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神奈川県の実家じまい|費用相場・進め方・空き家解体補助金・業者選び

最終更新日:2026年8月6日|監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 実家じまいの費用は、遺品整理だけでなく片付け・解体・売却・相続手続きの4項目を合算した総額で捉える必要があります。実家じまい代行パックは2DKまで29.8万円、3LDKまで49.8万円、4LDK以上69.8万円から(税別)が目安です。
  • 横浜市には「住宅除却補助制度」があり、耐震性の低い木造住宅または特定空家等に認定された建物の解体費用を補助します。昭和56年5月末以前に建築された住宅は上限50万円です(2026年8月時点・横浜市公式サイトより)。
  • 川崎市の解体費補助(住宅等不燃化推進事業)は「不燃化重点対策地区」に限定され、老朽建築物の除却工事で最大100万円が補助されます。対象地区外の場合は、市の「すまいの相談窓口」や解体一括見積サービスの利用が現実的な選択肢です。
  • 遠方にお住まいでも、写真見積もりと鍵預かりによる立ち会いなしで、片付けから解体・売却の手配まで進められます。
目次

実家じまいとは何か。遺品整理との違いを整理する

実家じまいとは、親が亡くなった、または施設に入居したことで空き家になった実家について、家財の片付けから家そのものの処分、必要な法律手続きまでを一区切りつける取り組み全体を指します。似た言葉に「遺品整理」がありますが、範囲が異なります。遺品整理は家の中にある家財・遺品を仕分けて搬出する作業を指すのに対して、実家じまいはそのあとに続く「家をどうするか」までを含みます。売却するのか、解体して更地にするのか、当面は空き家のまま維持するのか。この判断と手続きまで含めて初めて、実家じまいは完了します。

神奈川県内の遺品整理そのものの料金相場や、間取り別の目安、粗大ごみとの区別といった細かい内容は、神奈川県の遺品整理|料金相場と粗大ごみルールで詳しく解説しています。本記事では遺品整理の内訳を繰り返すのではなく、実家じまい全体、つまり片付けのあとに続く解体・売却・相続手続きまでを含めた進め方と費用、そして神奈川県ならではの空き家対策制度に絞って解説します。

神奈川県で実家じまいが必要になりやすい場面

神奈川県は東京都に次ぐ人口を抱える県で、横浜市・川崎市を中心に高度成長期からニュータウン開発が進み、戸建て・団地・マンションが混在する住宅地が広く形成されてきました。親世代がこうした家に長く住み続け、子世代は都内や県内の別エリアで独立して世帯を構えているケースが多いため、相続や施設入居をきっかけに実家だけが空き家として残る構図が生まれやすい土地柄です。地価が高い横浜市・川崎市の市街地ほど、実家じまいを先延ばしにするほど固定資産税や管理の負担が積み上がりやすく、かといって思い出のある家を急いで手放す判断もしづらい。この板挟みが、神奈川県の実家じまい相談で繰り返し見られる背景です。

典型的なきっかけは、親が施設に入居して自宅が空き家になった場合、親が亡くなり相続が発生した場合、そして子世代が実家の近くに戻る予定がなく管理だけが負担になっている場合の三つです。いずれの場合も、片付けを終えた時点で「その後どうするか」の判断が残るため、片付けの依頼先を選ぶ段階から、解体や売却まで相談できる窓口かどうかを確認しておくと、あとの手続きがスムーズになります。

空き家のまま放置するリスクと維持管理の選択肢

方針が決まらないまま実家を空き家として放置すると、いくつかのリスクが積み重なっていきます。まず、人が住まなくなった家は換気や通水が止まるため、湿気や害虫の影響で建物の傷みが早く進みます。庭木が伸び放題になれば、越境や日照の問題で近隣とのトラブルに発展することもあります。管理が行き届かない状態が長く続くと、市から「特定空家等」に指定されるリスクも高まり、指定されると固定資産税の住宅用地特例が解除されて税負担が増える可能性があります。

すぐに売却や解体の判断がつかない場合でも、放置ではなく「管理」という選択肢を取ることができます。定期的な巡回、通水、郵便物の確認、庭木の手入れといった管理業務を代行するサービスもあり、方針が固まるまでの間、建物の劣化を抑えながら時間を稼ぐことができます。管理費用は巡回頻度や作業範囲によって幅があるため、複数社から見積もりを取り、必要な作業だけを依頼する形にすると無駄がありません。

