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遺品整理はいつから始める?時期の目安と四十九日・相続の関係

最終更新日:2026年8月6日|監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 遺品整理そのものに「いつまでに始めなければならない」という法律上の期限はありません。多くの人は四十九日法要が終わった後、死亡から1〜2ヶ月ほど経ってから始めています。
  • ただし相続放棄(3ヶ月)・相続税の申告(10ヶ月)・相続登記の申請(3年)という「相続」に関する期限は別に存在し、遺品整理の進め方に影響します。とくに相続放棄を検討している場合は、遺品の処分の仕方に注意が必要です。
  • 賃貸物件は退去期限、持ち家は相続手続きの節目から逆算するのが現実的な目安です。状況別の開始タイミングを比較表にまとめました。
  • 早すぎる処分も、遅すぎる先延ばしも、それぞれ別のリスクがあります。死亡から遺品整理までのタイムラインと、ケース別の逆算スケジュール例で確認できます。
目次

遺品整理はいつから始めても構わない?法律上の期限を確認

結論からいうと、遺品整理そのものを「いつまでに始めなければならない」と定めた法律はありません。何日以内に着手しなければ罰則があるといった規定は存在せず、始める時期はご遺族の判断に委ねられています。実際には、気持ちの整理がつくまで数ヶ月から1年以上かけてから手をつける方もいれば、退去期限や相続手続きの都合で死亡直後から動き出す方もいます。

ただし「遺品整理そのものに期限がない」ことと「関連する手続きに期限がない」ことは別の話です。遺品整理を進めるかどうかの判断は、次にあげる相続まわりの期限を把握したうえで決めるほうが、後になって慌てずに済みます。

相続に関する3つの期限

遺品整理の時期を考えるうえで意識しておきたいのは、次の3つの期限です。いずれも遺品そのものではなく、相続手続きに関する期限ですが、遺品整理の進め方と密接に関わります。

手続き 期限の目安 起算点
相続放棄・限定承認の申述 3ヶ月以内 自己のために相続の開始があったことを知った時から(民法915条)
相続税の申告・納税 10ヶ月以内 被相続人の死亡を知った日の翌日から(国税庁)
相続登記の申請 3年以内 相続により不動産の取得を知った日から(2024年4月1日施行・法務省)

相続放棄を検討する可能性が少しでもある場合、最も注意すべきなのが3ヶ月の期限です。この期間は「熟慮期間」と呼ばれ、家庭裁判所に申述するかどうかを判断するための時間です。詳しくは後述しますが、この期間内に遺品(相続財産)を処分してしまうと、単純承認したとみなされ、原則として相続放棄ができなくなる場合があります。遺品整理を始める前に、相続放棄の可能性があるかどうかを家族で共有しておくことが重要です。

起算点である「自己のために相続の開始があったことを知った時」は、死亡日そのものとは異なる場合があります。疎遠だった親族の遺品整理を頼まれた場合など、死亡の事実や自分が相続人であることを後から知ったケースでは、その事実を知った日から3ヶ月が起算点になります。逆にいえば、同居していて死亡に立ち会った場合は、死亡日がそのまま起算点になるのが通常です。ご自身がどちらのケースにあたるか分からない場合は、早めに司法書士へ確認しておくと安心です。

負債の調査に時間がかかり、3ヶ月以内に相続放棄をするかどうか決めきれない場合は、家庭裁判所に申立てをすることで熟慮期間の伸長が認められることがあります。伸長が認められるかどうかは家庭裁判所の判断によるため、期限が近づいてきた段階で放置せず、早めに司法書士や弁護士へ相談することをおすすめします。なお、相続財産の範囲内でのみ債務を引き継ぐ「限定承認」という選択肢もありますが、相続人全員で申述する必要があるなど手続きが複雑なため、利用を検討する場合は専門家のサポートを受けるのが現実的です。

相続税の申告が必要になるのは、遺産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合です。該当しそうな場合は、10ヶ月という期限から逆算して、遺品整理・不動産の評価・相続人間の話し合いを進める必要があります。相続登記の3年という期限は比較的長く感じられますが、相続人が複数いて話し合いが長引くケースでは、あっという間に過ぎてしまうこともあります。相続登記が済んでいないと、実家の売却や解体も進められません。

