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神棚の処分方法|神社でのお焚き上げ・魂抜き・費用相場

最終更新日:2026年8月6日|監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生・安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

この記事の結論

  • 神棚の処分方法は大きく「自治体ごみ」「神社でのお焚き上げ」「販売店の引き取り」「不用品回収・遺品整理業者への依頼」の4つです。費用は無料〜3万円程度と方法によって差があります。
  • 神道では、御霊が宿るのは主に御札とされます。御札は神社の古札納所へ返納し、棚本体は感謝の拝礼と掃除をしてから手放すのが基本の考え方です。「御霊抜き(魂抜き)」は必須の決まりではなく、地域や神社によって扱いが異なります。
  • 神具は陶器・金属(不燃)木・紙(可燃)で処分ルートが変わります。自宅の庭でのお焚き上げ(野外焼却)は廃棄物処理法で原則禁止されている点にも注意が必要です。
  • 遺品整理と合わせて神棚を処分する場合、対応可能な業者に依頼すれば追加料金なしで合同供養まで任せられることも少なくありません。
目次

神棚を処分する前に知っておきたい基本

神棚は木材や紙、金属、陶器など複数の素材でできた「棚」と、そこに納められた御札・神具の集合体です。処分を考えるとき、多くの方が最初に迷うのは「神様が宿っているものをごみとして捨ててよいのか」という点でしょう。ここでは処分に取りかかる前に押さえておきたい考え方を整理します。

「魂が宿る」のは棚本体ではなく御札という考え方

神道の一般的な考え方では、神様の御霊(みたま)が宿るのは神棚に納められた御札であり、棚そのものは御札を安置するための「入れ物」とされています。そのため、御札を神社に返納すれば、棚本体は信仰の対象ではなく家具に近い扱いとして処分できる、という整理をする神社・専門家が少なくありません。一方で、神棚を設置する際に神職に依頼して正式な「魂入れ」(鎮座祭・奉鎮祭などと呼ばれます)を行っている場合は、手放す前に同じく神職による区切りの儀式を受けたほうがよい、という考え方もあります。

「御霊抜き」「魂抜き」という言葉について

仏壇の「魂抜き(お性根抜き)」と混同されがちですが、神道では正式には「御霊抜き(みたまぬき)」「神上げ」「遷霊祭」などと呼ばれます。日常の会話では「魂抜き」という言葉が使われることも多く、この記事でも分かりやすさを優先して両方の表記を使います。全国一律で必須と定める決まりはなく、地域の慣習や神社の方針によって扱いに差がある点も知っておいてください。不安がある場合は、まず近隣の神社に「神棚を手放したいのですが、御霊抜きはお願いできますか」と相談してみるのが確実です。

処分・買い替えのタイミングの目安

神棚を処分するタイミングに全国共通の決まりはありませんが、一般的には次のような節目で検討されることが多いようです。

  • 汚れや傷みが目立ってきたとき——木材でできた神棚は購入から5〜10年ほどで日焼けや割れが出やすくなります。神道では神様をお祀りする場所は清浄であるべきという考え方があり、傷みを機に買い替える家庭が多く見られます。
  • 引っ越し・建て替え・リフォームのとき——住まいの環境が変わるタイミングで、神棚も新調する、あるいは設置スペースがなくコンパクトなものに切り替える、という判断がよく行われます。
  • 実家の片付け・相続のとき——親の代から祀られてきた神棚を、実家の遺品整理や解体にあわせて手放すケースです。日々のお参りをする人がいなくなる場合、無理に自宅へ引き継がず処分を検討する家庭も少なくありません。
  • 式年遷宮など神事の節目——伊勢神宮の式年遷宮(20年に一度)にあわせて新調する考え方もありますが、これは義務ではなくあくまで一つの目安です。

迷ったときは、無理に処分せず、壁掛けタイプやお札立てなど省スペースの神棚に切り替えるという選択肢も検討する価値があります。

処分前にやっておきたい下準備

どの処分方法を選ぶ場合でも、共通してやっておきたい下準備があります。まず神棚の前で二拝二拍手一拝を行い、これまでの加護への感謝を伝えます。次に御札・神具を取り外し、粗塩で軽く清めてから半紙や白い布で包みます。最後に棚本体のほこりを払い、汚れを拭き取ってから作業に入ります。埃をかぶったまま神社や業者に預けるのは失礼にあたるとされているため、簡単な掃除だけでも済ませておくと安心です。人間の息は不浄とされるため、御札を扱う際は白い和紙を口元に添える「口覆い」という伝統的な作法もありますが、家庭で行う場合は無理のない範囲で構いません。

