
久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士
東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。
■経歴
- 1966年鹿児島県生まれ
- 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
- 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
- 2013年司法書士試験合格
- 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
- 2017年司法書士法人コスモ退職
- 2018年事務所開設
- 2021年司法書士法人設立
■得意領域
- 相続登記・相続手続き
- 不動産の名義変更
- 相続放棄
- 簡易裁判所の訴訟代理
この記事の結論
- 札幌市の実家じまいは、家財の片付けだけなら数万円〜60万円程度、解体まで含めると延床面積・構造次第で数百万円単位になります。何をどこまで行うかで総額が大きく変わります。
- 大型ごみは品目ごとに200円〜1,800円程度の手数料シールを貼る戸別収集のほか、自分で処理施設に運べば210円/10kgの自己搬入も使えます。ただし400リットルを超える一時多量ごみは市の許可業者(一般財団法人札幌市環境事業公社)に依頼する必要があります。
- 解体には「札幌市危険空家等除却補助制度」があり、通常型は上限50万円、地域と連携する地域連携型は上限150万円です(2026年8月時点・札幌市公式サイトより)。
- 札幌市単独の空き家バンクはなく、北海道空き家情報バンクが窓口です。遠方在住でも、鍵預かりと写真報告で立ち会いなしで進める方法があります。
札幌市の実家じまい、何にいくらかかるか
「実家じまい」は、遺品整理のように家財を片付けるだけでなく、建物の解体または売却、そして相続登記などの法律手続きまでを含めた、実家をたたむ一連の作業全体を指します。遺品整理そのものの料金相場や間取り別の目安については遺品整理とは?いつから・費用・捨ててはいけないものや遺品整理の料金相場を間取り別に解説で詳しく紹介しているため、本記事では実家じまい全体、とくに解体・売却・自治体制度まわりを中心に解説します。
実家じまいの費用は、大きく分けて次の4つの要素で構成されます。
| 費目 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 片付け・処分 | 家財の仕分け、粗大ごみ・不用品の処分 | 間取りにより数万円〜60万円程度 |
| 解体 | 建物を取り壊して更地にする工事 | 構造・延床面積により数百万円単位(後述の試算参照) |
| 売却 | 不動産会社への仲介依頼、契約・引き渡し | 仲介手数料は売却額の3%+6万円(税別)が上限の目安 |
| 手続き | 相続登記、固定資産税の精算、公共料金の停止など | 登録免許税は評価額の0.4%が目安 |
このうち解体と売却は、建物の状態や立地によって金額の幅が大きく、全国一律の相場を当てはめると実態とずれることがあります。次の見出し以降で、札幌市に特有の事情と、公式サイトで確認できる制度を具体的に見ていきます。名義が故人や先代のままだと売却や解体の契約が進められないため、相続登記の準備は片付けと並行して進めておくことをおすすめします。
片付けと処分だけを依頼する場合
家は残して家財だけを片付けたい、賃貸を退去するので中身だけ空にしたいといったケースでは、遺品整理・生前整理サービスの間取り別料金が目安になります。1R・1Kであれば数万円程度から、3LDK以上の戸建てであれば物量次第で50万円を超えることもあります。買取に出せる品物があれば、その分を作業費から差し引ける業者もあります。
解体まで進める場合
建物を解体して更地にする場合は、片付け費用に加えて解体工事費がかかります。構造(木造か非木造か)と延床面積によって金額が大きく変わるため、具体的な試算は後述の「空き家解体と補助金」の章で、札幌市が公表している基準単価をもとに紹介します。
売却まで見据える場合
更地または建物付きのまま売却する場合、立地・接道状況・積雪期の状態などによって成約価格の幅が大きく、全国一律の相場を当てはめることはできません。都心部や地下鉄駅に近いエリアと郊外・過疎化が進む地域とでは、需要そのものが異なります。売却を検討する段階になったら、複数の不動産会社に査定を依頼し、解体して更地で売るか、建物付きのまま売るかを比較するのが現実的です。
