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一軒家の遺品整理費用はいくら?間取り別相場と安くする方法

最終更新日:2026年8月6日|監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 一軒家の遺品整理費用の目安は2DK〜2LDKで9〜30万円、3DK〜3LDKで15〜50万円、4LDKで22〜65万円、5LDK以上で35〜90万円です。
  • 同じ間取りでも、庭・物置・車庫・2階以上の搬出があるぶん、一軒家はマンションより物量と作業人数が増えやすい傾向があります。
  • 費用を抑える一番の近道は物量を先に減らすこと。自治体の粗大ごみと買取を併用し、2〜3社の内訳見積もりを比較します。
  • 県外にお住まいでも、写真見積もりと立ち会いなしで進める方法があります。
目次

一軒家の遺品整理費用はいくらかかる?間取り別相場

一軒家(一戸建て)の遺品整理費用は、間取り・延床面積・物量によって幅があります。以下は業界で広く示される価格帯をもとに、庭・物置・車庫などの屋外スペースを含む一戸建てを想定した目安です。下限は物量が少なく搬出が容易な場合、上限は物量が多く、階段や狭い前面道路など条件の厳しい場合の金額です。

間取り 費用の目安 作業人数・時間の目安
2DK〜2LDK 9〜30万円 2〜4名/2〜6時間
3DK〜3LDK 15〜50万円 3〜5名/4〜8時間
4LDK 22〜65万円 4〜7名/1〜2日
5LDK以上 35〜90万円 5〜10名/2〜3日

ワンルームや1Kの単身向け賃貸と違い、一軒家は部屋数だけでなく庭・物置・車庫・納戸・押し入れが複数箇所にわたることが多く、居住スペースの間取りだけで見積もると実際の物量とずれやすい点に注意が必要です。同じ「3LDK」でも、マンションの3LDKと戸建ての3LDKでは収納の数や屋外の付帯設備が異なり、後者のほうが物量は多くなりやすい傾向があります。この傾向はあくまで現場の経験に基づく目安であり、実際の金額差は建物の状態や立地によって変わります。

一軒家の遺品整理を検討する背景には、賃貸のように退去期限が決まっていないぶん、いつ着手すればよいか判断がつきにくいという事情もあります。相続手続きや売却・解体の予定が決まっている場合は、そこから逆算して片付けの時期を決めることになりますが、特に予定がない場合は、空き家として管理を続ける負担と、片付けにかかる費用とを比べて判断する家庭も少なくありません。まずは概算の金額感を把握しておくことが、判断の第一歩になります。

一軒家ならではの価格が上がりやすい要因

次の条件が重なると、相場の上限側に寄りやすくなります。見積もり依頼の際にあらかじめ伝えておくと、金額の精度が上がり、当日の追加交渉も避けやすくなります。

  • 2階建て・3階建てで階段搬出になる——エレベーターのないマンションと同様、戸建ての階段搬出も人手が増える要因です。2階の寝室にあるベッドやタンスは、分解しても階段の踊り場で向きを変える手間がかかることがあります。3階建て・スキップフロアの住宅では、さらに人員を増やして対応する場合もあります。
  • 庭木の伐採や庭の片付けが必要——放置された庭木や雑草、庭石、鉢植えの処分は、屋内の片付けとは別作業になることがあり、別途の作業費が加わる場合があります。剪定した枝葉は自治体によって粗大ごみではなく別区分の扱いになることもあるため、事前の確認が必要です。
  • 物置・車庫に長年の荷物が残っている——工具、古い家電、灯油缶、園芸用品などが物置いっぱいに残っているお宅は珍しくありません。物置自体の解体・撤去が必要になることもあります。車庫にタイヤやバッテリーが残されている場合、一般廃棄物として扱えず別ルートでの処分が必要になることもあります。
  • 前面道路が狭くトラックが入れない——住宅密集地や旧市街の一軒家では、大型トラックが入れず小型車で複数回往復することがあります。往復回数が増えれば、その分だけ作業時間も延びます。私道の奥にある家や、隣家との距離が近い立地でも同様の傾向があります。
  • 空き家になっていた期間が長い——親世代が施設に入居してから数年空き家だった実家は、湿気や虫の影響で家財の傷みが進み、通常より作業時間が延びることがあります。畳や建具にカビが発生していると、通常の遺品整理より丁寧な確認作業が必要になることもあります。
  • 駐車スペースの確保が難しい——一軒家であっても、住宅密集地や旧市街では敷地内駐車ができず、近隣のコインパーキングを手配する必要が生じることがあります。道路使用の調整が必要な場合、その分の手間が費用に反映されることもあります。