賃貸活用・古家再生という第三の選択肢

売却でも解体でもなく、建物を活かして賃貸に出す、あるいはリフォームして再生させるという選択肢もあります。横浜市・川崎市は都内への通勤圏として賃貸需要が底堅いエリアが多く、駅からの距離や立地によっては古家のままでも借り手がつくことがあります。ただし、耐震性や設備の古さによってはリフォーム費用がかさみ、賃料収入で回収できるかどうかの見極めが必要です。相続人が複数いる場合、賃貸に出すこと自体が遺産分割協議の対象になるため、活用方針を決める前に相続人間での合意を取っておく必要があります。判断に迷う場合は、不動産会社だけでなく、相続に詳しい司法書士や税理士にも相談し、税金面を含めて比較検討することをおすすめします。

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神奈川県の実家じまいでかかる費用の全体像

実家じまいの費用は、大きく分けて「片付け」「解体または現況のままの維持」「売却または賃貸活用」「相続手続き」の4つの塊で構成されます。それぞれ発注先も金額の決まり方も異なるため、ひとまとめの「実家じまい費用」として一本の数字で考えようとすると、見積もりの比較がかえって難しくなります。

項目 内容 費用が決まる主な要因
片付け(遺品整理) 家財の仕分け・搬出・供養・買取 間取り・物量・搬出条件
解体 建物を取り壊して更地にする 構造(木造・鉄骨・RC)・延床面積・接道条件
売却 不動産会社への仲介・買取依頼 立地・接道・再建築の可否
相続手続き 相続登記・遺産分割協議 相続人の人数・不動産の評価額

片付けだけで完結させたい場合(賃貸を退去する、家は残して片付けだけ済ませたい場合など)は遺品整理サービスの単体依頼で足りますが、実家を売却または解体まで見据えている場合は、片付けから解体・売却の手配までを一つの窓口でまとめられる実家じまい代行パックのほうが、業者間の調整の手間が少なく、総額でも割安になりやすくなります。

間取り 実家じまい代行パック料金目安
〜2DK 29.8万円(税別)
〜3LDK 49.8万円(税別)
4LDK以上 69.8万円〜(税別)

このパック料金には遺品整理の費用が含まれます。解体費用や不動産の仲介手数料は物件ごとの個別見積もりとなるため、パック料金とは別に計算します。料金の全体は料金表をご覧ください。実家じまい全体の費用の考え方は実家じまいの費用でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

ケース別の費用シミュレーション

実際にどの程度の総額になるか、神奈川県内でよくある3つのケースで試算します。いずれも目安であり、実際の金額は物件の状態や立地によって変わります。

ケース 状況 費用の内訳イメージ
A:2DK・賃貸退去 横浜市内の賃貸マンション。家は返却するだけで解体・売却の判断は不要 片付けのみ29.8万円前後+原状回復費(管理会社との個別協議)
B:3LDK・戸建て解体売却 川崎市内の持ち家。老朽化が進み、解体して更地で売却する方針 片付け49.8万円前後+解体150万〜250万円程度+仲介手数料(売却額に応じて算出)
C:4LDK・空き家のまま維持 湘南エリアの一戸建て。すぐには手放さず、当面は管理しながら活用方法を検討 片付け69.8万円〜+月次の管理費用(巡回・通水・庭木手入れ等、業者により異なる)

ケースBのように解体を伴う場合は、片付けの見積もりと解体の見積もりを別々に取ったうえで、着工の順番(片付けを終えてから解体業者に引き継ぐ)まで含めて調整すると、二度手間や日程のずれを防げます。横浜市・川崎市の解体費補助金が使える見込みがある場合は、着工前に交付申請を済ませておく必要がある点も、見積もり段階から意識しておくと後の手戻りを防げます(詳細は後述します)。

解体費用の目安と、神奈川県で高くなりやすい理由

解体費用は構造・延床面積・立地条件によって大きく変わります。解体業者が示す目安として、木造住宅は坪当たり3万〜5万円程度、軽量鉄骨造は4万〜6万円程度、鉄筋コンクリート造は6万〜8万円程度とされることが多く、延床30坪の木造住宅であれば総額で100万円台後半〜200万円台前半が一般的な目安になります。ただし、これはあくまで業界で広く示される幅であり、実際の金額は現地調査のうえで確定します。