札幌市の空き家事情と冬季特有のリスク
札幌市は人口約195万人(住民基本台帳人口・2026年7月時点、札幌市公式統計より)の政令指定都市で、道内最大の都市です。市街地は地下鉄・JRの沿線に住宅地が広がる一方、郊外や周辺部には昭和期に建てられた戸建てが密集するエリアも多く残っています。親世代が長く同じ家に住み続け、子世代は市内の別の区や道外に転居しているという世帯構成は、他の政令指定都市と共通する傾向です。
札幌市の空き家問題で見落とせないのが、冬季の管理負担です。積雪と凍結を繰り返す冬は、暖房が入らない空き家の劣化を早めます。屋根に積もった雪の重みで屋根材や樋が傷んだり、給排水管が凍結して破裂したりする被害は、本州の空き家にはあまり見られないリスクです。除雪をしないまま放置すると、屋根からの落雪や、隣地・歩道への雪の張り出しが近隣トラブルの原因になることもあります。札幌市も「空き家の適切な維持管理について」というページを設け、所有者に定期的な見回りと管理を呼びかけています(札幌市公式サイトより)。
管理が行き届かない空き家が周囲に悪影響を及ぼした場合、所有者が損害賠償の責任を問われる可能性もあります。雪止めの外れた屋根からの落雪で通行人がけがをした、放置された建物の外壁材が強風で飛散したといった事例は、実際に起こり得るリスクです。実家が遠方にあり冬場に見回りができない場合は、早い段階で片付け・解体・売却のいずれかの方向性を決め、管理不全の期間を短くすることが結果的にリスクとコストの両方を抑えます。
行政区ごとの特徴
札幌市は10の行政区からなり、区によって住宅事情の傾向が異なります。中央区・北区・東区など都心に近い区は集合住宅の比率が高く、清田区・厚別区・手稲区など郊外の区は昭和40〜50年代に開発された戸建て団地が広がっています。郊外の戸建て団地は、開発から数十年が経ち住民の高齢化が進んでいるエリアが多く、実家じまいの相談が増えている地域でもあります。区によって大型ごみの収集曜日や申込期限が異なる点は、後述する粗大ごみの章で触れます。
「うちの場合はいくら?」
と思ったら
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実家じまいの進め方(6ステップ)
実家じまいは、片付け・解体または売却・法律手続きが並行して進む作業です。順番を誤ると手戻りが生じやすいため、まずは全体の流れを押さえておくと段取りがしやすくなります。以下は目安の流れで、相続人の人数や物量によって前後することがあります。
- 相続人・名義の確認——実家の名義が誰になっているかを登記事項証明書で確認します。名義が先代や祖父母のままの場合は、相続登記の準備を早めに始めます。
- 方針の検討——解体して売却するか、建物付きのまま売却するか、当面は空き家のまま維持するかを、相続人間ですり合わせます。固定資産税の扱いも判断材料になります。
- 片付け・写真の送付——各部屋・収納の写真を撮影し、片付け業者に概算見積もりを依頼します。貴重品・形見・仏壇の扱いをこの時点で決めておきます。
- 見積もり比較・契約——片付け、解体(必要な場合)、売却仲介のそれぞれで複数社から見積もりを取り、内訳を比較します。補助金を使う場合は、この段階で申請の順番を確認します。
- 作業実施——片付け・解体工事・売買契約を、補助金の交付決定など必要な手続きと整合させながら進めます。冬季は積雪により工事日程が制約されることがあるため、施工業者と早めに調整します。
- 完了・清算——固定資産税の精算、公共料金の停止、登記の完了確認を行い、実家じまい全体を終えます。
片付けと登記の準備は同時並行で進めるほうが、結果的に手戻りが少なくなります。名義変更が済んでいないと、解体業者との請負契約や不動産会社への売却依頼が進められないためです。実家じまい全体の手順は実家じまいの進め方ガイドでも紹介しています。
家財の片付けと粗大ごみの出し方
片付けの総費用を抑える方法のひとつが、自力で処分できるものは自分で出し、業者には運び出しが難しい物や物量の多い部分だけを依頼することです。札幌市のごみ処理制度は品目や量によって窓口が分かれているため、順を追って整理します。
大型ごみ(戸別有料収集)
