きを事前に共有しておくだけで、現地での焦りや「今回も終わらなかった」という徒労感を減らせます。

作業内容 帰省中(数日)での実現度 備考
自室・子ども部屋の片付け 実現しやすい 自分の持ち物なので判断に迷いが少ない
不要な紙類・チラシ・古い書類の仕分け 実現しやすい 量は多くても判断基準を決めれば進めやすい
賞味期限切れの食品・使わない日用品の整理 実現しやすい 親の同意を得やすい部類
家全体の家財を仕分け・処分する 実現しにくい 物量が多く、判断にも時間がかかるため数日では完結しない
実家の売却・解体・活用など将来方針の決定 実現しにくい 相続人全員の合意形成や不動産の調査が必要で即断できない
認知症・判断力に関わる法的な手続きの検討 実現しにくい 専門家への相談を要し、帰省中だけで結論は出せない
粗大ごみ・不用品の自治体への申し込み 条件付きで実現可能 自治体によって収集までの予約待機期間があるため早めの申し込みが必要
形見分け・思い出の品の仕分け 実現しにくい 気持ちの整理が必要な作業のため、急いで進めると後悔につながりやすい

この表からも分かるとおり、帰省中に無理なく終えられるのは「自分の持ち物」や「明らかに不要なもの」の整理が中心です。家全体の片付けや将来方針の決定は、帰省中に「方向性を話し合い、次に誰が何をするかを決める」ところまでをゴールにするのが現実的です。

帰省前にしておく準備

現地での作業時間を最大化するには、帰省前の準備が欠かたません。準備なしで実家に着いてから考え始めると、貴重な滞在時間の多くが「何からやるか」を決めるだけで終わってしまいます。

親への切り出し方

「片付けよう」という言葉は、親にとって「捨てさせられる」という圧力に聞こえることがあります。事前の電話やメッセージで伝える際は、「片付け」ではなく「一緒に整理したい」「何が大事か教えてほしい」という言い方に変えるだけで、受け止め方が変わることが多くあります。また、いきなり実家全体を対象にせず、「まず自分の部屋だけ片付けさせてほしい」と範囲を限定して伝えると、親の警戒感が和らぎやすくなります。

持参する道具

現地で買い揃えようとすると、それだけで半日以上を消費することもあります。事前にリストアップし、持参または帰省先近くのホームセンターの営業時間を確認しておくと無駄がありません。

道具 用途
ゴミ袋(大・中・透明と黒の2種類) 自治体のルールに合わせて分別しながら仕分ける
軍手・マスク ほこりの多い収納やベランダ作業の安全確保
油性ペン・養生テープ 「残す」「処分」「保留」の箱にラベルを貼る
段ボール(3〜5箱程度) 持ち帰るもの・保留するものの仕分け
スマートフォン(写真記録用) 処分前の記録、親族への共有
メモ帳・チェックリスト(本記事末尾) 作業の進捗と申し合わせ事項の記録

スケジュールの立て方

滞在日数のすべてを片付けに充てるのは現実的ではありません。親戚付き合いや正月の行事もある中で、初日は挨拶と様子見、中日に作業、最終日は片付けと次回への申し送りに充てる、という3段階の配分がバランスを取りやすい進め方です。作業時間は1日あたり2〜3時間を目安にし、長時間の作業で親や自分が疲弊しないよう調整してください。

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帰省中に進める実践6ステップ

限られた日数で成果を出すために、現地での進め方を6つのステップに分けて整理します。順番を守ることで、判断に迷う時間を減らせます。

ステップ1:到着したらまず「安全確認」をする

片付けの前に、廊下や階段、動線上に物が積み上がっていないかを確認してください。東京消防庁の救急搬送データでは、高齢者の日常生活事故のうち住宅等居住場所での発生が最多で、屋内での転倒がその多くを占めるとされています。物が多い実家ほど、つまずきや転倒のリスクが高まります。全体の片付けより先に、動線上の危険物だけでも取り除くことを最優先にしてください。

ステップ2:「残す・処分・保留」の3分類で仕分ける

いきなり「捨てる・捨てない」の二択で考えると、判断に時間がかかり手が止まりがちです。「残す」「処分」「保留(今回は決めない)」の3分類にしておくと、迷った物をいったん保留箱に入れて次の工程に進めるため、作業が滞りにくくなります。保留した物は、次回の帰省時や落ち着いたタイミングで改めて判断すれば十分です。