逆に、平屋で前面道路が広く、駐車スペースが確保しやすい一軒家であれば、下限に近い金額で収まる余地があります。見積もりを依頼する際は、これらの条件をできるだけ具体的に伝えることが、精度の高い金額を引き出すコツです。

マンション・アパートとの違い

マンションやアパートの遺品整理では、エレベーターの有無や駐車場からの動線が主な変動要因になりますが、一軒家では加えて「敷地全体」が対象になる点が異なります。庭・物置・車庫・ベランダ・縁側といった屋外・半屋外の空間まで含めて片付けの範囲になるため、見積もり依頼の際は室内の写真だけでなく、屋外の写真も添えて伝えることをおすすめします。逆に、集合住宅の共用部使用ルール(作業時間の指定、養生の義務など)は一軒家にはないため、その点では調整の手間が少なくなる面もあります。管理組合への事前連絡や、共用廊下の養生といった手続きが不要な分、日程の融通が利きやすいことも一軒家ならではの利点です。

生前整理との違い

遺品整理は故人が亡くなった後に家財を片付ける作業で、生前整理は本人が元気なうちに身の回りを整理する作業です。一軒家のように収納スペースが多く、長年にわたって荷物が蓄積しやすい家では、本人の意向を確認できる生前整理のほうが、形見分けや供養の希望を反映しやすい面があります。相続後にまとめて片付ける遺品整理と、時間をかけて進める生前整理は、家族の状況に応じて使い分けを検討してください。生前整理を早めに進めておくと、実際に遺品整理が必要になった時点での物量が減り、結果的に費用を抑えることにもつながります。

ケース別シミュレーション:4つの想定条件で見る金額目安

間取り表だけでは「結局うちはいくらか」が分かりにくいため、想定条件を設定した計算例を4つ紹介します。いずれも実際の依頼事例ではなく、考え方を示すための仮の試算です。実際の金額は物量・立地・業者によって変わるため、あくまで考え方の目安としてご覧ください。

ケース 想定条件 費用の目安
A:3LDK・2階建て 空き家期間1年未満、前面道路は広め、庭木なし、駐車可 基本費用18万円前後+庭の簡易清掃1万円前後=19万円前後
B:4LDK・2階建て+物置+車庫 空き家期間3年、前面道路が狭くトラック進入不可、物置に荷物満載 基本費用35万円前後+物置解体撤去5万円前後+往復増加分=40万円台前半
C:2DK・平屋 物量少なめ、駐車しやすい、着物・貴金属の買取あり 基本費用12万円前後-買取相殺2万円前後=10万円前後
D:5LDK・2階建て+離れ 物量が非常に多い、庭木の伐採あり、遠方在住で立ち会いなし 基本費用55万円前後+庭木伐採6万円前後+離れの片付け8万円前後=65万円台後半

このように、同じ「一軒家」でも階数・物置の有無・空き家期間・買取の有無で総額は大きく変わります。見積もり時にこの4点を伝えると、電話やLINEでの概算でも実際の金額に近い数字が出やすくなります。ケースBやケースDのように、物置や離れといった付帯建物がある場合は、母屋だけを見て概算を出すと実際の総額とずれやすいため、敷地内の建物をすべて写真に収めて伝えることをおすすめします。