神棚の処分方法4つを比較する

神棚の処分方法は、大きく分けて次の4つです。それぞれに費用・供養の有無・向いているケースが異なるため、状況にあわせて選んでください。

処分方法 費用の目安 供養(御霊抜き) 向いているケース
自治体のごみとして処分 無料〜数百円程度 なし(自分で拝礼・清めを行う) 費用を抑えたい/御札は先に返納済みの場合
神社に依頼(お焚き上げ・祈祷) 初穂料5,000円前後が目安(数千円〜数万円と幅あり) あり 正式な形で区切りをつけたい
神棚・仏壇の販売店に引き取り依頼 5,000円〜30,000円程度 神社と提携して対応する店が多い 買い替えと同時に手放したい
不用品回収業者・遺品整理業者に依頼 要相談(他の家財と合わせれば追加料金なしのことも) 合同供養で対応する業者が多い 他の家財とまとめて処分したい/時間がない

(各社公式サイト・料金案内をもとに作成。金額は目安であり、神棚のサイズ・材質・依頼先によって変動します)費用に幅があるのは、神社ごとに初穂料の定めが異なること、業者ごとに人件費や供養の有無、他の不用品とまとめられるかどうかが違うためです。金額だけで選ばず、供養の有無や証明書発行の可否もあわせて確認することをおすすめします。

方法1:自治体のごみとして処分する

御札を神社へ返納したあとであれば、棚本体は木製の家具に近いものとして、自治体のルールに従い可燃ごみまたは粗大ごみで処分できます。サイズの目安として、多くの自治体では一辺30センチを超えるものを粗大ごみとして扱っています。可燃ごみで出す場合は塩を振ってお清めしてから出すのがマナーとされ、粗大ごみの場合は事前申込制の自治体が多いため、収集日や手数料券の準備に日数がかかる点に注意してください。

方法2:神社に依頼する(祈祷・お焚き上げ・納札所・どんど焼き)

神社に依頼する場合、さらに3つの選択肢があります。1つ目は祈祷(御霊抜き)とお焚き上げをセットで依頼する方法、2つ目は御札のみを納札所(古札納所)に返納する方法、3つ目は毎年1月中旬ごろに行われる「どんど焼き」(地域によっては左義長・とんど焼きとも呼ばれます)に持ち込む方法です。どんど焼きは時期が限られるうえ、陶器や金属など燃えない神具は受け付けてもらえないのが一般的です。近隣に神社がない場合や持ち込みが難しい場合は、郵送で古札やお焚き上げ品を受け付けている神社もあります(対応の可否や条件は神社ごとに異なるため、事前に公式サイトで確認してください)。郵送の場合は追跡できる配送方法を使い、供養(焼納)証明の有無も確認しておくと安心です。

方法3:神棚・仏壇の販売店に引き取ってもらう

買い替えを検討している場合は、神棚や仏壇を扱う専門店の引き取りサービスが便利です。多くの場合、店側が神社と提携して供養してから処分するため、御霊抜きの手配を自分でする必要がありません。新しい神棚を同時に購入する場合は割安になり、引き取りのみの依頼はやや高くなる傾向があります。依頼前に、神棚の寸法・外観写真・神具の有無・搬出経路の情報を伝えておくとスムーズです。

方法4:不用品回収業者・遺品整理業者に依頼する

他の家財とまとめて処分したい場合や、時間の余裕がない場合に向いています。遺品整理業者の多くは、家財の片付けの一環として神棚も引き取り、他の依頼者の分とあわせて「合同供養」を行う体制を整えています。遺品整理の依頼に追加料金なしで含まれることも珍しくありません。一方、神棚だけを単体で不用品回収業者に依頼する場合は、業者によって供養の有無や証明書発行の対応がまちまちなため、依頼前に確認しておく必要があります。業者選びの注意点は後述のチェックリストで詳しく整理します。