横浜市・川崎市の住宅密集地や、私鉄沿線に広がる古い分譲団地では、この目安の上限を超えることが珍しくありません。理由は主に三つです。

  • 前面道路が狭く重機が入れない——横浜市の丘陵地に広がる住宅地や、川崎市の下町的な密集エリアでは、幅員4m未満の道路に接する敷地が多く、大型の解体重機を使えず、手作業や小型重機での取り壊しになります。作業日数が延びる分、人件費がかさみます。
  • 隣家との距離が近い——飛散防止や騒音・振動への配慮のため、養生や作業速度の調整が必要になり、通常より工期が延びる傾向があります。
  • 搬出経路が限られる——解体で出た廃材をトラックに積み込む場所まで人力で運ぶ距離が長くなると、その分の手間が加算されます。

逆に、湘南エリアの区画整理された住宅地や、県西部・県北部の郊外で前面道路が広く隣地との距離に余裕がある敷地であれば、目安の下限に近い金額で収まる余地があります。解体の見積もりを取る際は、坪単価だけでなく「前面道路の幅」「隣家との距離」「搬出経路」を業者に伝えると、見積もりの精度が上がります。

横浜市の丘陵地では「がけ地」の扱いにも注意する

横浜市は起伏のある丘陵地に宅地開発が進んだ経緯があり、敷地の一部または全部ががけ地に該当する住宅が一定数あります。がけ地に接する敷地では、解体後の土地利用や建て替えの際に、擁壁の状態確認や追加の安全対策工事が必要になる場合があります。実家が傾斜地に建っている場合は、解体業者だけでなく、造成宅地防災区域の指定状況について市の窓口に確認しておくと、後々の計画変更を避けやすくなります。

売却するか、解体するか、当面維持するか

実家じまいで最も判断が難しいのが、家をどう扱うかという方針です。横浜市・川崎市の中古戸建てや土地は、都内への通勤圏として一定の需要が見込めるエリアが多く、駅近であれば老朽家屋でも土地としての需要が見込めるケースが少なくありません。一方で、県西部の郊外や、接道条件を満たさない敷地では買い手がつきにくく、更地にしたほうが売却が早く進むこともあります。相場は地域や接道状況によって大きく変わるため、まずは不動産会社数社に査定を依頼し、建物を残したまま売る場合と、解体して更地で売る場合の両方の見立てを比較することが、実務上の出発点になります。

「再建築不可」の実家に注意する

神奈川県内、とくに戦前・戦後間もない時期に区画された住宅地では、建築基準法上の道路に2メートル以上接していない「再建築不可」の敷地が一定数残っています。再建築不可の土地は、現在建っている家を解体すると、同じ場所に新しい建物を建てられなくなります。売却前提であれば、解体して更地にするか、建物付きのまま「再建築不可物件」として売却するかで、買い手のつきやすさも価格も変わります。接道状況が曖昧な実家では、解体の契約を結ぶ前に、法務局で登記事項証明書と公図を確認し、必要であれば土地家屋調査士や司法書士に相談しておくことをおすすめします。

私道負担・境界の確認

横浜市・川崎市の住宅地には、複数の宅地が私道を共同で所有・利用している区画が多く見られます。私道に接する実家を売却・解体する場合、掘削承諾書の有無や、私道の持分割合が問題になることがあります。また、隣地との境界が確定していない、庭木や塀が越境しているといった状態も、売却や解体の前に整理しておいたほうが、後のトラブルを防げます。境界確認や測量には時間がかかることが多いため、実家じまいの方針を決めた段階で早めに着手しておくと安心です。

空き家解体補助金・空き家バンク・相談窓口

神奈川県内の空き家対策は、法律の定めにより各市町村が主体となって取り組む体制です(空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく)。そのため、解体費用の補助金は市町村ごとに制度の有無・条件・予算枠が異なり、実家がある市町村ごとに内容を確認する必要があります。ここでは県庁所在地の横浜市と、県内第2の人口を持つ川崎市の制度を確認します。