費用を抑える基本の考え方

相場の範囲内で総額を下げる方法は、大きく三つあります。一つ目は、貴金属・着物・骨董品・製造から5年以内の家電など、値の付きやすい品を査定に出すことです。買取額を作業費用から差し引ける業者なら、支払いを圧縮できます。二つ目は、書類や衣類などの軽い物を、時間のあるときに自分で減らしておくことです。処分費は物量に比例するため、量を減らした分だけ下がります。三つ目は、内訳のある見積もりを2〜3社から取り、金額の根拠を比べることです。同じ条件でも、業者によって数万円の差が出ることがあります。詳しい間取り別の考え方は遺品整理の料金相場を間取り別に解説もあわせてご覧ください。

見積もりを取る前に準備しておきたいこと

見積もりの精度を上げるには、事前の情報整理が役立ちます。各部屋の写真に加えて、押し入れ・納戸・物置・車庫・庭の中まで撮影しておくと、電話やLINEでのやり取りだけで概算が出やすくなります。トラックを停める場所の候補、前面道路の幅、階段の有無も伝えておくと、当日の追加見積もりを防ぎやすくなります。仏壇・神棚・位牌など供養が必要な物があるかどうかも、最初に伝えておくべき情報のひとつです。処分だけでなく閉眼供養やお焚き上げの手配まで対応できる業者かどうかで、任せられる範囲が変わります。

費用の内訳と一軒家で膨らみやすいオプション費

見積書の総額だけを見ても、何にいくらかかっているのかが分かりにくいものです。特に一軒家は物量が多く作業日数も延びやすいため、総額だけを他社と比べても、条件が揃っているのかを判断しにくいことがあります。遺品整理の費用は、おおむね次の4項目で構成されます。

項目 内容 総額に占める割合の目安
人件費 作業員の人数・時間に応じた費用 約35〜40%
車両費 トラックの台数・出動回数に応じた費用 約10〜15%
処分費 廃棄物の量・品目に応じた処理費用 約30〜40%
オプション費 特殊清掃・供養・買取査定・物置解体など 約10〜20%

この比率はあくまで一般的な目安で、物件の条件によって変動します。処分費の比率が大きいことからも分かるとおり、物量を減らすことが総額を下げる最も効果的な手段です。見積書にこの4項目の内訳が明記されているかどうかは、業者選びの重要な判断材料になります。「一式◯◯万円」だけの見積書では、どこに費用がかかっているのかを比較・検証できません。

一軒家で追加費用になりやすいオプション項目

マンションの遺品整理にはあまり出てこない、一軒家特有の追加費用があります。見積もり依頼の段階で該当項目を伝えておくと、当日の追加請求を防ぎやすくなります。

オプション項目 費用の目安 発生しやすい条件
庭木の伐採・剪定・片付け 2〜10万円 庭木が伸び放題、庭石や鉢植えが多い
物置の解体・撤去 3〜8万円 スチール製・木製の物置が敷地内にある
車庫・カーポート内の残置物撤去 1〜5万円 工具・タイヤ・農機具などが残っている
仏壇・仏具の閉眼供養 1〜3万円 仏壇・位牌の処分に供養が必要な場合
特殊清掃(消臭・消毒) 5〜30万円 孤独死や長期の空き家で臭い・汚れが残る場合

いずれも金額は物件の状態によって幅が大きいため、あくまで目安としてご覧ください。正確な金額は、写真または現地確認をもとにした個別見積もりで確認することをおすすめします。オプション費は総額の10〜20%程度とはいえ、庭木の伐採と物置の解体が重なると数万円単位で総額に影響することがあります。見積もり依頼の段階で該当項目をまとめて伝え、追加費用が発生する条件を契約前に確認しておくと、当日の想定外の出費を防ぎやすくなります。

スマートフォンやパソコンに残るデジタル遺品も、近年は確認が必要な対象のひとつです。ネット銀行やサブスクリプションの契約状況は、パスワードが分からないと解約手続きに時間がかかることがあります。処分の前に、通帳や重要書類と同様、契約状況が分かる書類やメモが残っていないか確認しておくと、後の相続手続きがスムーズになります。

