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仏壇処分の方法7つと費用相場|無料でできる?粗大ごみ・閉眼供養の注意点

最終更新日:2026年9月29日|法務監修:司法書士・行政書士 久留慎一郎先生|執筆・編集:安心実家じまい事務局

司法書士・行政書士 久留慎一郎
監修者

久留 慎一郎(ひさどめ しんいちろう)/司法書士・行政書士

東京大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に26年間勤務(うち法務部に4年間所属)。在職中に司法書士試験に合格し、2018年に独立開業、2021年に司法書士法人を設立。相続登記や不動産の名義変更など、実家じまいに関わる法律手続きを担当する。安心実家じまいの提携司法書士・行政書士。

監修の範囲:相続・登記・法務に関する記述(司法書士・行政書士の業務範囲)。片付け・買取・費用相場などの記述は安心実家じまい事務局が編集しています。監修者プロフィール

税金について:税額の計算や特例を使えるかどうかの判断は税理士の業務で、監修の範囲に含みません。申告の前に、税理士または所轄の税務署でご確認ください。

■経歴

  • 1966年鹿児島県生まれ
  • 1985年鹿児島ラ・サール高校卒業
  • 1989年東京大学法学部卒業/同年、日本航空株式会社入社(2002〜2006年は法務部所属)
  • 2013年司法書士試験合格
  • 2015年簡易裁判所訴訟代理等に関する法務大臣認定/同年、日本航空株式会社退職、司法書士法人コスモ入所
  • 2017年司法書士法人コスモ退職
  • 2018年事務所開設
  • 2021年司法書士法人設立

■得意領域

  • 相続登記・相続手続き
  • 不動産の名義変更
  • 相続放棄
  • 簡易裁判所の訴訟代理

監修範囲:久留慎一郎先生(司法書士・行政書士)の監修は、相続・登記・法務に関する記述です。監修者プロフィール

この記事の結論

  • 仏壇処分の方法は菩提寺・仏具店・遺品整理業者・粗大ごみ・自治体への持ち込み・買取・お焚き上げの7つ。費用は自治体の粗大ごみなら1基1,000〜2,000円程度(大阪市1,000円、名古屋市は2026年10月収集分から2,000円)、供養と搬出を任せると数万円が目安です。
  • 「仏壇処分 無料」は条件つきで可能です。自治体の処理施設への持ち込み(例:奈良市は一般家庭ごみ100kgまで無料。ただし原則として住人本人の搬入に限られ、2026年11月末までは一部の大型ごみの持ち込みが制限中)や、買い替え時の仏具店の引き取りなどが該当しますが、閉眼供養のお布施は別にかかると考えておきましょう。
  • 閉眼供養(魂抜き)は法律上の義務ではありません。浄土真宗本願寺派は、仏壇にご本尊を迎える法要でも僧侶が「魂」を入れるのではないと説明しており、手放す際の作法も一般的な閉眼供養とは考え方が異なるため、手次寺への確認が欠かせません。お布施は1万〜5万円程度がよく示される目安ですが、公的な基準や決まった金額はないため、菩提寺に尋ねてかまいません。
  • 仏壇は民法897条の祭祀財産で、相続財産とは別に扱われます。ただし引き出しの中の現金・通帳・貴金属は相続財産なので、相続放棄を考えている場合は中身に手をつける前に専門家へ相談してください。
  • 家庭のごみを回収するには市区町村の許可が必要です。「無料回収」をうたう巡回トラックや、古物商許可しか持たない業者には処分を頼まないのが安全です。

実家の片付けを始めると、最後まで手が止まりやすいのが仏壇です。重くて運び出せない、宗派の作法が分からない、親族にどう伝えるか迷う、そもそもいくらかかるのか見当がつかない。こうした悩みが重なり、何年もそのままになっている家は珍しくありません。

この記事は、実家や自宅の仏壇を手放す方に向けて、処分方法ごとの費用と手順、無料で処分できるケースの実態、自治体の粗大ごみのルール(大阪市・名古屋市・奈良市の公式情報で確認)、宗派ごとの考え方、仏壇の中身の確認リストまでを1本にまとめたものです。閉眼供養の作法や日程の組み方を詳しく知りたい方は仏壇じまいの進め方を、家の売却前に仏壇・神棚をどう片付けるかは売却前の仏壇・神棚の処分をあわせてご覧ください。

なお、祭祀財産や相続放棄など法律に関わる部分は、監修者(司法書士・行政書士)の確認範囲です。宗教上の作法は各宗派・菩提寺の考えが優先されるため、本文では宗派の公式情報で確認できた範囲だけを書いています。