横浜市の補助金:住宅除却補助制度・建築物不燃化推進事業補助

横浜市には「住宅除却補助制度」があります。対象は、(1)市の耐震診断の結果、耐震性が低いと判定された2階建て以下の木造住宅(在来軸組構法)、(2)市が指定する耐震診断調査票を用いた調査で倒壊の危険性があると判定された木造住宅、(3)建築指導課に倒壊等の危険がある空家(特定空家)と認定された建築物、のいずれかに該当する場合です(長屋・共同住宅は(3)に該当する場合を除き対象外)。補助上限額は、昭和56年5月末以前に建築されたものが50万円、昭和56年6月から平成12年5月末までに建築されたものは一般世帯20万円・非課税世帯40万円で、床面積や見積金額により補助額は変動します(2026年8月時点・横浜市公式サイトより、担当:建築局建築防災課耐震事業担当 045-671-2943)。

これとは別に、神奈川区・西区・中区・南区・磯子区の各一部(重点対策地域)に限り、老朽建築物の解体工事費用を補助する「建築物不燃化推進事業補助」があります。補助上限額は150万円で、こちらも床面積・見積金額により補助額が変動します(担当:都市整備局防災まちづくり推進課 045-671-3595)。実家がこれらの地域に該当するかどうかは、横浜市版「すまいの終活ナビ」(株式会社クラッソーネとの連携協定によるサービス)で、解体費用や土地の売却価格の概算を無料で確認することもできます。制度全般の問い合わせ先は、建築局建築指導課建築安全担当(045-671-4539)です。

川崎市の補助金:住宅等不燃化推進事業

川崎市の解体費補助は「住宅等不燃化推進事業」で、市内の「不燃化重点対策地区」に指定されたエリアに限り、老朽建築物の除却工事に最大100万円、耐火性能強化工事に最大260万円の補助金が受けられます(令和8年4月の見直しで補助対象者は個人のみとなり、補助金額も拡充されました。2026年8月時点・川崎市公式サイトより、担当:044-200-2731)。対象地区外の実家では、この解体費補助は利用できません。

対象地区かどうか分からない場合や、解体・売却全般について相談したい場合は、川崎市住宅供給公社が運営する「すまいの相談窓口」(044-244-7590、受付は月曜日から金曜日の午前8時30分から正午、午後1時から5時まで)が窓口になります。解体費用の概算を把握したい場合は、市が連携する「解体一括見積サービスWEBサイト」も利用できます。

横浜市と川崎市の解体費補助金を比べると

2つの市の制度を比較すると、対象条件や上限額に大きな違いがあることが分かります。

横浜市 川崎市
制度名 住宅除却補助制度 住宅等不燃化推進事業(老朽建築物除却工事)
対象エリア 市内全域(要件を満たす建物) 不燃化重点対策地区に限定
対象条件 耐震性の低い木造住宅、または特定空家等の認定 不燃化重点対策地区内の老朽建築物(個人所有)
補助上限額 50万円(昭和56年5月末以前建築) 100万円(老朽建築物除却工事)
問い合わせ先 建築局建築防災課耐震事業担当 045-671-2943 044-200-2731

(2026年8月時点・横浜市公式サイト、川崎市公式サイトより)どちらの制度も、対象条件に当てはまらなければ利用できません。実家が横浜市・川崎市以外にある場合も、まずはお住まいの市町村の空き家相談窓口や建築指導担当課に問い合わせてみてください。

空き家バンクの有無

地方でよく見られる「空き家バンク」という名称の制度は、横浜市・川崎市などの都市部では一般的ではありません。横浜市は、宅地建物取引業協会や不動産鑑定士協会、建築士事務所協会といった専門家団体を紹介する形の相談窓口を設けており、地域活用型の空き家マッチングも「空家の活用・改善等で利用できる各種支援制度等の一覧」ページで案内しています。川崎市は、神奈川県居住支援協議会の空家相談協力事業者登録制度に基づく事業者一覧(空き家管理・家財整理の対応事業者)を公開し、売買仲介そのものは地元の不動産会社への相談を案内する形です。県西部や県北部の小規模な自治体では、空き家バンクに相当する制度を設けている場合があるため、実家がある市町村ごとに個別に確認することをおすすめします。