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一軒家の遺品整理費用を安くする8つの方法

ここまでの内容を踏まえ、一軒家特有の事情を踏まえた節約方法を具体的にまとめます。

  1. 自治体の粗大ごみ収集・持ち込みを併用する——業者に依頼する量を減らせば、処分費が下がります。品目や上限点数は自治体ごとに異なるため、後述の比較表を参考にしてください。
  2. 貴金属・着物・骨董品を買取に出す——古物商許可を持つ業者なら、買取額を作業費用から相殺できる場合があります。
  3. 製造から新しい家電は先に売却しておく——冷蔵庫・洗濯機・テレビなどは製造年数が新しいほど値が付きやすく、処分費用の削減につながります。
  4. 2〜3社から内訳のある見積もりを取る——同じ条件でも業者によって数万円の差が出ることがあります。「一式◯◯万円」ではなく、人件費・車両費・処分費が分かれた見積書を比較します。
  5. 庭木や物置の中身は事前に自分で減らしておく——時間に余裕があれば、軽い荷物や不要な庭道具を先に処分しておくことで、オプション費用を抑えられます。
  6. 閑散期を狙って依頼時期を調整する——引っ越しシーズンと重なる時期は業者のスケジュールが埋まりやすく、割増料金が発生することがあります。時間に余裕があれば時期をずらすことも検討材料になります。
  7. 生前整理を前倒しで進めておく——本人が元気なうちに少しずつ片付けておくと、相続後にまとめて依頼する遺品整理の物量を減らせます。
  8. 写真での概算見積もりを活用する——訪問見積もりを何度も依頼するより、写真で概算を出してもらい、内容に納得したうえで現地確認に進むほうが、時間と交通費の節約になります。

自治体の粗大ごみを併用して物量を減らす

物量を減らす具体的な方法として最も現実的なのが、自治体の粗大ごみ収集・持ち込みです。とはいえ申込方法や手数料の仕組みは自治体ごとに異なり、実家がある市区町村の制度を個別に確認する手間がかかります。ここでは主要6都市の制度を比較しました。制度は変わることがあるため、実行前に各自治体の公式サイトで最新情報を確かめてください。

自治体 申込方法 手数料・収集の特徴
大阪市 インターネット・チャットボット・電話・ファックス・はがき 1点につき200円・400円・700円・1,000円の4区分。品目ごとの手数料一覧を公式サイトで公開
名古屋市 インターネット・粗大ごみ受付センターへ電話 1点250円・500円・1,000円・1,500円の4区分。収集は月1回、令和8年4月から資源・ごみの持ち去り禁止条例が施行
横浜市 インターネット・チャット・LINE・電話(0570-200-530) 24時間受付。インターネット・チャット申込みはクレジットカード・PayPayの電子決済に対応、品目ごとに手数料が異なる
福岡市 電話(粗大ごみ受付センター 092-731-1153)・インターネット 収集は最短で申込日の1週間程度後、地域ごとに決まった曜日(週2回)
札幌市 インターネット・電話 戸別有料収集。収集希望日の2週間前から受付、区ごとに収集曜日と申込期限が決まっている
世田谷区 インターネット・電話(世田谷区粗大ごみ受付センター 03-5715-1133) 収集と持ち込みで手数料が異なり、持ち込みは収集の半額程度。減免制度あり

(2026年8月時点・各自治体公式サイトより)品目ごとの詳細な手数料や当日出す場所の指定方法は、申込み時の案内に従ってください。表からも分かるとおり、多くの自治体がインターネット・電話・LINEなど複数の申込手段を用意しており、24時間受付に対応する自治体も増えています。一方で、収集頻度や1回あたりの上限点数には自治体ごとの差があり、遺品整理で一度に十数点以上出る場合は、自力処分だけでは間に合わないことも珍しくありません。時間に余裕があり物量が少ないなら自力処分、期限がある・量が多いなら業者への依頼と、状況に応じて使い分けてください。

テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象で、自治体の粗大ごみ収集には出せません。買い替え時の販売店引き取りのほか、リサイクル料金と収集運搬料金を払って処分する方法があります。一軒家の遺品整理では冷蔵庫と洗濯機がほぼ確実に出るため、処分ルートを先に決めておくと当日の作業が滞りません。パソコンは資源有効利用促進法に基づき、メーカーや認定リサイクル事業者への引き渡しが基本です。

