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出張買取の押し買いトラブルと遺品整理|対処法とクーリング・オフの手続き

最終更新日:2026年10月12日|監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

監修の範囲:相続・登記・法務に関する記述(司法書士・行政書士の業務範囲)。片付け・買取・費用相場などの記述は安心実家じまい事務局が編集しています。監修者プロフィール

税金について:税額の計算や特例を使えるかどうかの判断は税理士の業務で、監修の範囲に含みません。申告の前に、税理士または所轄の税務署でご確認ください。

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 遺品整理中の「出張買取」は、法律上は特定商取引法の「訪問購入」として規制されており、事業者が頼んでいない物まで買い取る「押し買い」や、強引な勧誘は違法行為にあたります。
  • 契約書面を受け取った日を1日目として8日以内ならクーリング・オフでき、クーリング・オフ期間中は品物を事業者に引き渡さなくてよい権利(引渡し拒絶権)があります。すでに渡してしまっても、期間内なら取り戻せます。
  • 自動車・家具・家電・本やCD・DVD・ゲームソフト類・有価証券は訪問購入規制の対象外でクーリング・オフできません。何が対象かを先に確認してください。
  • その場で判断に迷ったら「今日は決めません」と断るのが最も確実な自衛策です。困ったときは消費者ホットライン「188(いやや!)」にまず電話してください。
目次

遺品整理の「出張買取」で起きる押し買いとは

遺品整理を進めていると、「不要品はありませんか」「お着物や貴金属を査定します」といった電話やチラシをきっかけに、自宅へ出張買取業者を呼ぶ場面があります。遺品整理の最中は、家じゅうの物を一度に仕分ける必要があり、普段よりも判断力が落ちやすいタイミングです。悪質な業者は、こうした状況を狙って訪問してくることがあります。

「押し買い」とは、本来依頼していない品物まで強引に買い取ろうとする行為を指す俗称です。たとえば、指輪一つの査定を頼んだはずが、「ついでに見せてほしい」と言われるまま通帳や他の貴金属まで出してしまい、まとめて安値で買い取られてしまうといった事例が各地の消費生活センターに寄せられています。遺品整理では、形見として残したかった品や、本来は相続財産として遺産分割の対象になるはずの品まで、本人の意思が曖昧なまま持ち去られてしまう危険があります。形見分けの進め方については形見分けはいつ行う?贈与税・相続放棄との関係で詳しく解説しています。

遺品整理と出張買取が重なりやすい理由は、主に次の3つです。

  • 遺品整理の現場には、貴金属・着物・骨董品など買取業者が好む品目が集中して出てくる
  • 喪主や遺族は多忙で心身の余裕がなく、「早く片付けたい」という気持ちにつけ込まれやすい
  • 高齢の親族が一人で対応するケースがあり、強引な勧誘に対して断りづらい

古物営業法との関係|古物商許可のない業者に要注意

出張買取を行う業者は、古物営業法に基づく「古物商許可」を得て営業するのが原則です。許可を得た業者は、営業所の所在地を管轄する公安委員会から許可番号の交付を受け、名刺や契約書、車両などにその番号を表示していることが一般的です。訪問時に古物商許可証の提示を求めても見せない、番号を聞いても曖昧にごまかす業者は、無許可営業の可能性があり、特に注意が必要です。

古物営業法では、古物商に対して本人確認の実施や、取引内容を記録した帳簿の備え付けなどが義務づけられています。これは盗品等の流通を防ぐための仕組みであると同時に、取引をした消費者が後から「いつ・誰に・何を売ったか」を追跡できるようにする意味も持ちます。遺品整理の現場で品物を渡す際は、相手の古物商許可番号・会社名・所在地・電話番号を控えておくと、後日トラブルになった場合の手がかりになります。無許可の業者に品物を渡してしまうと、相手の実在性そのものが確認しづらく、クーリング・オフの通知を送ろうにも連絡先が分からないという事態になりかねません。