解体・売却に関する税の優遇措置

横浜市のページでも案内されているとおり、相続した空き家(敷地を含む)や解体後の敷地をおおむね3年以内に譲渡した場合、税務署への申告により譲渡所得から最大3,000万円の特別控除を受けられる可能性があります。相続直前まで被相続人が一人で居住していたことなど要件があり、令和9年12月31日までに譲渡することが条件です。適用の可否は個別の事情によって判断が分かれるため、税理士や税務署への確認をおすすめします。

解体を検討する際は、固定資産税の扱いにも注意が必要です。住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があり、建物を解体して更地にすると、この特例が外れて税額が上がる場合があります。一方で、自治体から「特定空家等」に指定され、そのまま放置すると特例が解除されて税負担が増える可能性もあります。解体するか、修繕して活用するか、売却するかは、税金面も含めて総合的に判断してください。

相続登記もあわせて確認する

名義が故人や先代のままの実家は、原則として売却や解体の契約主体になれません。相続登記は2024年4月1日から義務化されており、不動産の取得を知った日から3年以内の申請が必要です。片付けと登記の準備を並行して進めておくと、売却や解体の段になって名義変更を後回しにしてきたことに気づく、という手戻りを防げます。相続登記の期限や過料の詳細は相続登記の義務化とはで解説しています。補助金の申請でも、多くの制度で工事契約前の交付申請が条件になるため、着工前に順番を確認しておいてください。

粗大ごみの出し方と自分でできる片付け

物量を減らせば、業者に依頼する場合の費用も下がります。横浜市・川崎市はいずれも粗大ごみを事前申込制で収集しており、品目ごとに個別の処理手数料が設定されている点が特徴です。実家がある市の受付窓口で、事前に対象品目と料金を確認しておくと当日の混乱を防げます。

横浜市の粗大ごみ

横浜市の粗大ごみは、事前に粗大ごみ受付センター(0570-200-530、または045-330-3953)へインターネット・チャット・LINE・電話のいずれかで申し込む方式です。収集を依頼する場合の申込み上限は1回9個までで、受付から収集までは2週間程度かかります。自分で運べる場合は、市内4か所の自己搬入ヤードへの持ち込みも選べ、こちらは1日20個まで申し込めます。手数料は品目ごとに異なり、横浜市の粗大ごみ処理手数料(品目一覧)で確認する仕組みです。生活保護世帯など対象となる場合は処理手数料の減免制度もあります(2026年8月時点・横浜市公式サイトより)。

川崎市の粗大ごみ

川崎市の粗大ごみも、川崎市粗大ごみ受付センター(一般加入電話などから0570-044-530、携帯電話・IP電話などから044-930-5300、受付は月曜日から土曜日の午前8時から午後4時45分まで)への事前申込制です。手数料は粗大ごみ処理券(品目ごとの金額)で納付するか、オンライン決済を利用します。重量が極めて重いもの(100kg以上)や長さが極めて長いもの(2m以上)といった処理困難物、事業活動に伴うごみ、パソコン、自動二輪車は市が収集する粗大ごみの対象外です(2026年8月時点・川崎市公式サイトより)。

家電4品目・パソコンは粗大ごみに出せない

テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象で、横浜市・川崎市を含む神奈川県内のどの市町村でも粗大ごみ収集には出せません。買い替え時の販売店引き取りのほか、リサイクル料金と収集運搬料金を払って処分する方法があります。パソコンは資源有効利用促進法に基づき、メーカーや認定リサイクル事業者への引き渡しが基本です。実家じまいでは冷蔵庫と洗濯機がほぼ確実に出るため、処分ルートを先に決めておくと当日の作業が滞りません。

横浜市と川崎市の粗大ごみルールを比べると、次のとおりです。

横浜市 川崎市
申込方法 電話(0570-200-530/045-330-3953)・インターネット・チャット・LINE 電話(0570-044-530/044-930-5300)・インターネット
受付時間 粗大ごみ受付センターの案内による(インターネットは24時間受付可) 月〜土 8:00〜16:45(日曜・年末年始除く)
収集の上限 収集依頼は1回9個まで、自己搬入は1日20個まで 電話・インターネットとも品目単位で申込み(処理困難物は対象外)
費用の仕組み 品目ごとの処理手数料(品目一覧で確認) 品目ごとの処理券・オンライン決済

(2026年8月時点・横浜市公式サイト、川崎市公式サイトより)品目ごとの詳細な手数料は、各市の受付システムで確認してください。遺品整理そのものの料金相場や間取り別の目安は神奈川県の遺品整理|料金相場と粗大ごみルールで詳しく解説しています。

