
久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士
東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。
■経歴
- 1966年鹿児島県生まれ
- 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
- 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
- 2013年司法書士試験合格
- 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
- 2017年司法書士法人コスモ退職
- 2018年事務所開設
- 2021年司法書士法人設立
■得意領域
- 相続登記・相続手続き
- 不動産の名義変更
- 相続放棄
- 簡易裁判所の訴訟代理
この記事の結論
- 実家じまいは片付け+家の処分(解体・売却・活用)+相続登記などの手続きをまとめて進めることです。片付けだけで終わる遺品整理とは範囲が異なります。
- 片付けの目安は2DKまで29.8万円、3LDKまで49.8万円、4LDK以上69.8万円〜(税別)。そこに解体費や売却・活用にかかる費用が加わるかどうかで総額が大きく変わります。
- 川口市には上限100万円の空家除却補助金があります。さいたま市には直接の解体補助は見当たりませんが、市内7カ所の空き家ワンストップ相談窓口が使えます。
- 実家の名義が故人や先代のままだと売却・解体の契約自体ができません。片付けと並行して相続登記の見通しを立てておくことが、結果的に一番の近道です。
実家じまいとは|遺品整理・空き家の処分とどう違うか
実家じまいという言葉は、家財の片付けだけでなく、空き家になった実家をどう処分するかという判断と、その先の名義変更や税金の手続きまでを含めて指すことが多くなっています。「片付けは終わったけれど、家をどうするか決まらないまま何年も空き家になっている」という状態は、実家じまいが半分しか終わっていないともいえます。この記事では、埼玉県の実家を対象に、片付け以降の部分、つまり家の処分方法の選び方、解体・売却の相場、自治体の補助金と相談窓口、必要な手続きを中心にまとめています。
実家じまいに含まれる3つの作業
実家じまいは、大きく分けると次の3つの作業で構成されます。それぞれ担当できる専門家や業者が異なるため、誰が何をするのかを最初に整理しておくと、依頼先を選びやすくなります。
| 作業 | 内容 | 主な依頼先 |
|---|---|---|
| 片付け | 家財の仕分け・搬出・処分、貴重品や形見の保管、仏壇の供養 | 遺品整理・生前整理の専門業者 |
| 家の処分 | 解体、または不動産会社を通じた売却・賃貸、空き家のまま維持する場合の管理 | 解体業者、不動産会社、空き家管理サービス |
| 手続き | 相続登記(名義変更)、固定資産税の確認、補助金の申請 | 司法書士、行政書士、自治体の窓口 |
家財の片付けだけを詳しく知りたい場合は、料金相場と埼玉県内の粗大ごみルールを間取り別にまとめた埼玉県の遺品整理|料金相場と粗大ごみルールを参照してください。この記事では片付け以降、家そのものをどう処分するかに絞って解説します。
遺品整理との違いを一言で言うと
遺品整理は「家の中を空にする作業」、実家じまいは「家そのものの出口を決めて完了させること」です。遺品整理を終えても、家が売れる状態・貸せる状態・解体できる状態になっていなければ、固定資産税と管理の負担だけが続きます。埼玉県のように戸建ての実家が多い地域では、片付けが終わった時点で「次にどうするか」を決めていない世帯が一定数あり、結果として空き家の放置期間が延びる要因になっています。全体の進め方の詳細は実家じまいの進め方ガイドで、費用の全体像は実家じまいの費用で紹介しています。
埼玉県の実家じまい、費用はトータルでいくらか
実家じまいの総額は、片付け費用に、家をどう処分するかで決まる費用を足し算した金額になります。まず片付け部分の目安を確認したうえで、処分方法ごとの費用感を見ていきます。
片付け(実家じまい代行パック)の目安
| 間取り | 料金目安(税別) |
|---|---|
| 2DKまで | 29.8万円 |
| 3LDKまで | 49.8万円 |
| 4LDK以上 | 69.8万円〜 |