許可番号を確認する方法

古物商許可番号が分かれば、社名・代表者名・電話番号とあわせて検索し、過去にトラブルの報告がないかを確認することが有効です。訪問を受け入れる前、あるいは電話で出張を依頼する段階で、こうした確認を済ませておくと、当日になって慌てずに済みます。古物商許可証の提示を渋る、あるいは「後で見せる」と先延ばしにする業者は、その時点で依頼を見送る判断材料になります。

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出張買取でよくあるトラブルパターン【比較表】

消費生活センターに寄せられる相談をもとに、遺品整理の場面で起きやすいトラブルの型を整理しました。自分の状況に近いものがないか、まず確認してください。

トラブルの型 具体的な状況 該当しやすい規制・対処
依頼していない品まで査定・買取 指輪1点の見積もりのはずが、他の貴金属や着物まで出すよう求められ、まとめて買い取られる 「押し買い」として特定商取引法の訪問購入規制に抵触する可能性。クーリング・オフの対象
強引な勧誘・帰らない 「今日決めてほしい」「サインするまで帰れない」と長時間居座られる 再勧誘の禁止・不招請勧誘規制に抵触する可能性。応じず、消費生活センターに相談
相場より著しく安い査定額 市場価格を知らないまま提示額に応じてしまい、後で相場を調べて愕然とする 契約自体は成立しているが、書面受領から8日以内ならクーリング・オフ可能
クーリング・オフの説明がない 書面を渡されない、またはクーリング・オフに関する記載が省かれている 法定書面の不備。この場合は8日間の起算が始まらず、後からでもクーリング・オフできる可能性がある
形見・相続財産を誤って売却 遺族の総意を得ないまま、同居していた一人の判断で高額品を売却してしまう 遺産分割協議前の財産処分はトラブルの火種。相続放棄予定がある場合は特に注意
持ち去り後に連絡が取れない 買取後に業者名や電話番号を控えておらず、返品・相談の連絡先がわからない 契約書面・名刺・古物商許可番号を必ずその場で確認・保管しておく

法律上の位置づけ:特定商取引法の「訪問購入」規制

事業者の店舗以外の場所、つまり自宅などで消費者から物品を買い取る取引は、特定商取引法上「訪問購入」として規制されています。この規制は、増加する押し買い被害を受けて設けられたもので、遺品整理の現場で起きる出張買取トラブルの多くがこの規制の対象になります。

事業者に課される主なルール

訪問購入を行う事業者には、次のようなルールが課されています。

  • 不招請勧誘の禁止——消費者から要請されていないのに、訪問して売却を勧誘することは原則禁止されています(ただし勧誘を依頼した場合などは除く)
  • 再勧誘の禁止——消費者が契約しない意思を示したあとに、重ねて勧誘することは禁止されています
  • 氏名等の明示義務——訪問時に事業者名・勧誘担当者名・契約の締結について勧誘する目的であること・物品の種類を明らかにする義務があります
  • 書面交付義務——申込みを受けたとき、契約を締結したときに、法定事項を記載した書面を渡す義務があります
  • 引渡しの拒絶権——クーリング・オフ期間中は、消費者は物品の引き渡しを拒むことができます。すでに引き渡していても、クーリング・オフをすれば業者は品物を返還しなければなりません

遺品整理の最中に「査定だけのつもりが契約書にサインさせられた」「書面の説明がよくわからないまま品物を渡してしまった」という場合、この書面交付義務や引渡しの拒絶権を知っているかどうかで、その後の対応が大きく変わります。

クーリング・オフが使えない品目に注意

訪問購入のクーリング・オフには対象外の品目があります。国民生活センターの案内によると、二輪車以外の自動車、家具、大型家電(スツールのような小型品は該当しないことがあります)、本・CD・DVD・ゲームソフト類、有価証券は訪問購入の規定の適用対象外とされ、クーリング・オフできません。遺品整理で持ち出されやすい貴金属・時計・着物・骨董品・美術品は、原則としてクーリング・オフの対象に含まれます。何を売ったかによって使える制度が変わるため、まずは品目を確認することが先決です。

出典:国民生活センター「クーリング・オフ」FAQ、消費者庁 特定商取引法ガイド(訪問購入)

相談現場でよく見られるパターンと見抜き方

各地の消費生活センターに寄せられる相談には、遺品整理の場面に特有の共通点があります。自分や家族が同じ状況に置かれていないか、以下のパターンと照らし合わせてみてください。