実家じまいを始める前のチェックリスト

神奈川県で実家じまいを進める場合、片付けだけでなく解体・売却・相続手続きまで見据える必要があるため、確認しておきたい項目が地方の実家より多くなりがちです。着手前に次の項目を確認しておくと、途中での手戻りを防げます。

確認項目 確認先・方法
登記名義が現在の所有者(相続人)になっているか 法務局で登記事項証明書を取得
接道義務を満たしているか(再建築不可でないか) 登記事項証明書・公図、または市の建築指導課
がけ地・造成宅地防災区域に該当しないか 市の建築指導課・宅地防災担当
私道の持分・掘削承諾書の有無 登記事項証明書、近隣との書面確認
境界確定・越境の有無 測量図の有無を確認、必要なら土地家屋調査士へ
解体費補助金の対象地区・対象条件に該当するか 市の空き家相談窓口・建築指導担当課
電気・水道・ガスの契約状況 各事業者への停止・名義変更の連絡
特定空家等に指定されていないか 市の空き家相談窓口
仏壇・位牌・菩提寺の所在 供養・お焚き上げの依頼先を事前に確認
相続人全員の同意状況 遺産分割協議の進捗を確認
解体・売却それぞれの概算見積もり 解体業者・不動産会社に個別に依頼

とくに横浜市の丘陵地や川崎市の密集市街地にある実家では、がけ地の扱いや解体費補助金の対象地区の確認が漏れると、片付けを終えたあとに想定外の追加費用や申請のやり直しが発生しやすいため、早い段階での確認をおすすめします。

実家じまいの進め方

神奈川県内で実家じまいを進める場合も、基本的な流れは全国共通です。片付けと並行して、家をどう処分するかの方針を固めていくのが実務的な進め方になります。

  1. 現状の把握——登記事項証明書と固定資産評価証明書を取得し、名義・面積・接道状況を確認します。相続人が複数いる場合は、この段階で方針をすり合わせておくと後の手戻りが減ります。
  2. 片付けの見積もり——各部屋・収納の写真を送り、概算見積もりを受け取ります。急ぎの事情があれば、その旨を伝えておくと対応の優先度を調整しやすくなります。
  3. 家の処分方針を決める——不動産会社数社に査定を依頼し、建物を残したまま売却する場合と、解体して更地で売却する場合の両方の見立てを比較します。空き家のまま維持する選択肢も含めて検討します。
  4. 補助金の確認——実家がある市の空き家相談窓口・建築指導担当課に、利用できる補助金の有無と申請の順番を確認します。工事契約前の確認が必須です。
  5. 片付け・供養・買取——貴重品と形見を仕分けたうえで搬出し、必要に応じて仏壇の供養や貴金属・着物の買取を手配します。
  6. 解体または売却の実施——片付けが完了した状態で、解体業者または不動産会社に引き継ぎます。
  7. 相続登記・各種手続き——名義変更が済んでいない場合は、片付けと並行して司法書士に相談しながら進めます。

相続人が複数いて方針が固まらない場合は、片付けだけを先に進め、解体・売却の判断は改めて話し合う、という進め方も選択肢です。ただし相続放棄を検討している場合は、家財の一部でも処分すると単純承認とみなされ、後から撤回できなくなることがあります。放棄を迷っている段階では、着手前に司法書士や弁護士へ相談してください。実家じまい全体の進め方は実家じまいの進め方ガイドで、段取りの詳細はご相談の流れでも紹介しています。

業者選びで確認すべきこと

神奈川県内には数多くの片付け・解体・不動産業者がありますが、確認すべき基準は全国共通です。片付けを依頼する業者については、次の点を確かめてください。

  • 一般廃棄物収集運搬の許可——家庭から出る廃棄物の収集運搬は許可制です。「無料回収」をうたうトラックや突然の訪問営業には応じないでください。許可は市町村ごとに交付されるため、実家がある市の許可を持つか、許可業者と提携しているかを確認します。
  • 古物商許可——買取で費用を相殺するなら、古物商許可が前提です。許可番号の確認を求めても差し支えありません。
  • 損害保険への加入——搬出時の事故はゼロにできません。壁や床、階段の手すりを傷つけた場合に備え、賠償保険に加入している業者を選びます。
  • 見積内訳の明示——人件費・車両費・処分費・オプションの内訳がある書面をもらいます。「一式◯◯万円」だけの見積書では比較も検証もできません。