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品目別の処分ガイド

「神棚」とひとくくりに言っても、御札・神具・お供え物・棚本体では処分ルートが異なります。品目ごとに整理すると、次のとおりです。

品目 基本の処分ルート 注意点
御札・御守 授与元、または他社札を受け付ける神社の古札納所へ返納 むき身ではなく白い紙に包んで持参する。郵送対応の神社もある
神具(陶器・金属・ガラス製) 不燃ごみとして自治体へ、または神社・業者に相談 お焚き上げは可燃物が対象のため、そのままでは持ち込めないことが多い
神具(木製・紙製の御幣・雲板など) 可燃ごみ、または神社のお焚き上げ 金具がついている場合は外してから分別する
しめ縄・紙垂 可燃ごみ、または正月飾りと一緒にどんど焼きへ どんど焼きは時期が1月中旬に限られる
お供え物(米・塩・酒・榊など) 食べられるものは料理に使う。榊は清めて可燃ごみへ お下がり(撤下神饌)は縁起の良いものとされ、なるべく無駄にしない
棚本体(神棚そのもの) 可燃・粗大ごみ、神社への持ち込み、販売店・業者への依頼 サイズが大きい場合は粗大ごみ扱い。解体すると搬出・処分がしやすい

御札・お守りの扱い方

御札は「神様の依り代」として最も丁寧な扱いが求められる品目です。むき出しのまま持ち運ばず、白い紙や布で包み、できれば授与を受けた神社に返納します。授与元が遠方、あるいは何代も前から受け継がれていて授与元が分からない場合は、他社の御札も受け付ける旨を公式サイトで案内している神社を探すか、郵送での古札返納に対応する神社に相談してください。複数の御札がまとまっている場合も、まとめて返納できる神社が多くあります。

神具(陶器・金属・木製)の扱い方

榊立てや水玉、灯立といった神饌器は陶器・金属・ガラス製が多く、燃やせないためお焚き上げの対象外になるのが一般的です。粗塩で軽く清めたあと、素材ごとに分別して自治体の不燃ごみ・資源ごみのルールに従って出します。雲板や御幣など木製・紙製の部材は可燃ごみとして扱えますが、金具が取り付けられている場合は外してから分別すると、収集時のトラブルを防げます。

お供え物・しめ縄の扱い方

米・塩・酒・お菓子などのお供え物は、神様の神気が宿った「撤下神饌(てっかしんせん)」として、傷む前に下げて料理に使うのが本来のマナーです。榊は塩で清めてから白紙に包み、可燃ごみとして処分して差し支えありません。しめ縄や紙垂は、正月飾りと同様にどんど焼きへ持ち込むか、可燃ごみとして処分します。

棚本体(神棚そのもの)の扱い方

棚本体は、御札・神具を取り外したあとであれば、家具に準じたものとして扱えます。据え置き型の大型神棚は解体すると搬出しやすくなり、粗大ごみの寸法基準を下回れば可燃ごみとして出せる場合もあります。解体が難しい場合や、そのままの姿で丁重に手放したい場合は、神社への持ち込みや業者への依頼を検討してください。

買取に出せる神具・神棚はあるのか

神棚そのものは量産品であることが多く、資産価値としてはほとんど値が付かないのが実情です。ただし、欅(けやき)などの銘木を使った特注品や、真鍮製・銅製の装飾性の高い神具、作家物の神鏡などは、状態や需要によってごくまれに買取対象になることがあります。買取額は「材質・作りの精巧さ・状態・現在の需要」によって大きく変わるため、査定額に幅が出るのが通常です。買取を依頼する場合は、古物営業法に基づく古物商許可を持つ業者かどうかを確認してください。遺品整理にあわせて家財を査定に出す場合の基本的な考え方は、遺品整理での買取の仕組みと注意点で解説しています。

費用相場とケース別シミュレーション

神棚の処分費用は「誰が」「どこまでの範囲を」依頼するかによって大きく変わります。想定しやすいよう、3つのケースで概算を示します。実際の金額は神社・業者・地域によって異なるため、あくまで目安としてご覧ください。

ケース 状況 費用の目安 内訳の考え方
ケース1 単身用の小型(壁掛け)神棚を引っ越しで手放す。御札は自分で神社へ返納 0円〜数百円程度 御札返納は賽銭程度、棚本体は自治体の可燃ごみで処分
ケース2 実家の据え置き型神棚一式(御札・神具付き)を神社に依頼して御霊抜き・お焚き上げまで完結 5,000円前後〜1万円台 祈祷・お焚き上げの初穂料が中心。不燃の神具は別途自治体へ
ケース3 実家の遺品整理とあわせて、神棚・仏壇・家財一式を業者にまとめて依頼 遺品整理費用に含む(追加料金なしのことが多い)/単体依頼なら5,000〜30,000円程度 合同供養の体制がある業者を選ぶと、個別の神社手配が不要になる