この金額には家財の仕分け・搬出・処分の費用が含まれます。買取で相殺できる品(貴金属・着物・骨董・製造5年以内の家電など)があれば、実際の支払いはこれより下がる余地があります。個別見積もりの遺品整理サービスとの違いは実家じまい代行パックのサービス案内で確認できます。
ケース別シミュレーション:3LDK・戸建ての場合
片付けのあと、家をどう処分するかで総額がどう変わるか、3LDKの戸建てを例に概算を示します。以下はあくまで目安の計算例で、実際の金額は立地・建物の状態・不動産会社や解体業者の見積もりによって変わります。
| 処分方法 | 片付け費用 | 家の処分にかかる費用の目安 | 合計の考え方 |
|---|---|---|---|
| 解体して更地で売却 | 49.8万円 | 解体費90万〜150万円程度+仲介手数料等 | 片付け+解体費が先に必要。売却代金で一部を回収できる |
| 古家付きのまま売却 | 49.8万円 | 仲介手数料(売却額に応じて変動) | 解体費はかからないが、買い手が付きにくい場合がある |
| 賃貸に出す(リフォーム後) | 49.8万円 | リフォーム費用(規模により数十万円〜数百万円) | 初期費用は増えるが、継続収入が見込める |
| 当面は空き家のまま維持 | 49.8万円 | 固定資産税+年数回の見回り・管理費用 | 初期費用は最小だが、放置期間が延びるほど負担が累積する |
どの選択肢が合うかは、実家の立地(駅からの距離、接道の状況)、建物の傷み具合、相続人の間で誰が管理を続けるかによって変わります。判断に迷う場合は、片付けの見積もりを取る段階で、解体・売却の概算もあわせて確認しておくと、後戻りが少なくなります。
費用を左右する5つの要因
- 前面道路の幅——重機やトラックが入れる幅かどうかで、解体・搬出の作業効率が変わります。旧市街の狭い道路沿いでは、手作業や小型車両での搬出が増え、費用が上がりやすくなります。
- 建物の構造と築年数——木造より鉄骨造・鉄筋コンクリート造のほうが解体費は高くなる傾向があります。古い建物ほどアスベスト含有建材の有無を確認する工程が必要になる場合があります。
- 敷地の広さと付帯物——庭木の伐採、物置や倉庫の撤去、浄化槽・井戸の埋め戻しなど、母屋以外の作業が加わるほど総額は上がります。
- 売却のしやすさ——駅からの距離や周辺の開発状況によって、古家付きのまま売れるか、更地にしないと買い手が付きにくいかが変わります。
- 相続人間の合意状況——処分方針が決まっていないと、片付けだけ終えて家が宙に浮いた状態が続きます。早い段階で方針をすり合わせておくことが、結果的に総額を抑えることにつながります。
間取り別のケース比較(解体して更地売却の場合)
3LDK以外の間取りでも、片付け費用と解体費用の組み合わせがどう変わるか、概算の目安を示します。解体費用は延床面積に比例して増減する傾向があるため、間取りが大きいほど両方の費用がまとまって発生しやすくなります。
| 間取り | 片付け費用(税別) | 解体費用の目安 | 合計目安(解体費除く諸費用は別途) |
|---|---|---|---|
| 2DK(延床20坪程度) | 29.8万円 | 60万〜100万円程度 | 約90万〜130万円 |
| 3LDK(延床30坪程度) | 49.8万円 | 90万〜150万円程度 | 約140万〜200万円 |
| 4LDK以上(延床40坪程度) | 69.8万円〜 | 120万〜200万円程度 | 約190万〜270万円〜 |
この表はあくまで概算の目安で、実際の金額は前面道路の幅や敷地の付帯物、地域の解体業者の見積もりによって変わります。川口市の空家除却補助金のように条件が合えば、解体費部分を圧縮できる制度もあるため、対象になりそうな場合は見積もりと並行して自治体窓口に確認しておくと総額を抑えられる可能性があります。
実家じまいのスケジュール目安
片付けから家の処分まで一通り終えるのに、どの程度の期間を見ておけばよいか、目安のスケジュールを示します。相続人の合意形成や補助金の受付期間によって前後するため、あくまで目安として捉えてください。
| 工程 | 期間の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 片付け(見積もり〜作業完了) | 2週間〜1カ月程度 | 物量や現地確認の要否によって前後する |
| 相続登記の準備〜完了 | 1カ月〜3カ月程度 | 戸籍収集に時間がかかる場合はさらに延びる |