目次

仏壇処分の方法7つ|費用・手順・向き不向きの比較表

仏壇の処分は「供養(閉眼供養など)」と「物としての処分(搬出・廃棄)」の2つに分けて考えると整理しやすくなります。依頼先によって、両方をまとめて頼めるところと、片方しか担わないところがあるためです。

方法 費用の目安 供養 搬出 主な手順 向いている人
1. 菩提寺に引き取ってもらう お布施1万〜5万円程度+引き取りの謝礼(寺院により不要〜数万円) その場で依頼できる 自分で運ぶか、寺院が手配(寺院次第) 菩提寺に相談→閉眼供養の日程→引き取り可否と運搬方法を確認 付き合いのある菩提寺がある
2. 仏具店・仏壇店に引き取ってもらう 買い替え時は無料〜数千円のことも。引き取りのみは数万円程度(供養込みのプランあり) 提携寺院の手配が多い 店が手配 見積もり→供養の方法を確認→引き取り日に搬出 小型仏壇に買い替える、菩提寺がない
3. 遺品整理業者に依頼 仏壇単体の回収は数千円〜数万円。家財とまとめると割安になりやすい 提携寺院の手配に対応する業者が多い(読経は僧侶のみ) 業者が手配 写真・現地で見積もり→供養の手配→家財と一緒に搬出 実家全体を片付ける、遠方に住んでいる
4. 自治体の粗大ごみ(戸別収集) 1基1,000〜2,000円程度(大阪市1,000円、名古屋市1,000円→2026年10月収集分から2,000円) 別に手配 自分で指定場所まで出す 申し込み→処理券購入→収集日に屋外へ 小型〜中型で、運び出せる人手がある
5. 自治体の処理施設へ持ち込み 無料〜重量課金(奈良市は家庭ごみ100kgまで無料) 別に手配 自分で車に積んで運ぶ 受入条件・予約の確認→車で搬入→計量 車と人手があり、その家の住人が搬入できる
6. 買取(仏具店・骨董店・リユース) 本体はほとんど値がつかない。唐木の高級品・美術的価値のある仏具は例外あり 別に手配 業者次第 写真で査定→供養の要否を確認→引き渡し 銘木・作家物・金属仏具がある
7. お焚き上げ(寺院・神社・郵送) 品物の大きさ・量で設定。位牌や写真など小物向き 読経・焚き上げで供養 持ち込みまたは郵送 受付品目と大きさを確認→持参・郵送 位牌・遺影・掛け軸など、仏壇本体以外を手放す

表の費用は、自治体の手数料(公式サイトで確認した額)を除き、依頼先の料金体系や地域で変わる一般的な目安です。お布施の額に幅がある理由は後述します。

どの方法を選ぶか|3つの質問で絞り込む判定フロー

  1. 付き合いのある菩提寺はありますか? ある→まず菩提寺に相談(方法1)。供養と引き取りの両方を頼めるか確認し、引き取りが難しければ搬出だけを業者や粗大ごみに回します。ない→質問2へ。
  2. 仏壇以外の家財もまとめて片付けますか? はい→遺品整理業者(方法3)で、供養の手配と搬出を一括に。家の売却や解体まで視野に入れている場合は、実家じまい全体を1つの窓口で進めるほうが日程調整の手間が減ります。いいえ→質問3へ。
  3. 自分たちで運び出せますか?(高さ・重さ・階段・人手) はい→供養だけ依頼し、本体は粗大ごみか持ち込み(方法4・5)。いいえ→仏具店(方法2)か業者(方法3)に搬出まで任せます。

小型仏壇への買い替えを考えているなら、どの段階でも先に仏具店へ下取り・引き取りの条件を聞くと、費用を抑えられる可能性があります。

買取に出せる仏壇・仏具の条件

仏壇本体は、家ごとに宗派や寸法が違い、中古で買い手を探しにくいため、値がつくことはまれです。査定の対象になりやすいのは、黒檀・紫檀などの銘木を使った唐木仏壇で状態が良いもの、伝統工芸品の産地表示や作家名があるもの、純金・銀・真鍮の仏具、美術的価値のある仏像や掛け軸です。

買取を頼むときは、環境省が案内しているとおり、古物商の許可を持つ信用できる業者に「中古品としての買取り」を依頼します。値がつかなかった品を「ついでに処分しておきます」と引き取る業者には注意が必要です。家庭のごみを回収するには、古物商許可とは別に市区町村の許可がいるためです。金属の仏具や骨董品の売り方は骨董品の買取と処分も参考にしてください。

仏壇の種類・サイズ別|処分のしやすさと費用の目安

同じ仏壇でも、種類と大きさで選べる方法が変わります。依頼先に相談するときは、種類と高さ・幅・奥行き、設置している部屋の階数を伝えると、見積もりの精度が上がります。