一軒家特有の遺品・処分で気をつけたいこと

一軒家には、マンションよりも多様な遺品が残されている傾向があります。仏壇・神棚・位牌・掛け軸といった信仰にまつわる物は、通常のごみとして処分する前に、菩提寺や業者による閉眼供養・お焚き上げを検討する家庭が多い品です。庭付きの一軒家では、耕運機や刈払機といった農機具、肥料や農薬の残り、灯油やプロパンガスの設備も片付けの対象になることがあります。農機具や薬品類は一般廃棄物として扱えない場合があるため、処分ルートを事前に業者へ確認しておくと、当日の判断に迷いません。

実家を空き家のまま放置すると、雨漏りやシロアリなどによる建物の傷みが進みやすくなります。庭木が伸び放題になれば近隣とのトラブルにつながることもあり、管理が行き届かない状態が続くと、自治体から特定空家等に指定されるリスクも高まります。特定空家等に指定されたうえで市町村長から改善の勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が増える可能性もあります。遺品整理を早めに進めることは、こうした管理面のリスクを減らす第一歩でもあります。

買取・押し買いに関わる法律知識

遺品整理では、貴金属や着物、骨董品を業者に買い取ってもらう場面があります。中古品を買い取って転売する営業を行うには、古物営業法に基づく古物商許可が必要です。無許可のまま買取をうたう業者は避けてください。また、業者が自宅を訪問して物品を買い取る取引には、特定商取引法上の「訪問購入」規制が適用されます。事業者は法律で定められた書面の交付義務を負い、消費者側には一定期間内であればクーリング・オフによって契約を解除できる権利があります。突然の訪問で強引に買取を迫られた、契約を急かされたと感じた場合は、支払い前や引き渡し前に消費者庁や国民生活センターの窓口へ相談することも検討してください。

相続放棄を検討している場合の注意

実家の資産価値が低く、維持費や解体費のほうが負担になりそうな場合は、相続放棄という選択肢もあります。ただし相続放棄は、遺品の一部でも売却・処分すると法定単純承認(相続を単純に承認したとみなされ、あとから相続放棄ができなくなること)とみなされ、後から撤回できなくなることがあります。放棄を検討している段階で片付けを進める場合は、形見分けの範囲や処分してよい物の判断について、着手前に司法書士や弁護士へ相談しておくと安心です。あわせて、家の名義の確認も欠かせません。相続した不動産の登記は2024年4月から申請が義務化され、正当な理由なく放置すると過料の対象になり得ます。名義が故人や先代のままだと、売却や解体の契約も進められないため、遺品整理と並行して相続登記の準備を進めておくと、後の手続きが早くなります。

特殊清掃が必要になるケースもあります

発見が遅れた孤独死や、長期入院の末に空き家となった一軒家では、通常の遺品整理に加えて特殊清掃が必要になることがあります。臭いや汚れが残っている場合、消臭・消毒・害虫対策までを行える体制かどうかは、業者を選ぶ際の重要な確認事項です。一軒家は集合住宅より部屋数が多く、発見が遅れた部屋以外にも空き家期間の長さによる傷みが広がっていることがあり、想定より作業範囲が広がることも珍しくありません。

特殊清掃が必要かどうかは、電話や写真だけでは判断が難しい場合があります。気になる状況があれば、早い段階で業者に伝え、現地確認のうえで見積もりを出してもらってください。対応できる業者とできない業者があるため、依頼前に確認しておくと二度手間になりません。費用は通常の遺品整理よりも高くなる傾向があり、消臭・消毒に使う薬剤や機材、作業員の防護装備などが加算されます。近隣への配慮から、作業日時や搬出経路を自治会や近隣住民と調整する必要が生じることもあります。