| 解体業者・不動産会社への相談〜契約 | 2週間〜1カ月程度 | 複数社比較を挟むとやや長くなる |
| 解体工事 | 1週間〜1カ月程度 | 建物の規模・構造による |
| 売却(媒介契約〜引き渡し) | 3カ月〜半年程度 | 立地・価格設定によって大きく変動する |
片付けと相続登記の準備は並行して進められるため、全体の所要期間は単純な足し算にはなりません。補助金を利用する場合は、受付期間と工事の着工時期を先に確認し、逆算してスケジュールを組むことをおすすめします。
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埼玉県の住宅事情と実家じまいの特徴
埼玉県は、都心への通勤圏として発展した北部・県南のベッドタウンと、郊外に広がる戸建て中心の住宅地とが混在する県です。実家じまいで検討する処分方法も、この住宅事情によって傾向が分かれます。
| エリア | 主な市 | 実家じまいで検討されやすい選択肢 |
|---|---|---|
| 都心近接・鉄道結節点 | さいたま市(大宮・浦和周辺) | 駅近であれば古家付きでも売却しやすく、解体を急がない選択肢も検討しやすい |
| 都心通勤圏の住宅密集地 | 川口市など県南 | 戸建て・集合住宅が混在し、道路幅の狭い区画では解体費が上がりやすい |
| 郊外・住宅団地 | 県内各地のニュータウン | 敷地が広く、庭木や物置の処分がかさみやすい。空き家のまま維持されるケースも多い |
さいたま市の実家の傾向
さいたま市は県内で最も人口の多い市で、大宮・浦和を中心に鉄道網が発達しています。駅から一定の距離にある戸建て住宅地では、古家付きのままでも住み替え需要があるため、解体せずに売却する選択肢が検討しやすい傾向があります。一方で、駅から離れた区や、区画の古い住宅地では、建物の傷みや接道条件によって解体を前提にした方が話が進みやすい場合もあります。
川口市の実家の傾向
川口市は県内で人口規模の大きい市の一つで、東京都心への通勤圏として住宅開発が進んできました。戸建てと集合住宅が混在し、道路幅の狭い区画も残っているため、解体を検討する際は前面道路の状況を早めに確認しておくと、見積もりのずれを防ぎやすくなります。川口市には後述する空家除却補助金があり、条件に該当する空き家では解体費の一部を補助で賄える可能性があります。
家をどう処分するか|解体・売却・活用の判断基準
片付けが終わったあと、家をどう処分するかは一度で決めきれない判断です。ここでは代表的な4つの選択肢を比較します。
| 選択肢 | 初期費用 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 解体して更地で売却 | 高い(解体費が先に必要) | 建物が古く、更地のほうが買い手が付きやすい立地 | 解体後は住宅用地の特例が外れ、固定資産税が上がる場合がある |
| 古家付きのまま売却 | 低い | 駅近など、建物付きでも需要が見込める立地 | 買い手側が解体費を見込んで指値することがある |
| 賃貸・空き家活用 | 中〜高い(リフォーム次第) | 継続的な収入を確保したい、手放したくない場合 | 管理会社の選定や入居者対応など運用の手間が続く |
| 当面は空き家のまま維持 | 最小 | 相続人の意見がまとまっていない、方針を決めかねている | 固定資産税と管理負担が継続し、傷みが進みやすい |
解体費用の相場と決まり方
解体費用は、木造住宅で延床面積30坪(約99平方メートル)程度なら、坪あたり3万〜5万円、総額でおよそ90万〜150万円が一つの目安として挙げられることが多い水準です。鉄骨造は坪あたり4万〜6万円、鉄筋コンクリート造は坪あたり6万〜8万円程度が目安とされ、木造より高くなる傾向があります。この幅を生む主な要因は、前面道路の幅(重機が入れるか)、隣地との距離、アスベスト含有建材の有無、地中埋設物(浄化槽・井戸・basement等)の撤去要否です。これらはいずれも現地を見なければ正確に判断できないため、複数の解体業者から見積もりを取り、内訳を比較することをおすすめします。
売却(古家付き・更地)の考え方