種類 大きさ・重さの目安 自分で処分 おすすめの方法
上置き型・ミニ仏壇 高さ50cm前後までが多く、1人で持てることが多い しやすい。自治体によっては分解して指定袋に入る大きさなら可燃ごみになることも 供養は寺院に依頼し、本体は粗大ごみ(方法4)
家具調仏壇(床置き) 高さ100〜150cm程度。2人で運べることが多い 扉・棚板を外せば比較的しやすい 粗大ごみか持ち込み。階段がある家は業者も検討
唐木仏壇 黒檀・紫檀などで重く、大型は2人以上でも搬出が難しい 解体しにくい。無理に切るとけがや建物損傷のおそれ 仏具店・業者に搬出まで依頼。状態が良ければ査定も
金仏壇 漆塗り・金箔で重く、装飾が繊細 難しい。金具・飾りが外れて破損しやすい 仏具店・業者に依頼。金具は分別が必要なことも

大きさの数値は一般的な製品の目安で、実際には製品ごとに差があります。粗大ごみは「玄関先など屋外の指定場所まで自分で出す」のが原則なので、2階の和室にある大型仏壇は、手数料が安くても現実には出せないことが多いと考えておきましょう。

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仏壇処分は無料でできる?自治体3市の公式ルールで確認

「仏壇処分 無料」で調べる方は多いのですが、結論は「本体の処分は条件がそろえば無料〜2,000円程度、供養まで含めると無料にはなりにくい」です。無料または無料に近くなるのは、主に次のケースです。

  • 自治体の処理施設へ自分で持ち込み、無料枠の範囲に収まる(奈良市など、無料枠を設ける自治体の場合)
  • 新しい仏壇を買う仏具店が、古い仏壇を買い替えのサービスとして引き取る
  • 菩提寺が閉眼供養のお布施とあわせて、引き取りまで追加の謝礼なしで受けてくれる
  • 解体した木材が、自治体の区分で通常の可燃ごみ(指定袋)として出せる

一方、家具店や家電量販店の引き取りサービスは「自社で購入した家具の入れ替え時」など条件がついていることが多く、仏壇は対象外とされる場合があります。利用前に店舗へ確認してください。

粗大ごみ・持ち込みのルールを3市で比べる

自治体によって手数料も、どこまでが粗大ごみかの線引きも違います。2026年9月時点で各市の公式サイトを確認した内容をまとめました。

自治体 仏壇の区分 手数料 ポイント
大阪市 粗大ごみ(最大の辺または径が30cmを超えるもの) 1基1,000円 事前申込制(インターネット・電話・チャットボット・ファックス・はがき)。品目別収集区分一覧表に「仏壇」が明記されている
名古屋市 粗大ごみ(事前申込制)。分別検索では「分解してお出しください」と案内 令和8年9月収集分まで1,000円/令和8年10月収集分から2,000円 収集日が2026年10月1日以降の分から手数料が改定される。粗大ごみの対象も、9月までの「30センチメートル角を超えるもの」から、10月以降は「容量45リットルの指定袋に入らないもの」に変わる(分解して45リットル袋に入れば可燃ごみ等の扱い)
奈良市(持ち込み) 環境清美センターへの自己搬入 一般家庭ごみは100kgまで無料、超える部分は10kgごとに100円 奈良市内で出たごみが対象で、前日までの予約制。原則として、ごみが出た住居に住んでいる人しか持ち込めない(免許証等で本人確認)。令和8年6月1日〜11月30日は焼却炉の全炉停止に伴い、燃やせるごみと大型ごみの一部(ごみ辞典で工場持込場所「3番」に当たるもの=可燃性の大型ごみ)が持ち込めない

大阪市と名古屋市では1基1,000〜2,000円で収集してもらえます。奈良市のように持ち込みの無料枠がある自治体なら本体の処分費はゼロにできますが、落とし穴が2つあります。1つは「その住居に住んでいる人」しか持ち込めないという条件です。親が亡くなった実家を、別の場所に住む子が片付ける場合は対象外になりえます。もう1つは施設の稼働状況による一時的な制限で、奈良市では2026年11月30日まで、可燃性の大型ごみ(工場持込場所「3番」に当たるもの)が持ち込めません。木製の仏壇はこれに当たる可能性があるため、市のごみ辞典や環境清美工場で確認してから予約してください。

他の地域の手数料は粗大ごみ手数料の自治体別比較にまとめています。どの自治体でも、申し込み時に「仏壇」と品目を伝え、高さ・幅・奥行きを測っておくと受付がスムーズです。