良い業者を見極めるチェックリスト

一軒家の遺品整理は物量が多くなりやすいぶん、業者選びの精度が総額に直結します。同じ物量でも、許可のない業者に依頼してしまうと、後から不法投棄が発覚して依頼者側が事情を問われるリスクや、搬出中の破損を補償してもらえないリスクが生じます。金額の安さだけで選ばず、次の項目を契約前に確認してください。

確認項目 チェックのポイント
一般廃棄物収集運搬の許可 許可証の提示を求める。自社許可か提携許可業者かを確認する
古物商許可 買取がある場合は許可番号を確認する
損害保険 搬出時の壁・床・階段の破損に備え、賠償責任保険への加入を確認する
見積書の内訳 人件費・車両費・処分費・オプション費が分けて記載されているか
追加費用の条件 発生する場合の条件と上限が契約前に説明されているか
庭・物置・車庫の範囲 屋外の物まで見積もりの対象に含まれているか
訪問購入の書面交付 買取が絡む訪問の場合、特定商取引法に基づく書面が交付されるか
供養・特殊清掃の対応可否 仏壇の供養や、必要な場合の特殊清掃まで手配できるか

見積書の日付や有効期限も、後から確認できるよう保管しておいてください。「無料回収」をうたうトラックや、突然の訪問営業には応じないことも重要です。家庭から出る廃棄物の収集運搬は許可制で、無許可回収は環境省や国民生活センターも注意喚起しており、回収品が不法投棄されれば出した側が事情を問われる場合があります。業界団体が認定する遺品整理士などの資格を持つスタッフが在籍しているかも、判断材料のひとつになります。資格の有無だけで良し悪しは決まりませんが、遺品の扱い方や遺族への配慮について一定の研修を受けている目安にはなります。業者選びの基本的な流れは遺品整理とは?いつから・費用・捨ててはいけないものでも詳しく解説しています。

遠方に住みながら一軒家を片付ける場合の費用について

大阪や東京で働きながら、実家の一軒家に頻繁に通えない相続人の方は少なくありません。何度も帰省して片付けるのは、交通費と時間の負担が大きくなります。きょうだいで役割を分担しようとしても、日程を合わせるだけで数か月かかることもあります。遠方から進める場合、費用面で押さえておきたいポイントは次の3つです。

  • 訪問見積もりの回数を減らす——写真での概算見積もりを先に取り、内容に納得したうえで一度だけ現地確認に進めば、交通費と滞在費を抑えられます。各部屋・収納・物置・庭まで撮影しておくと、写真だけでも精度の高い概算が出やすくなります。
  • 立ち会いなしで進められるかを確認する——鍵を預けて作業前後の写真報告を受ける方式なら、現地に出向く回数自体を減らせます。近隣への挨拶や電気・水道の停止手続きまで任せられるかどうかも、事前に確認しておく費用対効果のポイントです。
  • きょうだい間で貴重品の判断基準を先に決めておく——通帳・印鑑・権利証などの貴重品と、形見として残したい物をリストにして共有しておくと、現地での判断待ちによる作業の中断や、再訪問による追加費用を防ぎやすくなります。

新幹線や飛行機での移動が前提になる場合、日帰りでの現地確認が難しいことも珍しくありません。安心実家じまいは全国対応の窓口で、遠方の場合は立ち会い不要で進められます。ご相談から作業完了までの流れはご相談の流れをご覧ください。

依頼から作業完了までの流れ

一軒家の遺品整理を依頼する場合も、基本的な流れは共通です。おおまかな段取りを把握しておくと、日程調整がしやすくなります。以下は目安の流れで、物量や搬出条件によって前後することがあります。

  1. 問い合わせ・写真の送付——電話またはLINEで問い合わせ、各部屋・収納・物置・庭の写真を送ります。急ぎの場合はその旨を伝えると、対応の優先度を調整しやすくなります。
  2. 概算見積もりの提示——写真や電話でのヒアリングをもとに、間取り・物量に応じた概算金額を提示します。この段階では無料で相談できる窓口がほとんどです。
  3. 現地確認(必要な場合)——物量の判断が難しい場合や、庭・物置の状態を確認したい場合は、現地での確認を行います。立ち会えない場合は、近隣に住む親族への同行依頼も選択肢です。
  4. 正式見積もりとご契約——内訳を明示した見積書を提示し、内容にご納得いただいたうえで契約します。追加費用が発生する条件も、この時点で確認します。
  5. 仕分け・搬出・供養・買取——貴重品と形見を仕分けたうえで搬出し、必要に応じて供養や買取の手配を行います。仏壇や位牌がある場合は、供養の希望を事前に伝えておきます。
  6. 清掃・完了報告——作業後の室内・庭を簡易清掃し、写真での完了報告とともに鍵をお返しします。売却や解体に進む場合は、そのまま次の相談へつなげられます。