賃貸物件には別の「事実上の期限」がある

持ち家と違い、賃貸物件では家賃が発生し続けるという事実上の期限があります。契約者が亡くなっても賃貸借契約は自動的には終了せず、相続人が契約上の地位を引き継ぐのが原則です。解約の意思表示をするまで家賃は発生し続けるため、管理会社や大家との解約手続き、明け渡しまでの期間を早めに確認しておくことが、費用面での負担を抑える近道になります。契約内容や管理会社の対応によって流れが異なるため、まずは契約書を確認し、早い段階で管理会社に連絡することをおすすめします。

遺品整理と生前整理、どちらのタイミングで検討するか

ここまでは、亡くなった後に行う「遺品整理」を前提に説明してきましたが、本人が元気なうちに身の回りを整理する「生前整理」という選択肢もあります。すでに実家の親が高齢で、将来的な片付けが見えている場合は、本人の意向を確認しながら少しずつ進める生前整理のほうが、形見分けや供養の希望を反映しやすい面があります。一方、すでに相続が発生している場合は、この記事で扱う遺品整理として、相続の期限を意識しながら進めることになるでしょう。どちらのタイミングにいるかによって、意識すべき期限も変わってくる点を押さえておいてください。

状況別|遺品整理を始める時期の目安

「いつから始めるべきか」は、住まいの種類や相続の状況によって現実的な目安が変わります。ご自身の状況に近いものを確認してください。

状況 始める時期の目安 理由・注意点
持ち家・急ぎの事情がない 四十九日後〜数ヶ月以内 気持ちの整理をつけながら進めやすい。相続税申告が必要なら10ヶ月から逆算する
賃貸物件 できるだけ早め(死亡後1〜2週間目安に検討開始) 解約が完了するまで家賃が発生し続けるため
相続放棄を検討中 放棄の判断が固まってから、または専門家に相談してから 先に遺品を処分すると単純承認とみなされるおそれがある
特殊清掃が必要(孤独死・長期空き家など) できるだけ早く(数日〜1週間以内が目安) 臭気・害虫・害獣被害の進行を防ぐため
売却・解体を予定 相続登記や名義確認と並行してすぐに検討開始 登記が済まないと売却・解体契約が進められないため

この表はあくまで一般的な目安であり、正解はひとつではありません。次から、それぞれの状況をもう少し詳しく見ていきます。

賃貸物件に住んでいた場合

賃貸物件では、退去が完了するまで家賃が発生し続けるのが基本です。相続人が複数いる場合、誰がどこまで対応するかを早めに決めておかないと、話し合いだけで数週間が過ぎてしまうこともあります。管理会社への連絡、鍵の所在確認、残置物の扱いについての取り決めは、死亡後できるだけ早く進めておきたい項目です。退去期限が決まったら、そこから逆算して遺品整理の日程を組みます。

持ち家の実家を片付ける場合

持ち家であれば、家賃のような継続的な費用負担がない分、時期の自由度は高くなります。四十九日を過ぎてから、気持ちが落ち着いたタイミングで着手する方が多い理由もここにあります。ただし空き家のまま放置する期間が長くなると、後述するとおり別のリスクが生じる点には注意してください。相続税の申告が必要な見込みがあるなら、10ヶ月という期限を意識したスケジュールを組んでください。

相続放棄を検討している場合

被相続人に借金や保証債務があるなど、相続放棄を検討する可能性がある場合は、遺品整理の進め方に特に注意が必要です。3ヶ月の熟慮期間中に遺品を売却したり、価値のある物を持ち帰って自分の物として使ったりすると、単純承認とみなされるおそれがあります。形見分けとして写真や手紙など経済的価値のほとんどない物を分け合う程度であれば問題にならないとされる場合もありますが、貴金属や骨董品、預貯金の解約など、財産的価値のある行為は避けるべきです。判断に迷う場合は、遺品整理に着手する前に司法書士や弁護士へ相談することをおすすめします。