自分で解体して出すときの手順と注意点

家具調仏壇や上置き型のように構造が単純なものは、扉・引き出し・棚板を外すと運び出しやすくなります。名古屋市のように分解して出すよう案内している自治体もあります。

  1. 閉眼供養(宗派により別の法要)を先に済ませる。ご本尊・位牌・過去帳は解体前に取り出す
  2. 引き出し・台座の下・隠し引き出しまで中身を確認する(後述のチェックリスト参照)
  3. 扉・障子・引き出し・棚板など、工具なしで外れる部品を外す
  4. 金具・ガラス・金属製の飾りを分け、自治体の区分(不燃・金属など)に従う
  5. 本体を粗大ごみに出すか、指定袋に入る大きさまで分解できた木部を可燃ごみに出せるかを自治体に確認する

唐木仏壇や金仏壇は重く、漆や金箔の装飾が割れやすいうえ、のこぎりでの解体は手間とけがのリスクが大きくなります。無理に切らず、大型のものは搬出を任せたほうが結果的に安く済む場合もあります。近所の目が気になる場合は、木部と金具を分けて仏壇と分からない状態にしてから出す家庭も見られます。

閉眼供養(魂抜き)は必要?宗派別の考え方とお布施の目安

閉眼供養(へいがんくよう)は、仏壇やご本尊を手放す前に僧侶に読経してもらい、礼拝の対象としての役目を終えてもらう儀式です。「魂抜き」「お性根抜き」とも呼ばれます。行うかどうかに法律上の決まりはなく、閉眼供養をせずに粗大ごみに出しても違法ではありません。それでも多くの家庭が供養を選ぶのは、親族の気持ちの区切りになり、後から「なぜ供養しなかったのか」と揉めるのを避けられるからです。

宗派による呼び方と考え方の違い

宗派 仏壇を手放すときの考え方 確認先
浄土真宗 本願寺派の公式サイトは、新しい仏壇にご本尊を迎える法要を「入仏法要」と呼び、僧侶が仏さまの「魂」を入れるのではない、「お魂入れ」「お性根入れ」とは言わないと説明している。このため「魂抜き」という考え方もなじまないとされるが、仏壇を手放す際の作法は同サイトに記載がない。寺院によっては「遷仏法要」などの名称で勤める場合がある。大谷派など他の派も含め、作法は手次寺の案内に従う 手次寺(てつぎでら=所属するお寺)
浄土宗・曹洞宗・臨済宗・真言宗・天台宗・日蓮宗など 閉眼供養(魂抜き・お性根抜き)を行ってから処分するのが一般的 菩提寺。ない場合は同じ宗派の寺院や仏具店
宗派が分からない 位牌の戒名・法名、過去帳、ご本尊の姿(阿弥陀如来・釈迦如来・大日如来など)、以前の法要の案内状から手がかりを探す 仏壇を購入した仏具店、近隣の寺院

本願寺派の公式サイトは「位牌を用いない」とし、亡き人の法名・俗名・死亡年月日は過去帳に記すと説明しています。実家の仏壇に位牌が並んでいても、地域の慣習でそうなっている場合があるため、判断に迷ったら手次寺に聞いてください。仏壇を手放すときの法要の名称や内容は、宗派の公式サイトで統一的な説明を確認できなかったため、寺院ごとの案内に従ってください。

お布施の目安は1万〜5万円程度|幅がある理由

閉眼供養のお布施は「1万〜5万円程度」が目安としてよく示されます(当事務局の遺品整理サービスの案内も同じ目安です)。ただし、お布施は読経の対価として料金表で決まるものではなく、公的な基準もないため、この幅はあくまで参考値です。幅が出る主な理由は次のとおりです。

  • 寺院と家との関係(長年の檀家か、初めての依頼か)
  • 地域の慣習(都市部と地方、法要の規模)
  • 自宅まで来てもらうか、寺院で行うか(自宅に来てもらう場合、「御車代」を別に包む慣習がある地域・寺院もある)
  • 位牌やご本尊の供養を同時に頼むか

金額を尋ねるのは失礼ではありません。「皆さまどのくらいお包みされていますか」と聞くと、目安を教えてもらえることが多いです。菩提寺がない場合は、仏具店や遺品整理業者が提携寺院を紹介できるか確認しましょう。業者のスタッフが読経を代わりに行うことはできないため、どの寺院の僧侶が来るのかを具体的に聞いておくと安心です。

仏壇の中身チェックリスト|処分前に確認するもの

仏壇の引き出しや台座の下は、家の中で「大事なものをしまう場所」になりがちです。相続手続きで必要な書類が出てくることもあるため、閉眼供養の後、搬出の前に次の項目を確認してください。印刷して使えるようにまとめました。