ケース1とケース2の差は「供養(御霊抜き)を正式に依頼するかどうか」です。費用を最優先するならケース1、心情的な区切りを重視するならケース2、片付け全体の手間を減らしたいならケース3、というように優先順位で選ぶと決めやすくなります。実家の家財全体の片付け費用の考え方は遺品整理サービスのページ、進め方の全体像は遺品整理とは?いつから・費用・捨ててはいけないもので確認できます。

費用に幅が出る理由

同じ「神社に依頼する」場合でも、初穂料は神社によって数千円から数万円まで開きがあります。これは、神社ごとに祭典の格式や地域の慣例、祈祷にかかる時間が異なるためで、金額そのものに正解はありません。業者に依頼する場合も、神棚の大きさ・設置階数・搬出経路の広さ・他の家財とまとめられるかどうかで見積もりが変わります。金額を比較する際は、単純な総額だけでなく「供養が含まれているか」「証明書が発行されるか」まで含めて比べると、納得感のある選択がしやすくなります。

神社に問い合わせるときの伝え方(連絡テンプレート)

初めて神社に電話やメールで問い合わせる場合、次の内容を簡潔に伝えると話がスムーズです。「神棚の処分についてご相談です。御札1体、神具数点、棚本体1点を手放したいのですが、御霊抜きとお焚き上げをお願いできますか。持ち込みを希望しており、初穂料の目安と当日の流れを教えてください」といった形で、品目・数量・持ち込みか郵送かの希望・初穂料の目安を確認したい旨を伝えれば、担当者も案内しやすくなります。

知っておきたい関連法制度

神棚の処分は多くの場合トラブルなく進められますが、方法によっては法律上の注意点があります。あらかじめ知っておくと、業者選びや処分の進め方で判断を誤らずに済みます。

自宅の庭でのお焚き上げ(野外焼却)は原則禁止

「自分でお焚き上げをしたい」と考える方もいますが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、野外での廃棄物の焼却は原則として禁止されています。同法の施行令には「風俗慣習上又は宗教上の行事を行うために必要な廃棄物の焼却」を例外として認める規定があり、神社が正式に行うお焚き上げやどんど焼きはこの例外にあたると解されています。しかし、個人が自宅の庭で神棚を焼くといった行為は、この例外に当てはまらず、煙や臭いによる近隣トラブルや消防法・自治体条例上の火気規制に抵触するおそれもあります。お焚き上げを希望する場合は、神社や許可を持つ事業者に依頼してください。

不用品回収業者に依頼する場合は許可の有無を確認する

家庭から出るごみ(一般廃棄物)の収集運搬を業として行うには、市区町村長の「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。「無料回収」をうたって家庭を回るトラックの中には、この許可を持たない業者も見られます。無許可業者に依頼した廃棄物が不法投棄された場合、依頼した側が事情を問われる可能性もゼロではありません。業者に依頼する際は、許可証の提示を求めるか、遺品整理業者であれば一般廃棄物収集運搬の許可を持つ事業者と提携しているかを確認しましょう。

買取を依頼する場合は古物営業法の許可を確認する

神具や神棚を売却する形で処分したい場合、買取を行う業者には古物営業法に基づく古物商許可が必要です。許可のない業者が買取をうたっている場合は避け、許可番号の提示を求めても差し支えありません。

悪質業者を避けるための実務チェックリスト

神棚の処分を業者に依頼する際、確認しておきたい項目を一覧にまとめました。電話やメールで問い合わせる際のチェックリストとしてご活用ください。

確認項目 ポイント
会社名・所在地・許可番号 一般廃棄物収集運搬業許可(回収の場合)、古物商許可(買取の場合)の番号を確認する
供養(御霊抜き)の実施有無 供養まで含むのか、棚の回収のみなのかを明確にする
証明書の発行 供養・焼納の証明書を発行できるかを確認する(希望する場合)
見積もりの内訳 基本料金・出張費・供養料が分けて記載されているか
追加料金の条件 「当日追加」が発生する条件と上限が事前に説明されているか
支払いのタイミング 現金の全額前払いのみを求める業者は要注意

神社に依頼する場合も、事前に「処分品目・数量・持ち込みか郵送か・希望日・初穂料の目安」を簡潔に伝えておくと、話がスムーズに進みます。年末年始やどんど焼きの時期は神社・自治体の窓口が混み合うため、余裕を持った日程で相談することをおすすめします。