タンス・ベッド・ソファなど指定ごみ袋に入らないものは「大型ごみ」として、品目ごとの処理手数料シールを貼って戸別収集に出します。申込みはインターネット受付(24時間対応)または電話(大型ごみ収集センター 011-281-8153、受付時間9時〜16時30分、日曜・年末年始を除き土曜・祝日も受付)で行い、収集希望日の2週間前から申し込めます。一度に申し込めるのは10個までです。区ごとに収集曜日と申込期限が決まっている点に注意してください(2026年8月時点・札幌市公式サイトより)。
| 収集区 | 収集曜日 | 申込期限 |
|---|---|---|
| 清田区 | 月曜日 | 収集週の前週木曜日 |
| 北区・東区・西区・手稲区 | 水曜日 | 収集週の月曜日 |
| 中央区・豊平区 | 木曜日 | 収集週の火曜日 |
| 白石区・厚別区・南区 | 金曜日 | 収集週の水曜日 |
手数料は品目ごとに細かく設定されています。実家の片付けでよく出る品目の一部を抜粋すると、次のとおりです(2026年8月時点・札幌市公式サイト「大型ごみ手数料」より。同一名称でもサイズにより金額が変わる品目があります)。
| 品目 | 手数料の目安 |
|---|---|
| いす(応接用1人掛け) | 500円 |
| テーブル(最大辺1m未満) | 200円 |
| 戸棚・食器棚・本棚(高さ1m未満) | 500円 |
| 戸棚・食器棚・本棚(高さ1m以上) | 900円 |
| たんす(高さ1m以上) | 1,300円 |
| ベッド(シングル・セミダブル、マットレス除く) | 500円 |
| ベッドマットレス(スプリング付き) | 1,800円 |
| 電子レンジ | 500円 |
| 布団(3枚まで) | 200円 |
| 畳(1枚につき) | 500円 |
掲載されている手数料は一例で、詳細な品目や最新の金額は大型ごみインターネット受付サイトの「品目検索」で確認できます。品目が見つからない場合や名称が不明な場合は、大型ごみ収集センターに問い合わせると案内してもらえます。
自分で処理施設に持ち込む(自己搬入)
車で運べる場合は、市内の処理施設への自己搬入も選べます。処理手数料は重量制で、清掃工場・破砕工場・埋立処理場は210円/10kg、木くず・紙くずを扱うごみ資源化工場は140円/10kgです(10kg未満の端数は10kgとみなして計算)。搬入は自動車のみで、市内の家庭ごみに限られ、自分のごみ以外は持ち込めません。受入時間は施設によって異なり、清掃工場・破砕工場は月曜〜土曜(祝日含む)9時〜16時、埋立処理場は月曜〜金曜9時〜16時です。清掃工場・破砕工場は定期整備による受入停止期間が施設ごとに設定されているため、搬入前に最新の停止期間を確認してください(2026年8月時点・札幌市公式サイトより)。
戸別収集と自己搬入、どちらが得か
品目数が少なく大型家具が中心なら戸別収集、量が多くトラックやレンタカーを手配できるなら自己搬入のほうが総額を抑えやすい傾向があります。次の比較を目安にしてください。
| 大型ごみ(戸別収集) | 自己搬入 | |
|---|---|---|
| 費用の決まり方 | 品目ごとの定額(200円〜1,800円程度) | 重量制(210円/10kg、資源化工場は140円/10kg) |
| 向いているケース | 大型家具が数点、運搬手段がない | 細々した不用品が多い、車を手配できる |
| 申込み | インターネットまたは電話(2週間前から) | 不要(当日搬入、現金払い) |
| 上限の目安 | 1回10個まで | 施設の受入基準(最大辺・重量)の範囲内 |
一度に大量に出るごみ(引っ越し・実家の片付け)への対応
実家の片付けでは、通常のごみステーションや大型ごみの枠を超える量が一度に出ることが珍しくありません。札幌市の案内では、ごみステーションに出す量は400リットル(40リットルの指定袋で10袋)以下を目安とするよう案内されています。これを超える一時多量ごみを一度に処理したい場合は、市が許可した業者である一般財団法人札幌市環境事業公社(申込電話011-219-5353)に収集運搬を依頼する必要があります。この公社以外の無許可業者に一時多量ごみの収集運搬を依頼することはできません(2026年8月時点・札幌市公式サイトより)。「無料回収」をうたって家庭を回るトラックに家財を渡してしまうと、不法投棄や高額請求のトラブルに発展する例が各地で報告されています。実家の片付けで大量の廃棄物が出そうな場合は、最初からこの制度を踏まえて業者を選ぶことが安全です。