パターン1:電話勧誘から訪問につながるケース

「不要品はありませんか」「着物や貴金属を高価買取します」といった電話をきっかけに、訪問の約束を取り付けられるケースです。電話の時点で社名・古物商許可番号・訪問予定の担当者名を確認し、曖昧な回答しか得られない場合は、その時点で訪問を断ることも選択肢です。遺品整理そのものを急ぐ必要がない場合は、電話口での即日対応は避け、日を改めて家族と相談する時間を作ることをおすすめします。

パターン2:一品の査定のつもりが全体の買取交渉に発展するケース

最初は時計や指輪など特定の一品だけを見せるつもりが、「ほかにもないですか」と促され、次々に品物を出してしまい、まとめて契約してしまう流れです。見せる品物をあらかじめ決めておき、それ以外は別室や鍵のかかる場所に保管しておくことで、この流れ自体を防ぐことができます。

パターン3:家族の同意を得ずに高額品を処分してしまうケース

同居していた遺族が一人で判断し、他の相続人に知らせないまま高額な骨董品や貴金属を売却してしまうケースです。遺産分割協議が終わっていない財産は、本来は相続人全員の合意のもとで扱うべきものです。買取自体が合法であっても、後から「なぜ勝手に売ったのか」という感情的な対立に発展することがあり、法律上の問題とは別に、親族関係への影響にも注意が必要です。

クーリング・オフの実務手順【手順表・書き方つき】

「渡してしまったあとに気づいた」という場合でも、慌てる必要はありません。期間内であれば手続きで取り戻せます。実務の流れを手順表にまとめました。印刷してご利用ください。

手順 やること ポイント
1. 起算日の確認 法定書面を受け取った日を1日目として数える 書面を渡されていない、または記載に不備がある場合は起算が始まっていない可能性がある。司法書士や消費生活センターに確認する
2. 8日以内かの確認 起算日から8日以内であればクーリング・オフ可能 郵送で通知する場合は、発信(投函)した日が基準になる。期限ぎりぎりの場合は特定記録郵便や簡易書留で発信日を記録する
3. 通知書面の作成 契約解除の意思を書面(はがき等)で通知する 「契約を解除します」という文言、契約日、業者名、品目、氏名・住所を明記する。両面をコピーし、控えを必ず残す
4. 発送・記録の保存 特定記録郵便・簡易書留・内容証明郵便などで送付する 配達記録が残る方法を選ぶ。普通郵便のみでの通知は、後日「届いていない」と争われるリスクがある
5. 品物の返還請求 クーリング・オフ期間中に引き渡していた場合は、業者に返還を求める 業者はクーリング・オフに応じる場合、物品の返還に必要な費用を負担する義務がある
6. 応じない場合の相談 業者が返還に応じない、連絡が取れない場合は専門窓口に相談する 消費者ホットライン「188」、警察相談専用電話「#9110」、弁護士への相談を検討する

クーリング・オフは、業者の承諾を必要とせず、消費者側の通知だけで効力が生じる制度です。業者から「クーリング・オフはできない」と言われても、法律上の要件を満たしていれば効力があるため、まずは通知書面を送ることを優先してください。判断に迷う場合は、送付前に消費生活センターや弁護士に内容を確認してもらうと安心です。

状況別シミュレーション:あなたの場合どう動くか

遺品整理の現場で実際に起こりやすい4つの状況について、取るべき対応を整理しました。自分の状況に近いケースを確認してください。

ケースA:今まさに業者が家の中にいて、強引に勧められている

その場で契約書にサインする必要はありません。「今日は決めません」「家族に確認してから返事します」と伝え、判断を保留してください。帰らない、何度も勧めてくるといった場合は、無理に対応を続けず、その場で消費者ホットライン「188」に電話するか、家族を呼ぶなどして一人で対応し続けない状況を作ることが重要です。契約を急がせる業者ほど、冷静に考える時間を与えたくないと考えている可能性があります。