埼玉県内の売却相場は、駅からの距離と周辺の開発状況によって大きく左右されます。さいたま市中心部のように交通利便性の高いエリアは需要が安定しやすく、駅から離れるほど、また川口市南部や県内の郊外エリアほど、供給と需要のバランスによって価格が下がりやすい傾向があります。具体的な査定額は個別の立地・面積・建物状態で変わるため、地元の不動産会社に複数社査定を依頼し、更地にした場合と古家付きのままの場合、両方の想定価格を比較してから解体の要否を決めるという進め方が現実的です。
空き家のまま維持するリスク
方針が決まらないまま空き家を維持すると、固定資産税の負担に加えて、雨漏りやシロアリなどによる建物の劣化、庭木の繁茂による近隣トラブルのリスクが積み重なります。管理が行き届かない状態が続くと、自治体から「特定空家等」に指定されるおそれもあり、指定されると固定資産税の住宅用地特例が解除されて税負担が増える可能性があります。埼玉県の夏の高温多湿な気候も、閉め切った空き家の傷みを早める要因になります。判断を先送りにするほど、片付け直後の状態から劣化が進み、後で解体・売却するときの費用や条件が悪化しやすい点は押さえておく必要があります。
解体すると固定資産税が上がることがある理由
「住宅用地の特例」は、住宅が建っている土地の固定資産税評価額を、200平方メートルまでの部分は6分の1、それを超える部分は3分の1に軽減する仕組みです(一般的な軽減率として知られる制度で、詳細な適用条件は自治体・専門家に確認してください)。建物を解体して更地にすると、この特例が外れるため、翌年度以降の固定資産税額が上がる場合があります。逆に、自治体から「特定空家等」に指定されて放置を続けると、建物が残っていても特例が解除されることがあります。つまり「建物を残せば税金は上がらない」とは限らず、管理状態によっては解体しなくても税負担が増える可能性がある点に注意が必要です。解体するか、修繕して維持するか、早めに売却するかは、税金面も含めて判断することをおすすめします。
空き家管理サービスという選択肢
相続人の意見がすぐにまとまらず、当面は空き家のまま維持する場合、月極めの空き家管理サービスを利用する選択肢もあります。外観点検・通風・簡易清掃・郵便物の確認などを定期的に行うサービスで、月額数千円〜1万円台が相場として案内されることが多い水準です。方針が固まるまでの間、建物の劣化を最小限に抑えたい場合に検討する価値があります。前述のさいたま市の空き家ワンストップ相談窓口では、こうした管理サービスの紹介も受けられます。
住宅ローンが残っている実家の場合
実家に住宅ローンの残債があり、抵当権が設定されたままになっている場合、売却するには抵当権抹消登記が必要です。ローンの残債が売却額を上回る「オーバーローン」の状態では、金融機関との調整(任意売却など)が必要になることがあります。解体を検討する場合も、金融機関の承諾が必要になるケースがあるため、ローンが残っている実家では、片付けに着手する前に金融機関または司法書士へ確認しておくことをおすすめします。
共有名義・相続人が複数いる場合の進め方
実家が複数の相続人の共有名義になっている、またはこれから共有で相続する場合、解体や売却には共有者全員の同意が必要になるのが原則です。片付けは代表者一人の判断で進められても、解体工事の契約や不動産の売買契約は共有者全員の署名・実印が必要になることが一般的です。相続人が遠方に分散している場合は、早い段階で方針をすり合わせ、遺産分割協議書の作成や、代表者への委任の形を整えておくと、あとの手続きがスムーズになります。
さいたま市・川口市の空き家解体補助金・空き家バンク・相談窓口
家の処分方法を検討する際は、自治体の補助金や相談窓口の有無を確認しておく価値があります。埼玉県内では市によって制度の有無が大きく異なるため、実家がある市の情報を個別に確認する必要があります。ここではさいたま市・川口市の実例を紹介します。制度は年度ごとに変わることがあるため、実行前に各自治体の公式サイトで最新情報を確かめてください。
川口市の空家除却補助金