ステップ3:自室・子ども部屋から着手する

親の持ち物より先に、自分自身の持ち物から手をつけるのがおすすめです。判断に迷いが少なく、成果も出しやすいため、作業のペースをつかむのに向いています。ここで「片付けが進む」という実感を持てると、親への提案もしやすくなります。

ステップ4:親と一緒に「明らかに不要な物」から確認する

賞味期限切れの食品、壊れた家電、読み終えた古新聞など、親自身も「不要」と認識しやすい物から一緒に確認していくと、抵抗感なく進められます。逆に、思い出の品や高価そうな物にいきなり手をつけると、親の抵抗が強くなり作業全体が止まってしまうことがあります。

ステップ5:粗大ごみ・不用品回収の申し込みを済ませる

自治体の粗大ごみ収集は、申し込みから収集まで数週間かかる地域も少なくありません。年末年始は自治体の窓口や収集自体が休止する期間もあるため、帰省中に処分すると決めた物があれば、休止期間や予約枠を事前に自治体のホームページで確認し、早めに申し込みを済ませておくとスムーズです。滞在中に収集が間に合わない場合は、次回の帰省や委任状での代理申し込みが可能かどうかも自治体窓口で確認しておくとよいでしょう。

ステップ6:「次に誰が何をするか」を書面かメモで残す

帰省の最終日には、今回できたこと・できなかったこと・次回までに誰が何を担当するかを、簡単なメモでよいので書き残してください。口約束だけで終わらせると、次に集まったときに「言った言わない」のすれ違いが起きやすくなります。家族のグループチャットに写真付きで共有しておくのも有効です。

「自分の場合」ケース別シミュレーション

実家の状況や家族構成によって、帰省中にできることは変わります。よくある4つのパターンで、現実的な進め方を整理します。

ケースA:親が同居に近い形で見守られており、健康・判断力に不安がない場合

もっとも進めやすいケースです。親と一緒に「今後の方針」まで話し合える余地があるため、片付けと並行して、実家をどうするか(住み続ける・将来的に売却する・活用するなど)の大枠の希望も聞いておくと、次のステップに進みやすくなります。無理のない範囲で年1回のペースで作業を継続する計画を立てるのがおすすめです。

ケースB:きょうだいが複数いて、全員が同時に帰省できない場合

全員揃うタイミングを待っていると、何年も手つかずのままになりがちです。帰省できるきょうだいが先行して安全確認と自室の片付けを進め、写真と記録を残しておき、後日オンラインで他のきょうだいと共有しながら方針を決める進め方が現実的です。役割分担(誰が窓口になるか、誰が費用を管理するかなど)を先に決めておくと、後々のトラブルを防げます。

ケースC:親が片付けに強く抵抗する場合

「まだ使う」「捨てないで」という反応が強い場合、無理に進めようとすると関係がこじれる原因になります。今回の帰省では「安全のために動線だけ確保する」ことに目的を絞り、全体の片付けは持ち越すという判断も選択肢です。親の気持ちが変わるタイミングを待ちながら、少しずつ信頼関係の中で進めるほうが、結果的に早く進むケースも多く見られます。

ケースD:親に認知症の兆候があり、判断力に不安がある場合

物を大量にため込む、同じ物を繰り返し買う、探し物が極端に増えるといった兆候がある場合は、片付けよりも先に、地域包括支援センターや医療機関への相談を優先してください。判断力が不十分な状態での契約や財産の処分は、後々の相続手続きに影響することもあります。片付けは応急的に安全確保にとどめ、本格的な整理は専門家に相談しながら進める体制を整えることが重要です。

実家の片付けにかかる期間の目安

「今回の帰省で終わらせる」という発想を手放すには、実家全体の片付けに実際どれくらいの期間がかかるのかを知っておくことが役立ちます。以下は、物量と家族の関わり方別に見た、完了までの目安です。あくまで一般的な傾向であり、実際の期間は家の広さや物量、親の協力度によって大きく変わります。

実家の状況 完了までの目安 進め方の特徴
物が少なく、親も協力的 帰省2〜3回(半年〜1年程度) 安全確認・自室・共有部分の順に進めやすい
物が多く、長年ため込んでいる状態 帰省5回以上(2〜3年程度) 部屋ごとに区切り、無理のないペースで継続する
親が片付けに消極的・抵抗がある 期間の見通しが立てにくい 安全確保を優先しつつ、時間をかけて信頼関係の中で進める
きょうだいの多くが遠方在住 帰省のたびに少しずつ/業者との併用で短縮も可能 オンラインでの情報共有と役割分担が進行速度を左右する