ケースB:その場の流れで買い取られてしまった直後

まず、受け取った書面(契約書・領収書など)と、業者名・連絡先・古物商許可番号を確認し、保管してください。書面がクーリング・オフの期間内であれば、通知書面を準備し、できるだけ早く発送することをおすすめします。品物を引き渡していても、取り戻せる可能性があります。書面を受け取っていない、もしくは内容が分からない場合は、自己判断せずに消費生活センターへ相談してください。

ケースC:数日〜1週間ほど経ってから「しまった」と気づいた

起算日からの経過日数をまず確認してください。8日を超えていても、書面交付義務の不備(必要事項の記載漏れなど)があった場合は、クーリング・オフができる可能性が残っていることがあります。この判断は個々の契約書面の内容によって変わるため、自己判断で「もう無理だ」と諦めず、消費生活センターや弁護士に書面を見せて相談することをおすすめします。

ケースD:高額な貴金属・骨董品を安値で買い取られてしまった

高額品は、相続財産として遺産分割協議の対象になっていた可能性や、形見分けとして渡す予定だった可能性があります。他の相続人の同意を得ないまま処分してしまった場合、相続人間のトラブルに発展することもあります。クーリング・オフの手続きと並行して、相続財産としての扱いに疑問がある場合は司法書士や弁護士に相談し、必要であれば他の相続人にも早めに事情を共有してください。

遺品整理中にトラブルを防ぐための実務チェックリスト

出張買取を依頼する・業者の訪問を受け入れる前に、確認しておきたい項目を一覧にしました。印刷して、着手前の確認用にご活用ください。

確認項目 チェックのポイント
アポなし訪問に応じない 事前連絡のない飛び込み訪問は、その場で査定を受けず日を改める
一人で対応しない 高齢の親族だけで対応させず、家族や親族の立ち会いを調整する
見せる品物を事前に決めておく 査定を依頼する品物だけを用意し、それ以外は別室に保管しておく
相場を事前に調べる 貴金属の重量・品位、着物の種類など、大まかな相場感を持ってから査定に臨む
業者名・古物商許可番号の確認 名刺・古物商許可証の提示を求め、社名で検索して実在性を確認する
契約書面の受領と保管 書面を必ず受け取り、クーリング・オフに関する記載があるか確認する
相続財産・形見分け対象の除外 遺産分割協議が済んでいない財産、形見分け予定の品は査定に出さない
その場で即決しない 「今日は決めない」を基本方針にし、持ち帰って検討する時間を作る

このチェックリストの中でも、特に効果が大きいのは「見せる品物を事前に決めておく」ことと「その場で即決しない」ことです。この2つを徹底するだけで、押し買いの被害の多くは未然に防げます。

遠方の家族が気をつけたいサイン

実家じまいを進める過程では、遠方に住む子ども世代が、実家に残る高齢の親や親族に代わって対応を考える場面も多くあります。押し買いの被害は、一人暮らしや高齢の家族が標的になりやすい傾向があるため、離れて暮らしている場合ほど、次のようなサインに注意してください。

  • 見慣れない業者の名刺や契約書、領収書が家の中に増えている
  • 貴金属や着物など、以前はあった品物が見当たらなくなっている
  • 「業者さんが親切にしてくれる」と本人が繰り返し話す業者がいる
  • 電話勧誘の後、急に「来週、業者が来ることになっている」と本人が話す

こうしたサインに気づいたら、責めるのではなく「どんな業者か一緒に確認しよう」という姿勢で話を聞くと、本人も話しやすくなります。帰省のタイミングで契約書や領収書をまとめて確認し、クーリング・オフの期間内であれば早めに通知手続きを進めてください。実家が遠方にあり頻繁に様子を見に行けない場合は、電話やビデオ通話で定期的に状況を確認する習慣を作ることも、被害の早期発見につながります。普段から「訪問業者が来たら、契約する前に必ず一本電話してほしい」と伝えておくだけでも、本人が一人で即決してしまう事態を防ぎやすくなります。