川口市には「空家除却補助金」があります。補助額は、補助対象工事費用の5分の4に相当する額か、床面積1平方メートルあたり2万5千円の額のいずれか低いほうで、上限は100万円です(千円未満切り捨て)。対象になる空き家は、1年以上居住・使用されていないもので、住宅地区改良法の不良住宅と判定され接道がなく建て替えができない敷地に建つもの、または隣接地の所有者が単独利用の困難な無接道地・狭小地を取得して10年以上管理する場合など、要件がかなり限定されています。申請者は空き家の所有者等(二親等以内の親族を含む)で、地方税を完納していることも条件です。令和8年度は、事前診断の依頼が7月1日から10月30日まで、交付申請(申し込み)が7月1日から11月13日までの受付で、工事完了後は令和9年1月29日までに完了報告書の提出が必要です。受付期間内でも予算額に達し次第、受付を終了します(2026年8月時点・川口市公式サイト「川口市空家除却補助金の受付について」より、https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki/01130/040/akiyatoutaisaku/27633.html)。対象工事は、交付決定を受けたあとに着工する工事に限られるため、先に解体業者と契約してしまうと補助の対象から外れます。申請の順番を誤らないよう、解体を検討し始めた時点で市の住宅政策課へ相談することをおすすめします。
さいたま市の空き家対応
さいたま市の公式サイト上では、老朽空き家の解体費用を直接補助する制度は2026年8月時点で確認できませんでした。代わりに、空き家対策に取り組む公益法人・NPO法人を「空家等管理活用支援法人」として指定し、相続・売却・賃貸・管理に関する相談にワンストップで応じる窓口を市内に7カ所設けています(さいたま市公式サイト「さいたま市空き家ワンストップ相談窓口をご利用ください」より、https://www.city.saitama.lg.jp/001/154/007/013/p066529.html、2026年6月18日更新)。相談窓口では、弁護士・税理士などの専門家や、不動産業者・解体業者などの協力事業者と連携した助言を受けられます。窓口ごとに管轄エリアが分かれているため、実家の区に対応した窓口を選ぶと話が早く進みます。
| 窓口名 | 管轄エリア | 電話番号 |
|---|---|---|
| NPO法人空家・空地管理センター | 全区 | 0120-336-366 |
| NPO法人空き家対策協会 相続・空き家ワンストップ相談窓口 | 全区 | 048-795-0536 |
| (公社)埼玉県宅建協会さいたま浦和支部 空き家・空き地相談センター | 中央区・桜区・浦和区・南区・緑区 | 048-834-6711 |
| (公社)埼玉県宅建協会大宮支部 空き家・空き地相談センター | 西区・北区・大宮区・見沼区 | 048-643-5051 |
| (公社)埼玉県宅建協会埼葛支部岩槻地区 空き家・空き地相談センター | 岩槻区 | 0480-31-1157 |
| 全日空家空地無料相談センター | 全区 | 048-866-5225 |
| (公財)日本賃貸住宅管理協会埼玉県支部 空き家相談窓口 | 全区 | 048-615-3838 |
(2026年6月18日時点・さいたま市公式サイトより安心実家じまい事務局が集計)区をまたいで相談したい場合や、全区対応の窓口から選びたい場合は、上表の「全区」欄を参考にしてください。受付時間や休業日は窓口ごとに異なるため、電話をかける前に公式サイトで確認しておくと二度手間になりません。
空き家バンクの状況
埼玉県は市町村ごとに空き家バンクを運営しており、県が地域別に一覧を公開しています。この一覧によると、さいたま市・川口市は2026年8月時点で空き家バンクの掲載がなく、県南エリアでは戸田市空き家バンク(建築住宅課、048-441-1800)が設置されています(埼玉県公式サイト「市町村空き家バンク」より、https://www.pref.saitama.lg.jp/a1107/akiyabanku.html、市町村窓口一覧は令和6年12月26日時点の情報)。実家がさいたま市・川口市にある場合、空き家バンクという形での掲載は選択肢にならないため、不動産会社への売却依頼や、前述のワンストップ相談窓口の利用が現実的な進め方になります。実家が県内の空き家バンク設置市町村にある場合は、登録によって活用希望者とのマッチング機会が増える可能性があります。
粗大ごみ手数料の目安
片付けの段階で自力処分できる家財を減らしておくと、実家じまい全体の費用も抑えやすくなります。さいたま市は粗大ごみ1品550円(特定適正処理困難物は1,100〜2,200円)、川口市は1点310円からの手数料で、いずれも事前申込制です(2026年8月時点・さいたま市公式サイト、川口市公式サイトより)。品目ごとの手数料や申込方法の詳細は埼玉県の遺品整理|料金相場と粗大ごみルールで一覧にまとめています。
実家じまいで必要になる手続き