なお、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの家電4品目は家電リサイクル法の対象で、大型ごみにも自己搬入にも出せません。購入した販売店や家電回収協力店への依頼、または指定引取所への持ち込みが必要で、別途リサイクル料金がかかります。パソコンも資源有効利用促進法に基づき、メーカーや認定リサイクル事業者への引き渡しが基本です。
空き家解体と補助金
片付けを終えた後、家をどうするかを検討する段階で確認しておきたいのが、解体費用の目安と自治体の補助制度です。札幌市には、危険な空き家の解体を対象にした補助制度が用意されています。
札幌市危険空家等除却補助制度
倒壊や建築部材の飛散のおそれがあるなど、市の事前確認で「危険空家等」と判定された空き家(原則1年以上使用されていない建物)の除却工事費の一部を補助する制度です。令和8年度は申請期間が2026年5月15日〜9月30日(予算に達し次第終了、事前確認依頼書の受付は9月16日まで)となっています。制度には2種類あり、内容は次のとおりです(2026年8月時点・札幌市公式サイトより)。
| 通常型 | 地域連携型 | |
|---|---|---|
| 補助率 | 除却工事費の3分の1以内 | 除却工事費の10分の9以内 |
| 上限額 | 50万円 | 150万円 |
| 算定基準(いずれか低い額) | ①除却工事費×1/3 ②標準除却費×延床面積×8/10 ③50万円 | ①除却工事費×9/10 ②標準除却費×延床面積×9/10 ③150万円 |
| 追加の条件 | なし | 除却後の土地を5年間、町内会など地域の自治組織に無償貸与すること |
ここでいう「標準除却費」は国が定める基準単価で、木造36,000円/㎡、非木造51,000円/㎡です。この単価を使うと、通常型の補助額が実際にどのくらいになるかを試算できます。なお、令和8年度の地域連携型は、原則として令和9年度以降の交付申請を見据えた案件の協議・相談の受付にとどまり、令和8年度中に150万円の交付を受けられるとは限らない点に注意してください(2026年8月時点・札幌市公式サイトより)。
ケース別試算:通常型でいくら補助されるか
延床面積別に、標準除却費(②の基準)を計算すると次のようになります。除却工事費の3分の1(①の基準)も、多くの実勢価格では②を上回るため、通常型の補助額は実務上、上限の50万円に達するケースがほとんどです。
| 延床面積・構造 | 標準除却費(面積×単価) | 標準除却費の80%(②の基準額) | 通常型の補助額の目安 |
|---|---|---|---|
| 80㎡・木造 | 288万円 | 230.4万円 | 50万円(上限に到達) |
| 120㎡・木造 | 432万円 | 345.6万円 | 50万円(上限に到達) |
| 100㎡・非木造 | 510万円 | 408万円 | 50万円(上限に到達) |
試算のとおり、標準除却費の80%が50万円を下回るのは延床面積がおよそ17〜18㎡(木造の場合)という、実際の住宅ではまず想定しにくい規模です。つまり通常の戸建て住宅であれば、通常型の補助額は事実上ほぼ一律50万円と考えてよいということになります。150万円まで補助を受けたい場合は、地域連携型の要件(除却後の土地を5年間、町内会などに無償で貸与すること)を満たせるかどうかが分かれ目になります。ただし令和8年度の地域連携型は、原則として令和9年度以降の交付申請を見据えた協議・相談の受付段階であり、すぐに150万円の交付を受けられる制度ではありません。空き家をそのまま自分や親族で使う予定がなく、跡地を地域に開放してもよいと考えられる場合は、まず札幌市の窓口に相談し、スケジュール感を確認することをおすすめします。
木造住宅除却工事(解体工事)の費用補助
危険空家等除却補助制度とは別に、耐震性の低い木造住宅を対象にした解体費補助もあります。対象は昭和56年(1981年)5月31日以前に着工した在来軸組構法の木造住宅(戸建・長屋・共同住宅)で、耐震診断の結果、上部構造評点が1.0未満と判定されたものです。補助額は、除却工事費と「延床面積×47,800円」のいずれか低い額の23%以内で、上限は30万円です。申込期間は2026年4月20日〜9月25日で、除却工事の契約・着手前に申請し、交付決定を受ける必要があります(2026年8月時点・札幌市公式サイトより)。危険空家等除却補助制度と木造住宅除却工事費補助は対象要件が異なるため、実家の建築年や耐震診断の有無によって、どちらの制度が使えるかが変わります。判断に迷う場合は、どちらも窓口が同じ建築指導部にあるため、あわせて相談すると効率的です。