特殊清掃が必要な場合

孤独死の発見が遅れた場合や、長期間放置された空き家では、時間の経過とともに臭気や害虫・害獣による被害が進みます。このようなケースでは、相続の判断を待たずに、まず特殊清掃の専門業者に早急に相談することが優先されます。近隣への影響や建物の傷みを最小限に抑えるためにも、発見後できるだけ早い着手が望ましい数少ないケースです。

季節によって始める時期は変わるか

時期そのものに決まりはありませんが、季節によって考慮しておきたい点があります。夏場は高温多湿によって家財のカビや害虫の発生が早く進みやすいため、空き家の状態で長期間放置する場合は、他の季節よりも早めの着手が望ましいといえます。冬場は積雪地域では搬出経路の確保に時間がかかることがあり、業者との日程調整に余裕を持たせておくと安心です。また、3〜4月の引っ越しシーズンや年末年始の前後は、遺品整理業者・不用品回収業者ともに繁忙期にあたり、希望日が埋まりやすくなります。この時期に退去期限が重なる場合は、通常よりも早めに問い合わせておくことをおすすめします。

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四十九日・お盆・一周忌などの法要と遺品整理の関係

仏教の考え方では、亡くなってから49日目(数え方は宗派や地域によって多少異なります)が忌明けとされ、四十九日法要をもって一区切りとする習慣があります。この節目を待ってから遺品整理に着手する方が多いのは、法要のために遺影・位牌・仏壇まわりを整えておく必要があること、そして親族が一堂に会する四十九日法要の場で、形見分けの相談を進めやすいことが理由です。

ただし、これは宗教的な習慣であって法律上の決まりではありません。四十九日より前に着手しても問題はなく、逆に一周忌を過ぎてから重い腰を上げる方も少なくありません。四十九日前に始める場合は、仏壇・位牌・遺影・法要で使う予定の品を残しておき、それ以外の生活用品や衣類から手をつけるという進め方もできます。

お盆や一周忌のタイミングで親族が集まる機会を利用して、形見分けや今後の方針を話し合う家庭も多く見られます。相続人が遠方に散らばっている場合、全員が顔を合わせられる法要の機会は、遺品整理の方針を決める貴重なタイミングになります。逆にいえば、次の法要まで待つ必要はなく、電話やオンラインでの話し合いで方針を決めてから作業だけを先行させることも可能です。

四十九日の数え方にも触れておきます。一般的には死亡日を1日目として数えますが、地域や葬儀社の案内によって、死亡日の前日を1日目とする数え方が使われることもあり、統一されているわけではありません。曜日の都合で、実際の法要日を四十九日目の直前の土日にずらして行う家庭も多く見られます。浄土真宗のように、忌明けという考え方自体を重視しない宗派もあるため、菩提寺がある場合は数え方や法要の進め方を事前に確認しておくと安心です。

「早すぎる」始め方で起きやすいトラブル

遺品整理を急ぎすぎることにも、相応のリスクがあります。「早く片付けたほうが親族の負担を減らせる」という考え自体は間違いではありませんが、判断が追いついていない段階で作業を先行させると、後から取り返しがつかない問題につながることがあります。事務局にご相談いただく中で、実際に起きやすいパターンをまとめました。

  • 親族間で気持ちの整理がついていない——同居していた家族と、離れて暮らしていた家族とでは、気持ちの整理にかかる時間が異なります。一部の相続人だけで先に処分を進めてしまうと、後から「まだ触ってほしくなかった」というすれ違いが起きることがあります。着手前に、対象範囲と時期について関係者に一声かけておくと防ぎやすいトラブルです。
  • 相続放棄前の処分で単純承認とみなされる——前述のとおり、相続放棄を検討している段階で価値のある遺品を売却・消費すると、単純承認とみなされ、放棄ができなくなるおそれがあります。負債の有無がはっきりしない段階では、財産的価値のある物の処分は控え、専門家に相談してから進めるほうが安全です。
  • 遺言書や重要書類の見落とし——タンスや金庫、仏壇の引き出しなどに遺言書、権利証、保険証券、通帳が紛れていることがあります。急いで大量の家財を処分してしまうと、こうした重要書類を一緒に処分してしまうリスクが高まります。作業前に、貴重品・書類を確認する工程を設けておくことが重要です。
  • 形見分けの範囲をめぐる行き違い——誰が何を引き取るかを決めないまま作業を進めると、後になって「あの品はどこへ行ったのか」という問い合わせが発生することがあります。特に相続人が複数いる場合は、作業前に希望を聞いておくと、当日の判断に迷いません。
  • 他の手続きとの重複による混乱——死亡直後は、葬儀、香典返し、年金や保険の請求、公共料金の名義変更など、対応すべき手続きが集中する時期でもあります。遺品整理まで同時に進めようとすると、どれも中途半端になりやすいため、優先順位をつけて一つずつ片付けていくほうが結果的にスムーズです。