相談窓口でよく見られる失敗パターン

実家の片付け相談を受ける中では、神棚の処分をめぐって次のような失敗パターンが繰り返し見られます。事前に知っておくと、同じつまずきを避けやすくなります。

  • どんど焼きの時期を逃して手つかずのまま年をまたぐ——どんど焼きは1月中旬の一時期に限られるため、「そのうち」と先延ばしにしているうちに機会を逃し、翌年まで棚が居間に残ったままになるケースです。
  • 不燃の神具を可燃ごみの日に出してしまい収集されない——陶器製の榊立てなどを木製の棚と一緒くたに出してしまい、収集されずに残ってしまう例です。素材ごとの分別を先に済ませておくと防げます。
  • 供養なしの回収業者に依頼して後悔する——料金の安さだけで業者を選び、他の粗大ごみと一緒に扱われたことに後から違和感を覚える相談も少なくありません。供養の有無は契約前に確認しておくことが大切です。
  • 御札の授与元が分からず持ち込み先に迷う——何代も前から受け継がれた神棚で、どの神社の御札か分からなくなっているケースです。他社の御札を受け付ける神社を探すか、氏神様(自宅の地域を守る神社)に相談すると解決しやすくなります。

遺品整理・実家じまいで神棚が出てきたときの進め方

実家の片付けを進めていると、居間や台所の高いところに神棚が祀られたままになっているケースは珍しくありません。仏壇と同様に、神棚も「どう処分すればよいか分からず後回しにされやすい品目」の一つです。片付け全体の中で神棚だけを別扱いにすると、結局は最後まで手つかずのまま残ってしまうこともあります。

遺品整理を業者に依頼する場合は、見積もりの段階で「神棚・仏壇があること」「供養の希望があるかどうか」を伝えておくと、対応可能な業者かどうかを事前に判断できます。供養に対応できる業者であれば、他の依頼者の分とあわせた合同供養という形で、御霊抜きから処分までを一括して任せられることが多く、個別に神社を探して持ち込む手間を省けます。一方、自分の手で御霊抜きをお願いしたい、思い入れのある神棚だから正式な形で送り出したいという場合は、片付けの日程よりも先に神社へ相談しておくとよいでしょう。実家の片付け全体の流れや費用の考え方は遺品整理サービスのページと遺品整理とは?いつから・費用・捨ててはいけないもので詳しく紹介しています。

神棚と仏壇の両方がある実家の進め方

一つの実家に神棚と仏壇の両方が祀られているケースは珍しくありません。神棚は神道、仏壇は仏教とお祀りの体系が異なるため、依頼先も分かれることがあります。仏壇の供養(閉眼供養・魂抜き)は主に菩提寺などの寺院が担い、神棚の御霊抜きは神社が担うのが基本の考え方です。二か所へ別々に持ち込むのが難しい場合は、遺品整理業者の中に神棚・仏壇双方の供養先と提携している業者もあるため、見積もり時に両方の対応可否をあわせて確認しておくと、依頼先を一本化できる場合があります。宗派や地域によって作法の細部が異なることもあるため、迷ったときは菩提寺や氏神様の神社に直接尋ねるのが確実です。

安心実家じまいのサービス案内

安心実家じまいは、実家の家財の片付けから家の売却・解体の手配までを一つの窓口でお受けする全国対応のサービスです。神棚や仏壇のように、処分に迷いやすい品目についても、ご相談の段階で供養の希望を伺い、対応可能な提携業者をご案内します。

遺品整理のみのご依頼は遺品整理サービスで承ります。家の処分まで見据えている場合は、家財の片付けと家の売却・解体の手配をまとめて行う実家じまい代行パックが割安になる場合があります。神棚や仏壇の供養、貴金属や着物などの買取による費用の相殺にも対応しており、査定の考え方は遺品整理での買取の仕組みと注意点でも紹介しています。

提携業者は、一般廃棄物収集運搬の許可や損害保険の加入状況を安心実家じまい事務局が事前に確認したうえで紹介しています。基準の詳細は提携業者の品質基準のページでご案内しています。