このように、実家の片付けは一度の帰省で終わる作業ではなく、数年単位のプロジェクトとして捉えるのが実態に近いといえます。「今年で終わらなかった」ことを失敗と捉えず、「今年はここまで進んだ」という記録を積み重ねていく姿勢が、結果的に家族の負担を減らします。

実家の片付けと生前整理・相続の関係

年末年始の実家の片付けは、多くの場合「生前整理」の入り口にあたります。生前整理とは、本人が元気なうちに財産や持ち物を整理しておくことを指し、遺品整理(亡くなった後の整理)とは目的も進め方も異なります。生前整理を進めておくと、将来的に相続が発生した際の手続きがスムーズになるというメリットがあります。

ここで注意したいのが、財産に関わる物の扱いです。通帳・印鑑・不動産の権利書・保険証券などは、片付けの対象として気軽に処分せず、まとめて保管場所を決めておくことが重要です。特に権利書や登記関連の書類は、将来の相続登記の際に必要になるため、勝手に処分すると後の手続きが煩雑になることがあります。財産目録の作り方については財産目録の作り方|書式・記載例・調べ方を司法書士監修で解説で詳しく解説しています。

また、実家の将来的な処分方法(売却・解体・活用・空き家として維持など)についても、片付けと合わせて少しずつ話し合っておくと、いざというときの判断が早くなります。実家の処分方法の全体像は実家の処分方法5つを比較|売却・買取・解体・国庫帰属の費用と税金【2026年版】で整理していますので、あわせてご覧ください。

片付け中の写真記録が役立つ理由

片付けを進める中で、処分する物・残す物を問わず、作業前後の写真を撮っておくことには複数のメリットがあります。まず、遠方に住むきょうだいや親族に進捗を共有する際、文章だけよりも状況が正確に伝わります。次に、後から「あの物はどうなったか」と聞かれたときに、いつ・何を・どう判断したかを説明する材料になります。さらに、万が一相続が発生した際、生前の家の状態を示す記録として役立つ場面もあります。スマートフォンで十分ですので、作業の節目ごとに撮影しておく習慣をつけてください。

特に、高額になりそうな骨董品・貴金属・美術品などは、処分や譲渡の判断をする前に必ず撮影しておくことをおすすめします。判断に迷う物を保留にする際も、写真があれば次回の帰省時にゼロから状況を思い出す手間が省けます。

帰省中によくあるトラブルとその防ぎ方

実家の片付けは、進め方次第で家族の摩擦につながることもあります。事務局として相談を受ける中でよく耳にするパターンと、その防ぎ方を紹介します。

  • 親に無断で処分してしまい、後から関係がこじれる——良かれと思って進めた片付けが、親にとっては「勝手に捨てられた」という不信感につながることがあります。必ず本人の同意を得てから処分することを徹底してください。
  • きょうだい間で「聞いていない」というすれ違いが起きる——一部のきょうだいだけで作業を進めると、後から他のきょうだいが不満を持つことがあります。作業前後の写真や決定事項は、家族全員に同じタイミングで共有してください。
  • 短い滞在で無理に終わらせようとして体調を崩す——限られた日数で家全体を片付けようとすると、親も自分も疲弊してしまいます。今回のゴールをあらかじめ決めておき、達成できなくても次回に回す前提で臨んでください。
  • 高価そうな物を判断できず放置してしまう——骨董品や貴金属など、価値が分からない物は無理に判断せず、いったん保留にして専門家の査定を検討してください。骨董品の買取と処分については骨董品の買取と処分|価値の調べ方・査定の受け方・注意点を参考にしてください。
  • 年末年始の限られた期間に粗大ごみの収集が間に合わない——自治体の収集スケジュールを確認せずに作業を進めると、処分予定だった物が行き場を失うことがあります。事前に自治体のホームページで収集日程と休止期間を確認し、早めに申し込みを済ませておいてください。

年末年始特有の注意点

年末年始は、他の時期の帰省とは異なる制約もあります。事前に把握しておくと、当日になって「動けない」という事態を避けられます。

  • 自治体の窓口・収集業務の休止——多くの自治体で12月29日頃から1月3日頃まで、ごみ収集や粗大ごみ受付の窓口が休止します。処分を予定している物がある場合は、休止前に申し込みを済ませておく必要があります。
  • リサイクルショップ・買取業者の営業時間短縮——年末年始は店舗の営業時間が短縮されたり、出張買取の予約が埋まりやすくなったりします。高額品の査定を依頼したい場合は早めの予約が安心です。
  • 親戚の来客・法事などの予定との調整——正月三が日は来客や挨拶回りが重なりやすく、まとまった作業時間を確保しにくい日もあります。作業日を1日に絞らず、滞在期間の中で柔軟に配分してください。
  • 寒さによる作業負担——冬場の実家は暖房の効きにくい納戸や物置での作業も多く、体調管理にも注意が必要です。無理のない範囲で休憩を挟みながら進めてください。