「遅すぎる」先延ばしで起きやすいリスク

反対に、遺品整理を先延ばしにし続けることにも、別のリスクがあります。「気持ちの整理がつくまで待ちたい」という考え方は自然なことですが、待つ期間が長くなるほど、建物や手続きの面での負担が増えていく傾向があります。

  • 空き家の劣化が進む——人が住まなくなった家は、換気や通水が止まることで湿気がこもりやすく、畳や建具のカビ、木材の腐食、害虫の発生が進みやすくなります。放置期間が長いほど、遺品整理の作業量も増える傾向があります。
  • 特定空家等に指定されるリスク——適切な管理がされないまま放置が続くと、自治体から「特定空家等」に指定される可能性があります。指定後、市町村長からの助言・指導を経てもなお改善されず「勧告」を受けた場合、固定資産税の住宅用地特例の対象から除外され、税負担が増える場合があります(空家等対策の推進に関する特別措置法第22条等)。
  • 相続登記の義務化との関係——2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産の取得を知った日から3年以内に登記の申請をしないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象となる可能性があります。2024年4月1日より前に発生していた相続についても、経過措置により2027年3月31日までに登記が必要とされています。登記が済んでいない実家は売却・解体もできないため、遺品整理と並行して相続登記の準備を進めておくことをおすすめします。
  • 賃貸なら家賃負担が続く——先延ばしにするほど、解約が完了するまでの家賃負担が積み重なります。急ぐ事情がない持ち家と違い、賃貸は先延ばしのコストが目に見える形で増えていく点に注意が必要です。
  • 相続人の高齢化・認知判断能力の低下——時間が経つほど、相続人自身の高齢化が進み、判断や手続きが難しくなることがあります。特に配偶者が高齢の場合、早いうちに方針を固めておくほうが、後の負担を軽くできます。

早すぎても遅すぎても、それぞれに別の負担が生じます。次の章では、死亡から遺品整理完了までの標準的なタイムラインをチェックリストの形でまとめました。

死亡から遺品整理までのタイムライン|実務チェックリスト

実際にどの順番で何を進めればよいか、迷う方のために時系列でまとめました。物量や家族構成によって前後しますが、抜け漏れを防ぐチェックリストとしてご活用ください。

時期の目安 やること チェック
死亡直後〜1週間 死亡届の提出、葬儀の手配、賃貸なら管理会社への連絡
1〜2週間 公共料金・年金・保険などの各種手続き、遺言書の有無の確認
〜3ヶ月 相続財産・負債の概要確認、相続放棄をするかどうかの判断
四十九日前後 法要、親族での形見分け・方針の話し合い
1〜3ヶ月 遺品整理業者への見積もり依頼・比較、貴重品と重要書類の確認
2〜4ヶ月 仕分け・搬出・供養・買取の実施
〜10ヶ月 相続税の申告が必要な場合は申告・納税
〜3年 相続登記の申請(不動産を取得した場合)

相続放棄を検討している場合は、「〜3ヶ月」の判断が固まるまで、遺品整理の中でも財産的価値のある物の処分は控えるようにしてください。判断に時間がかかりそうな場合は、家庭裁判所に申立てを行うことで、熟慮期間を延ばせる場合もあります。詳しくは司法書士・弁護士にご相談ください。

業者に依頼する場合、問い合わせから完了までどれくらいかかるか

「いつから」を考えるうえで見落とされがちなのが、業者に依頼してから作業が終わるまでの実際の所要期間です。見積もりだけで数週間、契約から作業日の確保までさらに数週間かかることもあるため、期限から逆算するときは、この所要期間を差し引いて考える必要があります。目安は次のとおりです。