よくある質問

神棚は普通のごみとして捨ててもいいのですか?
自治体のルールに従えば、可燃ごみまたは粗大ごみとして処分すること自体は可能です。ただし神道では、神棚の中の御札に神様の御霊が宿るとされているため、御札だけは先に神社へ返納し、棚本体も感謝を込めて掃除・お参りをしてから出すのがマナーとされています。魂入れの儀式をした記憶がある神棚は、そのままごみに出すのではなく、神社での御霊抜き(魂抜き)を先に済ませておくと安心です。
魂抜き(御霊抜き)はやらなければいけませんか?
法律上の義務ではなく、必須と定める全国共通の決まりもありません。神道では御霊が宿るのは主に御札とされ、棚本体そのものは家具に近い扱いという考え方もあります。とはいえ長年家族を見守ってきたものを何もせず捨てることに抵抗を感じる方は多く、神社での御霊抜き・清祓いを受けるか、難しい場合は自宅で二拝二拍手一拝の拝礼と塩でのお清めをしてから手放す方法もあります。迷ったら近隣の神社に相談してみてください。
神棚の処分費用はどのくらいかかりますか?
方法によって幅があります。自治体の可燃ごみ・粗大ごみとして出す場合は無料〜数百円程度、神社にお焚き上げ・祈祷を依頼する場合は初穂料としておおむね5,000円前後(数千円〜数万円と神社により差があります)、神棚・仏壇の販売店に引き取ってもらう場合は5,000円〜3万円程度が目安です。遺品整理業者に他の家財と一緒に依頼する場合、追加料金なしで対応してもらえることも少なくありません。
お札だけを返納したいのですが、どこに持って行けばいいですか?
基本は、お札をいただいた神社の「古札納所」「納札所」に返納します。授与元が分からない、遠方で持ち込めないという場合は、他社の御札も受け付けている神社や、郵送での古札返納に対応している神社を利用する方法もあります。神社によって対応は分かれ、持ち込みが必須の神社や郵送を受け付けていない神社もあるため、事前に電話や公式サイトで確認しておくと二度手間になりません。
遺品整理で実家の神棚が出てきた場合はどうすればいいですか?
供養に対応できる遺品整理業者であれば、他の家財と一緒に神棚を引き取り、合同供養という形で御霊抜きから処分まで任せられる場合が多く、追加料金がかからないことも珍しくありません。安心実家じまいでも、遺品整理や実家じまい代行のご依頼の中で、神棚や仏壇の供養先の手配についてご相談を承っています。ご自身で神社に持ち込む時間が取れない場合は、片付け全体とあわせて業者に相談するのも一つの方法です。
神棚と仏壇を両方処分したいのですが、同じ依頼先でまとめられますか?
神棚は神道、仏壇は仏教とお祀りの体系が異なるため、本来は神棚を神社へ、仏壇を菩提寺などの寺院へと依頼先が分かれます。それぞれに個別で相談するのが基本ですが、遺品整理業者の中には神棚・仏壇双方の供養先と提携している業者もあり、見積もり時に対応可否を確認すれば依頼先を一本化できる場合もあります。宗派や地域による作法の違いもあるため、迷ったときは菩提寺や氏神様の神社に直接尋ねると確実です。

まとめ

神棚の処分は、正しい手順さえ押さえれば決して難しいものではありません。要点を振り返ります。

  • 処分方法は自治体ごみ・神社でのお焚き上げ・販売店の引き取り・不用品回収や遺品整理業者への依頼の4つ。費用は無料〜3万円程度と方法で差が大きい
  • 御霊が宿るのは主に御札という考え方が一般的。御札は神社の古札納所へ返納し、棚本体は感謝の拝礼と清めをしてから手放す
  • 「魂抜き(御霊抜き)」に全国一律の義務はないが、迷ったら神社に相談するのが確実
  • 神具は陶器・金属(不燃)と木・紙(可燃)で処分ルートが分かれる。お焚き上げは可燃物が対象
  • 自宅の庭でのお焚き上げ(野外焼却)は廃棄物処理法で原則禁止されている
  • 業者に依頼する場合は一般廃棄物収集運搬業許可(回収)、古物商許可(買取)の有無を確認する
  • 遺品整理とあわせて処分する場合、対応可能な業者なら追加料金なしで合同供養まで任せられることも多い

費用や供養の有無で迷ったときは、まず「御札をどこに返納するか」を決めることから始めると、全体の段取りが見えやすくなります。実家の家財整理とあわせて神棚の処分先を検討している場合は、遺品整理サービス遺品整理とは?いつから・費用・捨ててはいけないものもあわせてご覧ください。

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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

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