搬出条件の悪い立地や、庭・物置まで含めた物量が多い場合は、現地確認を挟んだほうが、当日の追加交渉を防ぎやすくなります。とくに一軒家は、母屋・物置・車庫と複数の建物にまたがって物量を確認する必要があるため、写真だけで判断が難しい場合は、無理に省略せず現地確認の日程を早めに組んでおくことをおすすめします。段取りの詳細はご相談の流れでも紹介しています。

安心実家じまいのサービス案内

安心実家じまいは、遺品整理から家の売却・解体の手配までを一つの窓口でお受けする全国対応のサービスです。一軒家特有の庭・物置・車庫まで含めた見積もりに対応します。

遺品整理のみのご依頼は遺品整理サービスで承ります。家の処分まで続く場合は、実家じまい代行パックが割安です。二つのサービスの違いは、次のとおりです。

遺品整理サービス 実家じまい代行パック
対象範囲 家財の片付けのみ(庭・物置含む) 片付けに加え、家の売却・解体の手配まで
料金目安 間取り・物量に応じた個別見積もり 2DKまで29.8万円/3LDKまで49.8万円/4LDK以上69.8万円〜(税別)
向いているケース 家は残して片付けだけ済ませたい場合 実家の売却・解体まで見据えている場合

パック料金には遺品整理の費用が含まれます。料金の全体は料金表をご覧ください。お見積もりを確定してからのご契約です。追加の作業が見込まれる場合は作業前に金額を提示し、ご了承をいただいてから実施します。貴金属や着物などの買取による費用の相殺も可能です。仏壇や位牌の供養、農機具や庭木の処分といった一軒家に多いご相談にも対応します。相続登記など法律手続きが絡む場合は、提携司法書士と連携して進めます。特殊清掃が必要な場合も、対応可能な提携業者をご案内します。

提携業者は、一般廃棄物収集運搬の許可や損害保険の加入状況を安心実家じまい事務局が事前に確認したうえで紹介しています。処理記録の管理方法についても、一定の基準を満たした業者のみと提携する方針です。基準の詳細は提携業者の品質基準のページでご案内しています。遠方にお住まいの場合は、鍵をお預かりし立ち会いなしで進める方法にも対応しています。写真を送るだけで概算のお見積もりをご案内できます。

地元業者と全国対応の窓口、どちらに頼むか

一軒家の遺品整理を依頼する先には、地域密着で営業する業者と、全国対応の窓口を通じて地元の提携業者が作業する形態の両方があります。地元業者は現地の道路事情や自治体の粗大ごみルールに詳しい強みがあり、全国対応の窓口は遠方在住の依頼者とのやり取りに慣れている強みがあります。複数の業者に個別で連絡して条件を揃えるより、窓口を一本化して内訳のそろった見積もりを比較するほうが、結果として金額の比較がしやすくなる場合もあります。どちらを選ぶかは、実家の場所や、ご自身が現地に足を運べる頻度によって変わってきます。