確認 探す場所 出てきやすいもの 見つかったら
□ 上段・中段 ご本尊(仏像・掛け軸)、位牌、過去帳、法名軸 処分せず別に保管し、菩提寺に扱いを相談
□ 引き出し(左右・中央) 通帳、印鑑、キャッシュカード、現金、保険証券 相続財産。家族に共有し、勝手に使わない
□ 台座の下・地袋(下の戸棚) 権利証(登記済証)、株券、契約書、借用書 相続手続き・名義変更で必要。まとめて保管
□ 隠し引き出し・二重底 へそくり、貴金属、記念硬貨 現物と金額を写真で記録し、家族で共有
□ 扉の裏・天井部分 お札、お守り、手紙、写真 形見として残すか、お焚き上げに出す
□ 仏具の中・下 りん・香炉の下に挟まれたメモ、鍵 鍵は貸金庫や金庫のものかを確認
□ 周囲 遺影、骨壺(分骨)、手元供養品 遺骨はごみとして出さず、菩提寺・霊園に相談

見つかった財産や書類は、財産目録に書き出しておくと、遺産分割の話し合いや相続税の申告要否の判断に使えます。

位牌・仏具・掛け軸・遺影はどう扱う?

仏壇本体より判断に迷うのが、中に納められていたものです。品目ごとの一般的な扱いを整理します。

品目 主な選択肢 注意点
位牌 閉眼供養のうえお焚き上げ/寺院で永代供養/小さな繰り出し位牌や過去帳にまとめて手元に残す 浄土真宗では過去帳への記載が基本。詳しくは位牌の処分方法
ご本尊(仏像・掛け軸) 新しい小型仏壇に移す/菩提寺に納める 自己判断で処分せず、寺院に相談するのが基本
仏具(りん・香炉・花立て・燭台) 新しい仏壇で使い続ける/自治体の区分で処分/金属製は買取の対象になることも 品目別の作法は仏具の処分方法
過去帳・法名軸 家系の記録として保管/写真に撮ってから寺院に相談 先祖の法名・命日を確認できる唯一の記録であることが多い
遺影 写真だけ残して額を処分/データ化して原本をお焚き上げ 大量の写真は遺品の写真・アルバムの整理を参考に
お札・お守り・神棚 授かった神社・寺院に返納/お焚き上げ 神棚は神棚の処分方法

お焚き上げは寺院や神社に持ち込むほか、郵送で受け付ける寺院もあります。依頼先の探し方はお焚き上げ寺院の探し方で解説しています。

処分しない選択肢|買い替え・小型化・永代供養

「大きな仏壇は置けないが、手を合わせる場所はなくしたくない」という場合は、処分ではなく形を変える方法があります。

  • 上置き型・壁掛け型への買い替え:マンションや施設の居室にも置けるサイズ。購入先の仏具店に古い仏壇の引き取り条件を聞くと、処分費を抑えられることがあります。
  • ご本尊と位牌だけを移す:仏壇本体は手放し、ご本尊・位牌・過去帳だけを棚の上などに安置する方法です。浄土真宗ではご本尊を中心に考えるため、手次寺に移し方を相談してください。
  • 位牌を寺院の永代供養に:継ぐ人がいない場合の選択肢です。制度の違いは永代供養とはを参考にしてください。
  • 手元供養:小さな写真立てや位牌で、日常の中に供養の場を残す方法です(手元供養とは)。

お墓も同時に整理する予定なら、順番と費用を実家じまいと墓じまいを同時に進める方法で確認しておくと、閉眼供養の読経を一度にまとめられる場合があります。

悪質な回収業者に注意|「無料回収」と許可の確認方法

仏壇は重くて運びにくいため、「仏壇も無料で回収します」という巡回トラックやチラシに頼りたくなりますが、ここはトラブルが多い部分です。

環境省は「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」として、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物処理業の許可(または委託)が必要で、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できないと注意を呼びかけています。廃棄物処理法7条は一般廃棄物の収集運搬業に市町村長の許可を求めており、無許可営業には罰則もあります。名古屋市も「市の許可業者が粗大ごみなどの巡回回収をすることはありません」と明記しています。

業者の案内 確認すること
「無料回収」「なんでも引き取ります」 積み込み後に高額請求されないか。処分先を答えられるか
「古物商許可あり」「産廃許可あり」 それだけでは家庭のごみは回収できない。実家のある市区町村の一般廃棄物収集運搬の許可、または許可業者との提携の有無
「供養もまとめてやります」 どの寺院の僧侶が読経するのか、供養費が別料金か
見積書が「一式○円」だけ 搬出費・処分費・供養費・出張費が分かれているか。追加料金が発生する条件は何か