間取りの目安 問い合わせ〜見積もり 契約〜作業日の確保 作業自体の時間
1R・1K 即日〜3日 数日〜1週間 1〜3時間
2DK〜2LDK 即日〜3日 1〜2週間 半日〜1日
3DK〜3LDK以上 即日〜1週間 2〜3週間 1〜2日

繁忙期(3〜4月の引っ越しシーズンや、お盆・年末年始の前後)は希望日が埋まりやすく、通常より予約が取りにくくなる傾向があります。退去期限や申告期限が決まっている場合は、期限の1ヶ月前を目安に、遅くとも問い合わせだけは済ませておくと安心です。写真での概算見積もりであれば、現地に行かなくても数日以内に金額の目安がわかるため、まず概算だけでも早めに取っておくことをおすすめします。

ケース別シミュレーション|いつから逆算して動くか

「いつから始めるか」は、ゴールから逆算して考えると決めやすくなります。よくある5つのケースで、逆算の考え方を示します。

ケース1:賃貸物件、退去期限が契約解約から1ヶ月後

賃貸借契約の解約通知には、多くの場合1ヶ月前の予告が必要です。解約を申し入れてから明け渡しまでの期間で、遺品整理を終える必要があります。物量が2DK程度であれば、見積もりから作業完了まで2〜3週間あれば対応できることが多いため、解約通知と同時か、その直前に業者へ相談を始めるのが現実的な目安です。貴重品の確認だけは、解約通知を出す前に済ませておくと安心です。

ケース2:持ち家、相続放棄を迷っているが期限まで残り1ヶ月

負債の有無を調べている途中で、相続放棄の熟慮期間(3ヶ月)の残りが少なくなってきた場合は、まず司法書士や弁護士に相談し、必要であれば家庭裁判所へ期間伸長の申立てを検討します。この段階では、財産的価値のある遺品の処分は行わず、写真撮影や記録の整理にとどめておくのが安全です。相続放棄をしないと決まった時点で、あらためて遺品整理の日程を組みます。

ケース3:相続税の申告が必要な見込み、死亡から3ヶ月が経過

相続税の申告期限(10ヶ月)まで残り7ヶ月というタイミングです。この時期からは、不動産の評価や遺産分割協議と並行して、遺品整理・実家の片付けを進める家庭が多くなります。売却を予定している場合は、査定や媒介契約の準備もこの時期から始めておくと、期限直前に慌てずに済みます。

ケース4:相続人が3人以上いて、方針の話し合いに時間がかかりそうな場合

相続人が複数いる場合、形見分けの範囲や実家の売却・解体の要否について、意見がまとまるまでに数ヶ月かかることも珍しくありません。この場合は、意見が分かれやすい「実家をどうするか」の議論と、意見が分かれにくい「明らかな不用品の片付け」を切り離して進める方法があります。全員の合意が必要な処分は保留にしつつ、生活用品や古い衣類など価値の低い物から先に手をつけることで、話し合いの長期化が遺品整理全体の停滞につながるのを防げます。ただし相続放棄を検討している相続人が一人でもいる場合は、全員の方針が固まるまで財産的価値のある物の処分は控えてください。

ケース5:親と離れて暮らしていて、まだ何も決まっていない段階

相続放棄が必要になるか、賃貸か持ち家か、相続税がかかりそうかといった前提条件そのものがまだわからない段階でも、動き出すこと自体は可能です。まずは通帳・保険証券・賃貸借契約書など、家の中にある書類を写真に撮って共有し、負債の有無や資産の概要を家族で把握するところから始めます。この段階で財産的価値のある遺品を処分する必要はなく、記録と整理だけを先行させれば、後から相続放棄が必要だとわかっても対応できます。状況が固まってから、あらためて本格的な遺品整理の日程を検討してください。

遠方に住んでいる場合、いつから動き始めるべきか

実家から離れて暮らしている相続人にとって、「いつから」の判断はさらに難しくなります。帰省のたびに片付けを進めようとすると、何度も足を運ぶ必要があり、交通費と時間の負担も大きくなりがちです。遠方にお住まいの場合は、次の順番で早めに動き始めることをおすすめします。