自力で進めるか、業者に依頼するかの判断基準

帰省中の数日だけで終わらない量の家財がある場合、自力での片付けにこだわりすぎると、何年も同じ状態が続くこともあります。以下の基準を目安に、業者依頼も選択肢に入れて検討してください。

状況 向いている方法 理由
物量が少なく、家族だけで数日あれば終わりそう 自力 費用をかけずに進められ、思い出の品にも丁寧に向き合える
物量が多く、帰省の限られた日数では終わらない 業者への部分依頼を検討 大型家具・家電の搬出など体力を要する作業を任せられる
遠方に住んでおり、年に数回しか帰省できない 業者への相談を検討 立ち会いなしでの仕分け・搬出に対応できる業者もある
親の判断力に不安があり、慎重な仕分けが必要 専門家(司法書士等)と業者の併用 財産に関わる物の扱いは法律面の相談も必要になる
形見や思い出の品が多く、感情面の負担が大きい 業者のサポート+家族での確認 仕分けの補助を受けながら、判断だけは家族が行える

安心実家じまいでは、帰省中に仕分けた「残す物」「保留の物」を踏まえて、それ以外の家財の処分をまとめて相談できる窓口を設けています。遠方にお住まいで立ち会いが難しい場合も、鍵をお預かりして進める方法があります。写真を送るだけの無料見積もりからご相談いただけます。

帰省中にできなかった場合の対処法

数日の帰省ですべてを終えられなくても、落ち込む必要はありません。実家の片付けは一度で終わらせるものではなく、数年かけて少しずつ進めるのが一般的です。帰省中にできなかった場合は、以下の対応を検討してください。

  • オンラインでの申し送りを続ける——帰省時にまとめた写真やメモをもとに、家族のグループチャットで定期的に進捗を確認し合う。
  • 次回帰省までの「宿題」を決めておく——次に集まるまでに、親に確認してもらいたいことや、遠方のきょうだいが調べておくことを分担する。
  • 部分的な作業だけ業者に依頼する——大型家具の搬出や粗大ごみの回収だけを業者に依頼し、思い出の品の仕分けは家族の時間があるときに進める。
  • お盆や次の連休を次の節目にする——年末年始に終わらなかった分は、無理に今回で片付けようとせず、次の帰省を目標に計画を立て直す。

「今年で全部終わらせる」という発想よりも、「今回はここまで進んだ」という積み重ねを大切にするほうが、家族間のストレスも少なく、結果的に片付けが継続しやすくなります。

片付け作業と合わせて親に確認しておきたい3つの質問

片付け作業そのものと並行して、帰省中の会話の中で確認しておくと、後々の手続きがスムーズになる質問があります。作業の合間や食事の時間など、自然な流れで聞いてみてください。

質問1:この家をこの先どうしたいと考えているか

住み続けたいのか、将来的には手放してもよいと考えているのか、親自身の希望を聞いておくことは、片付けの優先順位を決めるうえでも参考になります。今すぐ結論を出す必要はなく、「今の気持ち」を共有してもらうだけで十分です。

質問2:大事な書類や通帳、印鑑はどこにあるか

片付けの過程でこれらの場所を把握しておくと、将来必要になったときに家中を探し回らずに済みます。財産目録として一覧にしておくと、相続が発生した際の手続きも大幅に短縮できます。

質問3:形見分けしてほしい物、残してほしい物があるか

親自身が「これは誰々に渡してほしい」「これは残しておいてほしい」という希望を持っている場合があります。エンディングノートを作成していなくても、口頭で聞いておくだけで、後々の形見分けの際の判断材料になります。