許可の見分け方は遺品整理業者に必要な許可・資格、よくある手口は遺品整理の悪徳業者の手口と見分け方で詳しく解説しています。

仏壇の処分は誰が決める?祭祀財産と相続放棄の注意点

この章は、監修者(司法書士・行政書士)の確認範囲である法律上の扱いです(相続税の扱いに触れた部分は監修範囲外で、国税庁の公表情報にもとづきます)。

仏壇は「祭祀財産」|遺産分割とは別に承継される

民法897条は、系譜(家系図など)・祭具(仏壇や位牌など)・墳墓の所有権は、相続の一般原則とは別に、慣習に従って「祖先の祭祀を主宰すべき者」(祭祀承継者)が引き継ぐと定めています。亡くなった人が承継者を指定していればその人が、慣習が明らかでなければ家庭裁判所が定めます。

つまり、仏壇をどうするかを最終的に決める立場にあるのは祭祀承継者です。兄弟全員の同意が法律上の要件になっているわけではありませんが、実家を離れた兄弟や親戚が後から知ってトラブルになる例は多いため、写真を共有して事前に一声かけておくのが現実的です。なお税金の面(監修範囲外)では、国税庁のタックスアンサー(No.4108)が、日常礼拝をしている仏壇・仏具を相続税のかからない財産としています。ただし骨とう的価値があり投資の対象となるものなどは除かれるため、高額な仏具がある場合は税理士に確認してください。

相続放棄を考えているなら「中身」に注意

相続放棄は、原則として自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります(民法915条。家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることも可能)。その前に相続財産を処分すると、単純承認(財産も借金もすべて引き継ぐこと)をしたとみなされるおそれがあります(民法921条1号)。

仏壇そのものは祭祀財産で相続財産とは別に扱われるため、閉眼供養や仏壇本体の処分が直ちに相続財産の処分にあたるとは一般に考えられていません。ただし、骨とう的価値のある仏具を売却する場合など、祭祀財産といえるか判断が分かれうるケースもあります。注意が必要なのは仏壇の中に入っている現金・通帳・貴金属などで、これらは相続財産です。使ったり売ったりすると、相続放棄ができなくなる可能性があります。また、相続放棄をした人でも、放棄の時に現に占有している相続財産は、他の相続人などに引き渡すまで保存する義務を負います(民法940条)。

嫁いだ娘・次男など「承継者以外」が実家の仏壇を処分するとき

「嫁ぎ先に仏壇があるので、実家の仏壇を処分したい」「長男が遠方にいて、近くに住む自分が片付けることになった」という相談もよくあります。この場合は、まず誰が祭祀承継者なのかを家族で確認し、承継者の了解を得たうえで、実際の手配を近くに住む人が担う形にすると揉めにくくなります。親が遺言やエンディングノートで承継者を指定していないかも確認しましょう。指定がなく慣習も明らかでない場合は、家庭裁判所が承継者を定めます(民法897条2項)。話し合いがつかないときは、家庭裁判所の調停・審判で承継者を決める方法があります。兄弟間の話し合いの進め方は相続で兄弟が揉める典型パターンも参考になります。

相続放棄を検討している場合は、仏壇の中身を確認したら写真で記録して手をつけず、仏壇の処分を進める前に司法書士・弁護士へ相談してください。どこまで片付けてよいかは相続放棄するなら遺品整理はどこまでできる?で整理しています。

実家を売る・片付けるときの順番|逆算スケジュールと費用シミュレーション

仏壇の処分を実家じまいの中に組み込むときは、順番を間違えると二度手間になります。家の売却や解体を予定している場合の標準的な流れは次のとおりです。

時期の目安 やること 理由
引き渡し・解体の3か月前まで 相続人と祭祀承継者を確認し、仏壇の方針(処分・小型化・永代供養)を親族で共有する 後から反対が出ると、供養や搬出の日程を組み直すことになる
2か月前まで 菩提寺に閉眼供養を相談。お盆・お彼岸の時期は予約が埋まりやすい 僧侶の日程が最も動かしにくい
1〜2か月前 仏壇の中身を確認(上のチェックリスト)。家財全体の見積もりを取る 書類・貴重品を確保してから業者を入れる
作業日 閉眼供養→仏壇の搬出→家財の搬出を同じ日か近い日に 立ち会いや帰省の回数を減らせる
搬出後 売却査定・解体の見積もり、相続登記 空の状態のほうが査定・解体見積もりが正確になる