  1. 賃貸か持ち家かを確認する——賃貸であれば解約手続きの期限、持ち家であれば相続手続きの状況を、できるだけ早く把握します。
  2. 相続放棄の可能性を家族で共有する——負債の有無がわからない場合は、財産的価値のある遺品には手をつけず、まず調査を進めます。
  3. 写真で概算見積もりを取る——帰省の機会に各部屋を撮影しておけば、次に足を運ばなくても業者から概算の見積もりを受け取れます。
  4. 立ち会いなしで進められるか確認する——鍵を預けて、作業前後の写真報告を受ける形で進められる業者であれば、帰省の回数を最小限に抑えられます。

遠方だからといって、着手が遅れてよい理由にはなりません。むしろ移動の負担がある分、早い段階で全体の見通しを立てておくほうが、後々の負担を軽くできます。段取りの詳細はご相談の流れでも紹介しています。

きょうだいで役割分担する場合の注意点

相続人が複数の地域に分かれて暮らしている場合、「誰が現地に行けるか」「誰が書類手続きを担当するか」を最初に決めておくと、その後の進行がスムーズになります。全員のスケジュールを合わせようとすると、日程調整だけで数ヶ月かかることも珍しくありません。現地対応を1人に任せきりにすると、負担が偏って後々の不満につながることもあるため、費用や手続きの分担についても早めに話し合っておくことをおすすめします。写真での状況共有をこまめに行うと、現地に行けない相続人も進捗を把握しやすくなります。

遺品整理を始める前に確認しておきたい4つのこと

いつから始めるにしても、着手前に確認しておくと後の手続きがスムーズになる項目があります。

  • 遺言書の有無——自宅で保管されている場合は、家庭裁判所での検認手続きが必要になることがあります(法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合は検認不要です)。遺品整理の前に、心当たりのある場所を確認しておきましょう。
  • 負債の有無——クレジットカードの利用明細、消費者金融からの郵便物、連帯保証に関する契約書などがないか確認します。相続放棄を検討する材料になります。
  • 相続人の範囲——法定相続人が誰かによって、遺品整理や実家の処分の進め方(誰の同意が必要か)が変わります。戸籍の確認が必要な場合は、早い段階で司法書士に相談すると手続きがスムーズです。
  • 賃貸か持ち家か、契約内容の確認——賃貸であれば契約書で解約予告期間を、持ち家であれば登記簿上の名義を確認しておきます。名義が故人や先代のままになっている場合、相続登記が必要になる点もあわせて把握しておきましょう。

これらの確認は、遺品整理と並行して進めても問題ありません。むしろ作業初期の仕分けの過程で見つかることも多いため、貴重品・書類の確認を最優先で行う工程を、業者との打ち合わせ時に伝えておくとよいでしょう。全体の進め方は遺品整理とは?いつから・費用・捨ててはいけないものでも詳しく解説しています。

安心実家じまいのサービス案内

安心実家じまいは、遺品整理から家の売却・解体の手配までを一つの窓口でお受けする全国対応のサービスです。「いつから始めればいいかわからない」というご相談段階からお受けしており、賃貸の退去期限や相続放棄の期限など、状況に応じたスケジュールの立て方もあわせてご案内します。

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向いているケース 賃貸の退去や、家は残して片付けだけ済ませたい場合 実家の売却・解体まで見据えている場合

パック料金には遺品整理の費用が含まれます。料金の全体は料金表をご覧ください。間取り別の相場の考え方は遺品整理の料金相場を間取り別に解説をご覧ください。

相続放棄をご検討中の場合や、遺言書・相続登記など法律手続きが絡む場合は、提携司法書士と連携してご案内できる体制を整えています。特殊清掃が必要な場合も、対応可能な提携業者をご案内します。まずは今の状況と、いつまでに片付けたいかをお聞かせください。LINEでの無料見積もりなら、写真を送るだけで概算をご案内できます。

提携業者は、一般廃棄物収集運搬の許可や損害保険の加入状況を安心実家じまい事務局が事前に確認したうえでご紹介しています。基準の詳細は提携業者の品質基準のページでご案内しています。全国対応のため、遠方に住んでいて「まず何から確認すればいいかわからない」という段階のご相談も歓迎です。