よくある質問

一軒家の遺品整理費用はいくらですか?
間取り別の目安は2DK〜2LDKで9〜30万円、3DK〜3LDKで15〜50万円、4LDKで22〜65万円、5LDK以上で35〜90万円です。同じ間取りでも、庭・物置・車庫のぶん一軒家のほうがマンションより物量が多くなりやすい傾向があります。2階建て・3階建てなら搬出人員が増えるぶん、平屋より加算されることもあります。正確な金額は写真または現地での見積もりで確認することをおすすめします。
一軒家はマンションより費用が高くなりますか?
同じ間取りなら、一軒家のほうが高くなりやすい傾向があります。理由は、庭木の伐採や物置・車庫の片付けが加わりやすいこと、2階建て以上では階段を使った搬出で人手が増えること、駐車スペースの確保やエレベーターの有無といったマンションにはない条件が絡むことです。平屋で駐車がしやすく物量が少ない一軒家であれば、同間取りのマンションと近い金額に収まることもあります。
一軒家の遺品整理費用を安くする一番効果的な方法は何ですか?
最も効果が大きいのは物量を減らすことです。自治体の粗大ごみ収集や持ち込みで自力処分できる分を先に減らし、貴金属・着物・骨董品・製造年数の新しい家電などは買取に回して費用を相殺します。そのうえで2〜3社から内訳のある見積もりを取り、金額の根拠を比較すると、同じ条件でも数万円の差が縮まります。
遠方に住んでいても一軒家の遺品整理を依頼できますか?
可能です。安心実家じまいは全国対応の窓口で、遠方の場合は鍵をお預かりし、立ち会いなしで進められます。各部屋・収納・物置・庭の写真を送っていただければ概算のお見積もりを出せます。作業前後の写真をご報告し、貴重品や思い出の品は仕分けて保管のうえご指定の住所へお送りします。LINEでの無料見積もりに対応しています。
庭木の伐採や物置の解体もまとめて頼めますか?
対応できる業者を選べば可能です。ただし庭木の伐採や物置の解体は、屋内の片付けとは別の作業になるため、見積もり依頼の時点で庭・物置・車庫の写真も添えて伝えることをおすすめします。安心実家じまいでは、遺品整理と合わせて庭木の伐採や物置の撤去についてもご相談を受け付けており、対応可能な提携業者をご案内します。
孤独死などで特殊清掃が必要な場合、費用はどう変わりますか?
通常の遺品整理よりも高くなる傾向があります。消臭・消毒に使う薬剤や機材、作業員の防護装備などが加算されるためです。金額は臭いや汚れの程度によって幅が大きく、電話や写真だけでは判断が難しいこともあります。気になる状況があれば早めに業者へ伝え、現地確認のうえで見積もりを出してもらうことをおすすめします。

まとめ

一軒家の遺品整理費用は、間取りだけでなく庭・物置・車庫・階数といった戸建て特有の条件によって変わります。要点を振り返ります。

  • 一軒家の遺品整理費用の目安は2DK〜2LDKで9〜30万円、3DK〜3LDKで15〜50万円、4LDKで22〜65万円、5LDK以上で35〜90万円
  • 庭木の伐採・物置の解体・車庫の片付けなど、一軒家特有のオプション費が加わりやすい
  • 費用の内訳は人件費・車両費・処分費・オプション費の4項目。処分費の比率が大きいため、物量削減が最も効果的
  • 自治体の粗大ごみを併用すれば処分費を抑えられる。申込方法・手数料は自治体ごとに異なる
  • 買取・古物商許可・訪問購入のクーリング・オフなど、法律に関わる知識も業者選びの判断材料になる
  • 無許可回収業者は避け、許可・古物商許可・損害保険・見積内訳の4点を書面で確認する
  • 遠方在住でも、写真見積もりと立ち会いなしの作業で進められる

まずは実家の各部屋・収納・物置・庭の状況を写真にまとめ、間取りだけでなく階数や前面道路の幅も含めて業者に伝えることが、適正な見積もりへの近道です。仏壇や農機具など一軒家に多い遺品がある場合も、最初の相談時に伝えておくと当日の作業がスムーズに進みます。同じ間取りでも、庭・物置・車庫の有無や空き家期間によって総額は大きく変わるため、電話やLINEで概算を聞く段階から、できるだけ具体的な情報を伝えることを意識してください。全体の進め方は遺品整理の完全ガイドを、間取り別の相場の考え方は遺品整理の料金相場を間取り別に解説をご覧ください。

読むより、聞いたほうが
早いこともあります

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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

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