全体の手順は実家じまいの手順7ステップで、家財を残したまま売る方法は残置物はそのまま売却できる?で解説しています。

遠方に住んでいて立ち会えない場合

実家が遠い場合、閉眼供養・中身の確認・搬出のたびに帰省するのは負担が大きくなります。次の3点がそろっていれば、現地に行く回数を1回か、場合によってはゼロにできます。

  • 菩提寺、または業者が手配する僧侶と電話で日程を決められる(読経に立ち会えない場合の扱いも事前に相談)
  • 写真や動画で見積もりを出し、作業中・作業後も写真で報告してくれる依頼先を選ぶ
  • 鍵の受け渡し方法と、仏壇の中から出てきた貴重品・書類の返送方法を決めておく

遠方からの片付け全体の進め方は実家の片付けが遠方で進まない人へにまとめています。

ケース別の費用シミュレーション

自治体の手数料は公式サイトの額、それ以外は一般的な目安を組み合わせた概算です。

ケース 内訳 合計の目安
A. 名古屋市・中型仏壇・菩提寺あり・家族で搬出 お布施1万〜5万円+粗大ごみ手数料2,000円(2026年10月収集分から) 約1.2万〜5.2万円
B. 大阪市・上置き型仏壇・菩提寺なし・仏具店で買い替え 新しい仏壇の購入費+提携寺院の供養(お布施の目安1万〜5万円)+古い仏壇は下取り・引き取り(無料〜数千円のことも)または粗大ごみ1,000円 買い替え費用+約1万〜5万円
C. 遠方の実家・3LDK戸建て・家財ごと片付け 当事務局の実家じまい代行パック(3LDKまで49.8万円・税別)。仏壇1基分のご供養を含む 49.8万円(税別)〜。基準物量を超える場合は作業前に単価を提示

ケースCのように家財全体の片付けと一緒に進めると、仏壇だけ別の業者に頼むより搬出の人員・車両をまとめられます。当事務局の実家じまい代行パックは、スタンダード(3LDKまで49.8万円・税別)以上のプランに、提携寺院の僧侶による仏壇1基分の閉眼供養とお引き取りが含まれ、お立ち会いは不要でご供養の様子を写真でご報告します。位牌・遺影・人形・神棚などの合同供養にも対応しています。ライト(2DKまで)を含むプランごとの内容は、お見積もりの際に確認できます(料金の一覧は料金表)。

一方で、仏壇が小型で運び出せる、菩提寺が近くにある、という場合は業者に頼む必要はありません。供養を菩提寺に頼み、本体は粗大ごみに出すのが最も安い組み合わせです。仏壇と一部の家財だけを片付けたい場合は遺品整理サービスで、写真から概算をお出しします。