相談先の一覧

困ったとき、一人で抱え込まずに次の窓口を利用してください。

相談先 連絡先・特徴
消費者ホットライン 電話番号「188(いやや!)」。最寄りの消費生活センター・消費生活相談窓口につながる
警察相談専用電話 「#9110」。緊急性がない相談・悪質な勧誘や押し買いの相談に対応
司法書士・弁護士 相続財産に関わる処分、クーリング・オフの書面作成、業者との交渉が必要な場合に相談
法テラス(日本司法支援センター) 収入等の条件を満たせば無料法律相談が利用できる。電話0570-078374
警察(緊急時) 家の中から帰らない、脅すような言動があるなど、身の危険を感じる場合は110番も検討する

どの窓口に相談すればよいか分からない場合は、まず「188」にかけるのが近道です。内容に応じて、警察や法律の専門家につなぐべきかどうかも含めて、相談員が整理してくれます。一人で判断して泣き寝入りする必要はありません。

消費生活センターへの相談の流れ

「188」に電話すると、郵便番号や電話番号から最寄りの消費生活センター・消費生活相談窓口に自動的につながります。相談は無料で、相談内容の秘密は守られます。電話をかける前に、次の情報を手元に用意しておくと、話がスムーズに進みます。

準備しておくもの 理由
契約書面・領収書 契約日・金額・品目・クーリング・オフの記載有無を確認するため
業者の名刺・古物商許可番号のメモ 事業者の特定、実在性の確認のため
やり取りの経緯のメモ(日時・会話内容) 勧誘の態様が規制に抵触するかどうかの判断材料になる
品物の写真(渡す前・渡した後) 返還請求や被害額の算定に役立つ

相談員は、契約内容や経緯を聞いたうえで、クーリング・オフの対象になるか、どのような書面を送ればよいかを一緒に整理してくれます。相談だけで解決しない場合は、弁護士会の法律相談や法テラスの紹介を受けられることもあります。「こんなことで相談していいのか」とためらう必要はなく、少額の被害や、まだ被害が確定していない段階の相談にも対応しています。訪問を受けている最中でも、スマートフォンがあればその場で電話をかけて相談することも可能です。

遺品整理業者併設の買取と、訪問買取専門業者の違い

同じ「出張で買い取る」業者でも、遺品整理を本業としてその一部に買取サービスを併設している業者と、買取だけを目的に訪問してくる専門業者とでは、取引の前提が異なります。遺品整理業者の場合、仕分け・搬出・供養といった作業全体の見積もりの中で、買取額を差し引く形で提案されることが一般的で、品物を見せる・見せないの判断も、作業全体の流れの中で落ち着いて行えます。一方、買取専門の訪問業者は、その場で査定・契約・搬出までを完結させることを前提に営業しており、滞在時間も短く、即決を迫られやすい傾向があります。

どちらを選ぶにしても、事前に見積もり内容が明確か、契約を急がせないか、書面をきちんと交付するかを基準に判断すると、押し買いのリスクを大きく減らせます。特に遺品整理と買取を同時に進めたい場合は、仕分け作業そのものを任せられる業者に相談したほうが、貴重品を落ち着いて選別できるという利点があります。複数の業者から見積もりを取る場合も、電話口での即決を求める業者と、訪問日程をこちらの都合に合わせて調整できる業者とでは、対応の姿勢そのものが異なることが多く、見積もり段階での対応を比較材料にすることもできます。

遺品整理と買取を安全に両立させる方法

遺品整理の中で、貴金属や骨董品など価値のある品が出てくること自体は珍しくありません。問題は、査定や買取を依頼する相手をどう選ぶかです。安心実家じまいでは、仕分けの段階で形見分け候補や相続財産として扱うべき品を分けて保管したうえで、査定・買取の手配もあわせてご相談いただけます。飛び込みの訪問買取とは異なり、作業内容や見積もりを書面で事前にご案内し、その場での即決を求めることはありません。遠方にお住まいで立ち会いが難しい場合も、鍵をお預かりして進める方法があります。仏壇・位牌などの供養が必要な品は、閉眼供養やお焚き上げの手配も別途ご相談いただけます。遺品整理全体の費用の考え方は遺品整理費用は相続財産から出せる?支払い方3つ・相続税・相続放棄の注意点もあわせてご覧ください。