よくある質問

遺品整理はいつから始めるのが一般的ですか?
最も多いのは四十九日法要が済んだ後、死亡から1〜2ヶ月ほど経ってから始めるケースです。ただし法律上の期限はなく、賃貸物件で退去期限が迫っている場合や特殊清掃が必要な場合は、法要を待たずに早めに着手する方もいます。逆に気持ちの整理がつくまで数ヶ月〜1年以上かけてから始める方も珍しくありません。ご自身とご家族が納得できるタイミングで進めることが大切です。
相続放棄を考えている場合、遺品整理はいつから始めても大丈夫ですか?
相続放棄をするかどうか迷っている段階では、遺品(相続財産)を処分する時期に注意が必要です。民法上、相続人が相続財産の全部または一部を処分すると、単純承認したとみなされ、原則として相続放棄ができなくなります。形見分けなど社会通念上相当な範囲の行為は該当しないとされる場合もありますが、判断が難しいケースもあるため、相続放棄の期限(自己のために相続の開始を知った時から3ヶ月)内に処分を進める場合は、着手前に司法書士や弁護士へご相談ください。
四十九日より前に遺品整理を始めてもいいですか?
法律上や宗教上、四十九日より前に遺品整理を始めてはいけないという決まりはありません。実際に、賃貸物件の退去期限が迫っている場合や、遠方の親族が帰省できるタイミングに合わせて進める場合など、四十九日前に着手するご家庭もあります。ただし仏壇・位牌・遺影など、法要で使う物は四十九日が終わるまで残しておくのが一般的です。何を先に進め、何を後に残すかを親族間で共有しておくと、当日の混乱を防げます。
遠方に住んでいる場合、いつから準備を始めるべきですか?
遠方にお住まいの場合は、死亡後できるだけ早い段階で、賃貸か持ち家か、相続放棄を検討するか、退去期限や相続手続きの期日がいつかを確認しておくことをおすすめします。現地に何度も足を運ばなくても、写真での見積もりや、鍵を預けての立ち会いなし作業に対応できる業者であれば、帰省の回数を抑えながら進められます。安心実家じまいはLINEでの無料見積もりに対応しています。
業者に依頼する場合、期限のどれくらい前に問い合わせればいいですか?
間取りにもよりますが、問い合わせから見積もりまでは即日〜1週間程度、契約から作業日の確保まではさらに数日〜3週間程度かかることがあります。退去期限や相続放棄・相続税申告の期限が決まっている場合は、期限の1ヶ月前を目安に、遅くとも問い合わせだけは済ませておくと安心です。繁忙期は希望日が埋まりやすいため、早めの相談をおすすめします。

まとめ

遺品整理を「いつから」始めるかに、唯一の正解はありません。要点を振り返ります。

  • 遺品整理そのものに法律上の期限はない。多くは四十九日後、死亡から1〜2ヶ月ほどで始めている
  • 相続放棄(3ヶ月)・相続税申告(10ヶ月)・相続登記(3年)という相続関連の期限は別に存在し、遺品整理の進め方に影響する
  • 賃貸物件は退去期限、相続放棄を検討中なら判断が固まるまでを目安に動く
  • 相続放棄前に財産的価値のある遺品を処分すると、単純承認とみなされるおそれがある
  • 先延ばしは空き家の劣化・相続登記義務化・家賃負担などのリスクを伴う
  • 死亡から遺品整理完了までのタイムラインを把握し、逆算して動くと迷いにくい
  • 遠方に住んでいる場合も、着手を先延ばしにする理由にはならない。早めの状況確認が負担を減らす

まずはご自身の状況——賃貸か持ち家か、相続放棄の可能性があるか、退去や申告の期限がいつかを確認することが、「いつから始めるか」を決める最初の一歩です。迷う場合は、状況をお伝えいただければ、いつから・どこまで進めるべきかをあわせてご案内します。費用の目安は遺品整理の料金相場を間取り別に解説を、進め方の全体像は遺品整理の完全ガイドをご覧ください。

読むより、聞いたほうが
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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

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