よくある質問

仏壇の処分は無料でできますか?
条件がそろえば本体の処分費は無料にできます。自治体の処理施設への持ち込みに無料枠がある場合(奈良市は家庭ごみ100kgまで無料)や、仏具店が買い替え時に引き取る場合などです。ただし持ち込みは「原則としてその住居に住む人に限る」などの条件や、一時的な受入制限(奈良市は2026年11月30日まで可燃性の大型ごみの一部を受け入れ停止)がある場合もあり、閉眼供養のお布施は別にかかると考えておきましょう。戸別収集の粗大ごみなら大阪市1,000円、名古屋市は2026年10月収集分から2,000円です。
仏壇を廃棄するのにいくらかかりますか?
自分で粗大ごみに出すなら1基1,000〜2,000円程度(大阪市1,000円、名古屋市は2026年10月収集分から2,000円)が一例です。閉眼供養のお布施は1万〜5万円程度がよく示される目安ですが、公的な基準はありません。仏具店や遺品整理業者に搬出まで任せると、仏壇単体で数千円〜数万円が目安で、大きさや階段作業の有無で変わります。
仏壇を処分したいのですが、まず何をすればいいですか?
最初に、誰が仏壇の今後を決めるか(祭祀承継者)を家族で確認し、方針を共有します。次に菩提寺があれば閉眼供養を相談し、引き取りまで頼めるかを聞きます。供養の後、引き出しや台座の下に通帳・権利証・現金などが残っていないか確認してから、粗大ごみ・仏具店・業者のどれで搬出するかを決めると二度手間になりません。
閉眼供養(魂抜き)をしないで処分してもいいですか?
閉眼供養を行うかどうかに法律上の決まりはなく、供養せずに粗大ごみに出しても違法ではありません。ただ、親族の気持ちの区切りとして行う家庭が多く、後から「なぜ供養しなかったのか」と揉めるのを避ける意味もあります。浄土真宗の場合は、本願寺派が「僧侶が魂を入れるのではない」と説明しているように考え方が異なるため、手次寺に作法を確認してください。
浄土真宗でも閉眼供養は必要ですか?
浄土真宗本願寺派の公式サイトは、新しい仏壇にご本尊を迎える法要を「入仏法要」と呼び、僧侶が仏さまの「魂」を入れるのではなく「お魂入れ」「お性根入れ」とは言わないと説明しています。そのため一般的な「魂抜き」とは考え方が異なりますが、仏壇を手放す際の作法は同サイトに記載がなく、寺院によって呼び方や勤め方が違います。大谷派など他の派も含め、所属する手次寺に確認してください。
嫁ぎ先に仏壇があり、実家の仏壇を処分したいのですが問題ありますか?
仏壇は民法897条の祭祀財産で、慣習や故人の指定に従って祭祀承継者が引き継ぎます。まず誰が承継者かを兄弟や親族で確認し、了解を得たうえで、近くに住む人が手配を担う形にすると揉めにくくなります。指定がなく慣習も明らかでない場合は家庭裁判所が定めるとされ(同条2項)、話し合いがつかないときは家庭裁判所の調停・審判を利用できます。
相続放棄をする予定ですが、仏壇を処分しても大丈夫ですか?
仏壇本体は祭祀財産で相続財産とは別に扱われるため、処分が直ちに相続財産の処分にあたるとは一般に考えられていません。ただし仏壇の中の現金・通帳・貴金属は相続財産で、使ったり売ったりすると単純承認とみなされるおそれがあります(民法921条)。中身は写真で記録して手をつけず、処分前に司法書士・弁護士へ相談してください。
無料回収の業者に仏壇を引き取ってもらってもいいですか?
おすすめしません。環境省は、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物処理業の許可や委託が必要で、産業廃棄物処理業や古物商の許可では回収できないと注意を呼びかけています。巡回トラックの「無料回収」では積み込み後の高額請求や不法投棄のトラブルもあるため、実家のある市区町村の許可の有無を確認してください。
位牌や遺影も仏壇と一緒に処分していいですか?
位牌はご本尊と同様、閉眼供養のうえお焚き上げや寺院の永代供養にする家庭が多く、仏壇と一緒に粗大ごみに出すのは避けるのが一般的です。遺影は写真を残して額だけ処分する、データ化して原本をお焚き上げするなどの方法があります。浄土真宗本願寺派は公式サイトで「位牌を用いない」とし、法名などは過去帳に記すと説明しているため、手次寺に相談してください。

まとめ

  • 仏壇処分の方法は、菩提寺・仏具店・遺品整理業者・粗大ごみ・持ち込み・買取・お焚き上げの7つ。「供養」と「搬出・処分」を分けて考えると選びやすい
  • 粗大ごみの手数料は大阪市1,000円、名古屋市は2026年10月収集分から2,000円(9月収集分までは1,000円)。自治体ごとに区分と金額が違う
  • 持ち込みの無料枠がある自治体もあるが、「原則としてその住居に住む人に限る」などの条件や一時的な受入制限(奈良市は2026年11月30日まで)に注意
  • 閉眼供養は法的義務ではない。浄土真宗(本願寺派)は僧侶が「魂」を入れるという考え方をとらないと説明しており、手放す際の作法は手次寺に確認する
  • お布施は1万〜5万円程度がよく示される目安だが、公的な基準はなく、寺院に尋ねてよい
  • 仏壇は民法897条の祭祀財産。ただし中の現金・通帳は相続財産なので、相続放棄を考えているなら手をつける前に専門家へ
  • 家庭のごみの回収には市区町村の許可が必要。無料回収の巡回業者や古物商許可だけの業者には処分を頼まない
  • 実家じまいと重なるなら、方針共有→閉眼供養の予約→中身確認→搬出→査定・解体の順で逆算する

仏壇は、家族が長く手を合わせてきた場所です。費用だけで決めず、親族と方針を共有し、供養と処分の段取りを分けて考えれば、落ち着いて手放すことができます。

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この記事を書いた人

安心実家じまい事務局です。実家の片付けや遺品整理、空き家になった家の処分について、はじめての方にも分かるように記事を書いています。提携している現場の業者や司法書士と一緒に、費用の相場・自治体のごみ出しルール・補助金といった、調べてもなかなか分かりにくいところを一つずつ確かめながらまとめています。「誰に頼めばいいか分からない」という段階のご相談も、LINEやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
運営は株式会社Sora Capital(東京都渋谷区・安心実家じまい事務局)です。相続・登記・法務に関する記述は、提携の司法書士・行政書士 久留慎一郎が監修しています。税額の計算や申告の判断は、税理士にご確認ください。

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