解体業者については、建設業の許可または建設リサイクル法に基づく登録の有無、近隣への挨拶や養生の対応範囲、追加費用が発生する条件を契約前に確認してください。狭小地や再建築不可の物件、がけ地に接する敷地では、現地調査を経た正式な見積もりでないと、着工後の追加請求につながりやすくなります。2〜3社の相見積もりを取り、金額だけでなく現地調査の丁寧さも比較材料にすることをおすすめします。

不動産会社を選ぶときの注意点

売却を依頼する不動産会社は、仲介と買取のどちらを主に扱っているかで進め方が変わります。仲介は買い手を探すため時間がかかる代わりに、市場価格に近い金額での売却が期待できます。買取は不動産会社が直接購入するため現金化は早いものの、仲介より価格が下がる傾向があります。急いで手放したいのか、時間をかけてでも高く売りたいのかによって選ぶべき相手が変わるため、最初に希望をはっきり伝えておくことが大切です。また、一社だけに相談すると、他社への紹介を避ける「囲い込み」が起きていないか判断がつきません。複数社に同時に査定を依頼し、提示額の根拠(近隣の成約事例、接道条件の評価など)を説明できるかどうかを比較材料にしてください。

遠方に住みながら神奈川県の実家を片付ける方法

関西や地方で働きながら、神奈川県内にある実家に頻繁に通えない相続人の方は少なくありません。新幹線や飛行機での移動が前提になる場合、何度も現地に足を運ぶのは交通費と時間の負担が大きくなります。相続人が複数いる場合は、形見分けの方針や売却・解体の要否について、片付けを始める前に方向性をすり合わせておくと、後の意見の食い違いを防げます。遠方から進めるなら、次の段取りが現実的です。

  1. 写真で概算見積もりを取る——帰省のタイミングで各部屋・収納の写真を撮影しておきます。写真があれば、離れていても概算が出ます。
  2. 貴重品と残す物を先に指定する——通帳・印鑑・権利証などの貴重品と、形見として残したい物をリストにして伝えます。判断に迷う物は、処分せず一時保管してもらう方法もあります。
  3. 立ち会いなしで作業を進める——鍵を預け、作業前後の写真報告を受ける方法です。電気・水道の停止手続きまで任せられるかも事前に確認しておきます。
  4. 解体・売却の相談も同じ窓口でまとめる——片付けが終わったあとの解体や売却の相談を、片付けとは別の業者に一から探すのではなく、同じ窓口で引き継げるかを確認しておくと、遠方からの調整の手間が減ります。

郵便物の転送や公共料金の停止といった、片付け以外の手続きも並行して進めておくとスムーズです。安心実家じまいは全国対応の窓口で、遠方の場合は立ち会い不要で進められます。ご相談から作業完了までの流れはご相談の流れをご覧ください。

安心実家じまいのサービス案内

安心実家じまいは、遺品整理から家の売却・解体の手配までを一つの窓口でお受けする全国対応のサービスです。神奈川県内のご依頼も、基準を満たした提携業者が担当します。横浜市・川崎市の住宅密集地から湘南エリア、県西部・県北部の郊外まで、地域の事情に応じた見積もりをご案内します。

遺品整理のみのご依頼は遺品整理サービスで承ります。家の処分まで続く場合は、実家じまい代行パックが割安です。お見積もりを確定してからのご契約で、追加の作業が見込まれる場合は作業前に金額を提示し、ご了承をいただいてから実施します。貴金属や着物などの買取による費用の相殺も可能です。相続登記など法律手続きが絡む場合は、提携司法書士と連携して進めます。

提携業者は、一般廃棄物収集運搬の許可や損害保険の加入状況を安心実家じまい事務局が事前に確認したうえで紹介しています。基準の詳細は提携業者の品質基準のページでご案内しています。