家の処分方法が決まっても、名義が故人や先代のままでは、不動産会社への売却依頼も解体業者との契約も基本的に進められません。買主や施工業者は、登記簿上の所有者と契約を結ぶ必要があるためです。相続した不動産の登記(相続登記)は2024年4月から申請が義務化されており、不動産の取得を知った日から3年以内に申請する必要があります。正当な理由なく期限を過ぎると、10万円以下の過料の対象になり得ます。施行日より前に相続していた不動産も対象で、原則として2027年3月31日までに登記を済ませる必要があります。相続登記の期限・必要書類・費用の詳細は相続登記の義務化とは|期限・過料・実家を相続したらやることで解説しています。
結論としては、片付け・家の処分・相続登記は並行して進めるのが現実的です。片付けだけを先に終えても、名義変更をしなければ売却や解体には進めません。逆に登記の完了を待ってから片付けに着手すると、その間、空き家の管理不全が進んでしまいます。家財を仕分けている間に、戸籍謄本の収集や司法書士への相談を並行して進めておくと、片付けが終わった時点で家の処分に進める状態を作りやすくなります。
実家じまい業者選びの注意点
片付け・解体・売却それぞれに専門業者が関わるため、選び方の基準を分けて確認しておく必要があります。
| 確認項目 | ポイント |
|---|---|
| 一般廃棄物収集運搬の許可(片付け業者) | 実家のある市の許可業者か、許可業者と提携しているかを確認する |
| 古物商許可(買取を伴う場合) | 貴金属・着物などの買取で費用を相殺するなら許可番号を確認する |
| 建設業許可または解体工事業登録(解体業者) | 建設リサイクル法に基づく登録の有無を確認する。補助金を使う場合は要件になっていることが多い |
| 損害保険の加入 | 搬出・解体作業中の事故に備え、賠償責任保険への加入を確認する |
| 見積書の内訳 | 人件費・車両費・処分費・廃材処理費などが分けて記載されているか、追加費用の発生条件が明示されているか |
| 宅地建物取引業の免許(売却を伴う場合) | 複数の不動産会社に査定を依頼し、対応エリアの実績を比較する |
片付けと解体・売却をばらばらの業者に依頼すると、日程調整や情報共有の手間が依頼者側にかかります。窓口を一本化したい場合は、片付けから解体・売却の手配までをまとめて相談できるサービスを利用する方法もあります。無許可の回収業者や「無料回収」をうたう突然の訪問営業には応じないでください。不法投棄や高額請求のトラブルにつながることが、環境省や国民生活センターからも注意喚起されています。
実務チェックリスト:解体・売却を検討し始めたら確認すること
片付けの見積もりを取る前後で、次の項目を確認しておくと手戻りが減ります。印刷してそのまま使える粒度でまとめました。
- 実家の名義は誰になっているか(故人のまま・先代のまま・すでに変更済みか)
- 相続人は何人いて、処分方針(解体・売却・維持)について意見がまとまっているか
- 前面道路の幅は重機が入る広さか、隣地との境界は明確か
- 建物の築年数と構造(木造・鉄骨・鉄筋コンクリート)、アスベスト含有建材の有無の見込み
- 庭木・物置・浄化槽・井戸など、母屋以外に撤去が必要な付帯物はあるか
- 川口市など補助金対象になりそうな市であれば、着工前の申請期限はいつまでか
- 解体業者・不動産会社は複数社に見積もりを依頼したか、内訳を書面で比較したか
- 固定資産税評価証明書を取得し、登録免許税や固定資産税の目安を把握したか
事務局が相談を受ける中でよく見るパターン
実家じまいの相談を受けていると、次のようなパターンが繰り返し見られます。当てはまる項目があれば、早めの対応で回避できる余地があります。
- 片付けを先に終えたあと、売却しようとして初めて名義が祖父母のままだったと気づき、そこから戸籍収集を始めるため売却時期が数カ月単位で後ろ倒しになる
- 解体業者と先に契約してしまい、あとから川口市の補助金の存在を知って申請できなかった
- 相続人の一人が「とりあえず様子を見よう」と決めかね、数年空き家のまま固定資産税だけを払い続けている
- 古家付きのまま売りに出したものの、内覧のたびに家財の片付け残りを指摘され、成約までに時間がかかった
これらに共通するのは、片付け・処分方法の決定・登記の準備を別々のタイミングで考えてしまい、後から手戻りが生じている点です。相続が発生した早い段階で、名義変更の見通しと家の処分方針をあわせて整理しておくと、こうした手戻りを避けやすくなります。