補助金申請前に確認したいチェックリスト
申請の順番を誤ると補助を受けられなくなるため、着工前に次の項目を確認してください。
| 確認項目 | ポイント |
|---|---|
| 着工していないか | 交付決定前に契約・着工した工事は対象外になる |
| 事前確認を受けたか | 危険空家等除却補助は「危険空家等」の判定が先。結果通知まで書類提出から2週間程度かかる |
| 施工業者の要件 | 建設業法の許可、または建設リサイクル法の登録業者に限られる |
| 税の滞納がないか | 市民税・固定資産税等の滞納があると申請できない |
| 他の補助金との重複 | 除却工事費に対して他の補助金の交付を受けていないこと |
| 所有関係の整理 | 建物・土地の所有者全員から同意が得られているか(相続登記が未了だと同意取得が難航しやすい) |
解体後は住宅用地の特例が適用されなくなり、土地の固定資産税が上がる場合があります。解体するか、修繕して活用するか、売却するかは、補助金の有無だけでなく税負担も含めて総合的に判断することをおすすめします。
空き家バンク・売却という選択肢
解体せずに建物付きのまま活用・売却したい場合や、更地にしたうえで手放したい場合は、売却の選択肢も検討します。札幌市単独の空き家バンクはありませんが、北海道が運営する「北海道空き家情報バンク」に登録することで、道内の空き家・空き地の活用希望者に情報を届けられます。札幌市もこのバンクを公式サイトで案内しています(2026年8月時点・札幌市公式サイトより)。
また、実家を売却して譲渡所得の3,000万円特別控除(被相続人の居住用財産を売却した場合の特例)を利用する場合、札幌市は要件を満たした人に対して「被相続人居住用家屋等確認書」を発行しています。この確認書は控除の申告に必要な書類のひとつで、税務上の要件(相続開始直前に被相続人が一人で居住していたことなど)を満たすかどうかは別途確認が必要です。適用の可否は個別の事情によって変わるため、税理士など専門家に確認することをおすすめします。
札幌市は民間の解体費用シミュレーターサービスや、株式会社AlbaLinkなど空き家流通に関する連携事業者も案内しています。市が直接売買を仲介するわけではありませんが、こうした窓口を通じて相談先の選択肢を広げることができます。
業者選びの注意点
片付け・解体・売却のいずれも、複数の業者を比較して選ぶことが基本です。次の点を確認してください。
- 一般廃棄物収集運搬の許可——家庭から出る廃棄物の収集運搬は許可制です。無許可の「無料回収」トラックや突然の訪問営業には応じないでください。一時多量ごみの収集運搬は、市が許可した一般財団法人札幌市環境事業公社以外に依頼できません。
- 解体業者の許可・登録——補助金を使う場合、施工業者は建設業法の許可、または建設リサイクル法に基づく登録を受けていることが条件です。補助金を使わない場合でも、同様の許可・登録の有無は業者選びの目安になります。
- 古物商許可——買取で費用を相殺するなら、古物商許可が前提です。許可番号の確認を求めても差し支えありません。
- 損害保険——搬出や解体工事での事故はゼロにできません。賠償保険への加入状況を契約前に確認します。
- 見積内訳——人件費・車両費・処分費・解体工事費・オプションの内訳がある書面をもらいます。「一式◯◯万円」だけの見積書では比較も検証もできません。
雪が積もった状態では建物や敷地の状況を正確に確認しにくいことがあります。可能であれば積雪期を避けて現地確認を行う、または過去の写真を業者に共有するなど、季節要因を考慮した見積もり依頼を心がけてください。
遠方から札幌市の実家じまいを進める方法
道外や道内の別の都市に住みながら、札幌市の実家に頻繁に通えない相続人の方は少なくありません。冬場の帰省は交通費や天候リスクも大きくなるため、遠方から段取りを進める方法を知っておくと安心です。
- 写真で概算見積もりを取る——帰省のタイミングで各部屋・収納の写真を撮影しておきます。片付けの概算はスマートフォンでの撮影でも十分です。