よくある質問

神奈川県の実家じまいはいくらかかりますか?
家財の片付けだけなら間取りに応じて数万円〜数十万円、解体まで行う場合は木造で100万円台後半〜200万円台が目安に加わります。売却するか、解体するか、当面は空き家のまま維持するかによって総額が大きく変わるため、片付け・解体・売却・相続手続きの4項目を分けて見積もることが実務上のコツです。2DKまでの実家じまい代行パックは29.8万円、3LDKまでは49.8万円、4LDK以上は69.8万円からが目安になります(税別)。
横浜市には空き家の解体補助金がありますか?
あります。横浜市の「住宅除却補助制度」は、耐震性の低い木造住宅(2階建て以下)または特定空家等に認定された建築物の解体費用を補助する制度で、昭和56年5月末以前に建築された住宅は上限50万円、昭和56年6月から平成12年5月末までに建築された住宅は一般世帯20万円・非課税世帯40万円が目安です(床面積・見積金額により補助額は変動、2026年8月時点・横浜市公式サイトより)。このほか、神奈川区・西区・中区・南区・磯子区の一部地域限定で上限150万円の「建築物不燃化推進事業補助」もあります。
川崎市には空き家の解体補助金がありますか?
川崎市の解体費補助(住宅等不燃化推進事業)は、市内の「不燃化重点対策地区」に指定された地域に限られ、老朽建築物の除却工事に対して最大100万円が補助されます(個人のみが対象、2026年8月時点・川崎市公式サイトより)。対象地区外の実家では、この補助金は使えません。まずは川崎市の「すまいの相談窓口」(044-244-7590)に問い合わせて、対象地区かどうかを確認することをおすすめします。
神奈川県に空き家バンクはありますか?
地方でよく見られる「空き家バンク」という名称の制度は、横浜市・川崎市などの都市部では一般的ではありません。横浜市は宅地建物取引業協会など専門家団体の紹介や地域活用型のマッチング支援を、川崎市は空家相談協力事業者一覧や解体一括見積サービスWEBサイトを窓口としています。県西部や県北部の小規模な自治体では、空き家バンクに相当する制度を設けている場合があるため、実家がある市町村ごとに確認してください。
遠方に住んでいても神奈川県の実家じまいを頼めますか?
可能です。安心実家じまいは全国対応の窓口で、遠方の場合は鍵をお預かりし、立ち会いなしで片付けから解体・売却の手配まで進められます。作業前後の写真をご報告し、相続登記など法律手続きが絡む場面は提携司法書士と連携します。まずは写真を送るだけで概算のお見積もりが可能です。

まとめ

神奈川県の実家じまいは、家財の片付けだけでなく、解体・売却・相続手続きまでを含めた総額で考える必要があります。要点を振り返ります。

  • 実家じまいの費用は片付け・解体・売却・相続手続きの4項目に分けて見積もる。実家じまい代行パックは2DKまで29.8万円、3LDKまで49.8万円、4LDK以上69.8万円から(税別)
  • 解体費用は木造で坪3万〜5万円が目安だが、横浜市・川崎市の住宅密集地は道路幅や隣家との距離の影響で目安の上限を超えやすい
  • 横浜市の丘陵地はがけ地に該当する敷地もあり、解体後の造成宅地防災区域の指定状況を確認しておくと安心
  • 再建築不可・私道負担・境界未確定は、神奈川県の実家で特に確認しておきたい項目
  • 横浜市には上限50万円の住宅除却補助制度がある。川崎市の解体費補助は不燃化重点対策地区に限定され上限100万円
  • 空き家バンクという名称の制度は横浜市・川崎市など都市部では一般的ではなく、専門家団体紹介やマッチング型の相談窓口が中心
  • 粗大ごみは品目ごとの個別料金制で、横浜市・川崎市いずれも事前申込制。家電4品目とパソコンは対象外
  • 遠方在住でも、写真見積もりと立ち会いなしの作業で進められる

実家がある市町村によって使える補助金や相談窓口の形が異なるのが、神奈川県の実家じまいの特徴です。まずは実家の状況を写真と登記事項証明書で整理し、市の空き家相談窓口や建築指導担当課に問い合わせることが、無駄のない進め方への近道です。遺品整理そのものの詳しい料金は神奈川県の遺品整理|料金相場と粗大ごみルールを、実家じまい全体の進め方は実家じまいの進め方ガイドをご覧ください。

読むより、聞いたほうが
早いこともあります

家財の片付けから家の処分のご案内まで。2DKまで29.8万円(税別)〜の定額パックです。ご相談・お見積もりは無料です。

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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

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