遠方に住みながら埼玉県の実家じまいを進める方法
都内や他県で働きながら、埼玉県の実家に頻繁に通えない相続人の方は少なくありません。片付け・解体・売却のすべてで現地に何度も足を運ぶのは、時間と交通費の負担が大きくなります。遠方から進める場合は、次の段取りが現実的です。
- 片付けは写真で概算見積もりを取る——帰省のタイミングで各部屋・収納・庭を撮影しておけば、離れていても概算が出ます。
- 解体・売却は複数社に同時に相談する——地元の解体業者と不動産会社に、それぞれ現地確認を依頼し、更地にした場合と古家付きのままの場合、両方の想定額を比較します。
- 相続登記は司法書士に代行してもらう——戸籍の収集や法務局とのやり取りは、平日の窓口対応が難しい遠方在住者ほど、専門家に任せたほうが手戻りが少なくなります。
- 補助金の申請は着工前に段取りを確認する——川口市の補助金のように、契約・着工前の申請が前提の制度が多いため、遠方から進める場合ほどスケジュールに余裕を持たせておく必要があります。
片付け・解体・売却・登記をそれぞれ別の窓口に依頼すると、進捗の管理だけでも負担になります。安心実家じまいは全国対応の窓口で、遠方の場合は鍵預かりと写真報告で立ち会いなしに進められます。ご相談から作業完了までの流れはご相談の流れをご覧ください。
安心実家じまいのサービス案内
安心実家じまいは、遺品整理から家の売却・解体の手配までを一つの窓口でお受けする全国対応のサービスです。埼玉県内のご依頼も、基準を満たした提携業者が担当します。
片付けのみのご依頼は遺品整理サービスで承ります。家の処分まで続く場合は実家じまい代行パックが割安です。パック料金は遺品整理を含んで2DKまで29.8万円、3LDKまで49.8万円、4LDK以上69.8万円〜(税別)です。料金の全体は料金表をご覧ください。
お見積もりを確定してからのご契約です。追加の作業が見込まれる場合は作業前に金額を提示し、ご了承をいただいてから実施します。相続登記など法律手続きが絡む場合は、提携司法書士と連携して進めます。解体・売却の手配が必要な場合も、基準を満たした提携業者をご案内します。対応エリアは、さいたま市・川口市をはじめ、川越市・越谷市・所沢市など埼玉県全域です。
よくある質問
埼玉県の実家じまいはトータルでいくらかかりますか?
遺品整理と実家じまいは何が違いますか?
川口市の空き家解体補助金はどんな内容ですか?
さいたま市に解体費用の補助金はありますか?
遠方に住んでいても埼玉県の実家じまいを頼めますか?
実家を解体すると固定資産税は上がりますか?
片付け・解体・売却は同じ業者にまとめて頼めますか?
まとめ
埼玉県の実家じまいは、片付けの費用感だけでなく、家をどう処分するかという判断と、名義変更などの手続きをあわせて考えることが大切です。要点を振り返ります。
- 実家じまいは片付け+家の処分+手続きの3つで構成される。遺品整理は片付け部分のみを指す
- 片付けの目安は2DKまで29.8万円、3LDKまで49.8万円、4LDK以上69.8万円〜(税別)
- 解体費用は木造30坪程度で90万〜150万円が一つの目安。構造や立地、付帯物の有無で変動する
- 川口市には上限100万円の空家除却補助金がある。着工前の申請が前提のため段取りに注意する
- さいたま市に直接の解体補助はないが、市内7カ所の空き家ワンストップ相談窓口が利用できる
- さいたま市・川口市は県の空き家バンク一覧に掲載がなく、近隣では戸田市が設置している
- 名義が故人や先代のままでは売却・解体の契約ができない。片付けと相続登記は並行して進める
- 遠方在住でも、写真見積もりと立ち会いなしの作業で片付けから家の処分まで進められる
実家をどう処分するかは、片付けが終わった直後に急いで決める必要はありませんが、方針を先送りにするほど固定資産税と管理の負担が積み重なります。まずは片付けの見積もりを取る段階で、解体・売却の概算もあわせて確認し、家の名義が誰になっているかを合わせて調べておくことが、遠回りを避ける近道です。片付けの詳しい料金相場と粗大ごみルールは埼玉県の遺品整理|料金相場と粗大ごみルールを、実家じまい全体の進め方は実家じまいの進め方ガイドをご覧ください。
早いこともあります
家財の片付けから家の処分のご案内まで。2DKまで29.8万円(税別)〜の定額パックです。ご相談・お見積もりは無料です。