実家の片付けを始める前の実務チェックリスト

帰省前・帰省中に確認しておきたい項目を一覧にしました。印刷して、当日の確認用にご活用ください。

確認項目 チェックのポイント
親への事前連絡 「片付け」ではなく「一緒に整理したい」という伝え方で、目的と範囲を事前に共有する
持参する道具の準備 ゴミ袋・段ボール・ラベル用ペンなどを事前に用意する
滞在日数と作業時間の配分 1日2〜3時間を目安に、初日は様子見・中日に作業・最終日に申し送りの3段階で計画する
自治体の粗大ごみ収集スケジュール確認 年末年始の休止期間・予約枠を事前にホームページで確認する
動線上の危険物の確認 廊下・階段・玄関など転倒リスクのある場所を最優先で確認する
財産関連書類の保管場所の確認 通帳・印鑑・権利書・保険証券をまとめて保管場所を決める(処分しない)
高額品・思い出の品のリストアップ 骨董品・貴金属など判断が難しい物は無理に決めず保留にする
親の判断力・健康状態の確認 物のため込みなど気になる兆候があれば地域包括支援センターへの相談も検討する
きょうだい・親族への進捗共有 作業前後の写真と決定事項を、参加していない家族にも同じタイミングで共有する
次回までの宿題の申し送り 今回できなかったことと、次回までに誰が何をするかをメモで残す

このチェックリストのうち、特につまずきやすいのが「動線上の危険物の確認」と「財産関連書類の保管場所の確認」です。片付けの見た目の進み具合よりも、この二つを優先することで、安全面と将来の手続き面での後悔を減らせます。

よくある質問

年末年始の数日だけで実家全体を片付けることはできますか?
物量にもよりますが、数日の帰省で家全体を完全に片付けきるのは難しいケースがほとんどです。今回の帰省では「自室の片付け」「動線上の危険物の除去」「次の方針を話し合う」ところまでをゴールにし、家全体の整理は複数回に分けて進める計画を立てることをおすすめします。
親が片付けを嫌がる場合はどうすればいいですか?
「片付け」という言葉自体が圧力に感じられることがあります。「一緒に整理したい」「何が大事か教えてほしい」という伝え方に変え、まずは明らかに不要な物から一緒に確認する進め方が効果的です。強い抵抗が続く場合は、無理に進めず、安全確保だけにとどめて時間をかけることも選択肢です。
粗大ごみは年末年始でも出せますか?
自治体によって年末年始の収集休止期間や予約枠の状況が異なります。多くの自治体で年末年始をまたぐ期間は窓口や収集が休止・混雑するため、処分を予定している物があれば、早めに自治体のホームページで収集スケジュールを確認し、申し込みを済ませておくことをおすすめします。
通帳や権利書は片付けの対象にしてよいですか?
通帳・印鑑・不動産の権利書・保険証券などの財産に関わる書類は、片付けの対象として処分せず、まとめて保管場所を決めておくことが重要です。特に不動産の権利書は将来の相続登記に必要になるため、誤って処分しないよう注意してください。
遠方に住んでいて年に一度しか帰省できません。どう進めればいいですか?
帰省のたびに完結させようとせず、今回できたことを写真とメモで記録し、次回までの宿題を決めておく方法が現実的です。物量が多く自力では追いつかない場合は、立ち会いなしで仕分け・搬出まで対応できる業者への部分的な依頼も検討してください。

まとめ

年末年始の帰省は、実家の片付けを考える貴重な機会ですが、数日ですべてを終わらせようとする必要はありません。振り返ります。

  • 帰省中に現実的にできるのは「自室の片付け」「明らかに不要な物の整理」「次の方針を話し合う」こと。家全体の片付けは複数回に分けるのが現実的
  • 帰省前に親への切り出し方・道具・スケジュールを準備しておくと、現地での作業効率が大きく変わる
  • 到着後はまず動線上の危険物を確認する。高齢者の家庭内事故は転倒が多くを占めるため、安全確保を最優先にする
  • 通帳・印鑑・権利書などの財産関連書類は処分せず、保管場所をまとめて決める
  • 親の判断力に不安がある場合や強い抵抗がある場合は、無理に進めず専門家や地域包括支援センターに相談する
  • 帰省中に終わらなかった分は「今回はここまで」と区切り、次回までの宿題を家族で共有しておく

実家の片付けに正解の進め方はありません。家族の状況やペースに合わせて、無理のない範囲で少しずつ進めていただければ十分です。物量が多く自力では追いつかない場合や、将来の実家の処分方法まで含めて相談したい場合は、一人で抱え込まず専門家や専門業者に相談してください。実家じまい全体の進め方については実家の処分方法5つを比較|売却・買取・解体・国庫帰属の費用と税金【2026年版】もあわせてご覧ください。

読むより、聞いたほうが
早いこともあります

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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
運営は株式会社Sora Capital(東京都渋谷区・安心実家じまい事務局)です。相続・登記・法務に関する記述は、提携の司法書士・行政書士 久留慎一郎が監修しています。税額の計算や申告の判断は、税理士にご確認ください。

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