- 貴重品と残す物を先に指定する——通帳・印鑑・権利証などの貴重品と、形見として残したい物をリストにして伝えます。
- 立ち会いなしで作業を進める——鍵を預け、作業前後の写真報告を受ける方法です。近隣への挨拶や電気・水道の停止手続きまで任せられるかも、事前に確認しておきます。
- 冬季の管理を委託する——解体や売却の準備が整うまで期間が空く場合、除雪や見回りをどこまで代行してもらえるかを確認しておくと、遠方からでも管理不全のリスクを抑えられます。
安心実家じまいは全国対応の窓口で、遠方の場合は立ち会い不要で進められます。ご相談から作業完了までの流れはご相談の流れをご覧ください。
安心実家じまいのサービス案内
安心実家じまいは、家財の片付けから家の売却・解体の手配までを一つの窓口でお受けする全国対応のサービスです。札幌市内のご依頼も、基準を満たした提携業者が担当します。
片付けのみのご依頼は遺品整理サービスで承ります。家の処分まで続く場合は、実家じまい代行パックが割安です。
| 遺品整理サービス | 実家じまい代行パック | |
|---|---|---|
| 対象範囲 | 家財の片付けのみ | 片付けに加え、家の売却・解体の手配まで |
| 料金目安 | 間取り・物量に応じた個別見積もり | 2DKまで29.8万円/3LDKまで49.8万円/4LDK以上69.8万円〜(税別) |
| 向いているケース | 賃貸の退去や、家は残して片付けだけ済ませたい場合 | 実家の売却・解体まで見据えている場合 |
パック料金には片付けの費用が含まれます。料金の全体は料金表をご覧ください。お見積もりを確定してからのご契約で、追加の作業が見込まれる場合は作業前に金額を提示し、ご了承をいただいてから実施します。相続登記など法律手続きが絡む場合は、提携司法書士と連携して進めます。冬季の除雪・凍結対策など、札幌市の実家に特有のご相談にも対応します。
対応エリアは、中央区・北区・東区・白石区・厚別区・豊平区・清田区・南区・西区・手稲区の札幌市全10区です。実家が市内のどのあたりにあっても、まずはお気軽にご相談ください。
提携業者は、一般廃棄物収集運搬の許可や損害保険の加入状況を安心実家じまい事務局が事前に確認したうえで紹介しています。基準の詳細は提携業者の品質基準のページでご案内しています。
よくある質問
札幌市の実家じまいの費用相場はいくらですか?
札幌市に空き家解体の補助金はありますか?
札幌市に空き家バンクはありますか?
引っ越しや実家の片付けで大量に出るごみはどう処分すればいいですか?
遠方に住んでいても札幌市の実家じまいを頼めますか?
まとめ
札幌市の実家じまいは、冬季特有の管理リスクと、政令指定都市ならではの手厚い自治体制度を踏まえて進めることが大切です。要点を振り返ります。
- 実家じまいの総額は、片付け・解体・売却・手続きのどこまでを行うかで大きく変わる。片付けだけなら数万円〜60万円、解体まで含めると数百万円単位が目安
- 大型ごみは品目別に200円〜1,800円程度のシール、自己搬入なら210円/10kgが目安。400リットルを超える一時多量ごみは市の許可業者への依頼が必要
- 危険空家等除却補助制度は通常型で上限50万円、地域連携型で上限150万円。標準除却費で試算すると、通常型は事実上ほぼ一律50万円になりやすい
- 昭和56年5月31日以前築の木造住宅には、耐震関連の除却費補助(上限30万円)という別枠もある
- 札幌市単独の空き家バンクはなく、北海道空き家情報バンクが窓口。3,000万円特別控除には「被相続人居住用家屋等確認書」の発行を利用できる
- 積雪・凍結による建物劣化が早いため、方針決定と管理不全期間の短縮が結果的にコストを抑える
- 遠方在住でも、写真見積もりと立ち会いなしの作業で進められる
冬を越すたびに傷みが進みやすい札幌市の空き家は、「まだ大丈夫」と先延ばしにするほど、片付けや解体の負担が大きくなりやすい傾向があります。まずは実家の現状を写真にまとめ、片付け・解体・売却のどの組み合わせが現実的かを整理することが、費用を抑えるための近道です。実家じまい全体の進め方は実家じまいの進め方ガイドを、費用の内訳は実家じまいの費用をご覧ください。
早いこともあります
家財の片付けから家の処分のご案内まで。2DKまで29.8万円(税別)〜の定額パックです。ご相談・お見積もりは無料です。