すでに訪問買取でトラブルになっている場合でも、遺品整理そのものは並行して進められます。査定・買取が絡む品物は先に取り分けておき、残りの家財の仕分け・搬出だけを先行して進めることも可能です。まずは写真を送るだけの無料見積もりから、ご不安な点をあわせてご相談ください。

よくある質問

出張買取で依頼していない品まで買い取られた場合、必ずクーリング・オフできますか?
自動車・家具・大型家電・本やCD・DVD・ゲームソフト類・有価証券などクーリング・オフの対象外とされる品目を除き、多くの場合クーリング・オフの対象になります。契約書面を受け取った日から8日以内であれば手続き可能です。品目や契約内容によって扱いが変わるため、判断に迷う場合は消費生活センターや弁護士に契約書面を見せて確認することをおすすめします。
クーリング・オフの期間が過ぎてしまったら、もう取り戻せませんか?
8日を超えていても、業者が法定の契約書面を渡していなかった、または記載内容に不備があった場合は、クーリング・オフの起算が始まっていないとみなされ、期間が過ぎていても手続きできる可能性があります。自己判断で諦めず、契約書面を持って消費生活センターや弁護士に相談してください。
親が一人で対応して高額な貴金属を安値で売ってしまいました。どうすればよいですか?
まず契約書面と業者の連絡先を確認し、クーリング・オフの期間内かを確認してください。期間内であれば通知書面で契約解除の手続きを進められます。あわせて、その品物が遺産分割の対象になる可能性がある場合は、他の相続人にも早めに事情を共有し、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
出張買取の訪問そのものを断ることはできますか?
できます。特定商取引法では、消費者から要請していない訪問勧誘(不招請勧誘)は原則禁止されています。「依頼していないので結構です」とはっきり伝えて断ることができ、一度断ったあとに重ねて勧誘することも禁止されています。しつこく訪問が続く場合は、消費生活センターに相談してください。
古物商許可を持っていない業者に買い取られた場合、どうすればよいですか?
古物営業法上、無許可で古物営業を行うことは違法です。取引の相手が無許可営業である疑いがある場合は、警察(#9110)や消費生活センターに相談してください。クーリング・オフが使える契約であれば、並行して通知書面の送付も進めることをおすすめします。

まとめ

遺品整理中の出張買取トラブルは、急いでいる・判断力が落ちているタイミングを狙われることで起こります。要点を振り返ります。

  • 出張買取は特定商取引法の「訪問購入」として規制されており、依頼していない品まで買う「押し買い」は違法性が疑われる行為
  • 契約書面受領日から8日以内ならクーリング・オフ可能。引渡し拒絶権もあり、渡した品も取り戻せる
  • 自動車・家具・大型家電・本やCD・DVD・ゲームソフト類・有価証券はクーリング・オフの対象外
  • 書面の不備があれば、8日を過ぎていても手続きできる可能性がある。自己判断せず専門窓口に相談する
  • 古物商許可番号・業者名・連絡先はその場で確認し、控えておく
  • その場で即決せず「今日は決めません」と伝えることが最大の予防策
  • 困ったら消費者ホットライン「188」、緊急性があれば警察相談「#9110」や110番へ

遺品整理の中で貴重品が出てきた場合、信頼できる依頼先を選ぶことがトラブルを避ける一番の近道です。判断に迷う品物や、相続・法律に関わる手続きが絡む場合は、一人で抱え込まず司法書士や弁護士など専門家に相談してください。すでにトラブルに巻き込まれている場合も、時間が経つほど解決の選択肢が狭まることがあります。「もう取り戻せないかもしれない」と自己判断する前に、まずは消費者ホットライン「188」に電話し、状況を整理するところから始めてみてください。形見分けの進め方については形見分けはいつ行う?贈与税・相続放棄との関係もあわせてご覧ください。

読むより、聞いたほうが
早いこともあります

仕分け・搬出・ご供養・買取まで。写真を送るだけで概算のお見積もりをお出しします。ご相談・お見積もりは無料です。

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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
運営は株式会社Sora Capital(東京都渋谷区・安心実家じまい事務局)です。相続・登記・法務に関する記述は、提携の司法書士・行政書士 久留慎一郎が監修しています。税額の計算や申告の判断は、税理士にご確認ください。

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